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臨床研究法の施行等に関するQ&A―「臨床研究」「特定臨床研究」への該当性

臨床研究法の施行にあたっては、QA集が出されています。

法律の施行時に出されるQAとしては、量が多めですが重要なものが多数混じっているので要確認です。

目次

【問1―法第2条に規定する「臨床研究」「特定臨床研究」への該当性】

臨床研究該当性

問 1-1 介護老人保健施設で実施する臨床研究は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当する。

問 1-2 薬物動態に係る評価を行う臨床研究は、「当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究」に該当するか。

(答) 該当する。

問 1-3 「当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究」の「有効性」には、医療機器の性能は含まれるか。

(答) 含まれる。

問 1-4 医薬品等の使用による人体への侵襲性が低いと考えられる場合であったとしても、医行為を伴い当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究である場合は、その侵襲性の程度にかかわらず、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当する。

問 1-5 医療機器の性能の評価を伴わない手術や手技に関する臨床研究は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当しない。

問 1-6 有効性や安全性の評価を目的とせず、医師又は患者から、医療機器の使用感について意見を聴く調査は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当しない。

問 1-7 医療機器であるマッサージチェアの心地良さのみに関する調査は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当しない。

問 1-8 体外診断薬と医療機器が一体化している体外診断薬を用いる臨床研究は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 体外診断薬のみを用いる臨床研究は該当しないが、体外診断薬と医療機器とが一体化しているものを人に用いる臨床研究は、該当する場合がある。

問 1-9 有効性や安全性の評価を目的とせず、要指導医薬品又は一般用医薬品の使用者からその「使用感」(飲みやすさ、塗りやすさ等)について意見を聴く調査は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当しない。

問 1-10 医薬品の有効性又は安全性を確認する研究のために、あらかじめ医薬品の投与等の有無、頻度又は用量などを割り付けして治療法を比較する研究は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当する。

問 1-11 「研究の目的で検査、投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御することなく、患者のために最も適切な医療を提供した結果としての診療情報又は試料を利用する研究」(いわゆる観察研究)は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当しない。

なお、「研究の目的で検査、投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御することなく、」とは、例えば、患者の割付けや他の治療方法の選択を制約する行為、研究を目的とした検査の追加等を行わないことなどをいう。

また、「患者のために最も適切な医療を提供」とは、例えば、診療を担当する医師の判断に基づき、個々の患者の病状等に応じて、当該患者にとって適切な医療として、医薬品の投与や検査等を行うことをいい、その「結果としての診療情報又は試料」とは、例えば、当該診療の一環として行われた検査等により得られた当該患者の診療情報又は試料をいう。

※ 法が制定された背景や、臨床研究の対象者をはじめとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図るという法の趣旨に鑑みれば、法の対象とならない臨床研究についても、その利益相反の状況等について結果公表時に明確にすることが望ましい。

問 1-12 診療の一環として医薬品等を使用された患者に対して、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究の目的で採血等の追加の検査を行う場合で、かつ、患者に対し追加の来院を求めない場合は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 当該追加の検査が、患者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものである場合には、「研究の目的で検査、投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御すること」に該当せず、法の対象となる臨床研究に該当しない。

なお、追加の検査による患者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものであるかが不明確である場合には、認定委員会の意見を聞くことが望ましい。

問 1-13 診療の一環として医薬品等を使用された患者に対して、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究の目的で採血等の追加の検査を行う場合で、かつ、患者に対し追加の来院を求める場合は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 当該追加の検査が、患者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものであり、かつ、当該追加の来院が、患者の身体及び精神に生じる負担が小さいものである(診療の一環としての来院の程度と同程度であるなど)場合には、「研究の目的で検査、投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御すること」に該当せず、法の対象となる臨床研究に該当しない。

なお、追加の検査又は追加の来院による患者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものであるかが不明確である場合には、認定委員会の意見を聞くことが望ましい。

問 1-14 医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けているが、特定の医薬品等の有効性又は安全性を明らかにすることを目的とせず、将来、医薬品等の研究開発や疾病の解明等に広く活用することを目的として、患者等から生体試料を採取し、保管を行う研究は、法の対象となる臨床研究に該当するか。

(答) 該当しない。

ただし、法は、「臨床研究」を「医薬品等を人に対して用いることにより、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究」と定義している。このため、当該生体試料を活用し、患者等に用いられた医薬品等の有効性又は安全性を明らかにしようとする研究を新たに開始する場合には、研究開始時点で既に採取・保管された生体試料を用いた研究については臨床研究に該当しないが、研究開始後に採取・保管した生体試料を用いる研究については必ずしも臨床研究に該当しないとは限らないため、生体試料の採取の状況等を踏まえつつ、個別具体的に判断する必要がある。

なお、患者の疾病やその治療の内容、転帰、予後等を記録した疾患登録システム等を利活用する場合も、同様の考え方が適用される。

問 1-15 いわゆる「サプリメント」と称して「食品」として販売されている物又はその成分を含有する物について、それを患者等に摂取させることにより、その物の、疾病の治療に対する有効性を明らかにすることを目的とした研究は、法の対象となる臨床研究に該当しないと一律に解してよいか。

(答) 「食品」として販売されている物又はその成分を含有する物であっても、疾病の治療等に使用されることが目的とされている場合には「医薬品」に該当する。このため、これを患者等に投与することにより、疾病の治療等に対する有効性や安全性を評価することを目的とした研究は、未承認の医薬品を用いた臨床研究として、法の対象となる臨床研究に該当する可能性がある。

問 1-16 どのような場合に、「医薬品」に該当するのか。

(答) 「医薬品」とは、医薬品医療機器等法第2条第1項の規定に基づき、次のいずれかに該当する物(「医薬部外品」に該当する物を除く。)を指す。医薬品に当たるかどうか判断しがたい場合には、あらかじめ、都道府県等の薬務担当課に研究計画書などの資料を添えて相談し、判断を受けること。

  • 日本薬局方に収載されている物
  • 人の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物
  • 人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物

問 1-17 例えば、糖尿病治療における食事療法(注)について、その有効性又は安全性を明らかにすることを目的とした研究は、法の対象となる臨床研究に該当するか。(注)ここでいう「食事療法」とは、食事に含まれる食材の種類や量、食事の時間等を工夫して取り組む治療方法を指し、特定の成分をサプリメントの形で摂取するような方法は含まない。

(答) 該当しない。

特定臨床研究該当性

問 1-18 臨床研究を行う際に、海外の製薬企業から研究資金等の提供を受けることは、「医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けて実施する臨床研究」として、「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 該当しない。ただし、特定臨床研究以外の法の対象である臨床研究に該当する場合は、jRCT における研究資金等の提供組織としての情報公開及び利益相反管理を行い、研究計画書、説明同意文書や研究の成果(論文等)の発表において開示すること。

問 1-19 臨床研究を行う際に、国内の医薬品等製造販売業者の海外子会社から研究資金等の提供を受けることは、「医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けて実施する臨床研究」として、「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 該当する。なお、当該臨床研究において、国内の医薬品等製造販売業者は、法第 32条の契約締結が適切になされるよう当該子会社を指導することとし、法第 33 条の情報公開については、当該医薬品等製造販売業者が情報公開を行うことが望ましい。

問 1-20 臨床研究に用いられる医薬品等を製造販売し、又はしようとする医薬品等製造販売業者と、いわゆるプロモーション提携などを行い、当該医薬品等の販売のみを行っている他の販売業者である医薬品等製造販売業者のみが、当該臨床研究に対して資金提供する場合、当該臨床研究は「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 該当しない。

問 1-21 医薬品等製造販売業者等からの寄附金を研究資金等として使用して臨床研究(当該医薬品等製造販売業者等が製造販売をし、又はしようとする医薬品等を用いるものに限る。)を実施する場合、当該臨床研究は、「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 該当する。

なお、法第 32 条の規定の趣旨に鑑み、研究責任医師は、研究資金等が必要な場合には、医薬品等製造販売業者等から提供された寄附金を研究資金等として流用するのではなく、医薬品等製造販売業者等と事前に契約を締結して研究資金等の提供を受けること。

特段の事情(例えば、当初の資金計画では研究資金等が不足するため研究の継続が困難な場合であって、医薬品等製造販売業者等と契約を締結し研究資金等の提供を受けていたのでは、臨床研究の対象者に不利益が生じてしまう場合)がある場合において、やむを得ず寄附金を研究資金等として使用しようとする場合には、それまでは特定臨床研究以外の臨床研究であった場合であっても、研究資金等を使用した時点から、当該臨床研究は特定臨床研究に該当するので、事前に当該医薬品等製造販売業者等に連絡した上で、厚生労働大臣に実施計画を提出するなど臨床研究法における規定を遵守すること。

なお、医薬品等製造販売業者等は、一度寄附金を研究資金等として流用した臨床研究に対しては、寄附金の流用の再発防止のため、次回以降は寄附金としてではなく、契約を締結した上で研究資金等を提供すること。

問 1-22 A群に被験薬を、B群に対照薬を投与し、両薬の有効性を比較するといった試験デザインにおいて、被験薬だけでなく、対照薬についても、法に規定する「医薬品等」に該当すると解してよいか。例えば、被験薬は適応内使用かつ当該被験薬の医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けていない場合であっても、対照薬が適応外使用である又は対照薬の医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けている場合は、「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 該当する。

問 1-23 例えば、抗がん剤を被験者に投与し、当該抗がん剤の有効性を明らかにする研究において、被験者の症状等に応じて適時使用される制吐剤など、当該研究において有効性又は安全性を明らかにする対象としない医薬品等の取扱い(考え方)については、どのように考えればよいか。仮に、被験薬である抗がん剤は適応内使用かつその医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けていない場合であっても、当該制吐剤の医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けている場合は、「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 有効性又は安全性を明らかにする対象としない医薬品等については、問中の仮定の場合には、法における取扱い(考え方)は被験薬等とは異なり、特定臨床研究に該当しない。

問 1-24 「保険診療における医薬品の取扱いについて」(昭和 55 年9月3日付け保発第 51号厚生省保険局通知)の趣旨を踏まえ、法第2条第2項第2号ロに規定する「用法等」と異なる用法等で用いられた場合であっても保険診療として取り扱われることがあると承知しているが、そうした用法等で用いる医薬品等の安全性及び有効性を明らかにする臨床研究は、「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 該当する。

問 1-25 添付文書の「用法及び用量」に「疾患、症状により適宜増減する」とある抗がん剤について、「適宜増減」の範囲内で対象者に投与する場合には法第2条第2項第2号ロに該当するか。

(答) 通常、患者ごとに最適な診療行為を提供することを目的として、個々の患者の疾患、症状に合わせて用法及び用量が適宜増減されるものであり、法第2条第2項第2号ロへの該当性については、個別具体的な事例に基づき判断する必要があるため、必要に応じて、厚生労働省医政局研究開発振興課に相談されたい。

問 1-26 医薬品等の有効性又は安全性を明らかにすることを目的としない、手術・手技に関する研究の実施に当たり、法第2条第2項第2号に掲げる医薬品等(いわゆる「未承認」又は「適用外」の品目)を用いる場合、当該研究は「特定臨床研究」に該当するか。

(答) 当該研究中に用いる医薬品等の有効性又は安全性を明らかにすることを目的としていないのであれば、当該研究は特定臨床研究に該当しないと判断して差し支えない。

ただし、研究対象の手術・手技の成立・達成に対する当該品目の寄与が高い場合(例えば、最先端の医療技術に基づく品目による場合、医師の技能を必要とせず単純な医療機器の操作のみで診療が行われる場合や単一の特定品目に限定して研究を実施する場合)には、当該手術・手技の評価に加えて、実質的に当該品目の有効性又は安全性を明らかにする研究であることから、特定臨床研究に該当し得る。品目の寄与が高い研究か否かについては、当該研究の目的や内容などに基づき、認定委員会において判断することが適当である。

参照

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000163417.html

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