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東北大学病院
病院概要
- 臨床研究中核病院承認日:平成27年8月7日
- 所在地:宮城県仙台市青葉区星陵町1ー1
- 専門領域等の病院の特徴:がんゲノム・個別化医療、スマートホスピタル
- 臨床研究支援部門の体制:69名
内訳
- 医師又は歯科医師9.2名
- 薬剤師16.0名
- 看護師16.0名
- 臨床研究コーディネーター15名
- モニター ―名
- プロジェクトマネージャー(スタディーマネージャー) ―名
- 治験・臨床研究業務担当者 ―名
- メディカルライター ―名
- 研究倫理相談員 ―名
- 臨床検査専門員 ―名
- 研究監査担当者 ―名
- データマネージャー4名
- 生物統計家3名
- 薬事承認審査機関経験者6名
臨床研究中核病院としての特徴、ビジョン
東北大学病院は従前より医工連携を基盤とした我が国髄一の医療機器開発拠点を目指しており、院外に対し「医療機器に強い東北大学」を打ち出している。また、他の臨床研究中核病院はもちろんのこと、東北6県を始めとした拠点外の開発者とのネットワーク強化を図ると共に、ベンチャー企業が活用しやすい環境を整えている。さらに、本院は東北唯一の臨床研究中核病院であり、東北トランスレーショナルリサーチ拠点ネットワーク(TTN)を整備し、東北地区全体の治験・臨床研究の推進活性化に貢献している。
支援内容の紹介
東北大学病院では臨床研究推進センター(CRIETO)によりシーズ発掘・育成から臨床まで切れ目なく効率的に臨床研究を支援している。また、東京分室等を活用し、学内外問わず医療系ベンチャー企業を中心に開発案件への支援を推進している。一方で、より高い品質マネジメント体制を構築・管理すべく臨床研究監理センター(ACTO)を設置し、研究データ等の品質確保や被検者保護の面においても支援している。さらにACTOでは、治験・臨床研究推進のために必要となる専門人材を育成する教育・研修の実施を行い、質の高い治験・臨床研究を牽引、支援できる人材育成を推進している。
先進医療への対応
「東北大学病院における先進医療に関する手順書」を制定し、臨床研究監理センター(ACTO)保険外併用療養管理部門が相談窓口となり、研究者への支援体制を運用している。
国際共同臨床研究・治験の実施状況
- 2019年度契約中の治験について
- 企業治験:228件中国際共同治験148件
- 医師主導治験:30件中国際共同治験1件
ベンチャー企業への支援実施状況
- ベンチャー支援実績:H30年末6件→R1年末15件
- 医療機器ベンチャー教育(育成)事業における2019年度支援ベンチャー
- 株式会社クアトロメディカルテクノロジーズ(支援内容:開発コンセプトの明確化に関する相談、研究費や投資家への説明のための説明戦略)
- 株式会社マリ(支援内容:PMDA相談資料の作成支援、ベンチャーキャピタルからの大型の資金獲得)
- ジェリクル株式会社(支援内容:臨床現場のニーズと適切な製品の価値を設定するためのメンタリング、開発方針の再設定)
- バイオチューブ株式会社(支援内容:PMDA対応などデータパッケージを含めた薬事戦略に関する相談)
拠点の支援を活用し、薬事承認等に結びついた事例
シーズ名「難治性耳管開放症に対するシリコン製耳管ピンの薬事承認・保険医療化」
- 支援当初は、研究費の獲得が困難であったが、連携企業との交渉を仲介し研究費応募要件を満たした。
- さらに日本耳鼻咽喉科学会の推薦を得て、日本医師会治験促進センターの研究費を獲得した。
- 耳管開放症難治例を対象としたPET001の有効性および安全性を評価する検証的治験(医師主導治験)を支援した。
治験調整医師のいる仙塩利府病院耳鼻咽喉科は、医師主導治験の経験がなかったが、治験調整事務局を当院臨床研究推進センターが担い、4施設で行う多施設共同治験の主幹施設として以下の業務を行った。- 厚生労働大臣への治験計画届出、治験に関する各種文書
- 各種業務手順書の整備、治験機器提供等に関する調整、治験期間中に生じた事態への対応に関する実施医療機関間の調整、治験の進行
- 記録保存に関する調整等
- プロトコール作成、解析計画書作成の際の統計学的事項に関する支援
- 2017年6月~2019年1月まで治験を実施し、2019年6月に連携企業より承認申請した。
- 治験終了後は、総括報告書作成支援や信頼性調査対応の業務を行った。
- 2020年5月に新医療機器として承認され、2020年12月に保険収載・販売開始された。