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オーソライズド・ジェネリックとは?特徴や分類、薬価について徹底解説

1. オーソライズド・ジェネリックとは

オーソライズド・ジェネリック(AG)とは、先発医薬品の特許期間が切れた後に、先発医薬品メーカーから特許使用許諾を受けて製造されるジェネリック医薬品のことを指します。AGは、先発品と同じ有効成分、用量、効能・効果、品質を有し、先発品の品質に比べ、同等の安全性・有効性を持つことが認められています。また、AGは、先発品と同じ製造方法、原薬、添加物を使用しているため、先発品と同等の品質を保持しながら、低価格で提供されます。

AGは、ジェネリック医薬品の中でも特別な位置づけを持ちます。AGは先発医薬品メーカーの許諾を得て製造されるため、製造元には品質保証などに関する一定の要件が課され、他のジェネリック医薬品と比較して信頼性が高いとされています。また、先発品の特許期間満了後すぐに販売が可能であるため、一般的なジェネリック医薬品よりも早く市場に投入されることが多いのも特徴の一つです。

AGは、医療機関・患者にとって重要な役割を果たしています。AGは、先発品と同等の有効性を持ちながら、低価格で提供されるため、医療費の削減に寄与することができます。また、先発品と同等の品質を保持するため、患者にとっても安心して使用できるとされています。

以上のように、オーソライズド・ジェネリックは、安価でありながら、先発品と同等の品質と有効性を持つジェネリック医薬品です。先発品と同じ原薬、添加物、製造方法を使用しているため、製造元による品質保証も課されています。AGは、医療費の削減に寄与することができるため、医療機関・患者にとっても重要な役割を果たしています。

2. AGの分類とその見分け方:

AGは、一般名医薬品(ジェネリック医薬品)の中でも、先発品と同等品質・有効性・安全性を備え、原薬や製造方法、添加物、製造所等が先発品と同一であることが承認された製品です。AGには、以下の3種類の分類があります。

- AG1: 同一商品の異なる包装と薬価
 同一成分で、製造工程が異なる別ラインの工場で生産される場合や、同一工場で異なる包装形態で生産される場合が該当します。薬価は、先発品と異なる場合があります。

- AG2: 別の工場が製造した同一成分の製品
 先発品と同じ原薬を使用しているが、異なる工場で製造された製品に該当します。ただし、製造方法や添加物については、先発品と同一でなければなりません。

- AG3: 原薬も異なる製品
 先発品とは別の原薬を使用している製品に該当します。ただし、同等品質・有効性・安全性が確保されていることが要件となります。

AGの分類を見分けるには、製品のインタビューフォームを確認することが必要です。AG1は、包装の色や形状が異なることがあります。AG2は、製造所名が異なることがあります。AG3は、製品名や有効成分名が異なることがあります。また、AGの承認番号は、インタビューフォームに記載されています。

3. AGの発売時期

オーソライズド・ジェネリックの発売時期にはいくつかの条件があります。まず、先発薬の特許が満了している場合、AGが発売されることがあります。ただし、特許期間満了後に再審査期間がある場合は、再審査期間が終了するまで全てのジェネリック会社が申請を出すことができません。特許期間満了と再審査期間の関係は、再審査期間が長い場合には、先発薬の特許が満了してからすぐに発売できるようになるため、AGを早く発売できるチャンスが生まれます。

一方、再審査期間が短い場合は、全てのジェネリック会社がほぼ同時期にAGを発売することになります。ただし、特許期間が満了している場合は、特許者が許諾した場合には、先行発売が可能になることがあります。この場合、AGが早く発売されることがあります。ただし、特許者が許諾しない場合は、AGが発売されるのは特許期間満了後になります。

以上のように、オーソライズド・ジェネリックの発売時期には、特許期間満了や再審査期間の長さなどの条件が関係してきます。それによって、ジェネリック会社がどのような戦略をとるかが決まります。AGを早く発売することができれば、シェアを拡大することができるでしょう。

4. AGの薬価について

AGの薬価は、原則として先発品の0.5倍となります。つまり、同一成分のジェネリック医薬品は、先発品の半額で販売されます。ただし、経口薬で10品目以上が同時に収載される場合は、0.4倍となります。このような特別ルールがある理由は、多くのジェネリック医薬品が市場に出回り、競争が激化することを防ぐためです。

なお、AGの薬価は、医療保険が適用される価格として設定されています。そのため、AGの薬価は、患者にとっても大変魅力的であり、市場占有率の拡大につながります。しかし、安くなりすぎると製造会社の利益に影響を及ぼすことになります。そのため、製造会社によっては、薬価が低すぎる場合、AGの製造を行わない場合もあります。

以上のように、AGの薬価は、先発品の半額というルールが基本ですが、10品目以上の経口薬の場合は、0.4倍となります。このようなルールがあることで、患者にとっては低価格で入手できるというメリットがありますが、製造会社にとっては収益に影響を与えることがあるため、各社の戦略や経営判断が問われるところです。

5. AGのメリットとデメリット

AG(オーソライズド・ジェネリック)のメリットとデメリットについて考えてみましょう。まず、メリットとしては、先発品の特許期間が満了した後、早期に発売することができる点が挙げられます。このため、患者さんにとっては医療費の負担が軽減されるという利点があります。また、先発品と同様に厳しい審査を受けているため、安全性や有効性が確保されているという点も大きなメリットです。

一方、デメリットとしては、価格競争によって販売価格が下がるため、製造業者にとっては利益が減少することがあります。また、製造コストがかかるため、先発品よりも高い価格で販売されることが多いです。さらに、先発品とは異なる製造工場や原材料を使用しているため、先発品との副作用や相互作用が起こる可能性があるという点も注意が必要です。

以上のように、AGにはメリットとデメリットがあります。安全性や有効性に関しては確保されているものの、価格競争が激しいため、製造業者にとっては厳しいビジネスモデルとなっていることも事実です。

6. 市場の動向と今後の展望

近年、ジェネリック医薬品市場は拡大傾向にあります。一方で、2021年に発生した日医工や小林化工の供給不祥事により、工場への不安が広がりました。これにより、安価なジェネリック医薬品の信頼性が揺らぐ状況が生まれています。

しかしながら、ジェネリック医薬品は高い安全性と、先発品と同等の効果を有しています。また、AGの発売時期が早くなることで、治療に必要な医薬品を早く患者に提供することができます。これにより、治療効果を高めることができると考えられます。

AGの薬価が先発品の0.5倍であるため、患者にとっては治療費が削減されるというメリットもあります。しかし、一方でAG側にとっては薄利多売による採算性の問題があります。また、先行発売が裏目に出る場合もあり、双方にデメリットが存在します。

今後、ジェネリック医薬品市場は更に成長していくと予想されます。しかし、安全性に対する不安もありますので、製造工場の確認や品質管理の徹底が求められます。また、AG1のシェア拡大により、今後更に市場が変化することが予想されます。

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