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地域連携薬局の認定基準とは?薬機法等の一部を改正する法律(認定薬局関係)

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地域連携薬局の認定基準(規則第 10 条の2関係)

地域連携薬局は、外来受診時だけではなく、在宅医療への対応や入退院時を含め、他の医療提供施設との服薬情報の一元的・継続的な情報連携に対応できる薬局であることが求められるものである。このため、地域連携薬局がその役割を果たすためには、地域において、他の医療提供施設に勤務する医師をはじめとした医療関係者との連携体制を構築した上で、様々な療養の場を移行する利用者の服薬情報等の情報共有を行いながら、利用者に対し質の高い薬学的管理を行う必要がある。また、地域において、他の薬局に対する医薬品の提供や医薬品に係る情報発信、研修等の実施を通じて、他の薬局の業務を支えるような取組も期待されるものである。

このような考え方のもと、地域連携薬局の認定にあたり必要な基準を、法第6条の2第1項及び規則第 10 条の2で定めたところであり、具体的な基準の考え方については次のとおりであること。

なお、地域連携薬局は、医療提供施設のほか、利用者が関わる介護関係施設等とも連携を取りながら業務を行うことが求められること。

1 構造設備(規則第 10 条の2第 1 項関係)

(1)利用者の服薬指導等の際に配慮した構造設備(規則第10条の2第1項第1号関係)

本規定は、利用者が座って情報の提供や薬学的知見に基づく指導等を受けることができるようにするとともに、利用者に対する情報提供や服薬情報等が他の利用者に漏えいしないよう配慮することにより、利用者が安心して相談できる環境を確保することを求めているものであり、薬剤師がより丁寧に服薬指導等を実施することにも資するものである。

「座つて情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を受けることができる」とは、本規定の趣旨を踏まえると、基本は利用者が座って情報の提供等を受けることができる設備を求めるものであるが、やむを得ない場合には、必ずしもあらかじめ椅子を備え付けておく必要はない。この場合、利用者が座って相談を受けられることが可能であることについて、利用者が容易に認識できるよう、利用者への必要な声かけや見やすい場所にその旨掲示する等といった配慮が必要であること。

また、「間仕切り等で区切られた相談窓口その他の区画並びに相談の内容が漏えいしないよう配慮した設備」とは、利用者への服薬指導等を実施する際に利用するカウンターにパーティション等を設置することにより仕切ることが考えられるが、単にパーティションを設置すれば良いというものではなく、相談できるスペースを十分確保する、他の利用者の待合場所とカウンターの距離を離す、他の利用者の目線や動線に配慮した配置にする、情報提供や服薬指導の内容等が他の利用者に聞き取られないよう配慮する等、薬局全体において、どのような設備や広さであれば、利用者が安心して相談でき、薬剤師がより丁寧に服薬指導等を実施できるかを考慮した上で設備を検討すること。

検討に当たっては、以下の(2)も考慮した上で薬局全体の設備を検討するものであるが、上記の対応に限らず、様々な対応が考えられるものであること。

なお、このような設備を有したとしても、実際に情報提供や服薬指導等を行う薬剤師の態度や声の大きさ等によっては、利用者が安心して相談できない、他の利用者に内容が聞こえてしまうといった可能性もあるため、本号の規定に基づき設備を整備するとともに、薬剤師の対応方法についても薬局内で周知し、利用者が安心できる環境を確保すること。

(2)高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造設備(規則第10条の2第1項第2号関係)

「高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造」の具体例は、利用者の動線や利用するエリア等を考慮して手すりを設置すること、入口に段差がないこと、車いすでも来局できる構造であること等利用者に配慮した構造であるが、これらの対応に限らず、様々な対応が考えられるものであること。

なお、配慮した構造については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成 18 年法律第 91 号)第 14 条第1項の規定に基づく建築物移動等円滑化基準も参考にすること。

2 利用者の薬剤等の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制(規則第 10 条の2第2項関係)

(1)地域包括ケアシステムの構築に資する会議への参加(規則第 10 条の2第2項第1号関係)

地域連携薬局としてその役割を発揮するためには、地域における他の医療提供施設との連携体制を構築した上で、必要な情報提供などの業務に取り組むことが求められる。このため、地域包括ケアシステム(地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(平成元年法律第 64 号)第2条第1項に規定する地域包括ケアシステムをいう。)の構築に資する会議に継続的に参加することを求めるものであり、参加の頻度については、地域における会議の開催状況も踏まえつつ、薬局として参加すべきものを検討した上で積極的に関わっていくこと。また、このような会議への参加が関係機関から案内されるよう、薬局の対応について他の医療提供施設や関係機関への周知等も併せて行うこと。

ここでいう「地域包括ケアシステムの構築に資する会議」とは、地域包括ケアシステムの構築のための、地域住民を含む地域における総合的なチーム医療・介護の活動であり、次に掲げる活動が考えられること。

  • 介護保険法(平成9年法律第 123 号)第 115 条の 48 で規定され、市町村又は地域包括支援センターが主催する地域ケア会議
  • 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成 11 年厚生省令第 38 号)第 13 条第9号で規定され、介護支援専門員が主催するサービス担当者会議
  • 地域の多職種が参加する退院時カンファレンス

(2)地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して随時報告及び連絡することができる体制(規則第 10 条の2第2項第2号関係)

地域連携薬局は、地域における在宅医療への対応や入退院時をはじめとする地域における他の医療提供施設との服薬情報の一元的・継続的な情報連携において重要な役割を担う薬局として位置づけられたものである。このため、地域連携薬局は、医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者との間で随時報告及び連絡することができる体制を備えていることが必要である。したがって、例えば以下に掲げるような体制を構築し、現に実施していることが求められる。

  • ① ハイリスク薬等を服用する外来の利用者が地域連携薬局に来局した際に、利用者から服薬状況や副作用の発生の有無などの服薬情報を入手し、医療機関に勤務する医師、薬剤師等に提供すること。
  • ② 入院時には、医療機関において適切な薬学的管理を行うため、地域連携薬局が有する利用者の入院前の服薬情報等を、医療機関に勤務する医師、薬剤師等に提供すること。
  • ③ 退院時には、退院後に地域連携薬局が適切な薬学的管理を行うため、退院時カンファレンスに参加し、医療機関に勤務する医師、薬剤師等から入院時の服薬情報や退院後の療養上の留意点等について必要な指示・情報提供等を受けること。
  • ④ 在宅医療を行う際には、主治医の指示等に基づいて地域連携薬局が居宅等において適切に薬学的管理を行うため、在宅における服薬状況等を適切に把握し、利用者の薬物療法等に必要となる薬剤や医療材料等の情報とともに、医療機関に勤務する医師、薬剤師等に提供すること。

地域連携薬局としては、薬局が他の医療提供施設と連携しつつ、これらの対応が実施できることを、地域における他の医療提供施設に広く周知するとともに、薬局に来局する利用者に対して十分理解されるよう、実施できる内容の掲示や必要に応じた説明など積極的な周知を行うこと。

(3)地域における医療機関に勤務する薬剤師等に対して報告及び連絡した実績(規則第 10 条の2第2項第3号関係)

①本規定の取扱い

本規定は、前号の体制を構築した上で、薬局開設者が、認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師に、当該薬剤師から医療機関に勤務する薬剤師等に対して次に掲げる報告及び連絡させた実績として月平均 30 回以上を求めるものであること。

ア 利用者の入院に当たって情報共有を行った実績
イ 医療機関からの退院に当たって情報共有を行った実績
ウ 外来の利用者に関して医療機関と情報共有を行った実績
エ 居宅等を訪問して情報提供や指導を行い、その報告書を医療機関へ提出して情報共有を行った実績

上記ア~エについては、いずれかのみを行うのではなく、満遍なく実施することが望ましいこと。

②留意事項

報告及び連絡した実績に該当するものについては、当該薬局の薬剤師が、服薬指導等から得られた情報を基に、処方した医師にとって薬剤の適正使用に必要な情報をとりまとめ、医療機関に勤務する薬剤師等に文書(地域情報連携ネットワーク等を含む。)を用いて提供する等、当該薬剤師の主体的な情報収集等により、報告及び連絡したものであること。

ただし、医療機関から行われる利用者の検査値等のみの情報提供や、利用者の情報を含まない医療機関及び薬局の施設等に係る情報提供、服用中の薬剤に係るお薬手帳への記載及び薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第 24 条に基づく疑義照会は、本規定における報告及び連絡させた実績には含まれないものであること。

また、報告及び連絡に用いる文書の様式については、地域の医師会、薬剤師会等とあらかじめ協議されたものを用いることが望ましいこと。

なお、当該報告及び連絡については、医療機関との連携を確保するために設けたものであり、本規定で定められた実績を達成すること自体を目的とするのではなく、当該実績を満たした後であっても、薬剤師が医療上必要と認める場合や利用者が希望する場合等はその都度行うことが求められるものであること。

(4)他の薬局に対して報告及び連絡することができる体制(規則第 10 条の2第2項第4号関係)

本規定において求められる体制は、地域における他の薬局に対して利用者の薬剤等(要指導医薬品及び一般用医薬品を含む。以下同じ。)の薬剤服用歴、残薬などの服薬状況、副作用の発生状況等に関する情報を報告及び連絡することが求められるため、その方法等を明確にしておくこと。例えば、地域連携薬局をかかりつけの薬剤師のいる薬局としている利用者が、他の薬局を利用した際に、当該利用者からの同意の下で当該他の薬局からの求めに応じ、当該利用者の薬剤等の適正使用に必要となる情報を地域連携薬局から当該他の薬局に情報提供する場合が想定される。

3 地域の利用者に対し安定的に薬剤を供給するための調剤及び薬剤の販売業務体制(規則第 10 条の2第3項関係)

(1)開店時間外の相談に対応する体制(規則第10条の2第3項第1号)

利用者から電話相談等があった場合には、開店時間外であっても薬局で相談等を受けられる体制を求めているものであり、利用者のかかりつけの薬剤師がいる場合には、かかりつけの薬剤師(かかりつけの薬剤師が対応できない時間帯である場合は、薬局において当該かかりつけの薬剤師と適切に情報共有している薬剤師を含む。)が対応すること。また、当該相談内容の必要な事項については、調剤録に記載すること。

利用者又はその家族等に対しては、当該薬局の薬剤師に直接相談できる連絡先、注意事項等について事前に説明すること。また、当該内容については、文書により交付すること又は薬袋へ記載すること。

(2)休日及び夜間の調剤応需体制(規則第 10 条の2第3項第2号関係)

休日及び夜間における調剤応需体制については、利用者に対し医薬品を迅速に供給できるよう、自局で対応するほか、地域の他の薬局開設者と連携して対応する体制を備えていることを指すものであり、例えば、地域で輪番制により対応している場合にはそれに参加していることが考えられる。また、利用者に対しては、自局の開店時間のほか、地域における休日及び夜間の調剤応需体制を示しておくこと。

なお、他の薬局開設者との連携に関しては、へき地、過疎地域等であって、日常生活圏域(中学校区)及び近接する日常生活圏域に対応可能な他の薬局が存在しない場合には、柔軟に判断して差し支えないこと。

(3)在庫として保管する医薬品を必要な場合に他の薬局開設者の薬局に提供する体制(規則第 10 条の2第3項第3号関係)

本規定は、地域の医薬品供給体制の確保のため、地域連携薬局が他の薬局開設者の薬局からの求めに応じて医薬品を供給できる役割を求めることから設けたものであり、地域において広く処方箋を応需し、利用者に対し医薬品を迅速に供給できるよう、地域の他の薬局開設者の薬局から医薬品の提供について求めがあった場合などに医薬品を提供できる体制が必要である。

また、地域連携薬局における本規定の役割を踏まえると、地域の医薬品の提供体制を整備する際には、当該薬局の在庫として保管する医薬品の情報を近隣薬局に提供する等による周知を行うことが望ましいこと。

(4)麻薬の調剤応需体制(規則第 10 条の2第3項第4号関係)

本規定は、麻薬及び向精神薬取締法(昭和 28 年法律第 14 号)第2条第1号に規定する麻薬の調剤の求めがあった場合には、その薬局で調剤する体制を備えることを求めたものである。地域連携薬局は、様々な種類の麻薬の調剤に対応できることが必要であり、在庫として保管する品目数や種類は当該薬局の調剤の状況等に応じて薬局で判断しても差し支えないが、麻薬の調剤の求めがあった場合に、薬局の事情等により当該麻薬の調剤を断ることは認められないものであり、速やかに必要な麻薬を入手できる体制を構築しておくこと。

(5)無菌製剤処理を実施できる体制(規則第 10 条の2第3項第5号関係)

本規定は、特に居宅等で療養を受ける利用者への調剤において無菌製剤処理が必要な薬剤が想定されるため、無菌製剤処理を実施できる体制(規則第 11 条の8第1項ただし書の規定により他の薬局の当該無菌調剤室を利用して無菌製剤処理を実施(以下「共同利用」という。)する体制を含む。)を備えていることを求めているものであり、そのような処方があった場合、当該薬局で責任を持って当該薬剤の調剤を確保する対応が必要となる。

このため、自局又は共同利用により無菌製剤処理を実施できるようにしておくことが望ましいが、日常生活圏域(中学校区)及び近接する日常生活圏域に、無菌製剤処理が可能な他の薬局が存在しない場合等も想定されることから、こうした場合には、無菌製剤処理の調剤に限り、当分の間、適切な実施薬局を紹介すること等の対応でも差し支えない。ただし、その場合、紹介する薬局をあらかじめ確保し、無菌製剤処理が必要な調剤の対応が円滑に実施できるよう具体的な手続を手順書等に記載しておくこと。

(6)医療安全対策(規則第 10 条の2第3項第6号関係)

医療安全対策の具体的な取組は、厚生労働省から公表している各種資材の活用はもとより、医薬品に係る副作用等の報告の対応、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業への参加、製造販売業者による市販直後調査への協力のほか、医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に基づく患者向け資料の活用、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)が実施している「医薬品医療機器情報配信サービス」(PMDA メディナビ)等を活用した服薬指導等の対応が考えられる。

(7)継続して1年以上常勤として勤務している薬剤師の体制(規則第 10 条の2第3項第7号関係)

本規定は、地域連携薬局として役割を果たすためには、日頃から会議の参加等を通じて、他の医療提供施設と連携体制を構築するとともに、薬局の利用者に対して薬剤師が継続して関わることにより利用者の薬学的管理を適切に実施していくことが求められることから、当該薬局に継続して勤務している薬剤師を一定程度確保することを求めるために設けたものである。原則として、「常勤」は、当該薬局に週当たり 32 時間以上勤務、「継続して1年以上常勤として勤務」は、認定申請又は認定更新申請の前月までに継続して1年以上常勤として当該薬局に勤務している場合が該当するものであること。

地域連携薬局の基準に定めた業務を継続的に実施するため、本号に該当する薬剤師がこれらの業務に積極的に関わるほか、それ以外の薬剤師についても同様に関わることにより、当該薬局における薬剤師が行う対人業務を充実させていくこと。

(8)地域包括ケアシステムに関する研修を修了し常勤として勤務している薬剤師の体制(規則第 10 条の2第3項第8号関係)

地域包括ケアシステムに関する研修については、「健康サポート薬局に係る研修実施要綱」(平成 28 年2月 12 日薬生発 0212 第8号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知別添)において、技能習得型研修の研修項目に「地域包括ケアシステムにおける多職種連携と薬剤師の対応」が、知識習得型研修の研修項目に「地域包括ケアシステムにおける先進的な取組事例」が含まれていることから、当該要綱に基づき研修実施機関が実施した健康サポート薬局に係る研修を修了した者として修了証の交付を受けた常勤の薬剤師が、本規定の基準を満たす者として取り扱うこととする。

なお、常勤の考え方については、(7)の取扱いと同様とする。

(9)地域包括ケアシステムに関する内容の研修の受講(規則第 10 条の2第3項第9号関係)

地域連携薬局は、同項第8号に基づき研修を修了した薬剤師のみならず、当該薬局に勤務する他の薬剤師も地域包括ケアシステムに係る内容を理解した上で業務に携わることが適当であることから、当該薬局に勤務する薬剤師に対して、地域包括ケアシステムに係る内容が学習できる研修を毎年継続的に受講させることを求めたものである。当該研修については、外部研修が望ましいが、薬局開設者が従業員に対して自ら行う研修でも許容するものであり、あらかじめ実施計画を作成するとともに、研修実施後は、日時、参加者等に係る記録を保存しておくこと。

(10)地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報提供(規則第 10 条の2第3項第 10 号関係)

地域連携薬局は、地域の他の医療提供施設に対して、新薬の情報、同一薬効群における医薬品の有効性及び安全性の情報や特徴、後発医薬品の品質に関する情報や製剤の工夫等の特徴等、医薬品の適正使用に関する情報を広く提供し、地域の医薬品情報室としての役割を果たすことを求めたものであり、認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において情報提供した実績が必要である。

なお、このような情報提供は、単に一度提供したら役割を果たすものではなく、必要に応じてその都度情報提供を行うとともに、他の医療提供施設から必要な情報提供の相談があればそれに応じること。

4 居宅等における調剤及び指導を行う体制(規則第 10 条の2第4項関係)

(1)居宅等における調剤並びに情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の実績(規則第 10 条の2第4項第1号関係)

本規定は、居宅等における調剤の業務並びに訪問診療を利用する者に対する情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を恒常的に実施していることを担保するため、認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において月平均2回以上これらを実施した実績を求めるものである。

実績として計上する回数は居宅等を訪問して指導等を行った回数とするが、複数の利用者が入居している施設を訪問した場合は、調剤の業務並びに情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を行った人数にかかわらず1回とすること。また、同一人物に対する同一日の訪問は、訪問回数にかかわらず1回とすること。

また、本規定は、在宅医療の対応を確保するために設けたものであり、本規定で定められた実績を達成すること自体を目的とするのではなく、当該実績を満たした後であっても、薬剤師が医療上必要と認める場合や利用者が希望する場合等にその都度行うことが求められること。

本規定のただし書きは、地域の特段の事情により、例えば居宅等で訪問診療を受けている利用者が限られている場合など、当該地域において本規定を満たすことが困難であり、地域連携薬局の認定が進まないと都道府県知事が判断する場合に限り、都道府県知事が対象となる地域及び基準となる回数を規定するものであり、居宅等における調剤及び指導を実施していることは担保しつつ、実施すべき回数は配慮することを想定しているものであること。

(2)医療機器及び衛生材料を提供するための体制(規則第 10 条の2第4項第2号関係)

本規定は、訪問診療を利用する者に対しては、医療機器やそれ以外の衛生材料が必要となる場合も想定されることから、これらを提供できるようにするために設けたものであり、医療機器の中には高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器(以下「高度管理医療機器等」という。)に該当するものも含まれるため、法第39 条第1項の規定による高度管理医療機器等の販売業の許可を受けることを求めるものである。また、訪問診療を利用する者に対してだけでなく、訪問診療に関わる医療機関等に対しても必要に応じて医療機器や衛生材料の提供を行うこと。

なお、薬局で保管する医療機器・衛生材料は、薬局において必要と判断するものに限って差し支えないが、保管したもの以外のものが必要になった場合には速やかに入手できる体制を構築しておくこと。

 

参照

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000731165.pdf

薬生 発0129第 6号
令和 3 年1 月29日

各 都道府県知事、保健所設置市長、特別区長 殿

厚生労働省医薬・生活衛生局長

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(認定薬局関係)

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第 63 号。以下「改正法」という。)については、令和元年 12 月4日に公布されましたが、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」(令和2年政令 39 号)において令和3年8月1日に施行される事項のうち、認定薬局に関するものについては、令和3年1月 22 日付で「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」(令和3年厚生労働省令第5号。以下「改正省令」という。)が公布されたところです。

これらの改正の趣旨、内容等については下記のとおりですので、御了知の上、貴管内関係団体、関係機関等に周知徹底を図るとともに、適切な指導を行い、その実施に遺漏なきよう、お願いいたします。

 

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