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日本薬剤師会
目的
本会は、都道府県を活動区域とする薬剤師会との連携のもと、薬剤師の倫理の高揚及び学術の振興を図り、 薬学及び薬業の進歩発展を図ることにより、国民の健康な生活の確保・向上に寄与することを目的とする。(定款第3条)
組織
日本薬剤師会は公益法人として自由加入制をとっており、全国約30万1千人(平成28年12月31日現在)の厚生労働省届出薬剤師の約35%、約10万4千人の会員数を擁しています。
会員は、いろいろな職種に従事する薬剤師から成っています。
構成割合
- 薬局薬剤師77.4%
- 病院・診療所薬剤師10.0%
- 卸売販売業2.2%
- 行政薬剤師1.5%
- 店舗販売業0.9%
- 製薬企業薬剤師0.7%
- 教育・研究機関0.7%
- その他6.7%
日本薬剤師会の会員は同時に47都道府県薬剤師会の会員です。
日本薬剤師会の活動(全体像)
かかりつけ薬剤師・薬局の普及・推進
かかりつけ薬剤師・薬局は、患者さんが薬を安全・安心に使用できるよう、処方箋調剤を受けられる患者さん、在宅療養中の患者さんのサポートはもちろんのこと、市販薬に対するアドバイスや健康相談なども積極的に行っています。
健康サポート薬局の普及・推進
団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、国は住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みである「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。
厚生労働省が2015年10月に策定した「患者のための薬局ビジョン」においても、副題として「「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ」とされているとおり、地域包括ケアに対応した薬局の将来像として、2025年までに全ての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指し、薬剤師業務については従来の対物業務から、対人業務へのシフトが求められています。
そのような中、2016年には医薬品医療機器法施行規則が一部改正され、同年4月より健康サポート薬局が法令上に位置づけられました。健康サポート薬局とは、厚生労働大臣が定める一定の基準を満たしている薬局として、都道府県知事等に届出を行っている薬局のことです。
本会では、健康サポート薬局の周知と適正な運用に向けた取り組みを行っています。普及推進のために、健康サポート薬局であれば会員・非会員にかかわらず使用できる全国共通のロゴマークを作成し、データ提供を行っています。加えて、「健康サポート薬局」の届出要件の一つである研修について、本会が研修実施機関となり、2016年9月よりe-ラーニング研修を提供しています。
医療保険制度への取り組み
我が国には、世界に冠たる国民皆保険制度がありますが、人口の高齢化や医療の高度化などにより、医療保険財政の健全化が喫緊の課題となっています。薬剤師・薬局は、後発医薬品の使用や残薬の確認などに取り組み、医薬品の適正使用や薬剤費の削減に努めており、本会ではそうした会員の取組をサポートしています。
また、健康保険制度の維持や診療報酬改定などについて審議する厚生労働大臣の諮問機関「中央社会保険医療協議会」には、本会役員が薬剤師を代表する委員として唯一、参画しています。
薬学教育への対応
2006年4月の入学者から、薬学教育が4年制から6年制になりました。
これに伴い、5年次に薬局・病院各11週間の実務実習が必須となり、2010年5月からは、6年制教育のもとで初めての実務実習がスタートしました。
また、文部科学省において、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の改訂作業が進められ、 本会では、薬剤師の立場から必要な意見・提言を行ってきました。改訂カリキュラムの適用は2015年度入学生から、さらに同カリキュラムに基づいた実務実習は、当該学生が4年次後半の薬学共用試験を終えた直後の2019年2月頃から実施されます。
本会では、 改訂カリキュラムに基づいた実務実習がより充実したものとなるよう、必要な準備・施策を推進しています。
薬剤師のための生涯教育推進
本会では、薬剤師のための生涯学習支援システム「JPALS」を提供しています。JPALSは、継続的な専門能力開発CPD(Continuing Professional Development) の4つのサイクル「自己査定reflection」、「学習計画 planning」、「(学習の)実行action」、「(学習後の)評価evaluation」(自己評価)に基づいて、計画的に生涯学習を進めるための支援システムであり、学習内容を記録するポートフォリオシステムと、学習材料の提供という位置づけのe-ラーニングシステムで構成されています。
また、本会を含む薬学関係5団体の間で、生涯学習環境の整備に連携して取り組んでいくことが合意され、共通の制度「薬剤師生涯学習達成度確認試験」の第1回目が 2016年7月に実施されました。本会はJPALS利用者の受験資格を「クリニカルラダーレベル5に昇格して1年を経過していること」と定め、合格者はクリニカルラダーレベル6に昇格できることとしました。これまでにJPALS利用者280名が合格し、クリニカルラダーレベル6に昇格しています。
臨床・疫学研究の倫理審査体制の整備と研究活動推進
我が国の臨床・疫学研究に関する倫理指針は、「疫学研究に関する倫理指針」及び「臨床研究に関する倫理指針」 に基づき運用されてきました。対象となる研究に適用するにあたっては、その目的・方法に関して多くの共通点がありました。そこで、2つの指針を統合した倫理指針を定めることを目的に、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(文部科学省・厚生労働省告示)が2014年12月22日に公布、2015年4月1日より施行されました。
これを受けて本会では、研究者のための手順書や、本会や都道府県薬剤師会が倫理審査委員会を設置し審査を行うための手順書、倫理審査の申請書類等を整備しました。2016年4月には本会に「臨床・疫学研究倫理審査委員会」を設置し、同年8月からは本会ホームページ上での倫理審査の申請受付を開始しました。
また、生涯学習支援システム「JPALS」においても、薬剤師の研究活動の促進や、研究における倫理的配慮への意識を高めるためのコンテンツを用意しています。
医療安全管理体制の整備・充実
本会では、2001年4月より調剤事故事例の収集を行っています(ヒヤリ・ハッ ト事例<インシデント事例>は含まない)。報告された事故事例については毎年、発生地域や個人が特定されないよう配慮した上で都道府県薬剤師会へ情報提供し、同様な事例が発生しないよう注意喚起しています。
医療機関における医療事故及びヒヤリ・ハット事例は、日本医療機能評価機構が行う「医療事故情報収集等事業」において収集・分析・評価されています。集計結果は、定期的に同財団より報告書として公表されており、特に周知すべき情報については「医療安全情報」としてまとめられています。本会では、医療機関における医療事故及びヒヤリ・ハット事例についても、都道府県薬剤師会を介して会員に情報提供し、注意喚起を行っています。
また、医薬品医療機器法により、高度管理医療機器の販売には都道府県への許可申請が必要であり、販売業者には営業所管理者に毎年継続研修を受講させることが義務づけられています。本会では研修実施機関として「医療機器販売業等の営業所責任者、医療機器修理業の責任技術者 継続研修テキスト」の編集や実施要綱の作成を行い、都道府県薬剤師会において継続研修会を実施しています。
薬剤イベントモニタリングの実施
医薬品の適正使用に貢献することを目的として、2002年度からDEM事業を実施しています。DEM(薬剤イベントモニタリング:Drug Event Monitoring)とは、 薬剤を使用した患者さんに発現したイベントを薬剤師の視点で把握し、収集・解析することをいいます。毎年10万件を超えるイベントが報告されており、副作用・薬害の防止に向け、全国の薬剤師・薬局がDEM事業に参画しています。2017年度からは、新薬を対象としたイベント発現等の調査を実施しています。
アンチ・ドーピング活動の普及とスポーツファーマシストの養成
スポーツ競技における「アンチ・ドーピング」への意識が高まっています。医薬品の適正使用という観点から、 薬の専門家である薬剤師がアンチ・ドーピング活動に関わることは、選手の健康やスポーツの健全な発展という意味からも、大きな意義を持つと考えています。
本会では、2004年度から薬剤師のアンチ・ドーピング活動に取り組んでいます。具体的には、世界に類を見ない日本特有の取り組みとして、「公認スポー ツファーマシスト認定制度」が日本アンチ・ドーピング機構(JADA)により設立され、 本会は2009年度より協力しています。2016年11月現在、約7,000名の公認スポーツファーマシストが認定されています。
本認定制度については、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)からも、非常に先進的かつ 他国のモデルになり得る制度として、評価されています。また、「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック」を毎年作成し、ホームペー ジに掲載している他、都道府県レベルにおいても、アンチ・ドーピングホットラインの設置・対応、スポーツファーマシストの活動推進等のアンチ・ドーピング活動を実施しています。
2020年には、オリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。本会では、オリンピック等への対応も含め、薬剤師がアンチ・ドーピング活動を通じてより一層の社会貢献ができるよう、今後もJADAと連携・協力して参ります。
学校薬剤師活動の支援推進
他国には例を見ない薬剤師の職能のひとつに、「学校薬剤師」があります。
従来の学校薬剤師は、学校の環境衛生検査等を通じ、児童・生徒が快適に学校生活を送れるよう指導することが主な役割でした。近年では、より幅広い活動が求められるようになっています。具体的には、医薬品適正使用の啓発活動、薬物乱用防止活動、飲酒・喫煙に関する啓発活動、アンチ・ドーピング活動、学校給食の衛生管理、学校での薬品・毒劇物の管理、建築物内の揮発性有機化合物やダニアレルゲン等への対策などです。
特に、新学習指導要領(中学校:2012年4月施行。高等学校:2013年4月施行)により医薬品の適正使用に関する教育が求められるようになりました。これに伴い、医薬品の適正使用に向けた教育・啓発活動における学校薬剤師の役割がより重要になっています。
本会では、学校薬剤師の活動を支援すべく、教材の作成や研修会の開催等に努めており、学校薬剤師及び保健体育教諭・養護教諭等を対象とした「くすり教育研修会」を開催し、学校関係者との連携を深めています。
大規模災害への準備・対応
日本は地形上、大きな地震が発生するリスクを有しています。阪神・淡路大震災、東日本大震災や熊本地震などでは、たくさんの方が長期にわたる避難所生活を余儀なくされるなど、大きな被害をもたらしました。そのような中、医師や薬剤師など多くの医療従事者が地震によるけが、持病、体調不良などをサポートするために活躍しました。薬剤師の多くは避難所において、医薬品や衛生環境向上に関する、さまざまな活動を行いました。
被災地における主な活動内容は、○救護所における医薬品等の供給、○医療チームの避難所巡回に同行し、医療支援等の実施、○モバイルファーマシー(MP:災害対策医薬品供給車両)の出動、○避難所における一般用医薬品の供給、○被災者からの医薬品などに関する相談への対応、○エコノミークラス症候群予防のための注意喚起、○一般用医薬品等の集積所での仕分け・管理、各避難所への供給、○行政との支援調整等、○学校再開の際の水道水の水質検査、○避難所の二酸化炭素濃度測定などです。
2016年4月に発生した熊本地震では、本会は都道府県薬剤師会の協力のもと、延べ2,774人の支援薬剤師を派遣しました。
日本薬剤師会のあゆみ
1874年(明治7年) | 政府は「医制」を公布し,薬舗主(後薬剤師)に調剤権を賦与した。 |
1889年(明治22年) | 「薬品営業竝薬品取扱規則」が公布され,薬剤師の名称と職能が規定された。 |
1893年(明治26年) | 全国統一団体たる日本薬剤師会が創立された。 |
1909年(明治42年) | 社団法人の認可をうけ公益団体となった。 |
1925年(大正14年) | 薬剤師の身分法である薬剤師法が公布された。 |
1926年(昭和元年) | 薬剤師会令が公布され,同会令によって薬剤師の強制加入を定めた公法人道府県薬剤師会が設立された。この道府県薬剤師会が会員となる公法人日本薬剤師会が結成された。 |
1943年(昭和18年) | 薬剤師法を吸収して新薬事法が制定され,新薬事法により薬剤師会令が公布された。
これとともに日本薬剤師会は国の機関となり,会長は内閣が仕命し,他の中央,地方薬剤師会役員は厚生大臣あるいは地方庁知事の任命によることとなった。 |
1948年(昭和23年) | 終戦により新薬事法が公布された。
日本薬剤師会は日本薬学会と合体して,会員の入退会自由の社団法人として改組された。この時名称を日本薬剤師協会と改めた。 |
1949年(昭和24年) | 米国薬剤師協会使節団が来日し,法律及び教育を改善して,医薬分業を実施すべき旨の勧告がなされた。 |
1956年(昭和31年) | この勧告に基いて,医薬分業制度が法制化された。
ただし多くの例外規定か付されたため,医薬分業は国民の間に定着しなかった。 |
1960年(昭和35年) | 薬剤師の身分法が,再び薬事法から分離され,新「薬事法」と新「薬剤師法」が公布された。 |
1962年(昭和37年) | 日本薬学会は別の社団法人となり,日本薬剤師協会は名称をもとの日本薬剤師会に復した。 |
1966年(昭和41年) | 第1回アジア薬剤師会連合学術大会が東京で開催された。
会内に「医薬分業実施対策本部」が設置された。 |
1968年(昭和43年) | 日本薬剤師会創立75周年記念式典が挙行され,天皇陛下の御臨席を仰いだ。
第1回日本薬剤師会学術大会が東京で開催された。 |
1973年(昭和48年) | 日本薬剤師会創立80周年記念式典が挙行された。 |
1974年(昭和49年) | 日本医師会は医薬分業を5年後に実施したいとの会の方針を表明した。
国会、行政、当局もその方針に賛意を表明し,漸く医薬分業実現への第一歩を踏み出した。 |
1978年(昭和53年) | 日本医師会が「処方せん発行強調週間」(1週間分業)を実施。 |
1979年(昭和54年) | 薬事法の目的条項等一部改正が行われた。
また医薬品副作用被害救済基金法が成立した。 |
1983年(昭和58年) | 日本薬剤師会創立90周年記念式典が挙行された。 |
1985年(昭和60年) | 医療法のー部改正が行われ,その中の医療計画条項中に初めて「薬局」が記載された。 |
1989年(平成元年) | (財)日本薬剤師研修センターが設立された。
医薬分業推進体制の強化を図り,そのために必要な施策・事業を迅速・的確に行っていくために,会内に「医薬分業推進対策本部」(平成8年より「医薬分業対策本部」に名称変更)が設置された。 |
1990年(平成2年) | 日本薬剤師会制定・都道府県薬剤師会認定の「基準薬局」制度を開始した(平成9年と平成19年に実施要綱を全面改正)。 |
1992年(平成4年) | 医療法のー部改正が行われ,医療の基本理念が明示され,医療機関の体系化が行われた。この改正で,医療の担い手として「医師,歯科医師,薬剤師,看護婦」と「薬剤師」が明記された。
これにより,医療におけるその責任はー段と重くなった。 |
1993年(平成5年) | 地域医療の担い手として良質かつ適正な薬局を育成することを目的に、厚生省が「薬局業務運営ガイドライン」を策定する。
日本薬剤師会創立100周年記念式典が,東京・帝国ホテルで挙行された。 また,第53回国際薬学会議が,東京・京王プラザホテルにおいて開催され,世界66か国より約2,600人の薬剤師がー堂に会した。 GRP(薬局業務規範)東京宣言が採択された。 |
1994年(平成6年) | 薬剤師の養成問題に本格的に取り組むため,会内に「薬剤師教育改善推進対策本部」が設置された。 |
1995年(平成7年) | 阪神・淡路大震災が1月17日未明に起き,6,000人余りの人命が失われた。
本会としては薬剤師ボランティア活動支援による人的援助と義援金等の物的支援を行った。 |
1996年(平成8年) | 薬事法等の一部改正が行われ、調剤した薬剤についての情報提供が薬剤師に義務化された。
Get The Answers運動を展開。 |
1997年(平成9年) | 本会医薬分業推進対策本部幹事会が,「薬局のグランドデザイン-将来ビンョンと21世紀初頭に向けての活動方針-」(最終答申)を公表。
介護保険法が成立、2000年4月から施行されることとなった。これにより新しい分野での薬剤師の役割が期待されることとなった。 薬剤師倫理規定が30年ぶりに改定された。 |
2003年(平成15年) | 薬事法等の一部改正が行われ、医薬品の製造販売業に総括製造販売責任者(薬剤師)等の設置が義務づけられた。(平成17年4月全面施行) |
2006年(平成18年) | 薬事法の一部が改正され、新たな医薬品販売制度が実施され、一般用医薬品の販売等に係る体制及び環境整備が図られた(平成21年6月全面施行)。
また、薬局機能に関する情報が開示されることとなった(平成19年4月施行)。 大学における薬学教育の修業年限が4年から6年に延長された。 医療法等の一部改正が行われ、「薬局」が医療提供施設として位置付けられた。 薬剤師法の一部改正が行われ、調剤の場所が患者居宅へ拡大された(平成19年4月施行)。 また、薬剤師の行政処分の見直しとともに、行政処分を受けた薬剤師に対する再教育研修が義務づけられたほか、薬剤師氏名等が公表されることとなった(平成20年4月施行)。 |
2007年(平成19年) | 改正薬剤師法の施行(調剤の場所を患者居宅へ拡大)
改正薬事法の施行(薬局機能情報提供制度の創設) |
2008年(平成20年) | 改正薬剤師法の施行(薬剤師の行政処分関係、薬剤師氏名の公表) |
2009年(平成21年) | 本会内に「新型インフルエンザ対策本部」を設置
改正薬事法の全面施行(新たな医薬品販売制度) |
2011年(平成23年) | 東日本大震災が3月11日に発生。全国の薬剤師(8,378人(実人数2,062人))による救援活動が行われる。
人事院規則改正(6年制薬剤師の初任給が医療職俸給表(二)2級15号俸に決定) |
2012年(平成24年) | 公益社団法人日本薬剤師会がスタート(4月)
日本学校薬剤師会が日本薬剤師会学校薬剤師部会に組織統合 生涯学習支援システム(JPALS)を開始 6年制薬剤師の一期生が社会に巣立つ |
2013年(平成25年) | 日本薬剤師会創立120周年記念式典が、東京・帝国ホテルで挙行された。
薬事法及び薬剤師法の一部改正が行われ、新たな医薬品の区分として要指導医薬品が新設されたほか、一般用医薬品のインターネット等販売のルール整備が図られた。また、薬剤師による薬学的知見に基づく指導が明記される。 |
2014年(平成26年) | 改正薬事法及び薬剤師法の施行(要指導医薬品の新設、一般用医薬品のインターネット等販売のルール整備、薬学的知見に基づく指導の義務付け) |
2015年(平成27年) | 「患者のための薬局ビジョン」が公表される。 |
2016年(平成28年) | 健康サポート薬局制度が開始される。
熊本地震が4月14日及び16日に発生。全国の薬剤師906人(延べ2,773人)による医療支援活動が行われる。 |
2017年(平成29年) | 「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会報告書が公表される。 |
2018年(平成30年) | 薬剤師倫理規定を改定し、薬剤師行動規範を制定。
薬剤師資格証の発行開始。 |
2019年(平成31年/令和元年) | 改正医薬品医療機器法等の公布(令和2年9月施行:薬局の定義の改正、医薬関係者の責務の改正、薬剤師の業務の見直し(服薬状況等の継続的な把握・服薬指導と記録等)、薬局製造医薬品の貯蔵・陳列等、オンラインによる服薬指導の導入。令和3年8月施行:薬局の機能に関する認定制度の創設、薬局における法令順守体制の整備) |
2020年(令和2年) | 本会内に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置。 |
日本病院薬剤師会
日本病院薬剤師会は、病院や診療所などの医療機関に勤務する薬剤師の職能団体です。
全国の47都道府県にもそれぞれ病院薬剤師会があり、その都道府県の病院薬剤師会の会員で構成されており、会員数約42,000名とされています。
会の目的は、病院診療所に勤務する薬剤師の倫理的学術的水準を高め、薬学特に専門分野である臨床薬学、病院薬学及び病院薬局業務一般の進歩発展を図ることによって国民の厚生福祉の増進に寄与することとされています。
具体的な活動として、地区ブロック学術大会、各種講演、研修会の開催、機関誌や関連図書の出版などの事業も行われています。
日本病院薬剤師会の事業
1. 医療安全及び医薬品の適正使用に関する事項
薬剤師のチーム医療への貢献の推進、医薬品に関するセーフティマネジメントの啓発、PREAVOID事業の推進、薬剤師の院内感染防止対策への積極的な参加、医薬品関連の医療事故防止についての情報提供及び医薬品安全管理責任者講習会等の開催、ハイリスク薬の薬剤管理指導に関する業務ガイドラインに基づいた業務の実践、病院における医薬品適正使用のための指針の作成等
2. 生涯研修に関する事項
生涯研修認定、生涯研修履修認定の実施、e−ラーニングシステムを活用した生涯学習の推進、各種研修会・セミナー等の企画・開催、日本医療薬学会・日本薬学会・日本薬剤師会等の関連団体並びに薬系大学との連携強化
3. 各種認定に関する事項
感染制御専門薬剤師、精神科専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師、HIV 感染症専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師、感染制御認定薬剤師、精神科薬物療法認定薬剤師、妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師、HIV 感染症薬物療法認定薬剤師の認定、がん薬物療法に精通した薬剤師養成のための研修事業の実施、妊婦・授乳婦専門薬剤師、HIV 感染症薬物療法認定薬剤師の養成研修の実施、専門薬剤師の医療における成果の評価方法の構築、医療で求められる専門薬剤師の認定領域の拡大、他の学会の専門薬剤師認定制度への協力
4. 薬学教育の向上に関する事項
薬剤師養成のための薬学教育への協力、均質で質の高い病院実習ができる体制の整備、多施設実習並びにふるさと実習の推進、専門領域薬剤師の養成、生涯学習・研修事業、医薬安全対策、薬・薬連携の推進、BS病薬アワー(本会主催の放送番組)の放送企画
5. 学術大会、研修会等の開催及び協力に関する事項
ブロック学術大会の開催、病院診療所薬剤師研修会等各種研修会の開催、他の団体や学会の開催する研修会への協力
6. 機関誌及び図書等の刊行に関する事項
日本病院薬剤師会雑誌の定期発行、各種書籍の編集発行
7. 調査研究に関する事項
学術小委員会における研究活動の高度化と研究成果の論文発表の推進、病院薬剤部門の現状調査の実施、各種医学系学会への発表の推進、病院薬剤師の業務評価に繋がるエビデンスの構築を目的とした調査研究の推進等
8. 国際交流に関する事項
諸外国の病院薬剤師会との交流の推進、諸外国からの研修生受入への協力、国際薬学会等への参加等
9. 関係諸団体との連携及び協力に関する事項
生涯学習、研修事業、他団体の専門薬剤師認定制度等における関係諸団体との連携の強化
10. 会員の労働環境の整備及び福利厚生に関する事項
日本病院薬剤師会賠償責任保険の運営
11. その他本会の目的を達成するのに必要な事項
日本病院薬剤師会のあゆみ
昭和28(1953)年 4月 | 全国病院薬剤師全体会議開催 |
昭和30(1955)年 4月 | 日本病院薬剤師連合協会の設立 |
昭和36(1961)年 6月 | 会員名簿第1号発行 |
昭和39(1964)年 4月 | 日本病院薬剤師協会を日本病院薬剤師会と改名 |
昭和40(1965)年 11月 | 日本病院薬剤師会々誌第1巻第1号発刊 |
昭和41(1966)年 8月 | 第1回アジア薬学大会(FAPA)開催(東京) |
昭和45(1970)年 4月 | 日病薬会誌名を「Journal of the Nippon Hospital Pharmacists Association」に変更 |
昭和46(1971)年 7月 | 「社団法人日本病院薬剤師会」を設立 |
昭和50(1975)年 6月 | 「病院薬学」第1巻第1号発刊 |
昭和50(1975)年 12月 | 日本病院薬剤師会「薬剤師賠償責任保険」制度を発足 |
昭和51(1976)年 4月 | 日本病院薬剤師会賞、病院薬学賞表彰制度発足 |
昭和52(1977)年 4月 | 本会シンボルマーク制定 |
昭和53(1978)年 1月 | 「調剤技術基本料」の新設 |
昭和55(1980)年 8月 | 第8回アジア薬学大会(FAPA)開催(京都) |
昭和55(1980)年 11月 | 日本病院薬剤師会主催第1回実務研修会開催 |
昭和56(1981)年 6月 | 「特定薬剤治療管理料」の新設 |
昭和57(1982)年 1月 | 日病薬会誌名「Journal of the Nippon Hospital Pharmacists Association」を「Journal of Japan Hospital Pharmacists Association」に変更 |
昭和57(1982)年 4月 | 日病薬の英名「Japan Hospital Pharmacists Association」を「Japanese Society of Hospital Pharmacists 」に変更 |
昭和58(1983)年 1月 | 日病薬会誌名「Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists」に変更 |
昭和63(1988)年 3月 | 入院患者に「調剤技術基本料」の新設 |
平成02(1990)年 6月 | 日本病院薬学会設立 |
平成03(1991)年 7月 | 第1回日本病院薬学会年会開催 |
平成03(1991)年 11月 | 社団法人日本病院薬剤師会法人化二十周年式典挙行 |
平成05(1993)年 9月 | 第53回FIP国際薬剤師薬学会議開催(東京) |
平成06(1994)年 8月 | 国際協力事業団(JICA)事業として途上国の薬剤師を5施設で3ヵ月間研修を受け入れ |
平成07(1995)年 1月 | 阪神淡路大震災の被災地に救援ボランティア薬剤師を派遣 |
平成08(1996)年 10月 | 日本病院薬剤師連盟を設立 |
平成09(1997)年 6月 | 米国病院薬剤師会副会長Dr.J.A.Oddisを招聘し特別講演会開催 |
平成10(1998)年 8月 | 第1回薬剤師治験コーディネーター養成研修会開催 |
平成10(1998)年 10月 | 病院における薬剤師人員配置基準の答申 |
平成11(1999)年 10月 | 第1回薬剤師管理指導業務完全実施推進大会開催(大阪) |
平成12(2000)年 1月 | 第1回プレアボイド報告促進全国担当者連絡会議開催 |
平成13(2001)年 1月 | 日本病院薬学会を日本医療薬学会と改称, 薬学教育改革シンポジウム開催 |
平成13(2001)年 10月 | 社団法人日本病院薬剤師会法人化三十周年式典挙行, 病院における薬剤師の人員配置基準に関する検討会最終報告 |
平成14(2002)年 10月 | 第1回薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議開催 |
平成16(2004)年 1月 | 日病薬の英名「The Japanese Society of Hospital Pharmacists」に変更 |
平成16(2004)年 5月 | 学校教育法・薬剤師法一部改正公布。薬学教育六年制の移行が決定(平成18年4月より実施) |
平成16(2004)年 10月 | 事務局に新潟県中越地震対策本部設置、義援金を募集し新潟県に寄付 |
平成17(2005)年 7月 | がん専門薬剤師及び感染制御専門薬剤師認定制度公表 |
平成17(2005)年 10月 | 社団法人日本病院薬剤師会創立五十周年式典挙行 |
平成19(2007)年 2月 | がん薬物療法認定薬剤師認定制度公表 |
平成19(2007)年 6月 | 精神科専門薬剤師及び精神科薬物療法認定薬剤師認定制度公表 |
平成19(2007)年 8月 | 病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告 |
平成19(2007)年 12月 | 日本病院薬剤師会の禁煙推進宣言を表明 |
平成20(2008)年 2月 | 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師及び妊婦・授乳婦専門薬剤師認定制度公表 |
平成20(2008)年 6月 | 感染制御認定薬剤師認定制度公表 |
平成20(2008)年 8月 | 日病薬認定指導薬剤師認定制度公表, HIV感染症薬物療法認定薬剤師及びHIV感染症専門薬剤師認定制度公表 |
平成21(2009)年 11月 | 医療法上広告可能な専門薬剤師制度の設立を目指し、がん専門薬剤師制度を一般社団法人日本医療薬学会へ移管 |
平成22(2010)年 5月 | 一般社団法人日本医療薬学会「がん専門薬剤師」が医療法上広告可能となる |
平成23(2011)年 3月 | 事務局に東日本大震災対策本部設置, 被災地に医療支援ボランティア薬剤師を派遣, 義援金を募集し被災した県の病院薬剤師会に寄付 |
平成23(2011)年 7月 | 新公益法人制度の施行にともない、一般社団法人へ移行 |
平成24(2012)年 3月 | 「病棟薬剤業務実施加算」の新設 |
平成26(2014)年 3月 | 「がん患者指導料3」の新設 |
平成26(2014)年 6月 | 改正薬剤師法施行(情報提供・指導義務) |
平成27(2015)年 4月 | 日病薬病院薬学認定薬剤師制度開始 |
平成28(2016)年 3月 | 「病棟薬剤業務実施加算2」、「薬剤総合評価調整加算」の新設 |
平成28(2016)年 4月 | 事務局に災害医療支援本部設置(熊本地震), 被災地に現地調整班・医療支援ボランティア薬剤師を派遣 |
平成29(2017)年 3月 | 会長への手紙開始 |
平成30(2018)年 10月 | 第1回日本病院薬剤師会Future Pharmacist Forum開催 |
平成31(2019)年 3月 | 「医療提供施設である介護保険施設における医薬品の安全使用等に関する調査研究事業」報告 |
令和元(2019)年 12月 | 改正薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)公布 |
令和2(2020)年 3月 | 「退院時薬剤情報連携加算」、「連携充実加算」、「精神科退院時共同指導料」の新設 |