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「著作権者、出版権者、著作隣接権者の利益を不当に害するおそれがあるもの」又は「広く国民が容易に視聴することが困難なもの」

著作権法第2条第1項第9号の7に規定する著作権者、出版権者若しくは著作隣接権者の利益を不当に害するおそれがあるもの又は広く国民が容易に視聴することが困難なものとして文化庁長官が総務大臣と協議して定めるもの(文化庁告示)(案)の概要

1.改正法の内容

著作権法の一部を改正する法律(令和3年法律第52号。以下「改正法」という。)では、視聴者の利便性の向上やコンテンツ産業の振興等の観点から、放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化のために、①権利制限規定の拡充、②許諾推定規定の創設、③レコード・レコード実演の利用円滑化、④映像実演の利用円滑化、⑤裁定制度の改善という五つの対策を講ずることとした。

改正法では、権利処理円滑化の対象となる同時配信、追っかけ配信、一定期間の見逃し配信について「放送同時配信等」と定義し、様々な要件を規定している。その中で、著作権者、出版権者若しくは著作隣接権者の利益を不当に害するおそれがあるもの又は広く国民が容易に視聴することが困難なものとして文化庁長官が総務大臣と協議して定めるものについては、放送同時配信等の対象から除くこととし、この除外すべきサービスの決定について、施行後のサービスの実態やその変化等に柔軟に対応することができるよう、総務大臣との協議のもと、文化庁長官に委任している。

2.文化庁告示の内容について

この度、著作権者、出版権者若しくは著作隣接権者の利益を不当に害するおそれがあるものに該当するとして、以下に挙げるものを、除外すべきサービスとして告示に定めることとする。ただし、①及び②に掲げるものについては、著作権法第94条の3第1項又は第96条の3第1項の場合に限る。

① 番組における商業用レコードを用いたラジオ放送又は有線ラジオ放送の時間が毎正時からの一時間の半分を超える、衛星ラジオ放送(※1)又は有線ラジオ放送(※2)に係る放送番組又は有線放送番組の自動公衆送信(送信可能化を含む。以下同じ。)

※1 放送法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第10号)第2条第3号に規定する衛星一般放送のうち、ラジオ放送に限る。

※2 放送法(昭和25年法律第132号)第126条第1項に規定する有線電気通信設備を用いて行われるラジオ放送。

② 番組における商業用レコードを用いた放送の時間が当該放送番組の開始から終了までの時間の半分を超える、コミュニティ放送(※3)に係る放送番組(放送番組が放送される区域に密着した行政情報、タウン情報、交通情報及び観光情報その他の情報に関するものを除く。)の自動公衆送信

※3 放送法施行規則別表第5号(注)10に規定するコミュニティ放送。

③ 放送法第2条第26号に規定する放送事業者以外の者が放送又は有線放送を行う放送番組又は有線放送番組の自動公衆送信

3.施行期日

令和4年1月1日

(参照条文)著作権法(抄)

※著作権法の一部を改正する法律(令和3年法律第52号)による改正後第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一~九の六(略)

九の七 放送同時配信等 放送番組又は有線放送番組の自動公衆送信(当該自動公衆送信のために行う送信可能化を含む。以下この号において同じ。)のうち、次のイからハまでに掲げる要件を備えるもの(著作権者、出版権者若しくは著作隣接権者(以下「著作権者等」という。)の利益を不当に害するおそれがあるもの又は広く国民が容易に視聴することが困難なものとして文化庁長官が総務大臣と協議して定めるもの及び特定入力型自動公衆送信を除く。)をいう。

イ・ロ・ハ(略)

九の八~二十五(略)

2~9(略)

参照

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