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お薬手帳について

2020年7月4日

お薬手帳は、紙も電子も合わせると沢山の種類があって、どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。

そんな時、どれにするか考えるポイントとして、「e薬Link(イークスリンク)」に対応しているかどうか、という点があります。

なぜか。それは、最終的に蓄積された情報が、お薬手帳(アプリ)を変更したときに途切れないようにするため、です。

上記リンク先の一覧でも、データ保存先ですら多岐にわたっているのが現状なので、できるだけ保存されたデータを長きにわたって保管して頂けそうなところはどこか、という観点も重要かと思います。

あとは、「特定の薬局・ドラッグストア用にカスタマイズされたお薬手帳(アプリ)」か、「特定の薬局・ドラッグストア用にはカスタマイズされていないお薬手帳(アプリ)」か、という点もポイントです。

前者については、日本調剤、マツモトキヨシ、スギ薬局などの大手チェーン薬局が作成しており、それぞれの調剤薬局やドラッグストアのサービスと密な連携があります。お気に入りの調剤薬局・ドラッグストアがあり、他のところでの調剤は考えていない場合にはより手厚いサービスが期待できるこれらのアプリから選ぶのも手です。

後者については、日本薬剤師会の「健康の庫」、シミックの「ハルモ」、メドピアの「kakari」などがあります。これらは、導入している調剤薬局であれば、特定の調剤薬局・ドラッグストアグループに依らず使えます。また、それぞれの特徴もあるため、詳細については下記リンク先もご覧ください。機会があれば本ブログでもご紹介します。

  • お薬手帳情報管理サービス 健康の庫
  • 電子お薬手帳(電子おくすり手帳)|harmo(ハルモ)|医療情報連携システム
  • kakari | いつもの薬局を、あなたの「かかりつけ薬局」に

これらのサービスは、患者さん自身に自分の健康情報を管理することを促しているため、Personal Health Record (PHR) などの概念とも非常に親和性があります。PHRについて興味のある方は下記サイトもご覧ください。

Defining the Personal Health Record - AHIMA (American Health Information Management Association)

https://library.ahima.org/doc?oid=59377#.XvKZBv_7Q2w

The personal health record (PHR) is an electronic, lifelong resource of health information needed by individuals to make health decisions. Individuals own and manage the information in the PHR, which comes from healthcare providers and the individual. The PHR is maintained in a secure and private environment, with the individual determining rights of access. The PHR does not replace the legal record of any provider.

Personal Health Record (PHR) は、個人が健康上の意思決定を行うために必要とされる健康情報の生涯にわたる電子的な資源である。個人は、ヘルスケアプロバイダー及び個人から入手したPHRの情報を所有し、管理する。PHRは安全かつ個人的な環境に維持され、アクセス権は個人が決定する。PHRはヘルスケアプロバイダーの法的記録に代わるものではない。

AHIMA (American Health Information Management Association) という、アメリカの、健康情報管理の専門家協会が述べている上記の定義は、非常に重要なポイントを押さえています。

PHRは、安全かつ個人的な環境に保管されるという点や、医療従事者の方々が残す法的な記録に代わるものでもない、という点です。

今後、Electronic Health Record (EHR) と Personal Health Record (PHR) が融合する部分もあれば、明確に分けなければならない部分も出てくるため、国内外の様々な議論と今後の動向に要注目です。

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