臨床研究中核病院の概要とその取組状況
※令和元年度の業務報告書(令和2年度提出)を提出した臨床研究中核病院において作成
Table of Contents
北海道大学病院
病院概要
- 臨床研究中核病院承認日:平成30年3月23日
- 所在地:北海道札幌市北区北8条西5丁目
- 専門領域等の病院の特徴:全診療科を網羅した総合的診療体制
- 臨床研究支援部門の体制:123名
内訳
- 医師又は歯科医師8.5名
- 薬剤師9.5名
- 看護師19名
- 臨床研究コーディネーター9名
- モニター―名
- プロジェクトマネージャー(スタディーマネージャー)3名
- 治験・臨床研究業務担当者名メディカルライター ―名
- 研究倫理相談員―名
- 臨床検査専門員―名
- 研究監査担当者―名
- データマネージャー6名
- 生物統計家2名
- 薬事承認審査機関経験者1名
臨床研究中核病院としての特徴、ビジョン
北海道大学病院は、臨床研究中核病院として質の高い臨床研究を実施し、新規医療技術の創出に貢献しております。シーズ開発、非臨床試験、薬事対応から医師主導治験、特定臨床研究、市販後臨床試験の実施まで幅広く支援できる体制を構築しており、基礎から臨床に至る実用化研究過程で発生する様々な課題をフルサポートいたします。今後、臨床研究中核病院としての更なる体制整備を進め、研究基盤の強化と臨床研究の質の向上を目指します。
支援内容の紹介
- 非臨床試験から承認申請までの一貫した支援
- 非臨床試験、CMCのコンサルテーションや薬事支援
- プロトコールや手順書等の文書作成支援
- 臨床研究や医師主導治験のプロジェクトマネジメント
- データマネジメント、モニタリング、監査等の中央機能支援
- 統計相談、症例数設定、統計解析の支援
- CPC、バイオバンク、Phase I unitを活用した研究開発、治験支援
先進医療への対応
「臨床研究プロトコール作成支援室」に先進医療担当者を配置し、必要に応じて非臨床や臨床薬理の専門家も参画し、企画・立案から試験実施計画書等の作成まで、適切に先進医療を実施できる支援体制を整備している。
国際共同臨床研究・治験の実施状況
「国際共同開発推進室」を設置し、国際共同開発や臨床研究に関する相談、支援体制を整備している。先端技術開発センター生体試料管理室(バイオバンク)の機能を活用し、2件の国際共同臨床研究支援を行っている。
ベンチャー企業への支援実施状況
臨床研究支援部門にベンチャー支援窓口を設置し、クリニカルニーズや臨床実態を踏まえた助言等の医学的評価、およびプロトコル作成支援、薬事相談等の臨床研究支援機能の提供を行う体制を整備している。具体的には北大発の創薬支援、脳梗塞再生医療の開発、歯科での生体吸収材量の開発を目指す各ベンチャー企業の支援を実施している。
拠点の支援を活用し、薬事承認等に結びついた事例
- 特定臨床研究の研究開始時期の研究相談支援として「臨床研究プロトコール作成支援室」がその対応にあたるが、既承認の慢性疾患に対する治療薬に、特定の腫瘍に対する増殖抑制効果があるとの経験的な観察結果を基に、適応外の研究が可能かどうかの相談があった。研究者とプロトコールを協働で作成する過程で、試験を計画した背景の根拠が乏しいことが論文情報により補完がなされた。また、研究における投与量についても当初計画から修正がなされて、結果としてスムーズな研究開始を支援することが可能となった。
- これまで2件の再生医療等製品の医師主導治験において、再生医療等製品の製造開発を支援し、うち1件は治験製品の製造・提供を行い、治験遂行に貢献した。また、再生医療等安全確保法による他施設共同臨床研究1件で、細胞加工物の製造開発を支援し、臨床研究の遂行に貢献した。