エビデンス全般

医薬品の投与に関連する避妊の必要性等に関するガイダンス(案)

2021年10月11日

1 はじめに

本ガイダンスの目的は、性別を問わず生殖可能な患者への医薬品投与による次世代以降に対する発生毒性及び遺伝毒性の潜在的リスクを最小限に抑えるため、投与中及び最終投与後に避妊が推奨される条件及び避妊期間に係る基本的な考え方を示すことにある。非臨床試験、臨床試験及び市販後に得られる安全性情報をもとに、電子化された添付文書(以下、「電子添文」)上の避妊を規定する際の設定方法及び医療現場における当該情報の解釈の一助となることを期待するものである。

本ガイダンスは、現時点における科学水準に基づいた基本的な考え方を示すものであり、今後新たに得られる知見や科学の進歩等により、その考え方は変わりうる。また、本ガイダンスは関連する医薬品規制調和国際会議(以下、「ICH」)ガイドライン等と照らし合わせて読まれるものである。なお、個別の医薬品の考え方については、必要に応じて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に相談することを勧める。

なお、本ガイダンスにおいては「催奇形性」とは、正常な胚・胎児発生を阻害し、先天異常に至る可能性がある事象を、「胚・胎児死亡」とは、その要因にかかわらず胚・胎児の死亡を指し、両者を合わせて「発生毒性」という。また、「遺伝毒性」とは、DNAや染色体に作用し、それらの構造的又は数的な異常を誘発する作用であり、その結果、がんを発生させたり、次世代に遺伝的な影響を引き起こしたりする可能性がある。

1.1 本ガイダンスの対象

本ガイダンスでは、生殖可能な男性及び女性患者の予防及び治療を目的とした医薬品に関する情報を対象とする。

なお、本ガイダンスでは、臨床試験における避妊規定の要否については言及していない。また、小児における性腺発達、生殖補助医療(配偶子の凍結等)についても言及していない。

1.2 本ガイダンスの対象とする医薬品

本ガイダンスにおいては「医薬品」とは、低分子医薬品、バイオテクノロジー応用医薬品(以下、「バイオ医薬品」)、並びに薬物複合体等の関連化合物を指す。なお、本ガイダンスでは、放射性医薬品、再生医療等製品、ワクチン等の生殖発生毒性リスクについては言及していない。また、生体材料を原料とし感染性を有する可能性のある医薬品における性行為に伴うパートナーへの感染リスクについても言及していない。

2 非臨床試験の評価

医薬品の次世代に及ぼす影響を検討する際には、通常、生殖発生毒性試験及び遺伝毒性試験の結果が参照される。これらの試験で得られたデータからヒトでの安全性を担保するためのリスクアセスメントを行う際には、毒性所見の発現メカニズム、無毒性量における曝露量と臨床曝露量との比較、ヒトと動物との種差や個体差等の条件を十分に考慮しなければならない。

2.1 生殖発生毒性試験

生殖発生毒性試験は、医薬品のヒトへの適用が生殖発生過程に及ぼすあらゆる影響を明らかにするための情報を得ることを目的に実施される。このためには、生殖発生過程の諸段階のすべてを網羅して、医薬品に曝露された動物の生殖細胞の形成、受胎、妊娠の維持、分娩、哺育などの親世代の生殖機能への影響、及び胎児期の死亡、発生異常、成長と生後の発達などの次世代への影響が評価される。試験の施行及び結果の解釈において、あらゆる薬理学的及び毒性学的データと関連させて、ヒトにおける生殖発生への影響が検討される。試験結果をヒトへ外挿する(関連性を評価する)ためには、予想されるヒトでの曝露のされ方とその量、トキシコキネティクスの比較及び生殖発生毒性の発現機序に関するデータが有用とされる。動物の生殖発生の特定の段階に被験物質を投与する試験法は、医薬品に対するヒトでの曝露をよりよく反映し、どの生殖発生段階に作用しリスクが生じるおそれがあるかをより明確に識別することができると考えられている。

非臨床試験にはげっ歯類としてラットが最も汎用され、通常、生殖発生過程の諸段階を三つに分割した三節試験が推奨される。当該試験には「受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験」、「胚・胎児発生に関する試験」及び「出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験」が含まれる。「胚・胎児発生に関する試験」に限り、非げっ歯類についても実施することが要求されており、サリドマイドで他の動物種と比べ毒性最小発現量がヒトのそれと一番近かったことによりウサギが汎用されている。

生殖発生毒性の評価方法については、ICHガイダンスS5(R3)「医薬品の生殖発生毒性評価に係るガイドライン」(令和3年1月29日薬生薬審発0129第8号)、S6(R1)「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」(平成24年3月23日薬食審査発0323第1号)及びS9「抗悪性腫瘍薬の非臨床評価に関するガイドライン」(平成22年6月4日薬食審査発0604第1号)を参照すること。

2.2 遺伝毒性試験

遺伝毒性試験は、種々の機序で遺伝的な傷害を引き起こす可能性を検出するために開発された試験法であり、DNA損傷及び当該損傷が固定されたことによってもたらされる遺伝子突然変異、染色体の損傷、組換え及び数的変化といった遺伝子変異と染色体の形態又は数的異常を検出する目的で実施されるものである。遺伝毒性試験は主としてがん原性を予測するために用いられてきたが、生殖細胞系列における遺伝子突然変異又は染色体の異常はヒトの遺伝性疾患と深く関与している。そのため、投与された物質が次世代への影響を引き起こすことが懸念される場合、がんのリスクが疑われるのと同様に生殖発生過程に及ぼす影響は重大であると解釈されうる。

細菌を用いる復帰突然変異試験で陽性の化学物質の多くが、げっ歯類で発がん性を示すことが知られている。ほ乳類培養細胞を用いるin vitro 試験を加えることによって、げっ歯類に対する発がん物質の検出感度は増すが、検出される遺伝的変異の種類が広がり予測の特異性は低下する。単一の試験では様々な機序に基づく遺伝毒性物質を検出できないことから、複数の試験を組み合わせて遺伝毒性が総合的に評価される。

遺伝毒性の評価方法については、ICHガイダンスS2(R1)「医薬品の遺伝毒性試験及び解釈に関するガイダンス」(平成24年9月20日 薬食審査発0920第2号)及びS6(R1)「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」(平成24年3月23日薬食審査発0323第1号)を参照すること。なお、本ガイダンスにおいて「遺伝毒性のある医薬品」とは、ICHガイダンスS2(R1)にて臨床使用時の遺伝毒性リスクがあると判断された医薬品のことである。

本ガイダンスにおいては、遺伝毒性試験で染色体異数性誘発性(aneugenicity)のみを示す医薬品は、DNAとの直接作用よりもむしろタンパク質である細胞分裂装置への作用の結果と考えられることから、遺伝毒性のある医薬品の範疇には含めない。

3 臨床成績の評価

通常、臨床試験では妊婦の組入れが除外されているため、一般に、製造販売承認時には次世代に及ぼす影響に係るヒトでの知見は得られていない。次世代に及ぼす影響に関するエビデンスは、国内外における臨床事例の発表や報告の蓄積に依存することが多いが、催奇形性等の臨床報告の解釈に際しては、先天異常の自然発生率を念頭に、薬理学的及び毒性学的考察を加味した、被疑薬と副作用の因果関係評価等を行うことが重要である。また、市販後におけるヒトでの報告が症例報告のみの場合には、被疑薬との関連を結論付けることは難しい場合が多いこと、またデータの信頼性が十分でない場合があることには留意する必要がある。

4 避妊に関する考え方

非臨床試験、臨床試験、市販後の情報等から、医薬品に発生毒性又は遺伝毒性のリスクが認められる場合、電子添文に投与中及び最終投与後の避妊の必要性、実施すべき避妊方法、並びに当該方法の実施期間に関する事項を含めるべきである。そのため、電子添文における「9.4 生殖能を有する者」の項に、患者及びそのパートナーにおいては避妊が必要である旨及び避妊が必要な期間を記載する必要がある。

また、上記の電子添文への記載事項に関する科学的根拠は、配偶子の発生とその成熟過程における複数の要素に基づく。当該根拠は、「4.1 遺伝毒性のある医薬品」及び「4.2 遺伝毒性のない医薬品」に示すが、胚・胎児への発生毒性及び遺伝毒性リスクの低減に基づいている(先天異常、胚・胎児死亡等のリスクであり、受胎能等への影響ではない)。なお、上記の電子添文への記載事項は、医薬品(親化合物)に関する胚・胎児への発生毒性及び遺伝毒性リスクを軽減させるためのものであるが、必要に応じて注意を要する代謝物(例えば、遺伝毒性のある代謝物)にも利用できる。

受胎能及び初期胚発生に関する試験、出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験について、毒性発現機序やヒトへの外挿性、市販後の情報等を考慮し、胚・胎児発生へのリスクが高いと判断される場合には、避妊の規定を考慮する。また、認められた影響が、性腺のもつ内分泌能、受精能、受胎能への影響のみの場合には、情報提供は必要ではあるが、避妊を考慮する必要はないと考えられる。

なお、動物を用いた生殖発生毒性試験が実施されていない場合は、類薬又は薬理作用に関する知見等の非臨床及び臨床の情報に基づき、胚・胎児への発生毒性リスクの可能性を判断し、避妊の必要性が検討されるものと考える。

バイオ医薬品及び低分子医薬品を結合した薬物複合体については、両方の特性を踏まえて電子添文の記載事項を検討することが適切である。例えば、遺伝毒性物質を結合した抗体薬物複合体については、催奇形性、胚・胎児死亡が予想されるため、避妊に関する記載を科学的な根拠とともに電子添文に記載する必要がある。

本ガイダンスで用いる「避妊期間」という用語は、遺伝毒性のある医薬品に曝露された配偶子が受精して妊娠すること自体を避けるための避妊が推奨される期間と性行為によって精液移行した医薬品が腟粘膜等に接触するのを防ぐためのバリア法による避妊が推奨される期間とを意味する。なお、避妊が推奨される期間に妊娠が確認された女性及びそのパートナーに対しては、妊娠継続の判断にあたって、リスクに関するコミュニケーション及びカウンセリングが必須である。

4.1 遺伝毒性のある医薬品

4.1.1 男性患者に関する避妊

分裂中の細胞が遺伝毒性の影響を受けやすいことが、アルキル化剤等、遺伝毒性のある抗悪性腫瘍剤の精子形成への影響を検討した多くの試験によって示されている(Arnon et al. 2001)。したがって、遺伝毒性のある医薬品を使用している男性患者の精子のDNAに損傷が生じ、パートナーの胚・胎児に影響が認められる可能性がある。また、遺伝毒性のある医薬品を投与した雄動物と当該医薬品を投与していない雌動物を交配した場合にも、胚・胎児に対する影響が認められている(Hooser et al. 2000; Hales et al. 1992; Kinkead et al. 1992)。このため、最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間。実データがあれば、医薬品が体内から消失する時間の実データの期間に置き換えてもよい。以下、同様。)に、さらに3か月を加えた期間の避妊(表1を参照)により、遺伝毒性のある医薬品による胚・胎児への毒性のリスクは最小限に抑えられると考えられる。この3か月間には、精子形成期間と未射出精子の滞留期間が含まれる(Meistrich. 2009)。最終投与日から上記期間経過後であれば、形成される精子は遺伝毒性のある医薬品に曝露されず、相対的に胚・胎児への影響は低くなると考えられることから、上記を超える期間については、避妊を必須としなくても良いと考えられる。

遺伝毒性のある医薬品を使用している男性患者のパートナーが避妊をしていても、精液移行した医薬品が腟粘膜等から吸収され、パートナーの原始卵胞から排卵に至る発育途上の卵胞、胚及び胎児への曝露により遺伝毒性リスクが想定される。そのため、遺伝毒性のある医薬品を使用している男性患者はバリア法によって精液と腟粘膜等の接触を回避する必要がある。精液移行した遺伝毒性のある医薬品が腟粘膜等に接触したと想定される場合のパートナーの避妊期間は、遺伝毒性のある医薬品を使用する女性患者と同じである(「4.1.2 女性患者に関する避妊」の項を参照とする)。

4.1.2 女性患者に関する避妊

遺伝毒性のある医薬品により胚・胎児が直接影響を受けるか、卵子のDNA損傷が生じる可能性がある。顆粒膜細胞や卵子のDNAが傷害を受けた卵胞の多くは、アポトーシスによる卵胞閉鎖によって喪失すると考えられている(Winship et al. 2018)。一方、精子とは異なり、卵子は分裂・増殖することはなく、胎児期から、第1減数分裂前期の途中で細胞周期が停止している。また、卵子のDNAが傷害されると、これを修復する様々な遺伝子が発現することが知られている(Winship et al. 2018)。そのため、遺伝毒性のある医薬品等に曝露されても、喪失せずに残存した卵子では変異が生じにくいと考えられており、遺伝毒性のある抗悪性腫瘍剤を投与されたがん経験者や被爆者の妊娠においては児の先天異常が増加することはないとされている(Meirow and Schiff 2005; Adriaens et al. 2009)。近年、小児・AYA(Adolescent and Young Adult)世代がん患者に対する妊孕性温存療法の一環として、遺伝毒性のある抗悪性腫瘍剤の曝露直後にも卵子や卵巣組織が採取されており、少数例ながらいずれも健児を出産したと報告されている(Doshida et al. 2013; Shapira et al. 2018)。

しかしながら、交配前(交配後ではないことに注意)1〜6週間の時点で遺伝毒性のある医薬品(シクロホスファミド)を投与したマウスでは、交配時には医薬品が血中に残存していないにもかかわらず、流産、胎児奇形等の胚・胎児に対する毒性が認められている(Meirow et al. 2001)。

当該原因は、原始卵胞から排卵に至る発育途上の卵胞への曝露によると考えられている(ただし、卵子の遺伝子変異の有無は調べられていない)。ヒトにおいては、原始卵胞が排卵するまでには少なくとも6か月程度かかるとされている(Gougeon 2010; Silber et al. 2018)ため、仮にマウスの試験結果をヒトにそのまま外挿するならば、曝露から6か月以内に妊娠又は採卵を試みる場合、胚・胎児へのリスクを伴うことになる。

以上より、遺伝毒性のある医薬品については、発育170 途上の卵胞への曝露を避ける予防的行動としての避妊期間については、最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)に、さらに6か月を加えた期間が適切であると考えられる。

表1. 遺伝毒性のある医薬品:最終投与後の避妊期間

性別 避妊期間
男性*** 5 x T1/2** + 3か月*
女性 5 x T1/2** + 6か月*

*本表における「半減期(T1/2)」が、2日未満の時は、「5 x T1/2」の期間を考慮することなく、「男性:3か月」、「女性:6か月」としてもよい。

**T1/2 :半減期。「5 x T1/2」の期間は実際に医薬品が体内から消失する時間の実データがあれば、実データの期間に置き換えてもよい。

*** 避妊方法は、少なくとも接触回避が可能となるバリア法を用いる。

4.2 遺伝毒性のない医薬品

4.2.1 男性患者に関する避妊

男性患者に投与される医薬品に発生毒性が認められる場合においては、パートナーへの精液を介した医薬品の移行による発生毒性リスクを検討する必要がある。

精液移行した医薬品が腟粘膜等からの吸収を介して胚・胎児への影響が想定される場合には、医薬品の精液移行量が十分に低下し、パートナー側の推定曝露量に安全域が確保できるまでは性行為においてバリア法を用いた避妊をすることが必要である。精液移行による発生毒性のリスクがある場合は、医薬品の精液移行より想定されるパートナーの曝露量に安全域を考慮することが適切である。しかし、この期間を規定する明確なエビデンスがないことから、避妊期間については最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)を代用する。ただし、血中薬物濃度と精液中薬物濃度は必ずしも相関せず、精液中薬物濃度やその消失に関する実データがある場合は、その根拠に基づく避妊期間の設定が許容される(表2を参照)。

なお、遺伝毒性試験で染色体異数性誘発性(aneugenicity)のみを示す医薬品は、遺伝毒性がなく発生毒性のみを有する医薬品と同じ対応を行う。

4.2.2 女性患者に関する避妊

遺伝毒性はないが、発生毒性を誘発する医薬品については、最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)に基づく避妊期間を設定することが必要である。

なお、遺伝毒性試験で染色体異数性誘発性(aneugenicity)のみを示す医薬品は、胎児の染色体異常を実際に増加させる根拠は乏しいものの、成熟卵胞内卵子における減数分裂(ヒトにおいては排卵36時間前から再開するとされている)に影響を及ぼす可能性が考えられる。そのため、曝露を避ける予防的行動としての避妊期間については、最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)に、さらに1か月を加えた期間が適切であると考える。ただし、電子添文に記載される避妊期間は、半減期の5倍の期間は、医薬品が体内から消失する時間の実データの期間に置き換えてもよい。

発生毒性を誘発しない医薬品や無毒性量に対して十分な安全域を確保できる、有効量と無毒性量の比率が大きい医薬品については、次世代へのリスクは考えにくいため、避妊期間の設定は不要と考える(表2を参照)。

表2. 遺伝毒性のない医薬品:最終投与後の避妊期間

性別 避妊期間(発生毒性あり) 避妊期間(発生毒性なし)
男性*** 精液移行によるリスクあり:5 x T1/2*,**
精液移行によるリスクなし:不要
不要
女性 5 x T1/2**、**** 不要****

*精液移行により想定されるパートナーの曝露210 に安全域が確保できる期間が重要である。

** T1/2 :半減期。本表における「5 x T1/2」の期間は実際に医薬品が体内から消失する時間の実データがあれば、実データの期間に置き換えてもよい。

*** 避妊方法は、少なくとも精液の接触回避が可能となるバリア法を用いる

**** 染色体異数性誘発性がある場合には、5 x T1/2+1か月とする。なお、T1/2が2日未満の時は、「5 x T1/2」の期間を考慮することなく、「1か月」としてもよい。

5 特定の患者集団に対するリスクの評価

5.1 閉経後の女性患者に投与する医薬品

閉経後の女性に発症する疾患に対して投与される医薬品では、電子添文に避妊に関する注意を記載する必要はない。

5.2 未成年の患者に投与する医薬品

未成年の生殖可能な男性及び女性患者が含まれる場合には、成人に投与する医薬品と同様に、電子添文に避妊に関する注意を記載する。

6 電子添文上の注意喚起の表記について

本邦の医療用医薬品の電子添文における避妊期間は、非臨床試験結果により評価された遺伝毒性、発生毒性の情報、又は市販後にヒトに投与されて得られた情報に基づき、根拠となる理由とともに、具体的な期間を明示した上で記載される必要がある。さらに、各医薬品の血中の消失期間以外に考慮すべき特性がある場合には、当該特性を考慮の上、避妊期間を設定する必要がある。また、注意喚起の内容は、疾患の特性や投与期間等を踏まえて検討する必要がある。具体的な避妊方法等を含め、詳細な情報は、インタビューフォーム等の資材へ記載を行い、情報提供を行うことが望ましい。なお、要指導・一般用医薬品の場合にも、医療用医薬品と同様に避妊の要否を検討した上で、適切な注意喚起方法について適宜検討する。

6.1 男性患者に対する避妊

男性患者の場合には、自身の精子への影響だけではなく、パートナーへの精液を介した医薬品の曝露の影響も考慮する必要がある。そのため、推奨される避妊方法としては、バリア法が最低限必要となる。また、血中濃度よりも精液中濃度の方が高いことが判明している又は推定される医薬品の場合には、精液中からの消失に要する時間を考慮する必要がある。

遺伝毒性がなく、発生毒性又は染色体異数性誘発性がある医薬品の場合には、医薬品の精液移行を介した影響を考慮する必要があるが、根拠となるデータに基づき、避妊期間の設定あるいは避妊を不要と判断することも許容される。

パートナーが妊婦、妊娠している可能性又は妊娠する可能性のある男性患者に対する注意喚起として、以下の点を記載すること。

  • 具体的な避妊期間
  • バリア法による避妊の必要性
  • 遺伝毒性試験、生殖発生毒性試験の結果等、避妊に関する注意喚起の根拠となるデータ

6.2 女性患者に対する避妊

女性患者の場合、パートナーによるバリア法を含め、適切な避妊方法を選択する。

また、遺伝毒性がなく、発生毒性又は染色体異数性誘発性がある医薬品の場合、医薬品の血中濃度から発生毒性及び卵子への無毒性量を考慮する必要があるが、根拠となるデータに基づき、避妊期間の設定あるいは避妊を不要と判断することも許容される。

女性患者に対する注意喚起として、以下の点を記載すること。

  • 具体的な避妊期間
  • 適切な避妊の必要性
  • 遺伝毒性試験、生殖発生毒性試験の結果等、避妊に関する注意喚起の根拠となるデータ

以上

参考文献

参照

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