規制

【第29回 臨床研究部会】臨床研究法の見直しに係る各論点について(令和4年3月24日)

1.いわゆる観察研究に関する臨床研究法の適用範囲について

課題と今後の方針案

  • 「臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の中間とりまとめ」(令和3年12月13日)において、以下のように整理されたところ。

中間とりまとめ

①現状と課題
  • 臨床研究法第2条第 1 項及び同法施行規則第2条第1項において、同法の対象である臨床研究からいわゆる「観察研究」を除外している。
  • 一方で、いわゆる「観察研究」には明確な定義がなく、研究者が観察研究だと考えているものが、必ずしも法の対象から除外されていないケースがあり、研究の現場で不都合が生じている。
②これまでの主な議論
  • 国際整合性の観点、定義の不明確さや現状の混乱を回避する観点から、臨床研究法における臨床研究の範囲を介入研究に限るべきであり、法の対象外となったとしても、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「倫理指針」という。)の下で安全性や質について一定の担保がなされているとの意見があった。
  • 一方で、いわゆる「観察研究」であっても侵襲の程度によって研究対象者に与える負担やリスクは異なるところ、患者の立場からすればいずれも臨床研究であり、安全性や情報公開に差があってはならないため、現状の研究環境下においては、侵襲が大きいものは法の対象とすることも必要との意見があった。
  • 侵襲の大小を法への該当性に係る判断のメルクマールにする場合には、 CRB においてぶれなく適切に判断できるような示し方が重要であるとの意見や、海外における観察研究の定義とも比較しながら検討すべきとの意見があった。
③今後の対応の方向性
  • 研究対象者の保護の観点に留意し、国際整合性にも配慮しつつ、観察研究の定義と取扱いについて引き続き検討を進めるべきである。
  • 観察研究のうち、研究の目的で行われた検査等について、侵襲が大きい等、研究対象者の身体又は精神に負担が大きい研究以外は、臨床研究の定義から除外することとすべきである。
  • 臨床研究の定義から除外されない、研究の目的で行われた「侵襲等が大きい等」の検査等については、引き続き情報を収集し、具体的に例示することで、法への該当性に係る判断の基準やその根拠を明確に示すべきである。

今後の対応の方向性の中で示している「観察研究の定義と取扱い」の検討に係る留意点を踏まえて、臨床研究法における臨床研究、及びいわゆる観察研究の扱いに関する考え方について以下の方針としてはどうか。

臨床研究法の対象範囲における見直しの方向性(案)

従来の臨床研究法の対象範囲】
医薬品等の使用

(医薬品、医療機器、再生医療等製品)

検査等 臨床研究法の対象になるか否か
1.あらかじめ作成した研究計画に従って、患者に対し医薬品等を使用 (内容問わず) 対照
2.個々の患者の病状に応じて、当該患者にとって適切な医療として、医薬品等を使用 下記以外 対照
患者への傷害・負担が小さい研究目的の検査等を診療に追加して行う場合 対象外
3.個々の患者の病状に応じて、当該患者にとって適切な医療として、医薬品等を使用 診療に必要な範囲の検査等のみ

(研究目的の検査等は行わない)

対象外
見直し後の臨床研究法の対象範囲】
医薬品等の使用

(医薬品、医療機器、再生医療等製品)

検査等 臨床研究法の対象になるか否か
1.あらかじめ作成した研究計画に従って、患者に対し医薬品等を使用 (内容問わず) 対照
2.個々の患者の病状に応じて、当該患者にとって適切な医療として、医薬品等を使用 通常の医療に比べて患者への傷害・負担が大きい研究目的の検査を診療に追加して行う場合 対照
上記以外 対象外
3.個々の患者の病状に応じて、当該患者にとって適切な医療として、医薬品等を使用 診療に必要な範囲の検査等のみ

(研究目的の検査等は行わない)

対象外

(参考)海外等における観察研究の取扱い

参照国/規制 サマリ
米国
  • 連邦助成を受ける人を対象とするすべての研究は、介入の有無によらず被験者保護の基本規則であるコモン・ルール( 45 CFR46 )の適用を受ける。
  • 医薬品を用いた臨床試験を規制する 21 CFR 312 における IND 申請では、 日常診療どおりに医薬品が用いられる非介入研究は対象外である。
  • 医療機器を用いた臨床試験を行う際に FDA に対して必要な IDE 申請は市販前の医療機器を対象としており、市販の医療機器が用いられる非介入研究は対象外である。
EU
  • 医薬品に関する EU 規制( 2014/536; EU CTR )は、非介入研究には適用されない。ただし、 EU CTR での 介入の定義には、医薬品だけではなく日常診療を超える診断やモニタリングの上乗せも含まれ、 その目的が有効性・安全性等を明らかにすることであれば EU CTR の対象となり得る。ただし、 こうした診断やモニタリングの介入の多くは低介入臨床試験(low interventional clinical trial)に分類 され、その場合には、モニタリングや医薬品管理、必須文書の内容、補償等の義務が大幅に緩和される。
  • 医療機器に関する EU 規制( 2017/745; EU MDR )は、医療機器及びその付属品の上市や使用開始に関する規則であり、医療機器の安全性または性能を評価するために行われるヒトを対象とした研究に広く適用される。植込み機器およびクラス III 機器では、原則、臨床研究( clinical investigation )を実施しなければならず、全般的にクラス分類や植込み機器かどうかによる規定の場合分けがなされており、介入の有無によって規制の該当性は区別されていない。
英国
  • 英国における医薬品に関する規制である The Medicines for Human Use (Clinical Trials) Regulations 2004 では非介入研究(noninterventional clinical trial )は上記の規制の対象外とされている。ただし、 介入の定義は EU CTR と同様の考え方 であり、日常診療を超える診断やモニタリングの上乗せが行われ、その目的が有効性・安全性等を明らかにすることであれば規制の対象となり得る。
  • 現在の英国の医薬品規制は EU Directive (2001/20) をベースにしたものであり、新たな EU regulation 536/2014 )の施行にあわせて、規制要件の調和が図られる見通しである。
  • 英国における医療機器の規制は、今後 EU MDR 等の国際的な規制要件への調和が図られる見通しである。
ICH-E6/E8
  • ICH E6(ICH GCP)、 ICH E8 (臨床試験の一般原則)の対象は医薬品を用いる介入研究(interventional studies for medical products)であり、非介入研究は対象外である。

参照:令和3年度厚生労働科学特別研究事業 臨床研究法見直し審議における新たな課題・論点への対応策の確立のための研究

法における臨床研究の考え方及び観察研究の取扱いについて(案)

今後の整理
  • 被験者保護の観点や EU 及び英国における介入の定義も踏まえ 、診療目的による医薬品等の使用であっても 、検査 等の段階で介入を行う研究のうち、通常の医療と乖離し、かつ侵襲性が高い 検査を 行うなど研究対象者への負担が 大きい研究は 法の対象に含むことを明確化してはどうか 。
今後の対応方針
  • 法 の対象となる臨床研究については、
    • 治療等の段階で介入を行う研究に加え、
    • 診療目的による医薬品等の使用であっても、検査等の段階で介入を行う研究のうち、通常の医療と乖離し、かつ侵襲性が高い検査を行うなど研究対象者への負担が大きい研究
      を含むことが明確になるよう、必要な見直しを行うこととしてはどうか

通常の医療と乖離し、かつ侵襲性が高い検査を行うなど研究対象者への負担が大きい研究

研究目的の検査が通常の診療に比べて乖離する研究のための検査の例

  • 見守りシステムの導入
  • 嗅覚検査
  • 超音波検査
  • 採血(頻度、採血量等考慮が必要)
  • 内視鏡検査
  • 負荷心筋シンチグラム
  • 入院を伴う検査
  • PET/CT 検査
  • 造影剤ありの画像検査
  • 骨生検、骨髄穿刺、内視鏡による粘膜生検

参照:令和3年度 厚生労働科学特別研究事業 認定臨床研究審査委員会の質向上と臨床研究における COI 管理の適切な管理対応策の検討

(参考)臨床研究の定義に係る規定

【臨床研究法第二条第一項】

この法律において 「臨床研究」とは 、 医薬品等を人に対して用いることにより 、 当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究(当該研究のうち 、 当該医薬品等の有効性又は安全性についての試験が 、 医薬品 、 医療機器等の品質 、 有効性及び安全性の確保等に関する法律 昭和三十五年法律第百四十五号 。 以下この条において 「 医薬品医療機器等法 」 という 。 第八十条の二第二項に規定する治験に該当するもの その他厚生労働省令で定めるものを除く 。)をいう 。

【臨床研究法施行規則第二条】

法第二条第一項の厚生労働省令で定めるものは 、 次に掲げるものとする 。

  • 一 研究の目的で検査 、 投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御することなく 、 患者のために最も適切な医療を提供した結果としての診療情報又は試料を利用する研究
  • 二~六 略
【通知】

(3)規則第2条第1号関係

  • 規則第2条第1号に規定する研究は、 いわゆる 「観察研究」 をいう 。

2.医療機器に関する臨床研究の対象範囲について

課題と今後の方針案

  • 「臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の中間とりまとめ」(令和3年12月13日)において、以下のように整理されたところ。

中間とりまとめ

①現状と課題
  • 医療機器については、医薬品と異なり非侵襲・低侵襲なものが存在するが、これらを特定臨床研究の対象とするのは過剰な規制ではないかとの指摘がある。
  • 薬機法や医療機器規制国際整合化会合( GHTF) においては、リスクに応じたクラス分類に基づき規制の内容を変えており、臨床研究法においても、医療機器毎のリスクに基づき取り扱うべきではないかとの指摘がある。
  • 一方で、薬機法上、医療機器については使用方法等を特定し、適正な使用目的に従い適正に使用されることを前提に承認等を受けており、その前提に基づき、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器のいずれに該当するかが判断されている。
  • 既存の製品の改善・改良を臨床現場で評価する場合も、未承認医療機器として特定臨床研究に該当すると判断されると、手続の負担や資金の観点から実施が困難となる場合があるとの指摘がある。
  • 工学系研究者に対する特定臨床研究の範囲等に関するルールの周知が不十分なため、本来は該当しないものまで特定臨床研究とされて いるのでは ないかとの指摘がある。
②これまでの主な議論
  • 欧州では、医療機器は臨床試験を規制する法律の対象外であり、医療機器の臨床試験の規制について国際整合性を考えるべきであるとの意見があった。
③今後の対応の方向性
  • 薬機法における各規制区分への該当性については、適正な使用目的に従い適正に使用されることを前提として分類されており、その範囲から逸脱して適応外使用する場合においても、不変的に同じ規制区分に分類されるわけではない。
  • 適応外の医療機器の臨床研究において、当該医療機器が既に許認可を受けた際に分類されたリスク分類と同程度のリスクとみなせる場合について、医療機器の多様性も考慮し、研究の実態等を調査した上で、当該調査結果に基づき引き続き方策を検討すべきである。

医療機器を用いた臨床研究に関する実態調査の結果等を踏まえ、今後の対応について、以下の方針としてはどうか。

特別研究班による調査

<参考>令和3年度厚生労働科学特別研究事業

研究課題名:

臨床研究法が医療機器開発研究に与えた影響の実態把握に向けた調査研究

研究内容:

生体医工学会に所属する工学系研究者(1300 人程度)及び製造販売業者等の医療機器開発に関わる企業( 4000 社程度)を対象としたアンケート調査を実施し、調査対象者が臨床研究法への該当性判断に迷った事例を収集する。
最終的には、集積した事例を特定臨床研究に該当する事例、特定臨床研究以外の臨床研究に該当する事例、臨床研究に該当しない事例に分類し、事例集として公表することを目指す。

<調査期間>

2021年 11 月 1 日 2021 年 11 月 30 日(1ヶ月)

<調査対象>

生体医工学会を含む関係学会に 所属する研究者、医機連に属する 企業

<調査方法>

インターネットによるアンケート調査(本調査の特設ページを医機連のHP に作成し、個別の関係学会 等及び医機連関係企業に 対して周知のメールを送付した)

<調査項目>

研究タイトル、該当機器の名前、該当機器の効果、該当機器のクラス分類、実施しようとした研究、臨床研究への該当性に迷った理由、自らが下した該当性判断とその根拠、指摘を受けた場合はその指摘内容、指摘元等

調査結果の概要

回答数:45 件 (うち、事例としては 35 件)

  • 収集された事例の多くが臨床研究法の対象外の研究であった。また、医療機器に該当しないものを用いた研究も複数認められた。
  • 法の対象外であることの明確な結論が得られず、研究内容の変更により開始が遅延した事例や研究自体を諦めた事例も あった。
  • 収集された事例における医療機器のクラス分類の別においては、大きな偏りは認められなかった。
  • IRBやCRBによって該当性の判断にばらつきがあるとの意見があった。
  • 特定臨床研究に該当する場合の 事務的・金銭的負担に関する意見があった。

研究班における議論

  • IRB やCRBは医療機器に精通していないことが多いため 、医療機器を用いた研究については 、臨床研究法への該非を含め、適切な判断がなされていないことがある。
  • 臨床研究法に規定する臨床研究に該当しないことが明らかと容易に判断できる事例であっても、研究者自身ではその判断がつかず、研究を諦める等の対応をした事例が多く寄せられたため、法に該当しない研究の事例集を作成する。
  • 医療機器を用いた研究の臨床研究法への該当性にかかる相談窓口の設置を提案する。

今後の対応の方向性(案)

医療機器にも共通する対応(中間とりまとめより抜粋)

【適応外 使用に関する特定臨床研究の対象範囲に ついて 】
  • 適応外医薬品等を使用する研究であっても、各種の情報に基づき、そのリスクが承認を受けた用法等と大きく変わらないことが明らかなものについては、特定臨床研究の範囲から除外する方向で見直しを 進めるべきである。
  • この場合、特定臨床研究の範囲から除外するか否かの検討にあたっては、当該医薬品等の使用に係るリスクが承認を受けた用法等と大きく変わらないかどうかについて、根拠となる情報に基づき、厚生労働省が専門家の意見を聴取する方向で制度を 構築すべきである。
【いわゆる 観察研究に関する臨床研究法の適用範囲に ついて 】
  • 研究対象者の保護の観点に留意し、国際整合性にも配慮しつつ、観察研究の定義と取扱いについて引き続き検討を進めるべきである。
  • 観察研究のうち、研究の目的で行われた検査等について、侵襲が大きい等、研究対象者の身体又は精神に負担が大きい研究以外は、臨床研究の定義から除外することとすべきである。
  • 臨床研究の定義から除外されない、研究の目的で行われた「侵襲等が大きい等」の検査等については、引き続き情報を収集し、具体的に例示することで、法への該当性に係る判断の基準やその根拠を明確に示すべきである 。
【認定臨床研究審査委員会について 】
  • CRB の質の向上に向けて、更新要件のみならず、例えば、模擬審査、ピアレビューを実施し、将来的に更新要件への反映を検討することや優良 CRB への 支援などの取組を行っていく必要がある。

医療機器特有の取組

  • 厚生労働科学特別研究 事業 で収集された事例をもとに事例集を作成するとともに、今後も定期的に事例等の収集を行い、随時更新していってはどうか。
  • 関係学会や業界団体の協力を得て 、 臨床研究法に関する Q&A や事例集をプッシュ型で周知したり 、工学部 等の研究者 に対して臨床研究法の考え方を周知する機会を設けて はどうか 。
  • 医療機器を用いた研究の臨床研究法への 該当性等の相談窓口の設置を進めてはどうか。

3.研究資金等の提供に関する情報公表の範囲について

課題と今後の方針案

  • 「臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の中間とりまとめ」(令和3年12月13日)において、以下のように整理されたところ。

中間とりまとめ

①現状と課題
  • 臨床研究法における情報公表の制度は、製薬企業等が、自社製品を用いて臨床研究を行う医師・医療機関に対する資金等の提供状況を透明化することで、臨床研究の不正を防止し、国民の臨床研究に対する信頼を確保することを目的としている。
  • 情報提供関連費及び接遇費については、臨床研究を実施する特定の医療関係者 等に 、必要実費の範囲を超えて直接支払われる性質のものではなく、当該費用提供が臨床研究の不正につながる蓋然性は低いと考えられることから、研究資金や寄附金等と異なり、公表の対象にはしていない。
  • 一方で、国民皆保険制度の下で活動する製薬企業等においては、これらの費用の提供状況についても透明性を確保し、国民の信頼性を高めることが重要であり、現状、業界が策定する自主ガイドラインにおいて、傘下企業に対して情報公開を求めている。
②これまでの主な議論
  • 現行の公表項目(研究資金等、寄付金、原稿執筆料及び講演その他の業務に対する報酬)を通じて透明化は図られており、情報提供関連費の追加は不要ではないかといった意見がある一方で、接遇費については、業界自主ガイドラインの普及状況なども含めて調査すべきとの意見があった。
  • 講演会等については、臨床研究とは関係のない場合も多く含まれるため、個別に切り分けて公開するというのは現実的ではないのではないかといった意見もあった。
  • 製薬企業等に対し、企業活動における外部研究者等への資金提供に係る情報公表等に関する調査を実施したところ、調査対象の企業の中には、特定臨床研究に係る資金提供に馴染みのない企業も含まれていたと考えられることから、特定臨床研究に関与している企業における業界自主ガイドラインの普及状況等を改めて整理した上で議論を行うべきとの意見があった。
  • また、当該調査結果は、調査対象とした全ての企業から回答を得られた結果ではないことから、本調査結果だけでは、情報提供関連費及び接遇費が不正に繋がる蓋然性が低いと断定することはできないのではないかとの意見があった。
  • 臨床研究の透明性の確保に当たっては、臨床研究法とは制定経緯や対象範囲が異なるが、米国におけるサンシャインアクトの存在も踏まえて議論を行うべきとの意見があった。
③今後の対応の方向性
  • 特定臨床研究に関与している企業における業界自主ガイドラインの普及を促進するとともに、情報提供関連費及び接遇費を情報公表範囲に追加すべきかについては、当該費用提供が臨床研究の不正につながる蓋然性や更なる法規制を行う必要性について引き続き検討を行うべきである。

今後の方向性の中で示している 情報 提供関連費及び接遇費を情報公表範囲に追加すべきかに ついては、以下の方針としてはどうか。

今後の対応の方向性(案)

  • 情報 提供関連費・接遇費は、既に公表対象となっている研究 資金・寄附 金等と異なり、 医師・医療機関等に対して 支払われるものではなく、臨床研究の費用として充てられることは通常想定 されないため、臨床研究の不正に繋がる蓋然性は低いと考えられることから、法制定当初においては、情報公表の対象としないこととしたところ。
  • これに対して、法制定当時の国会審議においては、 情報提供関連費・ 接遇費を公表対象外とすることによる費目の付け替えの可能性が指摘され、附帯決議において「 学問の自由に配慮しつつ臨床研究の一層の信頼確保を図るため、研究資金等の提供に関する情報等の公表制度の実施状況を踏まえながら、本法の公表の対象外とされている情報提供関連費や接遇費等を公表の対象とすることについて検討する こと 」が求められたところである。
  • 今回、法制定から5年後の見直しを検討するにあたり、製薬協 会員企業の透明性ガイドラインに基づく資金提供の公開 状況を見たところ、法施行後に情報 提供関連費・ 接遇費の割合が急増するなどといった状況は見られないが、業界のガイドラインに基づく自主的な公開であり、特定臨床研究に関与している全ての企業が公開を行っているものでは ないため、費目の付け替えが行われている可能性の有無を確認できる状態にない企業が存在する 。
  • このため、附帯決議における問題意識も踏まえ、特定臨床研究に関与する企業について は 、更なる透明性の確保を図る観点から、 情報提供関連費・ 接遇費を公表し、費目の付け替えが行われている可能性の有無を確認できる状態とするよう、法令で義務付けることとしてはどうか。
  • その際、 情報提供関連費・接遇費については、費用の性質上、それ自体が臨床研究の不正に繋がる蓋然性は低いと 考えられる中で、企業の実務負担も考慮し、 企業における年間総額のみを公表対象とすることとしてはどうか。

(参考)製薬企業等から医師・医療機関等への資金提供の例

内容 具体例 主な支払先 法による公開
A:研究資金 研究開発の実施のための資金
  • 臨床研究の実施に係る人件費、実施機関の賃借料、検査料、データ解析料、その他臨床研究の実施に必要な費用
  • 研究責任医師所属施設
  • 研究資金の管理団体
個別公表

  • A:特定臨床研究の実施費用
  • B・C:特定臨床研究を行う医師・医療機関等へ提供されるもの
B:寄付金 研究開発の実施とは直接関係のない金銭の贈与
  • 大学や研究機関等への奨学寄附金
  • 団体等の活動に対する一般寄付金
  • 学会等の会合開催費用
  • 学会等と共催で行うセミナー等の共催費 等
  • 大学、研究機関 等
  • 学会等の医療関係団体
C:原稿執筆料・講演料等 原稿執筆及び 講演 その他の業務に対する報酬
  • 自社製品のリーフレット等の作成における原稿執筆料や監修料
  • 講演会等における役割者(座長、講師、パネリスト等)への謝礼
  • 製品開発等のコンサルティング等の業務
  • 委託に対する報酬 等
  • 医療担当者または医療担当者の所属施設
D:情報提供関連費 自社製品の講演会、説明会等の費用(交通費・宿泊費・会場費・弁当代等)等
  • 自社製品の講演会等における経費
    ✓会場費、看板代
    ✓講師、聴講者等の交通費、宿泊費
    ✓茶菓・弁当代
    ✓懇親会における飲食代 等
  • 自社製品説明会時の茶菓・弁当代
  • 医学・薬学図書、自社製品の適正使用に必要な物品 等
  • ホテルや貸会議室 等
  • 旅行会社、交通機関 等
  • 物品等作成業者 等
年間総額公表

※特定臨床研究への関連を問わない

E:接遇費 慶弔、飲食提供等の接遇にかかる費用
  • 講演会や研修会の役割者に対する慰労に伴う飲食
  • 慶弔費 等
  • 飲食店 等

参照

ホーム政策について審議会・研究会等厚生科学審議会(臨床研究部会)第29回厚生科学審議会臨床研究部会資料 > 資料1:臨床研究法の見直しに係る各論点について

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