死亡慰謝料という言葉をご存知でしょうか?
交通事故などにおいて相手方を死亡させてしまった場合などに支払われる慰謝料が「死亡慰謝料」です。
この「死亡慰謝料」ですが、医療事故を原因として死亡した場合にも請求することが出来ます。
医療事故における死亡慰謝料の相場
医療事故における死亡慰謝料では、亡くなられた方の家庭内での役割に応じた相場が設けられています。
一家の支柱として経済的に支えていた方の場合は、死亡慰謝料相場は2,800万円とされます。
そして、母親や配偶者の場合は2,500万円、独身男女・子どもの場合は2,000万円から2,500万円が相場です。
医療事故における死亡慰謝料の難しさ
医療事故における死亡には、特有の難しさがあります。
例えば、「医療事故が起こらなくても死亡に至る可能性があった」という主張や、「そもそも病院側に医療ミスは無かった」という主張を受ける可能性があるためです。
交通事故もその過失や故意の判定は容易ではありませんが、医療事故の場合は、亡くなられた方の健康状態や、医療の専門性の高さから複雑化する可能性が高まります。
たとえば、「冬場、自宅で心筋梗塞を起こし、救急車で病院に運ばれたのち、適切な治療を尽くされたが死亡してしまった」というケースを考えてみましょう。
この場合、特に「適切な治療が尽くされた」という部分が論点になると考えられます。
第三者からみても明らかに「適切な治療が尽くされた」と言える場合は、病院側に慰謝料の請求はできないでしょう。
一方で、「病院側の対応にミスや落ち度があり、そのミスや落ち度がなければ命を落とさずに済んだ」と第三者から見ても主張できる際には、死亡慰謝料の請求が認められる可能性が出てきます。