ビジネス全般

インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方に関する緊急提言

プラットフォームサービスに関する研究会

<はじめに>

プラットフォームサービスに関する研究会は、利用者情報の適切な取扱いの確保の在り方や、インターネット上のフェイクニュースや偽情報への対応など、プラットフォームサービスに関する諸問題について検討を行う場として2018年10月から開催され、上記の論点について2020年2月に報告書を取りまとめた。

その後、インターネット、特にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を始めとするプラットフォームサービス上における誹謗中傷に関する問題が深刻化していることを踏まえ、本研究会を再開し議論を行い、「インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方について(案)」について広く意見募集を行った。

意見募集では、200を超える個人・法人から様々な論点について幅広い御意見が寄せられた。特に、誹謗中傷対策の必要性、誹謗中傷と正当な批判を区別して対応を行うべきといった検討に当たっての基本的な視点、普及啓発の必要性などについては、多くの賛同をいただいた。他方で、プラットフォーム事業者に対する削除義務や過料等を科す法的規制の導入等については、賛否両論の御意見をいただいた。

インターネット上の誹謗中傷は、様々な論点が絡み合う難しい問題ではあるものの、社会的な関心が高まり早急な対応が必要であることから、本研究会において緊急提言を行うこととした。本緊急提言は、意見募集において得られた多くの御意見も踏まえた上で、産学官民の多様なステークホルダーにより取り組むことが期待される対応の在り方を整理したものである。本緊急提言に基づき、我が国におけるインターネット上の誹謗中傷の問題について、国内外の産学官民の多様なステークホルダーが、互いに連携・協働し、早期にそれぞれの取組を推進することを期待する。

<総論>

1.検討に当たっての基本的な視点

  • インターネット上の誹謗中傷対策の検討に当たっては、誹謗中傷の書き込みの未然防止、書き込まれた場合の被害の拡大防止、あるいは、書き込みの被害者に対する支援や救済の充実のほか、適法な情報発信を行っている者の表現の自由の確保や、インターネット、特にプラットフォームサービスが日常生活や社会・経済活動に果たす役割など、多様な観点を適切に実現することを基本的な視点として、憲法を始めとする我が国の法秩序を踏まえ、具体的な方策を検討することが重要である。
  • その際、他人に対する誹謗中傷と他人に対する正当な批判とは区別して対応すべきことに留意することが必要である。

2.インターネット空間の特性を踏まえた検討の必要性

  • インターネット上では、フィジカル空間とは異なり、匿名性が高く、気軽に書き込みを行うことができるという特性や、高度の伝播性ゆえに被害が際限なく拡大しうるという特徴がある。インターネットの匿名性に関する特性は、インターネット上での誹謗中傷が問題になることが多い要因の一つと考えられ、匿名の陰に隠れた誹謗中傷は許されないものの、同時に、匿名による表現が自由な言論空間の確保という価値も担ってきた点にも留意しつつ検討を深めることが必要である。
  • また、インターネット上のサービスの性質は様々であることから、個々のサービスの形態や性質に応じて検討を深めることが必要である。

3.誹謗中傷のうち権利侵害情報(違法情報)と権利侵害に至らない情報(有害情報)の相違への留意

  • インターネット上の誹謗中傷の書き込みの法的な性格としては、他人の権利を侵害する情報(違法情報)に該当するものと、法的には必ずしも権利侵害情報に含まれないもの(有害情報)とがある。したがって、両者の切り分けの判断が事業者にとって困難な場合があることにも留意しつつ、違法情報と有害情報とで対応が異な点と、対応が変わらない点を意識しながら、対策を講ずることが必要である。
    ※なお、それ単体では一見権利侵害に当たらない個別の誹謗中傷の書き込みであっても、特定の者が継続して大量に書き込みを行うことや、多数の者が書き込みを行うことにより結果として大量の書き込みが行われることにより、社会的受忍限度を超える結果として、違法情報と評価されることもあり得るなど、政府として、誹謗中傷に関する違法性の判断基準についての議論を深める必要があるとの指摘がある。

4.総合的な対策の実施の必要性

  • インターネット上の誹謗中傷が大きな社会問題になっており、政府として、この問題について重点的に取り組み、国民や海外事業者を含む事業者に発信していくことが必要である。
  • インターネット上の誹謗中傷に関する問題の要因としては様々な事由が考えられ、その対策の検討に当たっては、何か1つの方策で全てが解決できるという性質のものではない。その際、①誹謗中傷の書き込みや拡散を行うユーザ(情報発信者・拡散者)への対応、②SNSなどの書き込みの場を提供しているプラットフォーム事業者への対応、③書き込みによって被害を受けた者(被害者)への対応、のそれぞれについて方策を検討することが適当である。
  • 対策の実施に当たっては、これまでも産学官民が連携し、⑴ユーザに対する情報モラル向上のための啓発活動、⑵事業者による取組や事業者団体による知見・ノウハウの共有、⑶国における環境整備、⑷被害者への相談対応、といった枠組みによりそれぞれ取組を実施してきた。今後も、基本的には同様の枠組みを踏襲しつつ、インターネット上の誹謗中傷に関する原因分析や実態調査を行うとともに、産学官民の多様なステークホルダーによる協力関係の構築を進めて、総合的な対策を講じていくことが重要である。

5.プラットフォーム事業者の役割の重要性

  • SNSを始めとするプラットフォームサービス上での誹謗中傷が深刻化していることから、特にプラットフォーム事業者による積極的な取組が求められるところ、表現の自由に配慮しつつ実効的な取組を実施するために、プラットフォーム事業者による取組の内容や効果を国や一般ユーザひいては社会全体に示す観点から、プラットフォーム事業者の取組の透明性・アカウンタビリティの確保が一層求められる。

<各論>

6.ユーザに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動

  • インターネット上の誹謗中傷への対策としては、それぞれのユーザが他人を個人として尊重し、SNSを始めとするインターネット上での自らの書き込みに対して他人が傷つく可能性を想像し、誹謗中傷を行わないよう心がけるなど、ユーザ自身の情報モラルが最も重要である。
  • プラットフォーム上での誹謗中傷が深刻化していることから、SNSを始めとするプラットフォーム事業者や業界団体は、情報モラル教育やSNSの適切な使い方(発信側の対策だけでなく、ミュートやブロックといったコンテンツフィルタリング機能の活用方法や削除対応の方法、悩みを一人で抱え込まず相談できる窓口の存在についての周知など、受信側の対策も含む。)などのICTリテラシーの向上の推進や、誹謗中傷を行わないための啓発活動の強化(誹謗中傷が他人を傷付けるものであり、場合によっては犯罪として制裁を受ける可能性があることを周知することなど)を、学校や地域社会等とも連携して行うことが必要である。
  • また、これらの取組を推進するに当たっては、そもそも誹謗中傷への対策としてどのような内容の情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動が必要なのか、どのような属性の人が誹謗中傷を行い、その情報を拡散し、又は賛意を示しているのか、どのような啓発活動が効果的なのかといった点について、産学官民が連携して多面的な分析を行うことが重要である。その上で、これまでICTリテラシー向上の取組の対象として重要視されてきた青少年だけではなく、成人を含む幅広い利用者に対して、真に効果的な対策に取り組むことが必要である。

7.プラットフォーム事業者による取組

  • SNSを始めとするプラットフォームサービス上での誹謗中傷対策については、自由な言論の場を提供するプラットフォーム事業者による自主的な取組が特に重要であり、この取組を促進するための環境整備が必要である。

7-(1)プラットフォーム事業者による削除等の対応の強化

  • プラットフォーム事業者を含む様々なサイト運営者が行いうる誹謗中傷への対応として、まず権利侵害情報(違法情報)に該当するものについては、書き込みの削除や非表示、アカウントの停止(以下「削除等」という。)を行うことが考えられる。プラットフォーム事業者は、わかりやすい削除依頼等の通報・申告の仕組みを設けるとともに、被害を受けたユーザ等からの申告に応じて、迅速な削除等の対応を実施することが求められる。
  • この点、プラットフォームサービス上では大量の情報が流通することから、ユーザ等からの申告を待たずに、自ら大量の情報を常時監視し、権利侵害情報(違法情報)を見つけた上で迅速な対応をとることも想定される。これを一律に求めるのは適切とは言えないものの、今後機械学習を含む人工知能(AI)によるアルゴリズムを活用した技術が普及・進展し、コストが低減するなどにより導入が容易になるような場合においては、プラットフォーム事業者は、ユーザや第三者からの申告がなくとも、自らの自由なサービス設計において定める規約やポリシーに基づき、主体的に情報の削除等の対応を行うことも期待される。
  • また、権利侵害情報(違法情報)について、プラットフォーム事業者は、ユーザからの申告のほか、正当な権限及び専門的知見を持った政府機関等からの申告に応じて、速やかに削除可否の判断を行うなど、適切に対処することも求められる。特に、法務省人権擁護機関は、「重大な人権侵害事案」において名誉毀損、プライバシー侵害等に該当する場合には、被害者からの申告等を端緒として削除依頼をプラットフォーム事業者を含むサイト運営者に行っているが、当該削除依頼を踏まえ、サイト運営者において、「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由」があると判断した場合や自らの規約やポリシーに照らして削除を行うことが相当であると認められる場合には、迅速な削除等の対応が求められる。
    ※プロバイダ責任制限法名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン抜粋
    「この削除依頼に基づき、プロバイダ等が送信防止措置を講じた場合には、「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由がある」場合(法3条2項1号)に該当し、プロバイダ責任制限法の規定に基づき、プロバイダ等が削除による発信者からの損害賠償責任を負わない場合が多いと考えられる。」
  • 一方で、権利侵害に至らない誹謗中傷の書き込み(有害情報)については、法的な根拠に基づく対応を求めることは困難であり、基本的には事業者の判断に基づく対応に委ねられるべきである。しかし、これらの有害情報の書き込みに対しても、プラットフォーム事業者は、過剰な削除等による表現の自由への萎縮効果や不当な私的検閲とならないための工夫を講じつつ、自らが定める規約やポリシーに基づき、各事業者のサービスの規模や仕様等に応じて、様々な対応策を自律的に行うことが期待される。なお、この際、書き込まれた被害者にとっては大量の誹謗中傷の書き込み等は大きな精神的苦痛になることも想定され、社会的受忍限度を超える結果として、違法情報と評価されることもあり得ることに留意が必要である。
  • その際、プラットフォーム事業者が上記の誹謗中傷への対応の必要性と表現の自由への萎縮効果のバランスを考慮した対応を実施するための方策として、コンテンツの削除等だけでなく、ユーザの選択に応じた形でのAIによる表示順位・頻度抑制等のコンテンツモデレーションや、規約やポリシーに基づくサービス設計技術(アーキテクチャ)の工夫による何らかの仕組みについて、事業者の創意工夫により、導入を検討することが期待される。(例えば、投稿内容について投稿時等に再考・再検討を行う機会を設ける機能や、ユーザの選択に応じた、コンテンツフィルタリング機能、一定の短期間の間に大量の誹謗中傷が集まった場合に自動的に検知を行い一時的に非表示にする機能など)

7-(2)透明性・アカウンタビリティの向上

  • 利用者が安心・信頼してプラットフォームサービスを利用することができるよう、上記7-(1)で記載したプラットフォーム事業者による自律的な情報の削除等の対応に加えて、それらの取組が適切に行われていることが利用者や社会全体に対して明らかにされることが望ましい。
    また、利用者の表現の自由を確保する観点から、プラットフォーム事業者によってそれぞれのサービスの規約やポリシーに照らして過剰な削除や不当なアカウント停止等の行き過ぎた対応が行われていないかという点についても明らかにされることが望ましい。
  • プラットフォームサービスの提供に当たって、利用者や社会全体が把握することができるようにすることが重要であることから、プラットフォーム事業者は、自らの取組の透明性やアカウンタビリティを確保する方策についても、上記7-(1)の対応と同時に積極的に取り組むことが適当である。
  • プラットフォーム事業者による透明性やアカウンタビリティの具体的な確保方策としては、例えば、
    ①誹謗中傷等に関連して、どのような種類・性質の情報又はアカウントに対して、どのような対応を行うのか、自らが提供するサービスの全体的な考え方や具体的な対応に関する規約やポリシーをあらかじめ明確に定めてわかりやすく公開すること
    ② 規約やポリシーに基づいて、自らが実際に行った取組の結果を具体的なデータ等により公開すること
    ③ 取組の効果について分析を行い、公開すること
    ④ 取組の効果や誹謗中傷の流通状況について、外部の研究者等が調査分析を行う際に必要な情報を提供すること
    ⑤ 削除やアカウント停止等の対応に関して利用者からの苦情や問合せ等がある場合に備え、苦情受付態勢及び苦情処理プロセスを適切に定め、利用者に対してわかりやすく公開し、適切に運用を行うこと
    などの取組を実施することが望ましい。
  • 上記の①~⑤を始めとした透明性やアカウンタビリティの確保方策について、グローバルにサービスを提供している国外のプラットフォーム事業者においては、米国や欧州のみで実施しており、必ずしも我が国では実施されていない場合があるところ、これらの取組について、欧米と我が国との間の誹謗中傷の流通状況、社会状況、法制度等の違いに留意しつつ、可能な限り我が国でも実施されることが望ましい。
  • さらに、問題となる情報の分類及び具体的な対応に関する規約やポリシーの策定、透明性レポート等の作成・公開、苦情受付態勢の整備などに関しては、我が国の利用者に対して、わかりやすく、我が国における個別事情に応じた対応が行われることが期待される。具体的には、
    ① 日本語で我が国の利用者にもわかりやすい形で規約やポリシー、透明性レポートなどの情報を公開すること
    ② 透明性レポートを公開する際には、グローバルな対応件数の総数だけではなく、我が国の国内における対応件数についても併せて公開すること
    ③ 日本語を正しく理解できるスタッフを十分確保した上で、日本語で手続可能な適切な苦情受付態勢及び苦情処理プロセスを整備するとともに、裁判手続を含めた国内での迅速な救済メカニズムを確保すること
    ④ 誹謗中傷に関する日本特有のプラットフォーム上の情報流通の問題にも適切に対応できる規約やポリシーを策定すること
    などの取組を実施することが望ましい。
  • また、業界団体等の取組により、それぞれの事業者の創意工夫による取組におけるノウハウやベストプラクティスを事業者間で共有するなどの取組も期待される。
  • 以上のとおり、プラットフォーム事業者が自主的に取組を実施し、それらの取組に関する透明性及びアカウンタビリティの確保を図るとともに、政府を含めた産学官民の多様なステークホルダーとの双方向の対話やプラットフォーム事業者自身による対応状況等の公開・説明を通じて、国民(利用者)やメディア等に対して取組の効果や課題などが明らかになることで社会全体としてのモニタリング機能が果たされ、それらの反応を踏まえてプラットフォーム事業者による更なる取組が進められていく、というサイクルが回っていくことが期待される。

8.国における環境整備

  • 政府は、プラットフォーム事業者と連携・協働し、また、一定の法的枠組みも含めて、プラットフォーム事業者における誹謗中傷に関する様々な取組が円滑に行われるよう支援するための環境整備を行うことが適当である。
  • その際、誹謗中傷を始めとしたインターネット上の違法・有害情報対策に関する国際的な制度枠組みや対応状況を注視し、対応方針について国際的な調和(ハーモナイゼーション)を図りつつ進めていくことが重要であり、そのために、国際的な対話を深化させていくことが適当である。

8-(1)事業者による削除等の対応に関する取組

  • 現状、プロバイダ責任制限法においては、削除措置を講じた場合等における免責規定を設けることにより、プラットフォーム事業者を含むプロバイダによる自主的な対応を促進することとしている。これに関し、プラットフォーム事業者による迅速かつ確実な削除を求めることを目的として、違法情報について一定の削除義務や適切な対応を行わなかった際の過料を科す法的規制を導入することが必要であるという声もある。この点、ドイツの立法例について、削除義務や過料規定が表現の自由への萎縮効果を生むという批判があることや、フランスにおいて最近立法された法律について24時間以内の削除義務規定が違憲と判断されたこと等の諸外国の動向を踏まえると、我が国において削除に関する義務づけや過料等を科す法的規制を導入することについては極めて慎重な判断を要すると考えられる。
  • プロバイダ責任制限法の適用関係については、AI等の技術の普及・進展や、それに伴うプロバイダのコスト負担等の変化、プラットフォーム事業者に求められる役割に対するユーザの期待の変化なども勘案しながら、今後とも時宜に応じ、検討を図っていくことが適当である。

8-(2)透明性・アカウンタビリティ確保

  • 前述のとおり、プラットフォーム事業者による誹謗中傷対策の取組に関しては、透明性やアカウンタビリティの確保方策がまずは自主的に進められることが重要であり、政府は、それらの方策の取組状況について、ヒアリングシートの提出を求めること等により、本研究会等の場を通じて随時適切に把握することが適当である。また、プラットフォーム事業者を通じた状況の把握のみならず、例えば、後述の「違法・有害情報相談センター」の活用等により、ユーザ側の状況の把握も同時に行うことが適当である。
  • その際、各事業者のサービスの多様な規模や性質等に応じて何らかの指標やメルクマールを設定した上で、プラットフォーム事業者による自主的な取組の実績や効果を評価することも考えられる。
  • これらにより、可能な限りプラットフォーム事業者の自主的取組を尊重しながら、産学官民が連携しつつ、柔軟かつ効果的な取組を模索していくことが重要である。
  • 今後、仮にこれらの自主的スキームが達成されない場合、あるいは誹謗中傷の問題に対して効果がないと認められる場合には、プラットフォーム事業者に対して、透明性・アカウンタビリティの確保方策に関する行動規範の策定及び遵守の求めや、透明性・アカウンタビリティに関する法的枠組みの導入の検討など、行政からの一定の関与も視野に入れて検討を行うことが適当である。

8-(3)発信者情報開示

  • インターネット上の誹謗中傷により被害を受けた者が、被害回復のために匿名の発信者を特定するための制度として、プロバイダ責任制限法において発信者情報開示制度が規定されているところ、より迅速かつ確実な被害救済のために、発信者情報開示の在り方を見直すべきである。この点、同制度の見直しについては、2020年4月より総務省において別途開催している「発信者情報開示の在り方に関する研究会」における議論に委ねることとし、同研究会と連携しつつ、総合的な誹謗中傷対策を検討していくことが適当である。

9.相談対応

  • インターネット上の誹謗中傷により被害を受けた者が様々な観点から容易に相談を行うことが可能な体制整備を産学官民が連携して取り組んでいくことが必要である。
  • 総務省においては、インターネット上に流通した情報による被害に関係する一般利用者や誹謗中傷の書き込みへの対応を行う事業者からの相談を受け付け、具体的な削除要請の方法等について的確なアドバイス等を行う「違法・有害情報相談センター」を運営している。
  • 違法・有害情報相談センターについて、まずは、相談件数等に応じた相談人員の増加や研修の強化を図るなどの方策も含めた体制強化を図ることが必要である。
  • また、この相談対応について、法務局、警察、地方自治体、消費者生活関連相談窓口、民間相談窓口といった他の相談機関との連携を深める観点から、これら機関との定期的な意見交換の機会を設けて、相談内容に応じてそれぞれの相談機関が得意とする分野について適宜紹介を行う等の連携対応をより充実させることも重要である。
  • さらに、相談を必要としている被害者に対して違法・有害情報相談センターの存在が届くよう、寄せられている相談事例を類型化して公表する等の周知広報に力を入れたりすること等によって、被害者にとって相談窓口をわかりやすく示すことが必要である。

<おわりに>

我が国におけるインターネット上の誹謗中傷の問題に対して、本緊急提言において示した様々な観点に関し、国内外の産学官民の多様なステークホルダーが、早期にそれぞれの取組について互いに連携・協働して推進することが期待される。

本研究会としては、定期的に、本緊急提言において示した様々な観点についてそれぞれのステークホルダーが行った取組状況の把握を引き続き行い、更なる対応の必要性等について検討を深めていくこととする。

参照

総務省トップ > 広報・報道 > 報道資料一覧 > 「インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方に関する緊急提言」及び意見募集の結果の公表

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