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医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)1 はじめに[2017年5月]

1 はじめに

平成 11 年 4 月の通知「診療録等の電子媒体による保存について」(平成 11 年 4 月 22 日付け健政発第 517 号・医薬発第 587 号・保発第 82 号厚生省健康政策局長・医薬安全局長・保険局長連名通知)、平成 14 年 3 月通知「診療録等の保存を行う場所について」(平成 14年 3 月 29 日付け医政発 0329003 号・保発第 0329001 号厚生労働省医政局長・保険局長連名通知、平成 17 年 3 月 31 日改正、医政発第 0331010 号、保発第 0331006 号)により、診療録等の電子保存及び保存場所に関する要件等が明確化された。その後、情報技術の進歩は目覚しく、社会的にも e-Japan 戦略・計画を始めとする情報化の要請はさらに高まりつつある。平成 16 年 11 月に成立した「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(平成 16 年法律第 149 号。以下「e-文書法」という。)によって原則として法令等で作成又は保存が義務付けられている書面は電子的に取り扱うことが可能となった。医療情報においても「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(平成 17 年 3 月 25日厚生労働省令第 44 号。以下「e-文書法省令」という。)が発出された。

平成 15 年 6 月より厚生労働省医政局に設置された「医療情報ネットワーク基盤検討会」においては、医療情報の電子化についてその技術的側面及び運用管理上の課題解決や推進のための制度基盤について検討を行い、平成 16 年 9 月最終報告が取りまとめられた。

上記のような情勢に対応するために、これまでの「法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録の電子媒体による保存に関するガイドライン」(平成 11 年 4 月 22 日付け健政発第 517 号・医薬発第 587 号・保発第 82 号厚生省健康政策局長・医薬安全局長・保険局長連名通知に添付。)、「診療録等の外部保存に関するガイドライン」(平成 14 年 5 月 31日付け医政発第 0531005 号厚生労働省医政局長通知)を見直し、さらに、個人情報保護に資する情報システムの運用管理に関わる指針と e-文書法への適切な対応を行うための指針を統合的に作成することとした。平成 16 年 12 月には「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」が公表され、平成 17 年 4 月の「個人情報の保護に関する法律」(平成 15 年法律第 57 号、以下「個人情報保護法」という。)の全面実施に際しての指針が示された。これらの事情を踏まえ、本ガイドライン初版が平成 17 年 3
月に公開された。

また、平成29年5月に、改正個人情報保護法が全面施行されることとなり、これに伴って個人情報保護委員会が「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(平成28年個人情報保護委員会告示第6号。以下「通則ガイドライン」という。)を公表した。この通則ガイドラインを踏まえ、医療・介護分野における個人情報の取扱いに係る具体的な留意点や事例等が「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(個人情報保護委員会、厚生労働省;平成29年4月14日)において示された。

同ガイダンスでは、医療情報システムの導入及びそれに伴う外部保存を行う場合の取扱いにおいては本ガイドラインによることとされている。(本ガイドラインの6章、8章、付則1及び付則2が該当)

本ガイドラインは、病院、一般診療所、歯科診療所、助産所、薬局、訪問看護ステーション、介護事業者、医療情報連携ネットワーク運営事業者等(以下「医療機関等」という。)における電子的な医療情報の取扱いに係る責任者を対象とし、理解のしやすさを考慮して、現状で選択可能な技術にも具体的に言及した。従って、本ガイドラインは技術的な記載の陳腐化を避けるために定期的に内容を見直す予定である。本ガイドラインを利用する場合は最新の版であることに十分留意されたい。

本ガイドラインは、医療情報システムの安全管理やe-文書法への適切な対応を行うため、技術的及び運用管理上の観点から所要の対策を示したものである。ただし、医療情報の適切な取扱いの観点からは、情報システムに関わる対策のみを実施するだけで十分な措置が講じられているとは言い難い。従って、本ガイドラインを使用する場合、情報システムの担当者であっても、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」を十分理解し、情報システムに関わらない部分でも医療情報の適切な取扱いのための措置が講じられていることを確認することが必要である。

参照

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