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専門医療機関連携薬局の認定基準は?薬機法等の一部を改正する法律(認定薬局関係)

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専門医療機関連携薬局の認定基準関係(規則第 10 条の3関係)

専門医療機関連携薬局とは、がん等の専門的な薬学管理が必要な利用者に対して、他の医療提供施設との密な連携を行いつつ、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応できる薬局であることが求められるものである。このため、専門医療機関連携薬局がその役割を果たすためには、これらの求められている機能を十分に発揮することに加えて、他の薬局に対しても、医薬品の提供、医薬品に係る専門性の高い情報発信や高度な薬学管理を行うために必要な研修等の実施を通じて、専門的な薬学管理が対応可能となるよう支えるなどの取組も期待されるものである。

このような考え方のもと、専門医療機関連携薬局の認定における傷病の区分及び必要な基準を、法第6条の3第1項及び規則第 10 条の3で定めたところであり、具体的な基準の考え方については次のとおりであること。

1 傷病の区分(規則第 10 条の3第1項関係)

専門医療機関連携薬局は、法第6条の3第1項に基づき厚生労働省令で定める傷病の区分ごとに認定することとしており、規則10条の3第1項において、「がん」を定めたところである。したがって、今般、認定にあたり必要な基準は、がんの区分に対応したものを設けているが、今後、傷病の区分を追加した際は、その区分に対応する基準を定めるものであること。

2 構造設備(規則第10条の3第2項関係)

(1)利用者の服薬指導等の際に配慮した構造設備(規則第10条の3第2項第1号関係)

本規定の趣旨は地域連携薬局と同様であるが、専門医療機関連携薬局の場合、がんの治療を受けている利用者に対して、より安心して相談ができる環境を確保する必要があるため、個室その他のプライバシーの確保に配慮された設備を求めているものであること。

「個室その他のプライバシーの確保に配慮した設備」とは、個室に限らず、服薬指導等を行うカウンターのある場所や利用者の待合スペースから十分離れていて、プライバシーに配慮した場所であれば要件を満たすとみなし得るものであり、具体的な対応は、薬局の規模や構造などによっても異なるものである。

検討に当たっては、以下の(2)も考慮した上で薬局全体の設備を検討するものであるが、上記の対応に限らず、様々な対応が考えられるものであること。

なお、このような設備を有したとしても、実際に情報提供や服薬指導等を行う薬剤師の態度や声の大きさ等によっては、利用者が安心して相談できない、他の利用者に内容が聞こえてしまうといった可能性もあるため、本号の規定に基づき設備を整備するとともに、薬剤師の対応方法についても薬局内で周知し、利用者が安心できる環境を確保すること。

(2)高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造設備(規則第10条の3第2項第2号関係)

地域連携薬局における第2の1(2)と同様の考え方で対応すること。

3 利用者の薬剤等の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制(規則第 10 条の3第3項関係)

(1)専門的な医療の提供等を行う医療機関との間で開催される会議への参加(規則第 10 条の3第3項第1号関係)

専門医療機関連携薬局としてその役割を発揮するためには、がん治療に係る医療機関との連携体制を構築した上で、利用者の治療方針を共有することや必要な情報提供を行うことなどの業務に取り組むことが求められる。このため、薬局開設者が、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師を、利用者の治療方針を共有するためにがんの区分に係る専門的な医療の提供等を行う医療機関が開催する会議に継続的に参加させていることを求めているものであり、参加の頻度については、当該医療機関における会議の開催状況を踏まえつつ、薬局として参加すべきものを検討した上で積極的に関わっていくこと。「第1項に規定する傷病の区分(本規定ではがんの区分)に係る専門的な医療の提供等を行う医療機関」とは、厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等及び都道府県が専門的ながん医療を提供するものとして認めた医療機関であること(以下、本通知において「がん治療に係る医療機関」とは当該医療機関を指すものとする。)。

(2)専門的な医療の提供等を行う医療機関に勤務する薬剤師等に対して随時報告及び連絡することができる体制(規則第 10 条の3第3項第2号関係)

専門医療機関連携薬局は、医療機関との密な連携を行いつつ、より高度な薬学管理や高い専門性を求められる特殊な調剤に対応できる薬局として位置づけられたものである。このため、当該薬局に勤務する薬剤師とがん治療に係る医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者との間で随時報告及び連絡することができる体制を備えていることが必要である。したがって、例えば、以下に掲げるような体制を構築し、現に実施していることが求められる。

  • ① がん治療を行った医療機関における患者の治療方針(レジメン等)を理解し、当該患者の服薬情報を把握するとともに、副作用等の必要な情報を入手し、がん治療に係る医療機関の医師、薬剤師等に提供すること。
  • ② 外来化学療法で治療を受けているがん患者が在宅医療に移行する際には、主治医の指示等に基づいて居宅等を訪問する薬局の薬剤師が適切に薬学的管理を行うため、専門医療機関連携薬局ががん治療に係る医療機関の治療方針や服薬情報を当該薬局に提供すること。

専門医療機関連携薬局は、薬局が他の医療提供施設と連携しつつ、これらの対応が実施できることを、地域における他の医療提供施設に広く周知するとともに、薬局に来局する利用者に対して十分理解されるよう、実施できる内容の掲示や必要に応じた説明など積極的な周知を行うこと。

(3)専門的な医療の提供等を行う医療機関に勤務する薬剤師等に対して報告及び連絡した実績(規則第 10 条の3第3項第3号関係)

①本規定の取扱い

本規定は、前号の体制を構築した上で、薬局開設者が、認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師に、当該薬剤師からがん治療に係る医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対して、当該薬局で処方箋を応需しているがん患者数のうち半数以上のがん患者について情報の報告及び連絡を行わせた実績を求めるものであること。

なお、がん患者とは、抗がん剤や支持療法に必要な薬剤を用いてがん治療を受けている者を指すものであり、がん治療に係る医療機関と連携を行う中で、対象となる者を判断すること。

②留意事項

地域連携薬局における第2の2(3)②と同様の考え方で対応すること。

(4)他の薬局に対して報告及び連絡することができる体制(規則第 10 条の3第3項第4号関係)

本規定において求められる体制とは、他の薬局に利用者の薬剤等の薬剤服用歴、残薬などの服薬状況、副作用の発生状況等の使用に関する情報を報告及び連絡するための方法等を明確にしておくことが求められる。例えば、他の薬局をかかりつけの薬剤師のいる薬局としていた利用者が、がんの治療にあたり必要な薬剤等に関しては当該専門医療機関連携薬局を利用している場合、利用者の同意の下で他の薬局からの求めに応じて、薬剤の適正使用に必要となる利用者の情報を当該他の薬局へ情報提供することが想定される。なお、「他の薬局」には地域連携薬局も含まれるものであること。

4 専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務体制(規則第 10 条の3第4項関係)

(1)開店時間外の相談に対応する体制(規則第10条の3第4項第1号関係)

地域連携薬局における第2の3(1)と同様の考え方で対応すること。

(2)休日及び夜間の調整応需体制(規則第 10 条の3第4項第2号関係)

休日及び夜間における調剤応需体制については、利用者に対し抗がん剤などの医薬品を迅速に供給できるよう、自局で対応するほか、地域の他の薬局開設者と連携して対応する体制を備えていることを指すものであり、地域連携薬局における第2の3(2)と同様の考え方で対応すること。

(3)在庫として保管する傷病の区分に係る医薬品を必要な場合に他の薬局開設者の薬局に提供する体制(規則第 10 条の3第4項第3号関係)

専門医療機関連携薬局には、地域の医薬品供給体制の確保のため、他の薬局開設者の薬局からの求めに応じて抗がん剤などのがん治療に必要な医薬品を供給できる役割が求められるところであり、地域の他の薬局開設者の薬局から当該医薬品の提供について求めがあった場合に必要な医薬品を提供できる体制が必要である。対象として考えられる医薬品としては、抗がん剤のほか支持療法で用いられる医薬品を含むものであること。

また、専門医療機関連携薬局における本規定の役割を踏まえると、当該薬局における抗がん剤等の在庫として保管する医薬品の情報を近隣薬局に提供する等による周知を行うことが望ましいこと。

(4)麻薬の調剤応需体制(規則第 10 条の3第4項第4号関係)

専門医療機関連携薬局は、様々な種類の麻薬の調剤に対応できることが必要であることから、地域連携薬局における第2の3(4)と同様の考え方で対応すること。

(5)医療安全対策(規則第 10 条の3第4項第5号関係)

地域連携薬局における第2の3(6)と同様の考え方で対応すること。

(6)継続して1年以上常勤として勤務している薬剤師の体制(規則第 10 条の3第4項第6号関係)

本規定は、専門医療機関連携薬局として役割を果たすためには、がん治療に関して、日頃から会議の参加等を通じて、他の医療提供施設と連携体制を構築するとともに、薬局の利用者に対して薬剤師が継続して関わることにより利用者のがん治療に係る専門的な薬学的管理を適切に実施していくことが求められることから、当該薬局に継続して勤務している薬剤師を一定程度確保することを求めるために設けたものである。常勤として勤務する薬剤師の取扱いについては、地域連携薬局における第2の3(7)と同様の考え方で対応すること。

(7)傷病の区分に係る専門性を有する常勤として勤務している薬剤師の体制(規則第 10 条の3第4項第7号関係)

本規定は、傷病の区分に係る専門性を有する常勤の薬剤師を配置していることを求めるものであり、当該薬剤師は規則第 10 条の3第6項に規定する基準に基づき厚生労働大臣に届け出た団体が認定する薬剤師であること。

がんの区分に係る専門性とは、抗がん剤の化学療法の知識のほか、支持療法で用いる薬剤も含め、がんの薬物療法全般に係る専門性を有する薬剤師であること。なお、常勤として勤務している薬剤師の取扱いについては、地域連携薬局における第2の3(7)の取扱いと同様の考え方で対応すること。

(8)傷病の区分に係る専門的な内容の研修の受講(規則第 10 条の3第4項第8号関係)

専門医療機関連携薬局は、同項第7号に基づく専門性を有する薬剤師のみならず、当該薬局に勤務する他の薬剤師もがんに係る専門的な薬学的知見に基づく指導等の対応ができるよう、当該薬局に勤務する薬剤師に対して、がんに係る専門的な薬学的知見に基づく指導等に必要な内容が学習できる研修を毎年継続的に受講させることを求めたものである。当該研修については、外部研修が望ましいが、薬局開設者が従業員に対して自ら行う研修でも許容するものであり、あらかじめ実施計画を作成するとともに、研修実施後は、日時、参加者等に係る記録を保存しておくこと。

(9)地域の他の薬局に対する傷病の区分に係る専門的な内容の研修の実施(規則第 10 条の3第4項第9号関係)

本規定は、専門医療機関連携薬局には、当該薬局における対応のみならず、地域の他の薬局においても、がん治療を受けている利用者が来局することが想定されることから、専門医療機関連携薬局に勤務する薬剤師が地域の他の薬局に勤務する薬剤師に対して、がんに係る専門的な薬学的知見に基づく指導等に関する研修を継続的に行うことで、地域でがん治療を受けている利用者に対応できる体制を構築するために設けたものである。研修の実施にあたっては、必要に応じて日頃から連携しているがん治療に係る医療機関の協力も得ながら実施することとし、研修内容は、専門的な薬学的知見に基づく指導等の内容のみならず、利用者が安心して医療を受けることができるよう、コミュニケーション等も含めた指導方法等の内容も含まれること。

また、当該研修については、あらかじめ実施計画を作成するとともに、研修実施後は、日時、参加者等に係る記録を保存しておくこと。

(10)地域の他の医療提供施設に対する傷病の区分に係る医薬品の適正使用に関する情報提供(規則第 10 条の3第4項第 10 号関係)

専門医療機関連携薬局は、地域の他の医療提供施設に対して、抗がん剤や支持療法で用いられる医薬品の有効性及び安全性の情報や特徴、承認審査で用いられた臨床試験の情報、PMDA における当該医薬品の審査報告書の情報、医薬品リスク管理計画(RMP)の情報など、がん治療で用いられる医薬品の適正使用に関する情報を広く提供し、地域の医薬品情報室としての役割を果たすことを求めたものであり、認定申請又は認定更新申請の前月までの過去1年間において情報提供した実績が必要である。

なお、このような情報提供は、単に一度提供したら役割を果たすものではなく、必要に応じてその都度情報提供を行うとともに、他の医療提供施設から必要な情報提供の相談があればそれに応じること。

参照

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000731165.pdf

薬生 発0129第 6号
令和 3 年1 月29日

各 都道府県知事、保健所設置市長、特別区長 殿

厚生労働省医薬・生活衛生局長

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(認定薬局関係)

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第 63 号。以下「改正法」という。)については、令和元年 12 月4日に公布されましたが、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」(令和2年政令 39 号)において令和3年8月1日に施行される事項のうち、認定薬局に関するものについては、令和3年1月 22 日付で「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」(令和3年厚生労働省令第5号。以下「改正省令」という。)が公布されたところです。

これらの改正の趣旨、内容等については下記のとおりですので、御了知の上、貴管内関係団体、関係機関等に周知徹底を図るとともに、適切な指導を行い、その実施に遺漏なきよう、お願いいたします。

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