デジタルヘルス

電子処方せんの運用ガイドライン(2016年3月31日)

目次

1 本ガイドラインの趣旨

処方せんは、医師・歯科医師から薬剤師への処方内容の伝達だけでなく、医師・歯科医師から患者に交付され、患者自らが処方内容を知ることができる、患者にとって最も身近な医療情報の一つといえる。

このため、処方せんの電子化は、医療機関と薬局の連携や服薬管理の効率化等に資するだけでなく、電子版お薬手帳との連携により、患者自らが服薬等の医療情報の履歴を電子的に管理し、健康増進への活用(ポータルサービス)の第一歩になるなど、多くのメリットがあるので、運用ルールや地域医療連携ネットワークの整備・普及を進め、できるだけ早く国民がそのメリットを享受できるようにする必要がある。

他方、我が国の医療システムは、医師・歯科医師が患者に処方せんを交付し、患者自らが選択した薬局に処方せんを持ち込み、調剤を受ける仕組みとしている(フリーアクセス)。このため、電子処方せんの本格運用までの間は、電子処方せんに対応できない薬局でも患者が調剤を受けることができるよう、現在の紙の処方せんと電子処方せんが併用された、移行期の仕組みを用意する必要がある。

このため、本ガイドラインは、これまでの処方せんの電子化の実証事業の成果なども踏まえ、一定期間の移行期の運用を経て、ほぼすべての薬局が電子処方せんに対応できる状態になることを目指しつつ、こうした本格運用までの移行期における仕組みを整理している。

また、移行期の運用や技術進歩、マイナンバー制度のインフラを活用した医療保険のオンライン資格確認(※2)の進捗などによって、セキュリティの更なる強化や運用の効率化など、電子化に対応して新たに改善できる点が明らかになれば、本ガイドラインの見直しに反映させていく必要がある。

本ガイドラインに基づき、処方せんの電子化や地域医療連携ネットワークの整備が進められ、患者自身が服薬等の医療情報の履歴の管理や電子化のメリットを享受し、患者と医療従事者との信頼がより進み、医療への理解や納得が深まることで、国民一人ひとりの健康増進の取組や医療サービスの効率的な提供等につながることが期待される。

(※1)「日本再興戦略改訂 2015」(平成 27 年 6 月閣議決定)の「中短期工程表」では、2015 年度末までに、電子処方せんの運用のためのガイドラインを策定するとされている。

(※2)マイナンバー制度のインフラを活用した医療保険のオンライン資格確認においては、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会において患者の医療保険資格を一意に把握する仕組みや保険医療機関、保険薬局を認証する仕組みが整備される予定である。

2 処方せんの電子化のメリット

処方せんの電子化は、患者に最も身近な医療情報を電子化する意味を持ち、電子版お薬手帳との連携により、患者自らが服薬等の医療情報を電子的に管理し、健康増進への活用にもつながるなど、多くのメリットが期待される。電子化のメリットについて、「電子処方箋の実現について」(平成 25 年 3 月医療情報ネットワーク基盤検討会)では、以下のとおり整理している。なお、このほか、電子処方せんに対応した運用に見直す契機にもなる。

(1)医療機関、薬局における主なメリット

① 医療機関からの電子的な処方情報をもとに、薬局で疑義照会や後発医薬品への変更などを含む調剤業務が行われ、その結果を医療機関に戻し、次の処方情報の作成の参考にするという情報の有効利用が可能となる。

② 医療機関、薬局間での情報の共有・共用化が進むことで、医薬品の相互作用やアレルギー情報の管理に資することが可能となり、国民の医薬品使用の安全性の確保など公衆衛生の向上にも資する。

③ 医療機関では、紙の処方せんの印刷に要するコストが削減される。紙の処方せんの偽造や再利用を防止できる。

④ 薬局から医療機関への疑義照会の結果等の伝達や、先発品から後発品に調剤を変更した際の伝達がより容易になり、医療機関でも患者情報のシステムへの反映が容易になる。後発品の使用促進のため、一般名処方や後発品への変更調剤が今後も増加することを踏まえれば、処方した医師・歯科医師への調剤結果の伝達が容易になることは、重要である。

⑤ 遠隔診療の際、処方せんの原本を電子的に受け取ることが可能となる。調剤に関する入力等の労務が軽減され、誤入力が防止される。調剤済みの紙の処方せんの保管スペース等を削減できる。

(2)患者や家族における主なメリット

① 遠隔診療の際、処方せんの原本を電子的に受け取ることが可能となる。

② 薬局が患者に調剤した情報を電子的に提供し、患者自らが実際に調剤された情報を電子的に保存・蓄積し、服薬情報の履歴を管理できる。

③ 患者等が自ら保存・蓄積した調剤の情報を、他の医療機関等に自らの意思で提示することが、紙媒体よりも容易になる。生活習慣病など比較的長期にわたって治療が必要な疾病では、生活環境の変化などにより医療機関や薬局を変更した場合でも、診療の継続性の確保が容易になる。

④ 患者が公共性のある機関(自治体等)に情報を預ける等の方法により、例えば、救急医療や災害時に、医療関係者が患者の服用している薬剤を知ることが可能となる。

3 電子処方せんの運用の基本的な考え方

本ガイドラインにおける電子処方せんの運用の基本的な考え方は、以下のとおりである。

(1)ASPサーバを用いた方式

本ガイドラインは、以下の理由により、ネットワークを通じて、アプリケーションサービスプロバイダが提供するサーバ(以下「ASP サーバ」という)に医療機関が電子処方せんを登録し、薬局が取得する方法が合理的であるので、ASP サーバを用いた方式を採用する。

  • 薬局での医療機関からの指示伝達事項の確認や、薬局から医療機関への調剤情報の提供など、薬局と医療機関との間で情報をやりとりする際に、安全かつ効率的にやりとりができる。
  • 処方情報や調剤情報の提供方式が定まるため、医療機関や薬局のシステムと連動させることで、医療機関や薬局における業務の効率化を図ることができる。
  • 医療機関と薬局が情報ネットワークを用いるので、電子化された調剤情報を患者の電子版お薬手帳に提供するなど、ICT を活用した医療情報の連携や活用が容易であり、発展性がある。
  • 電子化した書類は大量の複製や加工が容易になるため、電子処方せんの不正な複製や改ざんを防止する必要があるが、地域医療連携ネットワークなど、利用する医療機関と薬局が特定された、セキュリティの高い専用のネットワークサービスであれば、安全性を確保できる。
  • 処方せんの電子化の実証事業(平成 24・25 年度別府市)において、ASPサーバ方式により運用可能であることが示されている。

なお、「電子メール」による処方せんの送受信は、以下のとおり、システム的に解決できない問題があり、医療情報の安全なやりとりを完全には確保できないので、「電子メール」の方式は本ガイドラインでは採用しない。

  • 医療情報の電子データのやりとりでは、正しい相手との間で、内容を改ざんや覗き見されない方法により、やりとりする必要がある(厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(以下「安全管理ガイドライン」という))。しかし、メールでは、中継する複数のサーバを指定できず、メールサーバ間の通信品質やセキュリティレベルにばらつきがあり、送信元や送信先を偽装する「なりすまし」や、送信データの「盗聴」や「改ざん」、通信経路への「侵入」や「妨害」等の脅威から保護することが困難である。
  • メールの発信者である医療機関や医師・歯科医師が、患者のメールアドレスを管理する必要があり、管理の業務負担やメールの誤送信による医療情報の漏えい事故を防ぐことが困難である(誤送信は、ヒューマンエラーであるのでシステムによる完全な回避が困難)。

(2)地域医療連携ネットワークなどでの移行期を経た本格運用

我が国の医療システムは、医師・歯科医師が患者に処方せんを交付し、患者が選択した薬局に処方せんを持ち込み、調剤を受ける仕組みとしている(フリーアクセス)。このため、本格運用(ほぼすべての薬局が電子処方せんに対応できる状態)までの間は、患者が電子処方せんに対応している地域以外の薬局で薬剤を受け取る場合があることを想定し、電子処方せんに対応できない薬局でも患者が調剤を受けることができるよう、紙の処方せんと電子処方せんが併用された移行期の仕組みを用意する必要がある。

また、電子処方せんの導入は、単に電子化だけを進めるのではなく、医師・歯科医師から薬局への調剤に必要な情報の提供(主病名や検査値、アレルギー等の疑義照会への対応)と、薬局から医師・歯科医師への調剤の結果の提供(疑義照会を踏まえた薬剤の変更や後発品への変更等)により、現在、取り組まれている地域医療連携(専門職間の連携)の促進につながることが求められる。

例えば、電子処方せん実施地域の3条件(※)を満たしている地域医療連携ネットワークでは、既に患者情報の電子的な連携が行われているため、ネットワークの運営主体において新たに電子処方せんの ASP サービスを提供すれば、参加している医療機関と薬局では、比較的円滑に電子処方せんの導入が可能と考えられる。

移行期の当初は、その地域のすべての薬局が地域医療連携ネットワークに参加しているわけではないので、電子処方せんに対応したシステムを導入できない薬局が存在することも前提に、仕組みを整備する必要があるが、ネットワークに参加する医療機関や薬局が増えていくことで、その地域では電子処方せんでのやりとりが一般的になり、医療機関と薬局との情報連携や患者自らによる服薬情報の履歴の管理が一層進んでいく。全国でそうした取組が進んでいくことで、電子処方せんが普及し、一般的になっていくと考えられる。

このように、一定期間の移行期の運用を経ながら段階的に導入が進み、本格運用に至るシナリオを念頭に置きつつ、現在、既に情報連携の取組を進めている地域医療連携ネットワーク等において、電子処方せんを積極的に導入できるよう、本ガイドラインにおいて要件等を整理している。

(※)電子処方せん実施地域の3条件は、「電子処方箋の実現について」(平成25 年 3 月医療情報ネットワーク基盤検討会)において、以下のとおりとしている。

  1. 電子化を開始する圏域(二次医療圏単位等)内の医療機関・薬局の体制整備が網羅的である。
  2. 記名押印として電子署名が必要となり、受信者はこれを検証できなければならないため、電子化を行う地域において HPKI が普及している。
  3. 患者の求めやシステム等の障害時を想定し、紙による交付にも対応できるようにしている。

(3)HPKI(保健医療福祉分野の公開鍵基盤:Healthcare Public Key Infrastructure)の電子署名の活用

医師・歯科医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行年月日、使用期間、病院・診療所の名称・所在地又は医師・歯科医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない(医師法施行規則第 21 条、歯科医師法施行規則第 20 条)。

また、薬剤師は、調剤したときは、処方せんに、調剤済みの旨(当該処方せんが調剤済みとならなかったときは調剤量)、調剤年月日等を記入し、記名押印又は署名しなければならない(薬剤師法第 26 条)。

この記名押印又は署名は、①処方せんは、患者を診療した医師・歯科医師のみが交付し(違反への罰則あり)、②薬剤師は、処方せんによらなければ販売・授与の目的で調剤してはならず、医師・歯科医師の同意がなければ変更して調剤してはならない(違反への罰則あり)等とされていることから、処方せんを発行した医師・歯科医師と調剤した薬剤師の責任を明確にするためのものであり、処方せんが電子化されても、引き続き、必要である。

安全管理ガイドラインでは、医師・歯科医師等の国家資格保有者による記名押印又は署名が法令で義務付けられた文書について、電子署名に代える場合、HPKI(保健医療福祉分野の公開鍵基盤:Healthcare Public Key Infrastructure)の電子署名を用いることとしている(※1)。

HPKI の電子署名は、保健医療福祉分野において専門職間で電子化された医療情報等の文書を安全にやりとりするための情報連携の基盤の一つであり、処方せんの電子化の実証事業(※2)でも既に運用されていることから、本ガイドラインにおいても、HPKI の電子署名を採用する。

また、安全管理ガイドラインに基づき、電子処方せんへの電子署名には、タイムスタンプを付与する仕組みとする(※3)。

(※1)電磁的記録は、その記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定するとされている(電子署名及び認証業務に関する法律)。電子処方せんへの電子署名についても、医師、歯科医師、薬剤師自らが行う必要がある。

(※2)処方せんの電子化の実証事業(平成 24・25 年度別府市)では、HPKIの電子署名による運用を行った。

(※3)安全管理ガイドラインでは、電子署名には、タイムスタンプを付与するとしている。これは、タイムスタンプは、第三者による検証が可能であり、タイムスタンプ時刻の以前に署名したことを証明可能であることや、タイムスタンプ時刻の以後に電子署名を含め文書の改変がないことを証明可能であるためである。

(4)電子版お薬手帳との連携の確保

処方せんの電子化は、医療機関や薬局の連携や処方内容の一元的・継続的把握の効率化等に資するが、患者が処方内容を可視化して知り、活用するためには、電子版お薬手帳との連携が不可欠である。

お薬手帳は、患者本人のものであり、患者や医療関係者がいつでもその情報を容易に確認することができ、以下の意義や役割がある。電子処方せん ASP サーバの運用主体は、患者からの登録の依頼に基づき調剤の結果を電子版お薬手帳の運営主体に送信できるようにするなど、電子版お薬手帳との連携の確保に取り組み、処方せんの電子化のメリットを患者が享受できるようにする必要がある。

(お薬手帳の意義と役割)

① 患者自身が、自分の服用している医薬品について把握するとともに正しく理解し、服用したときに気づいた副作用や薬の効果等の体の変化や服用したかどうか等を記録することで、医薬品に対する意識を高める。

② 複数の医療機関を受診する際や薬局で調剤を行う際に、患者がそれぞれの医療機関の医師・歯科医師及び薬局の薬剤師等にお薬手帳を提示することにより、相互作用や重複投薬を防ぎ、医薬品のより安全で有効な薬物療法につなげる。

(※)電子版お薬手帳を運用する上での留意事項については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27年11月27日薬生総発1127第 4 号厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長通知)で示されているので、電子処方せんの ASP サーバの運用主体において、参照されたい。

4 電子処方せんの移行期における具体的な運用の仕組み

電子処方せんの移行期における具体的な運用の仕組みは、以下のとおりとする。電子処方せん ASP サーバの運営主体は、これらの手続きが適切に行われるよう、「処方せん ID」や「確認番号」の発行、電子処方せんの無効化等に対応する必要がある。

なお、本運用で示している電子処方せん引換証は、患者の同意を得て電子処方せんを利用する場合に交付するもので、患者が電子処方せんを望まない場合や、対応していない医療機関では、引き続き紙の処方せんを交付するものである。

(1)電子処方せんに対応した薬局の場合

医療機関、電子処方せんに対応した薬局における手続きは、以下のとおりとする。「電子処方せん引換証」「処方せん ID」「確認番号」の様式等は、(3)のとおりとする。

  1. ① 「処方せん ID」の要求:医療機関は診療に先立って、電子処方せん ASPサーバに「処方せん ID」を要求する。
  2. ② 「処方せん ID」の発行:電子処方せん ASP サーバは、「処方せん ID」と「確認番号」のセットを医療機関に発行する。
    (※1)ASP サーバの運営主体は、「処方せん ID」の発行に当たって、要求者が医療機関であることを確認する。
    (※2)ASP サーバの運営主体は、発行した「処方せん ID」と発行先の医療機関との対応情報を別に定める期間、保持する。
    「別に定める期間」は、ASP サーバに医療機関・薬局から照会があったときに情報を伝達するために有効期間として設定するものであり、利用規程で定める(例えば、1年間など)。
  3. ③ 診察・処方:医師・歯科医師は、患者の診察を行い、処方せんを作成する。
  4. ④ 処方せんの送信:医療機関は「処方せん ID」を付した「電子処方せん」を電子処方せん ASP サーバに送信する。
    (※1)処方せんを作成した医師・歯科医師は、安全管理ガイドラインに基づき、「電子処方せん」に、HPKI の電子署名とタイムスタンプを行う。
    (※2)医療機関では、処方せんを患者に交付する方法として、その処方せんを電子化して ASP サーバに登録することについて、患者の同意を得る。患者が紙の処方せんを希望した場合は、紙の処方せんを発行する。
    (※3)電子処方せんの運用の混乱を避けるための当面の運用として、患者のかかりつけ薬局が電子処方せん非対応薬局である場合には、電子処方せんの発行は行わないことが望ましい。
  5. ⑤ 処方せんの登録:電子処方せん ASP サーバは、「処方せん ID」をキーにして、受信した「電子処方せん」を登録する。
    (※1)電子処方せん ASP サーバでは、登録された電子処方せんの情報のうち、処方せん ID を除く調剤情報は、処方せんを登録した医療機関以外は、可視化できない仕組みとする。
    (※2)電子処方せん ASP サーバは、「電子処方せん」の使用期間が規定されている場合、その期間終了日を過ぎた時点で、使用期間が規定されていない場合、処方日から4日を過ぎた時点で、「無効」の状態にして取り出し禁止とし、別に定める期間を過ぎた時点で廃棄する。
    「別に定める期間」は、処方せんの有効期間(4日間)を過ぎても、一定期間、システムの動作状況を検証できるように保持を求めるものであり、利用規程で定める(1週間から 10 日程度)。
  6. ⑥ 医療機関は、患者に「処方せん ID」を記載した「電子処方せん引換証」を交付する。
    (※)移行期では、「電子処方せん引換証」(「これは処方せんではありません」
    と記載)に処方内容を記載し、医師・歯科医師が記名押印又は署名する。
  7. ⑦ 医療機関は、患者に「電子処方せん引換証」に対応した「確認番号」を伝達する。
  8. ⑧ 患者は、薬局に「電子処方せん引換証」を提出し、併せて「確認番号」を伝達する。薬局は、患者が確認番号を紛失等した場合は、被保険者証で患者本人であることを確認してさしつかえない。
  9. ⑨ 薬局は、「電子処方せん引換証」に記載された「処方せん ID」と「確認番号」により、電子処方せん ASP サーバに「電子処方せん」を要求する。
  10. ⑩ 電子処方せん ASP サーバは、「処方せん ID」と「確認番号」が対応していることを確認し、要求された「電子処方せん」を「調剤中」の状態にする。
    (※)ASP サーバの運営主体は、要求者が薬局であることを確認する。
  11. ⑪ 電子処方せん ASP サーバは、「電子処方せん」を薬局に送信する。
    (※)「調剤中」の状態にするのと「送信」のタイミングは同時とする。送信後は、別に定める期間(⑤と同じ)、処方の情報を保持した上で廃棄する。
  12. ⑫ 薬局の薬剤師は、受信した「電子処方せん」について、必要に応じて医師・歯科医師に対して疑義照会を行い、医師・歯科医師に確認した内容等の必要事項を「電子処方せん」に反映する。
    (※)薬局では、「電子処方せん引換証」に記載されている処方内容と、取得した「電子処方せん」の情報が異なる場合、発行した医療機関に対して疑義照会する必要がある。
  13. ⑬ 薬局の薬剤師は、調剤し、患者に服薬指導の上、薬剤の交付を行う。
    (※)薬局では、安全管理ガイドラインに基づき、「電子処方せん」に HPKIの電子署名とタイムスタンプを行った上で、電子化された診療録等の保存の取扱いと同様、適切に管理・保存する。
  14. ⑭ 薬局は、調剤の結果を、「処方せん ID」とともに、電子処方せん ASPサーバに送信する。その際、患者が電子版お薬手帳への調剤情報の登録を希望する場合は、患者からの電子版お薬手帳への登録の依頼に基づき、電子版お薬手帳の登録先(URL)と患者の ID(当該電子版お薬手帳への登録に用いるもの)も併せて送信する。
    (※1)調剤の結果の送信は、できるだけ速やかに行う必要がある。
    (※2)薬局は、電子処方せん引換証を廃棄しなければならない。ただし、処方せんに再利用できないよう、薬局の責任において厳重に管理する場合は、一定期間、保管することを妨げるものではない。
  15. ⑮ 電子処方せん ASP サーバは、「処方せん ID」で処方した医療機関を特定した上で、当該医療機関に、あらかじめ医療機関から指定された方法(電子的または FAX)により、調剤の結果を送信する。
  16. ⑯ 電子処方せん ASP サーバは、患者からの電子版お薬手帳への登録の依頼に基づき、指定された登録先(URL)に患者の ID と併せて、調剤の結果の情報を送信する。
  17. ⑰ 薬局は、服薬の注意事項など、調剤結果の情報以外に電子版お薬手帳に登録する情報を患者に交付する。また、患者の意向を踏まえ、これらの情報を、電子版お薬手帳に記入できるようにする。
    (※)電子処方せんの記載のフォーマットは、以下を踏まえたものとする。

    • 医薬品マスター(社会保険診療報酬支払基金:医薬品マスター)
    • 用法マスター(日本医療情報学会:処方オーダリングシステム用標準用法マスター)
    • 電子処方箋標準フォーマット(平成 26 年度厚生労働科学研究 電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究:電子的処方指示・調剤実施情報提供書 CDA 記述仕様)

(2)電子処方せんに対応していない薬局の場合

電子処方せんに対応していない薬局における手続きは、以下のとおりであり、①~⑧は(1)の電子処方せん対応薬局と同じである。「電子処方せん引換証」を紙の処方せんに転換する方法は、(3)のとおりとする。

⑨ 薬局は、患者に「電子処方せん引換証」を紙の処方せんに転換する旨を説明し、患者の了承を得た上で、「電子処方せん引換証」に記載された電子処方せん ASP サーバの連絡先に電話で「処方せん ID」と「確認番号」を伝達し、処方せんの無効化を要求する。

⑩ 電子処方せん ASP サーバは、無効化の要求のあった「電子処方せん」を無効化する。

(※)ASP サーバの運営主体は、無効化を要求した薬局の電話番号等を記録した上で、無効化する。無効化した後は、別に定める期間((1)の⑪と同じ)、処方の情報を保持した上で廃棄する。

⑪ 薬局の薬剤師は、定められた方法(後述)で、「電子処方せん引換証」
を紙の処方せんに転換する。

⑫ 薬局の薬剤師は、必要に応じて医師・歯科医師に対して疑義照会を行い、医師・歯科医師に確認した内容等の必要事項を処方せんに記載する。

⑬ 薬局の薬剤師は、調剤し、患者に服薬指導の上、薬剤の交付を行う。
(※)薬局は、「電子処方せん引換証」を紙の処方せんに転換後、これを処方せんの原本として扱い、法令等に基づき、適切に管理・保存する。

(3)電子処方せん引換証と紙の処方せんへの転換方法、確認番号の仕組み

薬局では、医療機関が患者に処方した「電子処方せん」を、電子処方せんASP サーバから正しく取得する必要がある。このため、①医療機関では、あらかじめ電子処方せん ASP サーバから「処方せん ID」の発行を受け、②医療機関は、この「処方せん ID」を「電子処方せん引換証」に記載して患者に交付し、③薬局では「処方せん ID」を用いて、「電子処方せん」を取得する仕組みとする。

また、薬局では、「電子処方せん引換証」を持ち込んだ者が患者本人又はその代理人(家族等)であることを確認した上で、調剤を行う必要がある。このため、①電子処方せん ASP サーバが「処方せん ID」に対応した「確認番号」を医療機関に発行し、②患者は医療機関から伝達された「確認番号」を薬局に伝達し、③薬局では「確認番号」を電子処方せん ASP サーバに通知し、④電子処方せん ASP サーバにおいて「処方せん ID」と「確認番号」の対応関係を確認して、「電子処方せん」を送信する仕組みとする。

「確認番号」は、患者本人又はその代理人であることを確認するための運用であるので、患者が確認番号を紛失等した場合には、被保険者証で患者本人であることを確認すれば、確認番号を用いたこととしてさしつかえない。

本格運用(ほぼすべての薬局が電子処方せんに対応できる状態)までの移行期の間は、患者が電子処方せん非対応の薬局を選択した場合でも、調剤を受けることができるよう、医療機関において「電子処方せん引換証」に必要な処方情報を記載し、紙の処方せんに転換できる仕組みとする。

また、紙の処方せんに転換するためには、電子処方せん ASP サーバの「電子処方せん」(処方せんの原本)を無効化する必要があるので、「電子処方せん引換証」には、①電子処方せんの無効化の要求方法、②電子処方せん ASPサーバの運用主体への連絡先、③紙の処方せんへの転換方法を記載する。

紙の処方せんへの転換は、薬局において患者に説明して了承を得た上で、「電子処方せん引換証」のタイトル部分の「電子」「引換証」を二重線で抹消し、抹消した部分に薬剤師が押印する手順とする。

(※1)「処方せん ID」は、16 桁の文字列とし、最初の 4 桁は、当該電子処方せん ASP サーバの固有の数字列とし、変更しない。残り 12 桁は、処方せんごとに異なる数字列とし、3年間は再利用しない。末尾 1 桁はチェックデジットとする。

(※2)「確認番号」は、4 桁の文字列とし、ランダムに発生させる。「処方せん ID」と「確認番号」の対応関係は、当該電子処方せんが破棄されるまで、電子処方せん ASP サーバに保持する。

(※3)電子処方せん引換証から転換された紙の処方せんの各記載項目に係る記載上の注意については、「診療報酬請求書等の記載要領等について」(昭和 51 年8月7日保険発 82 号)を遵守するものとする。

電子処方せん引換証の様式

※ 赤字や赤線部分が処方せん様式第二号(保険医療機関及び保険医療養担当規則)との相違点

(4)分割調剤を行う場合の運用(紙の処方せんへの転換)

薬剤が服薬期間中に変質しやすく、長期の保存が困難な場合、分割して調剤する場合がある。また、後発品の使用促進に伴い、最初に後発医薬品の処方を受ける場合等に分割して調剤し、その後、問題がなければ後発医薬品を継続して投与する運用も行われている。紙の処方せんでは、薬局で調剤量、調剤年月日、分割調剤した理由等を記入、記名押印又は署名し、患者に処方せんを返却する。患者は、他薬局で残量の薬剤を受けとることも可能である。

電子処方せんの分割調剤を行う場合、患者が残量の調剤を受けることができるよう、患者に紙の処方せんを返却する必要があり、当面、薬局で電子処方せんから紙の処方せんに転換する方法によることとする。また、既に入手している電子処方せんと紙の処方せんが重複しないよう、薬局では当該電子処方せんを薬局内のシステムから削除しなければならない。

なお、こうした紙の処方せんへの転換は、移行期の当面の運用とし、電子処方せんの本格運用では、医療機関と薬局の情報連携がより容易になることで、紙の処方せんへの転換を要しない運用となるよう検討する必要がある。

(※1)分割調剤は、後発医薬品への変更調剤等でも利用されており、全国の処方せんの年間総発行枚数(約7億枚)に対する比率は低いものの、約3万5千枚強の処方せんが分割調剤されている。

(※2)分割調剤した場合、その薬局で分割調剤した結果は、通常の調剤の結果の報告と同様、医療機関に通知される。

(※3)分割調剤の2回目以降の調剤で、電子処方せん対応薬局で調剤した場合は、調剤の結果を「処方せん ID」(確認番号)とともに、電子処方せん ASP サーバに送信する。このため、分割調剤した薬局は、2回目以降、電子処方せん対応薬局で調剤を受けるときにも、「処方せん ID」(確認番号)の伝達が必要になることを、患者に説明することが望ましい。

(5)患者への説明と理解を求める取組

電子処方せんの運用を開始するに当たっては、電子処方せんの ASP サーバの運営主体では、医療機関や薬局において、患者に対し適切に手続きを説明できるよう、説明用のリーフレット等の資料を提供するとともに、医療機関や薬局では、電子処方せんの運用の理解に努める必要がある。

また、医療機関では、個人情報の取扱いに関する掲示や説明文書に「電子処方せんの発行については、○○○(運営主体名)が提供する電子処方せんASP サーバを利用しています」と記載するなど、処方せんを電子化して ASPサーバに登録することについて、患者の同意を得るとともに、以下の点についても、患者に説明する必要がある。

  • 紙の処方せんと同様、電子処方せん引換証の発行から4日以内に、薬局で調剤を受ける必要がある。
  • 電子処方せんで調剤を受けた時は、電子処方せん引換証は薬局が回収する。
  • 患者は、薬局で調剤を受ける際、電子処方せん引換証の提出に加えて、確認番号を伝達する必要がある。
  • 電子処方せん非対応薬局で調剤を受ける場合、電子処方せん引換証が紙の処方せんに転換されて調剤が行われ、電子処方せんは無効になる。
  • 電子処方せん ASP サーバに登録された電子処方せんの処方の情報には、その処方せんを発行した医師・歯科医師と調剤を行う薬局以外はアクセスができず、ASP サーバの運営主体の職員も処方情報を知ることはない。
  • 機器やネットワークのトラブル等で電子処方せんサービスが正常に機能しない場合、サービスの内容が制限される可能性があるが、電子処方せん引換証を処方せんに転換するので、患者への処方が制約されることはない。
  • 電子処方せん ASP サーバの運営主体が提供する相談窓口

電子処方せんの混乱を避けるための移行期の当面の運用として、電子処方せん非対応薬局(地域医療連携ネットワークに参加していない薬局や地域外の薬局)に処方せんを提出している患者には、電子処方せんの発行は行わないことが望ましい。また、水剤の長期間処方等のため、薬局で分割調剤が行われることが事前に明らかな患者にも、発行は行わないことが適切である。

患者が紙の処方せんの発行を希望した場合、移行期の運用では、紙の処方せんを発行する必要がある。ただし、電子処方せんが普及した地域では、電子処方せんの発行が、医療機関や薬局の情報連携の効率化等にも資することから、患者が電子処方せん対応薬局で調剤を受けることを希望しているにもかかわらず、紙の処方せんの発行を希望した場合も、患者にそのメリットを説明し、電子処方せんの発行についての理解を得ることが求められる。

(6)電子処方せんASPサーバの運営主体の取組

① 電子処方せんの運用に関する問合せ対応の実施

患者や医療機関・薬局等からの問合せの対応の窓口を設置する。ホームページ等により情報提供するだけでなく、いわゆるコールセンター等の設置等により、問合せ対応を実施する必要がある。

② 事業の継続性の確保

電子処方せん ASP サーバの運営主体は、事業の継続性に十分留意することが求められる。運用の開始に当たっては、地域医療連携ネットワークの中で、電子処方せんの仕組みが有効に活用されるよう、実施地域の体制を確認し、地域医療連携ネットワークの普及と併せて、計画的に事業を進め、普及に取り組むことが求められる。

(※)電子処方せん実施地域の体制

  • 電子化を開始する圏域(二次医療圏単位等)内の医療機関・薬局の体制整備が網羅的である。
  • 記名押印として電子署名が必要となり、受信者はこれを検証できなければならないため、電子化を行う地域において HPKI が普及している。
  • 患者の求めやシステム等の障害時を想定し、紙による交付にも対応できるようにしている。

③ システムの安全性の確保

システムの運用については、「ASP・SaaS 事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン」(総務省)と「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」(経済産業省)を遵守する。

(7)安全管理ガイドラインに基づくネットワーク回線のセキュリティ

電子処方せんの運用に当たっては、医師・歯科医師が作成した処方情報が、その情報を取得すべき薬局に、正しい内容で、覗き見されない方法で、提供される必要がある。このため、ネットワーク回線のセキュリティは、安全管理ガイドラインに従い、回線の経路の暗号化等の対策を講じる必要がある。

本ガイドラインでは、ASP サービスを用いた仕組みとしているため、WEBサービスでやりとりされることや各施設での実装のしやすさを考慮した回線の利用が求められる。それを踏まえて、SSL/TLS で構築する場合の具体的な要件は、以下のとおりとする。

なお、本ガイドラインに示す SSL/TLS の活用は、電子処方せんの送受信のための回線を対象とするものであり、安全管理ガイドラインに示される回線の全てを見直すものではない。

  • クライアント証明書を利用した SSL/TLS クライアント認証を実施する。
  • SSL/TLS は、十分な安全性を確保したバージョン、通信モード、暗号化方式とするため、「電子政府における調達のための参照すべき暗号のリスト(CRYPTREC 暗号リスト)」(平成 25 年 3 月総務省、経済産業省)を採用する。
  • 通信モードは、安全性、高速性で優位性があり、電子政府推奨暗号(AES、Camellia)に対応している GCM とする。
  • ハッシュ関数は、電子政府推奨暗号に対応している SHA2(SHA-256、384、512 のいずれか)とする。
  • 鍵情報の暗号化は、前方秘匿性(Forward secrecy)確保のため、DHEによる鍵の逐次使い捨てを優先し、DHE が対応できないブラウザは RSAによる暗号化を許容する。
  • TLS のバージョンは、これらの条件を踏まえ、GCM および SHA2 のサポートが TLS1.2 のみであるので、TLS1.2 とする。
  • 電子処方せん ASP サーバは、SSL/TLS のセッション構築時に、これらのモードでクライアント(医療機関、薬局)に回答しなければならない。

(8)電子処方せんASPサーバの運営主体による施設等の認証体制

地域医療連携ネットワークの運営主体では、その加入する医療機関と薬局を認証する仕組みをあらかじめ備えているので、当該運営主体が、電子処方せんのサービスを新たに提供する場合、この認証の仕組みを活用できる。

他方、当該地域医療連携ネットワークに加入していない施設から、電子処方せん ASP サーバにアクセスがあった場合、ASP サーバの運営主体では、アクセスした施設が医療機関・薬局であるかどうかを適切に認証する仕組みを用意する必要がある。当面、認証の方式は問わない。

(※1)電子処方せんを発行した医療機関と受け取る薬局が、それぞれ異なる地域医療連携ネットワークに加入している場合、ネットワークの運営主体の間で認証する方法も考えられる。

(※2)医療保険のオンライン資格確認が本格運用されれば、支払基金・国保中央会が提供する資格確認サービスにおいて保険医療機関等を認証する仕組みが整備されることや、将来、HPKI の枠組みにおける「保健医療福祉分野 PKI 認証局認証用(組織)証明書ポリシ」に基づく組織を認証するサービスが新たに提供される場合など、効率的な運用が期待できる場合にはこれを活用することも考えられる。

(※3)患者宅などからモバイル PC やタブレットを利用して電子処方せんASP サーバにアクセスする場合、その所属する医療機関等のアクセスポイントに接続し、医療機関等のノード(接続点)を経由して、電子処方せん ASP サーバと接続することとする。

5 電子処方せんのサービス停止等への対応

電子処方せんのサービスが、電子処方せんの発行や受理に関する機器の障害、認証に用いる HPKI カードの不具合、電子処方せん ASP サーバに接続するためのネットワークの停止、運営主体のサービス自体の停止など、様々な原因により機能しなくなる場合がある。こうしたサービス停止等の事態に対して、事前の備えとしてとるべき対応と、事態が発生した場合にとるべき対応策は、以下のとおりである。

(1)医療機関、薬局における事前の備え

医療機関では、電子処方せんの発行・受理等に用いる機器・システム等について、品質等が保証された製品を選択し、できるかぎりバックアップの仕組みを用意するとともに、ネットワークが停止した場合に対応して、携帯電話等によるデータ通信経路を用意しておく等の対策をとることが望ましい。

また、電子処方せんを発行できない場合に備えて、従来の紙の処方せんに対応できる機能を残しておく必要がある。

併せて、このような機器やネットワークの支障が発生した場合の運用方法について、医療機関・薬局等において、あらかじめ対応手順等を検討し、マニュアルを用意しておく必要がある。

また、大規模災害等により、電子処方せんサービス全体が機能しなくなった場合の備えも必要である。全体システムに関する緊急時の運用形態について、電子処方せん ASP サービスの運営主体を中心として、事前に検討の上、非常時の運用ルールを定めておく必要がある。

(2)電子処方せんASPサーバが停止した場合の対応

電子処方せん ASP サーバが停止した場合、医療機関では、電子処方せんの発行が行えないため、紙の処方せんを発行する。

薬局では、既に発行された電子処方せんを薬局で処理しようとしても、その取得ができなくなるため、所定の方法により、電子処方せん引換証を処方せんに転換して、その処方せんを用いて調剤を行う。

この際、電子処方せんの無効化の処理ができる場合は、特に大きな問題とならないが、電子処方せんの無効化の処理ができない場合は、患者が持参した電子処方せん引換証を処方せんとして取り扱ってよいかの判断ができない。

しかし、このことをもって調剤ができない状況となれば、患者に不利益が生じるので、当該電子処方せん引換証の正当性が推測できる場合、薬局の判断により、電子処方せん引換証の有効性を確認したこととして対応する。

(3)大規模災害時の対応

大規模災害が発生した場合、医療に対するニーズは高まるが、医療機関や薬局での関連機器の損壊、停電やネットワークの不通、電子処方せん ASP サーバの設備損壊等、多くのトラブルが同時多発するため、電子処方せんのシステムを正常に稼働させることは難しいと考えられる。そのような状況であっても処方・調剤を継続できることを優先した運用を行わなくてはならない。

一般的には、紙の処方せんによる運用を実施するものと考えるが、何らかの理由で電子処方せんを運用する場合でも、通常の運用に比べ、運用負荷が大きくなると想像できることから、地域や災害の内容に応じた運用形態をあらかじめ規定しておく必要がある。その際に、通常運用から災害時運用に切り替える基準、通常運用に戻す基準などを規程に盛り込むことが必要である。

参照

-デジタルヘルス

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