現代のデジタル社会を生きる私たちは、日々、様々な形でコンピュータの恩恵を受けています。スマートフォンで友人と連絡を取り、パソコンで仕事の文書を作成し、クラウド上のサービスを利用して膨大な情報を検索します。これらの活動はすべて、「プロセッサ」と呼ばれる小さな半導体チップの働きによって支えられています。長い間、コンピュータの世界では、中央処理装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)という万能なプロセッサが、あらゆる計算処理を担う中心的な存在でした。
しかし、近年、その状況は大きく変化しています。私たちの周りには、CPUだけでなく、GPU、NPU、TPUといった、アルファベット3文字の似たような名前を持つプロセッサが次々と登場し、それぞれが重要な役割を担うようになりました。これらの名称は、プロセッサの機能や役割に由来しており、その登場は、コンピュータが解決すべき課題が、より複雑で専門的になったことの現れです。かつては一人の指揮者で十分だったオーケストラが、今や、特定の楽器パートを専門に指導する複数の副指揮者を必要とするようになったのです。
この記事は、皆さんと一緒に、このプロセッサの多様化という現象の核心に迫る旅に出ることを目的としています。CPUとは一体何であり、なぜそれだけでは不十分になったのでしょうか。GPU、NPU、TPU、そしてデータセンターで活躍するDPUは、それぞれどのような問題を解決するために生まれ、どのような特徴を持っているのでしょうか。
本記事では、これらのプロセッサ一つひとつについて、それぞれの役割と違いを解説していきます。
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万能なる指揮者 ― 中央処理装置(CPU)の役割と現在
コンピュータの「頭脳」とは何か
コンピュータシステムの中核を成す最も重要な部品、それがCPU(Central Processing Unit)、日本語では中央処理装置と呼ばれるものです。CPUは、しばしばコンピュータの「頭脳」に例えられますが、その役割はまさにその言葉通り、システム全体の思考と制御を司ることにあります 1。
CPUの主な機能は、「制御」と「演算」の二つに大別されます。まず「制御」とは、コンピュータに接続されたあらゆる構成要素、例えばデータを一時的に記憶するメモリ、長期的に保存するハードディスクやSSD、そして私たちが直接操作するマウスやキーボード、情報を表示するディスプレイといった周辺機器のすべてを管理し、命令を出す役割です。CPUはこれらの機器が協調して正しく動作するように、絶えず指示を送り続けています。
次に「演算」とは、メモリからプログラムの命令やデータを読み出し、それを解釈して計算処理を実行する機能です。この計算には、足し算や引き算のような単純な算術演算から、条件によって処理の流れを変える論理演算まで、非常に多岐にわたる複雑な処理が含まれます。CPUは、これらの命令を一つひとつ順番に、極めて高速に実行する「逐次処理」を得意としています。この汎用性の高さこそがCPUの最大の特徴であり、文書作成、ウェブサイトの閲覧、プログラミング、OSの管理といった、私たちがコンピュータで行うほとんどすべての基本的なタスクを可能にしているのです 1。
このように、CPUはコンピュータシステム全体の司令塔として機能し、その性能がコンピュータ全体の処理能力を大きく左右します。そのため、CPUはコンピュータの構成要素の中で最も多くの電力を消費する部品の一つでもあります。この万能なる指揮者がいなければ、他のいかなる部品もその役割を果たすことはできず、コンピュータは単なる箱に過ぎなくなってしまうのです。
絶え間なき競争:IntelとAMDの覇権争い
CPUの市場は、長年にわたり、二つの巨大企業による熾烈な競争の舞台となってきました。その主役は、世界最大の半導体メーカーであるIntel(インテル)と、その強力なライバルであるAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)です 2。
Intelは、「Pentium」や「Core」といったブランドで長らく市場を牽引し、その名はCPUの代名詞とも言えるほどの圧倒的な知名度とシェアを誇ってきました。特に、一つの処理を高速にこなすシングルコア性能において高い評価を受け、特にPCゲームなどではIntel製CPUが優位とされる時代が長く続きました 2。
しかし、2010年代後半、AMDが「Ryzen(ライゼン)」シリーズを発表したことで、市場の勢力図は劇的に変化し始めます。「Zen」と呼ばれる革新的なアーキテクチャを採用したRyzenは、多くのコアを搭載することで、複数の処理を同時にこなすマルチコア性能においてIntelを凌駕しました 2。動画編集や3Dレンダリング、ソフトウェア開発といった、多くのコアを有効に活用できる作業において、Ryzenは優れたコストパフォーマンスを発揮し、クリエイターや専門家から絶大な支持を集めました。
この競争は近年さらに激化しています。ドイツの大手PCパーツ販売店のデータが示すように、特定の期間においてはAMD製CPUの販売台数がIntelを10倍以上も上回るという衝撃的な状況も報告されています 4。市場調査会社のデータを見ても、AMDはデスクトップCPU市場や、特に重要性が増しているサーバー市場で着実にシェアを拡大しており、売上高においてもIntelに迫る勢いを見せています 4。
このAMDの躍進を支えているのは、単なる性能だけではありません。AMDは、CPUを取り付けるマザーボードの規格(ソケット)を長期間維持する戦略をとっています。例えば、「ソケットAM5」という規格は2027年まで新しいCPUに対応することが約束されており、ユーザーはマザーボードを買い換えることなく、CPUだけを最新のものにアップグレードできます 2。これは、比較的短い周期でソケット形状を変更してきたIntelの戦略とは対照的であり、ユーザーの投資を保護する姿勢として高く評価されています 2。
さらにAMDは、「3D V-Cache」という独自の技術を導入しました。これは、CPU内部のキャッシュメモリを三次元的に積み重ねることで大容量化し、特にゲーム性能を劇的に向上させる技術です 2。これにより、かつてIntelの独壇場であったゲーミング性能においても、AMDは互角以上の戦いを演じるようになり、多くのゲーマーの心を掴んでいます。この技術革新と戦略的な製品展開が、Intelの長年の牙城を揺るがし、CPU市場をかつてないほど活性化させているのです。
新たな挑戦と変化の兆し
IntelとAMDによるx86アーキテクチャの覇権争いが続く一方で、CPUの世界には地殻変動とも言える大きな変化の波が押し寄せています。その一つが、これまで主にスマートフォンやタブレットで採用されてきたARM(アーム)アーキテクチャの台頭です。省電力性能に優れるARMベースのプロセッサは、近年その性能を飛躍的に向上させており、Appleが自社のMacに搭載したMシリーズチップの成功を皮切りに、PCの領域でもその存在感を増しています。QualcommやMediaTekといった企業も高性能なARMチップの開発を加速させており、長年続いたx86の支配体制に風穴を開ける可能性を秘めた、第三の勢力として注目されています 4。
この新たな挑戦者に対抗し、そして現代のコンピューティングが直面する最大の課題、すなわち人工知能(AI)の処理に対応するため、CPU自身もまた、その在り方を大きく変えようとしています。その象徴が、AI処理に特化した「NPU(Neural Processing Unit)」をCPUの内部に統合する動きです。Intelは2024年に発表した「Core Ultra」シリーズで、初めてデスクトップ向けCPUにNPUを搭載しました 2。これは、CPUがもはや単一の汎用プロセッサではなく、AI処理のような特定のタスクを専門の回路に任せる「ヘテロジニアス(異種混合)コンピューティング」へと舵を切ったことを明確に示しています。CPUの役割が、すべての計算を自ら行うことから、内蔵されたGPUやNPUといった専門家にタスクを効率的に振り分ける、より高度な指揮者へと進化し始めているのです。
このような大きな環境変化は、長年のライバル関係にあったIntelとAMDの間に、驚くべき協調関係をもたらしました。2024年10月、両社はx86アーキテクチャの未来を共に築くため、「x86 Ecosystem Advisory Group」の設立を発表したのです 7。これは、ARMという共通の脅威に対し、x86という巨大なエコシステム全体を守り、発展させていくという強い意志の表れと言えます。CPUの世界は、二社間の競争という単純な構図から、アーキテクチャそのものの存続をかけた、より複雑で戦略的な時代へと突入しているのです。
並列処理の巨人 ― グラフィックス処理装置(GPU)の革命
映像表現から科学計算へ
CPUが複雑な命令を一つひとつ順番に処理する「万能な指揮者」であるならば、GPU(Graphics Processing Unit)は、単純な作業を何千人もの兵士が一斉に行う「巨大な軍団」に例えることができます。GPU、すなわち画像処理装置は、その名の通り、元々はコンピュータグラフィックスを高速に描画するために生まれました 1。
リアルな3Dグラフィックスを画面に表示するためには、画面を構成する数百万個の画素(ピクセル)一つひとつに対して、光の当たり方や影の付き方といった計算を、一秒間に何十回も行わなければなりません。一つひとつの計算は比較的単純ですが、その数が膨大であるため、逐次処理を得意とするCPUでは到底間に合いません。そこで開発されたのがGPUです。GPUの内部には、「コア」と呼ばれる小さな計算ユニットが、CPUの数コアから数十コアとは比較にならないほど、数千個も搭載されています。これらのコアが一斉に並列して計算を行うことで、膨大なグラフィックス処理を瞬時に完了させることができるのです 8。
この「単純な計算を大規模に並列処理する」というGPUの能力は、やがてグラフィックスの世界を飛び越えて、科学技術計算の分野で注目されるようになります。例えば、気象予測、流体力学のシミュレーション、あるいは創薬のための分子構造解析といった分野では、計算領域を細かな格子に分け、それぞれで同じような計算を繰り返す手法が用いられます 9。これはまさに、GPUの並列処理能力が最大限に活かせるタスクでした。こうしてGPUは、映像表現のための特殊なプロセッサから、科学技術を加速させる汎用的な計算装置へと、その役割を大きく広げていったのです。この革命的なプロセッサを発明し、現在も市場をリードしているのがNVIDIA(エヌビディア)という企業です。
AI時代を切り開いた立役者
GPUがその真価を最も劇的に発揮した舞台、それが人工知能(AI)、特にディープラーニング(深層学習)の分野でした。2010年代に入り、ディープラーニングが大きな注目を集め始めたとき、研究者たちはある課題に直面していました。それは、人間の脳神経を模したニューラルネットワークを訓練するために必要な、途方もない量の計算です。
AIモデルの学習プロセスは、本質的には、膨大な数の行列演算を繰り返し行う作業です。これは、何千、何万という数字の組み合わせに対して、同じ種類の掛け算や足し算を何度も実行することを意味します。この計算パターンが、GPUがもともと得意としてきた並列処理の構造と奇跡的に合致したのです 10。CPUで実行すれば数週間から数ヶ月かかっていたAIモデルの学習が、GPUを使うことで数日、あるいは数時間にまで短縮されました。この計算速度の飛躍的な向上がなければ、今日のAI技術の目覚ましい発展はあり得なかったでしょう。
このAI革命において、NVIDIAが果たした役割は単なるハードウェアの提供に留まりません。同社は「CUDA(クーダ)」と呼ばれるソフトウェア開発プラットフォームを開発し、無償で提供しました。CUDAは、本来グラフィックス描画のために設計されていたGPUの並列計算能力を、AI研究者やプログラマーが容易に利用できるようにするものでした 1。この戦略的な一手が、NVIDIAの決定的な優位性を築き上げます。世界中の研究者がCUDAを基準にAIのソフトウェアやフレームワークを開発し、その成果を発表するようになりました。その結果、「AIの研究開発を行うならNVIDIAのGPUとCUDAを使う」という事実上の標準が確立されたのです。ハードウェアの性能と、それを支えるソフトウェアのエコシステムが強力な相乗効果を生み出し、NVIDIAをAI時代の絶対的な立役者へと押し上げたのでした。
市場を支配する緑の巨人
AIの波に乗り、その中心的な役割を担うことになったNVIDIAは、GPU市場において圧倒的な支配的地位を築き上げました。特に、AIモデルの学習や大規模なデータ処理が行われるデータセンター向けのGPU市場では、その存在感は絶大です。ある調査によれば、2024年初頭のデータセンターGPU市場において、NVIDIAのシェアは実に98%にも達すると報告されています 11。これはもはや独占に近い状態であり、現代のAIインフラがNVIDIAの技術の上に成り立っていることを如実に示しています。
一般的なPC向けのディスクリートGPU市場(CPUとは別に搭載される単体のGPU)においても、NVIDIAの「GeForce」シリーズは高い人気を誇り、市場全体の約8割から9割という非常に高いシェアを維持しています 12。
この緑の巨人NVIDIAに対し、長年のライバルであるAMDが「Radeon」シリーズで挑戦を続けています。AMDは、特にPCゲーミング市場において一定のシェアを確保しており、NVIDIAのシェアに食い込もうと画策しています 13。しかし、データセンター市場やAI分野におけるNVIDIAのエコシステムの壁は厚く、AMDは依然としてチャレンジャーの立場にあります 15。
Intelもまた、自社のGPUブランド「Arc」や、データセンター向けの「Gaudi」シリーズでこの巨大市場への参入を図っていますが、先行する二社、特にNVIDIAとの差は大きいのが現状です 15。さらに、Appleが自社製品向けに独自のGPUを設計するなど、新たなプレイヤーも登場していますが、市場全体を見渡したとき、NVIDIAの優位性は揺るぎないものとなっています。この圧倒的な市場支配力は、同社に莫大な収益をもたらし、その資金がさらなる研究開発へと再投資されることで、技術的な優位性をさらに強固なものにするという好循環を生み出しているのです。
AIのための専用頭脳 ― ニューラル処理装置(NPU)の登場
なぜGPUだけでは不十分だったのか
GPUがAIモデルの「学習」において革命的な役割を果たした一方で、その成功は新たな課題を浮き彫りにしました。それは、学習済みのAIモデルを実際に利用する「推論(inference)」の段階における効率性の問題です。
「学習」とは、膨大なデータセットを使ってAIモデルをゼロから訓練するプロセスであり、データセンターにある多数の高性能GPUを数日から数週間にわたってフル稼働させる、非常に計算負荷の高い作業です。一方、「推論」とは、その学習済みモデルを使って、個別のタスクを実行するプロセスを指します。例えば、スマートフォンのカメラで顔を認識してロックを解除する、撮影した写真の画質を自動で向上させる、あるいはリアルタイムで音声を文字に変換するといった処理がこれにあたります 8。
これらの推論処理は、学習とは対照的に、私たちの日常生活の中で、瞬時に、そして何度も繰り返し実行される必要があります。ここでGPUの持つ特性が問題となります。高性能なGPUは、絶大な計算能力を持つ代わりに、消費電力が非常に大きく、価格も高価です 16。スマートフォンのようなバッテリーで駆動する小型のデバイスに、データセンターで使われるような高性能GPUを搭載することは、消費電力や発熱の観点から現実的ではありません。たとえ搭載できたとしても、AI機能を使うたびにバッテリーが急速に消耗してしまうでしょう 16。
また、すべての推論処理をインターネット経由でクラウド上のGPUに任せる方法もありますが、これにはデータの送受信に伴う遅延(レイテンシ)が発生するため、リアルタイム性が求められる処理には向きません。さらに、顔や音声といった個人情報を常に外部のサーバーに送信することには、プライバシーの懸念も伴います 8。このように、AIをより身近な「エッジデバイス」で、低消費電力かつ高速に、そして安全に実行したいという強いニーズが生まれました。このニーズに応えるために、GPUとは異なる設計思想を持つ、新たな専用プロセッサが必要とされたのです。
「推論」に特化した効率性の追求
GPUでは解決が難しかった「効率的な推論」という課題に対する答え、それがNPU(Neural Processing Unit)、すなわちニューラルネットワーク処理装置です。NPUは、AI、特にニューラルネットワークの推論処理を実行するという、ただ一つの目的に特化して設計された専用プロセッサです 8。
NPUの設計思想は「選択と集中」です。CPUのような汎用性や、GPUのようなグラフィックス処理能力を潔く捨て去り、そのリソースをすべてAI推論の高速化と省電力化に注ぎ込んでいます。その最大の特徴は、ニューラルネットワークで頻繁に現れる計算パターン、特に行列の掛け算や畳み込み演算といった処理を、ハードウェアレベルで直接実行できる専用の回路を搭載している点にあります 8。これにより、CPUやGPUがソフトウェアでこれらの計算を行うよりも、遥かに高速かつ効率的に処理を進めることが可能です。
さらに、NPUは電力効率を最大化するために、「低精度演算」というアプローチを積極的に採用しています。AIの推論処理においては、GPUが得意とする32ビット浮動小数点(FP32)のような高い計算精度は必ずしも必要なく、多くの場合、16ビットや8ビットの整数(INT8)といった低い精度でも十分に実用的な結果が得られることが分かっています 16。計算の精度を下げると、一つの演算に必要な回路が小さくなり、消費電力も削減できます。その結果、同じ半導体の面積により多くの演算ユニットを詰め込むことができ、並列処理能力を高めることができるのです 16。
具体的な数値で比較すると、その差は歴然です。あるスマートフォンでの画像認識タスクにおいて、CPUでは約500ミリ秒の処理時間と約2ワットの電力を要したものが、GPUでは約50ミリ秒と約1.5ワットに短縮され、NPUではさらに高速な約30ミリ秒、そして消費電力はわずか約0.2ワットで実行できたという例もあります 8。この驚異的な電力効率こそがNPUの真価であり、バッテリー駆動のデバイスで高度なAI機能を長時間利用することを可能にする鍵なのです。
日常を変えるエッジAI
NPUの登場によって、「エッジAI」と呼ばれる新たなコンピューティングの形が現実のものとなりました。エッジAIとは、クラウド上の巨大なサーバーに頼るのではなく、スマートフォンやパソコン、自動車、IoT機器といった、ユーザーの手元にある「エッジデバイス」上でAI処理を完結させる技術のことです 19。
このエッジAIを支える心臓部がNPUです。NPUがデバイスに搭載されることで、AIアプリケーションの処理がネットワークを介さずにリアルタイムで実行できるようになり、私たちのデジタル体験は大きく向上しました。例えば、AppleがiPhoneに搭載している「Neural Engine」は、NPUの一種であり、顔認証システム「Face ID」や、写真の被写体を瞬時に認識して背景をぼかすポートレートモード、リアルタイムでの翻訳機能などを支えています 8。Qualcommが開発するスマートフォン向けプロセッサ「Snapdragon」に内蔵された「Hexagon NPU」も同様に、多くのAndroidスマートフォンで、カメラの高画質化や音声アシスタントの応答速度向上といった機能を実現しています 8。
この流れは、近年パソコンの世界にも急速に広がっています。Intelの「Core Ultra」シリーズやAMDの「Ryzen AI」搭載プロセッサは、CPU内部に高性能なNPUを統合しており、ビデオ会議での背景ぼかしやノイズ除去、あるいはOSの操作補助といったAI機能を、CPUやGPUに負荷をかけることなく、低消費電力で実行します 2。これにより、パソコンの全体的なパフォーマンスが向上し、バッテリーの持続時間も長くなるという利点が生まれます 19。
NPUによって実現されるエッジAIは、高速で応答性が高いだけでなく、ユーザーのプライバシー保護にも貢献します。個人情報を含むデータをデバイスの外部に送信する必要がないため、情報漏洩のリスクを低減できるのです 8。このように、NPUはAIを特別な技術から日常的なツールへと変え、私たちの生活をより便利で安全なものにする、重要な役割を担っているのです。
クラウドスケールの知能 ― Googleのテンソル処理装置(TPU)
Googleはなぜ独自のチップを作ったのか
NPUが主にエッジデバイスでのAI推論を効率化するために生まれたのに対し、クラウド、すなわち巨大なデータセンターのスケールでAI処理を最適化するために、全く異なる動機から開発されたプロセッサが存在します。それが、Googleが独自に設計したTPU(Tensor Processing Unit)、テンソル処理装置です。TPUは、広義にはNPUの一種ですが、その誕生の背景には、世界最大級のインターネット企業であるGoogleが直面した、極めて切実な経営課題がありました。
2010年代中頃、Googleは自社の主要サービスである検索、Googleフォト、Google翻訳などに、ディープラーニングに基づくAI機能を次々と導入し始めました。これらのサービスは、世界中の何十億というユーザーから、毎日、膨大な数のリクエストを受け付けます。もし、ユーザーが音声検索を行うたびに、その推論処理を当時主流だった市販のGPUで行っていたと仮定すると、Googleはデータセンターの数を倍増させなければならなくなる、という試算が出ました。これは、コストの観点からも、消費電力の観点からも、到底受け入れられるものではありませんでした。
つまり、GoogleにとってAIの活用は、サービスの質を向上させるための重要な戦略であると同時に、何もしなければ運用コストを爆発的に増大させる、諸刃の剣だったのです。この課題を解決し、自社のAI戦略を持続可能なものにするために、Googleは既存のプロセッサを購入するという選択肢を捨て、自社のワークロードに完璧に最適化された、世界で最も効率的なAIチップを自ら設計するという、大胆な決断を下しました。こうして、Googleのサービスと運命を共にする、TPUが誕生したのです。それは、単なる技術的な探求心からではなく、ビジネス上の戦略的な必要性から生まれた、究極のカスタムチップでした。
行列演算に最適化されたアーキテクチャ
Googleが開発したTPUは、その名が示す通り、「テンソル(Tensor)」の計算に極限まで特化したアーキテクチャを持っています。テンソルとは、AI、特にニューラルネットワークの計算で基本となる、多次元の配列、すなわち行列の一般化された形です。TPUは、このテンソル演算を、他のいかなる処理能力をも犠牲にして、圧倒的な速度と電力効率で実行することだけを目的に設計されています 21。
その心臓部には「シストリックアレイ(Systolic Array)」と呼ばれる独自の演算ユニットが搭載されています。これは、データが心臓の鼓動のようにリズミカルに演算器の列を流れながら、行列の掛け算と足し算を一度にまとめて行う仕組みです。データがメモリとの間を行き来する回数を劇的に減らすことで、計算のボトルネックを解消し、驚異的な性能を引き出します。
TPUは、単体のチップとしてだけでなく、データセンター全体で一つの巨大な計算機として機能するように設計されている点も大きな特徴です。数百から数千、最新のシステムでは数万個ものTPUチップが、超高速の専用ネットワークで相互に接続され、「ポッド(Pod)」と呼ばれる巨大なクラスタを形成します 21。これにより、単一のAIモデルの学習や推論を、このポッド全体に分散して実行することが可能となり、個々のチップの性能を遥かに超える、エクサスケール級の計算能力を実現します。
この極端なまでの特化により、TPUはCPUやGPUが持つような柔軟性を失いました。しかし、Googleが最も重要視するニューラルネットワークの処理においては、他のどのプロセッサをも凌駕する性能とコスト効率を達成したのです。それは、あらゆる楽器を演奏できるゼネラリストではなく、ただ一つの楽器を神業のごとく奏でる、究極のスペシャリストと言えるでしょう。
世代ごとの進化とコスト効率
GoogleのTPUは、一度開発されて終わりではなく、AI技術の進化と自社サービスの要求に合わせて、世代ごとに戦略的な進化を遂げています。その進化の方向性を如実に示しているのが、第4世代のTPU v4から、第5世代のTPU v5eおよびv5pへの移行です。
2023年に発表されたTPU v5eは、特に「コスト効率」を重視して設計されました 22。Googleは、TPU v5eが前世代のTPU v4と比較して、推論処理においてドルあたりの性能が最大2.5倍向上し、処理の遅延(レイテンシ)は最大1.7倍低減したと発表しています 22。この驚異的なコスト効率の向上は、ハードウェアの改良に加え、int8(8ビット整数)のような低精度演算を最大限に活用するソフトウェアの最適化によって実現されました 22。これにより、Llama 2のような大規模言語モデル(LLM)や、Stable Diffusionのような画像生成AIの推論を、より低コストで大規模に展開することが可能になったのです。実際にGoogleのクラウドサービスを利用する企業からは、特定のワークロードにおいて、市場の同等ソリューションと比較して4倍ものドルあたり性能を達成したという報告も上がっています 22。
一方で、Googleは同じ第5世代として、より高性能なTPU v5pも発表しています。v5pは、v5eよりも高い性能を持ち、特に大規模なAIモデルの「学習」に主眼が置かれています 23。これは、AIの「学習」と「推論」では、求められる性能と経済性が異なるという事実を的確に捉えた戦略です。学習には初期投資として最高の計算能力が求められ、推論には運用コストとして最高の電力効率とコスト効率が求められます。
このように、TPUは世代を重ねるごとに、単に性能を向上させるだけでなく、AIのワークロードを学習と推論に分け、それぞれに最適化されたソリューションを提供するという、洗練された製品戦略を展開しています。これは、AIを自社のサービスで大規模に運用し続けるGoogleだからこそ可能な、経験に裏打ちされた進化の形と言えるでしょう。
データセンターの縁の下の力持ち ― データ処理装置(DPU)
クラウドがもたらした新たな課題
これまで解説してきたCPU、GPU、NPU、TPUは、主にアプリケーションの計算処理を高速化することに焦点を当てたプロセッサでした。しかし、現代のコンピューティングの中心地であるデータセンターでは、もう一つ、目には見えにくいながらも極めて重要な課題が深刻化していました。それは、データセンター内部を行き交う、膨大な「通信(トラフィック)」の管理です。
かつてのアプリケーションは、一つの大きなプログラムとしてサーバー上で動作する「モノリシック」な構造が主流でした。しかし、クラウドコンピューティングの時代になり、アプリケーションは「マイクロサービス」と呼ばれる、多数の小さな独立したサービスの集合体として構築されるようになりました 24。例えば、あるオンラインショッピングサイトは、「ユーザー認証」「商品検索」「在庫管理」「決済」といった、それぞれが独立したマイクロサービスで構成されています。
このアーキテクチャの変化は、データセンター内の通信の流れを根本的に変えました。ユーザーがウェブサイトにアクセスするような、データセンターの外部と内部の間の通信は「ノースサウストラフィック(南北トラフィック)」と呼ばれます。これに対し、マイクロサービス同士が連携するために、データセンター内部のサーバー間で行われる通信は「イーストウエストトラフィック(東西トラフィック)」と呼ばれます 24。マイクロサービス化が進んだ結果、このイーストウエストトラフィックが爆発的に増加し、今やデータセンター内の全トラフィックの7割から8割を占めるまでになったと報告されています 26。
この膨大なイーストウエストトラフィックの管理は、サーバーのCPUにとって、非常に重い負担となります。CPUは、本来の役割であるアプリケーションの実行に加え、ネットワークパケットの処理、ストレージへのアクセス制御、セキュリティポリシーの適用といった、大量のインフラ管理タスクにその貴重な計算能力を割かざるを得なくなってしまったのです。この「インフラ税」とも言える負荷が、データセンター全体の効率を低下させる、大きなボトルネックとなっていました。
CPUを解放する「第三の柱」
データセンターが直面する、インフラ処理によるCPUの負荷増大という課題。この問題を解決するために登場したのが、DPU(Data Processing Unit)、すなわちデータ処理装置です。DPUは、CPUやGPUとは全く異なる役割を担う、新しいクラスのプロセッサです 27。
DPUの核心的な役割は、CPUがこれまで担ってきたデータセンターのインフラ関連タスクを、CPUから肩代わり(オフロード)することにあります 28。具体的には、ネットワーキング、ストレージ、セキュリティといったデータ中心のタスクを、DPUがハードウェアレベルで高速に処理します。DPUは、それ自体がプログラム可能なマルチコアCPU、高性能なネットワークインターフェース、そして特定のタスクを加速する専用エンジンを一つに統合した、高度な「System-on-a-Chip(SoC)」なのです 30。物理的には、サーバーのネットワークカード(NIC)が高度に進化した「スマートNIC」として実装されることが多くあります 31。
NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、コンピューティングの未来を支える3つの柱として、CPU、GPU、そしてDPUを挙げています。彼の言葉を借りれば、「CPUは汎用計算のため、GPUは高速化された計算のため、そしてデータセンター内でデータを動かすDPUはデータ処理のためにある」のです 28。
CPUがアプリケーションのロジックを実行することに集中し、GPUがAIやグラフィックスのような大規模な並列計算に集中する。そして、それらの間で発生する膨大なデータの移動や、そのデータを守るためのセキュリティ、データを保存するためのストレージ管理といった、縁の下の力仕事はすべてDPUが引き受ける。この役割分担によって、CPUとGPUは本来の仕事に専念できるようになり、サーバー全体、ひいてはデータセンター全体の性能と効率が劇的に向上します。DPUは、CPUをインフラ管理の重税から解放し、コンピューティングの新たな時代を切り開く、まさに「第三の柱」なのです。
より効率的で安全なデータセンターへ
DPUを導入することは、データセンターに二つの大きな恩恵をもたらします。それは、「効率化」と「セキュリティの強化」です。
まず効率化の面では、DPUがネットワークトラフィックの管理やデータの暗号化・圧縮といった処理をハードウェアで実行するため、これらのタスクが大幅に高速化されます 31。CPUはこれらの処理から解放されるため、そのリソースをすべてアプリケーションの実行に振り向けることができ、結果としてシステム全体のパフォーマンスが向上します。これは、クラウドサービスを提供する事業者にとっては、より少ないサーバーでより多くの顧客を収容できることを意味し、運用コストの削減に直結します 32。
そして、より重要とも言えるのがセキュリティの強化です。従来のデータセンターでは、アプリケーションを実行するCPUが、同時にセキュリティポリシーの適用なども担っていました。これは、もし一つのアプリケーションがサイバー攻撃によって乗っ取られた場合、攻撃者がそのサーバーのCPUを足がかりにして、データセンター内の他のサーバーへと侵入を広げる「ラテラルムーブメント(水平移動)」のリスクが高いことを意味していました 33。
DPUは、この問題を根本的に解決します。DPUは、インフラストラクチャの制御を、アプリケーションが動作するCPUの領域から物理的に分離した、独立した処理環境で実行します。これにより、アプリケーションの脆弱性を突かれても、データセンターの根幹をなすネットワークやセキュリティの制御プレーンには影響が及ばない、強固な境界が生まれます 26。DPUは、ファイアウォール機能や暗号化処理をハードウェアレベルで実行し、サーバー間の通信を細かく制御する「マイクロセグメンテーション」を可能にすることで、たとえ侵入を許したとしても、その被害を最小限に食い止めることができるのです 24。
このように、DPUは単なる高速化のためのアクセラレータではなく、現代のデータセンターに不可欠な、効率性と安全性を両立させるための基盤技術となっています。NVIDIAの「BlueField」シリーズやIntelの「IPU(Infrastructure Processing Unit)」といった製品が、この分野をリードしており、クラウドコンピューティングやAIファクトリーと呼ばれる次世代のデータセンター構築において、中心的な役割を果たしていくことが確実視されています 29。
設計者と建設者 ― 現代プロセッサを支えるエコシステム
ファブレスという革命
ここまで、CPUからDPUまで、様々な目的のために生まれた特殊なプロセッサたちの物語を見てきました。しかし、ここである一つの大きな疑問が浮かび上がります。NVIDIA、AMD、Apple、Googleといった多種多様な企業が、なぜこれほどまでに複雑で最先端の半導体チップを、次々と開発することができるのでしょうか。その答えの鍵を握るのが、「ファブレス(fabless)」という画期的なビジネスモデルです。
「ファブ」とは、半導体を製造する工場(fabrication plant)のことを指します。そして「ファブレス」とは、その名の通り、自社で製造工場を持たない業態のことです 35。ファブレス企業は、プロセッサの「設計(デザイン)」と「販売・マーケティング」に経営資源を集中させ、実際の製造は外部の専門企業に委託します。彼らは、いわばプロセッサの「設計者」や「建築家」なのです。
半導体の製造工場を建設し、維持するには、数兆円規模という莫大な設備投資が必要であり、技術も極めて高度です。ファブレスというモデルは、この重厚長大な製造部門を切り離すことで、企業がより身軽になることを可能にしました 36。これにより、Appleのようなコンシューマー製品の会社や、Googleのようなソフトウェアの会社も、巨額の初期投資をすることなく、自社の製品やサービスに最適化された独自のプロセッサを設計し、市場に投入できるようになったのです。本記事で見てきたNPUやTPUの多くは、このファブレスというビジネスモデルがあったからこそ生まれ得た革新と言えます。このモデルは、半導体業界への参入障壁を下げ、イノベーションの担い手を多様化させる、まさに革命的な仕組みなのです 37。
世界の半導体を製造するファウンドリ
ファブレス企業が「設計者」であるならば、その精巧な設計図を元に、実際に半導体チップという建造物を造り上げる「建設者」が必要です。その役割を担うのが、「ファウンドリ(foundry)」と呼ばれる、半導体の受託製造を専門とする企業です 37。
ファウンドリは、世界中のファブレス企業から製造委託を受け、その設計通りに半導体を生産します。そして、このファウンドリ市場において、圧倒的な存在感を放っているのが、台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)です。
TSMCは、1987年に世界で初めて純粋なファウンドリビジネスを立ち上げたパイオニアであり、現在では世界最大のファウンドリ企業へと成長しました。その強みは、世界最先端の微細化技術と、巨大な生産能力にあります。ある統計によれば、TSMCはファブレス企業向けに製造される世界の半導体チップの55%以上を単独で生産しており、特に最先端のプロセッサにおいては、そのシェアはさらに高まります 37。
Apple、AMD、NVIDIA、Qualcommといった、今日のテクノロジー業界を牽引する主要なファブレス企業は、そのほぼすべてが、自社の最も重要な製品の製造をTSMCに依存しています 38。TSMCは、特定の顧客と競合する自社製品を持たない「純粋なファウンドリ」であるため、顧客は自社の設計情報(知的財産)が盗用される心配なく、安心して製造を委託することができます。この信頼関係と、他社の追随を許さない技術力が、TSMCを現代の半導体産業における、なくてはならない中核的な存在にしているのです。
イノベーションを加速する共生関係
ファブレスという「設計者」と、ファウンドリという「建設者」による分業体制は、現代の半導体業界に、イノベーションを絶えず加速させる強力な「共生関係(エコシステム)」を生み出しました。
ファブレス企業は、製造という重荷から解放されることで、研究開発(R&D)にリソースを集中させ、より革新的で高性能なチップの設計に専念できます 35。彼らは市場のニーズに迅速に対応し、GPU、NPU、TPUといった、特定の用途に特化した多様なプロセッサを次々と生み出すことができます。
一方、TSMCのようなファウンドリは、世界中の多種多様な顧客から注文を受けることで、巨大な生産規模を維持し、規模の経済を働かせることができます。これにより、製造コストを低減させると同時に、巨額の利益を次世代の製造技術開発へと再投資することが可能になります。このサイクルが、ファウンドリの技術的優位性をさらに高め、それがまたファブレス企業のイノベーションを支える、という好循環が生まれているのです 37。TSMCは、スタートアップ企業を支援する「イノベーションゾーン」のような取り組みを通じて、このエコシステムを積極的に育成しています 39。
このファブレスとファウンドリの共生関係こそが、本記事で見てきたプロセッサの驚くべき多様化と高性能化を支える原動力なのです。しかし、この極めて効率的な分業体制は、同時に一つの大きな課題も生み出しています。それは、最先端の半導体製造能力が、TSMCのある台湾という特定の一地域に極度に集中しているという、地政学的なリスクです。この事実は、半導体技術が単なる経済活動の域を超え、国家の安全保障をも左右する戦略的要衝となっている現代の世界情勢を象徴しています。
ヘテロジニアス・コンピューティングという未来
この記事を通じて、私たちは現代のコンピューティングを支える様々なプロセッサたちを見てきました。そこから見えてくるのは、かつてのように、CPUという単一の万能なプロセッサがすべての処理を担う時代は終わりを告げ、多種多様なプロセッサが協調して動作する「ヘテロジニアス・コンピューティング(異種混合計算)」の時代が到来した、という事実です。
これからのコンピュータシステムは、まさに一つのオーケストラのように機能します。
汎用性と複雑な逐次処理能力に長けたCPUは、システム全体の流れを管理し、各プロセッサにタスクを割り振る、オーケストラ全体の「指揮者」としての役割を担い続けます。
- 何千ものコアで単純な計算を並列に実行するGPUは、AIの学習や科学技術計算といった、最もパワーを要する場面で活躍する、力強い「金管楽器セクション」です。
- スマートフォンやPCといった身近なデバイスで、低消費電力かつ高速にAI推論を実行するNPUは、日々のタスクを軽やかにこなす、機敏な「木管楽器セクション」と言えるでしょう。
- データセンターの膨大な通信とセキュリティを縁の下で支えるDPUは、システム全体の安定した動作の基礎となる、正確な「リズムセクション」の役割を果たします。
- GoogleのTPUのような、さらに特化されたプロセッサは、特定の楽曲を完璧に演奏するために招かれた、名うての「ソリスト」に例えられます。
これらの異なる得意分野を持つプロセッサたちが、それぞれの能力を最大限に発揮し、互いに協調することで、初めて現代の高度なアプリケーションは成り立っています。そして、この多様なプロセッサの登場と進化を可能にしたのが、設計に特化する「ファブレス」と、製造を担う「ファウンドリ」という、見事な分業エコシステムでした。
私たちがこれから目にするであろう技術革新、例えば、より賢くなるAI、よりリアルになる仮想世界、そしてより安全で効率的なクラウドサービスは、すべてこのヘテロジニアス・コンピューティングという土台の上で花開いていくことでしょう。
引用文献
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