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ゲノム情報プラットフォーム と リアルワールドエビデンス

こんにちは。E太郎(Evidence太郎)です。
今回は「ゲノム情報プラットフォームとリアルワールドエビデンス」について、です。

ガータントヘルス社が、新しいゲノム情報のプラットフォームを発表しました。「進行癌患者さんの、広範な臨床ゲノム液体生検データセット」が特徴だとしています。

発表されたプラットフォームは、長期にわたる臨床情報と生検(これまでに10万回以上実施)から収集されたゲノムデータを組み合わせた、in-silicoのプラットフォームだそうです。このプラットフォームを活用して、次世代のがん治療薬の研究開発の加速を支援することが目的の一つとされています。

プラットフォームには、非小細胞肺癌、乳癌、結腸癌、前立腺癌などを含む多くの進行固形癌に関する情報が入っているとのこと。各患者さんの治療経過を通して、臨床での抗癌療法の使用、腫瘍の進展、治療抵抗性に関する実臨床下の洞察(インサイト)を提供し得るとか。応用分野としては、主に下記のようなものが考えられています。

  • 医薬品開発:バイオマーカーにより定義された癌を有し、新薬開発の適応となる可能性がある集団を特定する(適応拡大のための治療選択肢が必要かどうかも含めて)。同時に、その集団の特徴も把握できる。
  • 臨床試験の最適化:実臨床下の臨床ゲノムデータを臨床試験デザイン、対照群のシミュレーション、臨床業務、臨床開発の意思決定に取り入れる。
  • 製販後調査:バイオマーカーで定義された癌における、実臨床下のインサイトを得る。また、無増悪生存期間及び全生存期間の推定値を用いて、市販治療薬の適応内及び適応外使用に関する長期アウトカム評価や、安全性に関する調査・研究を企画する。

American Association for Cancer Research (AACR) の Virtual Annual Meeting IIでもこちらのプラットフォームのデータが提示されたようで、その頑健性と医薬品開発をサポートする可能性が示された、としています。今後、このプラットフォームが、実臨床における進行癌患者さんにおける、薬剤耐性や疾患の状態の評価などに応用できるかの確認が進められるようです。

 

それでは、また。

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