エビデンス全般

医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(平成29年4月14日) Ⅱ.用語の定義等

2021年9月25日

医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(平成29年4月14日) Ⅰ.本ガイダンスの趣旨、目的、基本的考え方

Ⅱ 用語の定義等

1.個人情報(法第2条第1項)

(定義)

法第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、電磁的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの

「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができるものを含む。)、又は個人識別符号が含まれるものをいう。「個人に関する情報」は、氏名、性別、生年月日、顔画像等個人を識別する情報に限られず、個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関して、事実、判断、評価を表す全ての情報であり、評価情報、公刊物等によって公にされている情報や、映像、音声による情報も含まれ、暗号化等によって秘匿化されているか否かを問わない。

また、例えば診療録には、患者について客観的な検査をしたデータもあれば、それに対して医師が行った判断や評価も書かれている。これら全体が患者個人に関する情報に当たるものであるが、あわせて、当該診療録を作成した医師の側からみると、自分が行った判断や評価を書いているものであるので、医師個人に関する情報とも言うことができる。したがって、診療録等に記載されている情報の中には、患者と医師等双方の個人情報という二面性を持っている部分もあることに留意が必要である。
なお、死者に関する情報が、同時に、遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、当該生存する個人に関する情報となる。

本ガイダンスは、医療・介護関係事業者が保有する医療・介護関係個人情報を対象とするものであり、診療録等の形態に整理されていない場合でも個人情報に該当する。

(例)下記については、記載された氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができることから、個人情報に該当する。(医療・介護関係法令において医療・介護関係事業者に作成・保存が義務づけられている記録例は別表1参照)

  • 医療機関等における個人情報の例
    診療録、処方せん、手術記録、助産録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約、調剤録 等
  • 介護関係事業者における個人情報の例
    ケアプラン、介護サービス提供にかかる計画、提供したサービス内容等の記録、事故の状況等の記録 等

2.個人識別符号(法第2条第2項)

(定義)

法第二条
2 この法律において「個人識別符号」とは、次の各号にいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。
一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
令第一条 個人情報の保護に関する法律(以下「法」という。)第二条第二項の政令で定める文字、番号、記号その他の符号は、次に掲げるものとする。
一 次に掲げる身体の特徴のいずれかを電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、特定の個人を識別するに足りるものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に適合するもの
イ 細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列
ロ~ト(略)
二~六(略)
七 次に掲げる証明書にその発行を受ける者ごとに異なるものとなるように記載された個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号
イ 国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第九条第二項の被保険者証
ロ 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第五十四条第三項の被保険者証
ハ 介護保険法(平成9年法律第123号)第十二条第三項の被保険者証
八 その他前各号に準ずるものとして個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号
規則第二条 個人情報の保護に関する法律施行令(以下「令」という。)第一条第一号の個人情報保護委員会規則で定める基準は、特定の個人を識別することができる水準が確保されるよう、適切な範囲を適切な手法により電子計算機の用に供するために変換することとする。
規則第三条 令第一条第七号の個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号は、次の各号に掲げる証明書ごとに、それぞれ当該各号に定めるものとする。
一 令第一条第七号イに掲げる証明書 同号イに掲げる証明書の記号、番号及び保険者番号
二 令第一条第七号ロ及びハに掲げる証明書 同号ロ及びハに掲げる証明書の番号及び保険者番号
規則第四条 令第一条第八号の個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号は、次に掲げるものとする。
一 健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号)第四十七条第一項及び第二項の被保険者証の記号、番号及び保険者番号
二 健康保険法施行規則第五十二条第一項の高齢受給者証の記号、番号及び保険者番号
三 船員保険法施行規則(昭和15年厚生省令第5号)第三十五条第一項の被保険者証の記号、番号及び保険者番号
四 船員保険法施行規則第四十一条第一項の高齢受給者証の記号、番号及び保険者番号
五~六(略)
七 私立学校教職員共済法施行規則(昭和28年文部省令第28号)第一条の七の加入者証の加入者番号
八 私立学校教職員共済法施行規則第三条第一項の加入者被扶養者証の加入者番号
九 私立学校教職員共済法施行規則第三条の二第一項の高齢受給者証の加入者番号
十 国民健康保険法施行規則(昭和33年厚生省令第53号)第七条の四第一項に規定する高齢受給者証の記号、番号及び保険者番号
十一 国家公務員共済組合法施行規則(昭和33年大蔵省令第54号)第八十九条の組合員証の記号、番号及び保険者番号
十二 国家公務員共済組合法施行規則第九十五条第一項の組合員被扶養者証の記号、番号及び保険者番号
十三 国家公務員共済組合法施行規則第九十五条の二第一項の高齢受給者証の記号、番号及び保険者番号
十四 国家公務員共済組合法施行規則第百二十七条の二第一項の船員組合員証及び船員組合員被扶養者証の記号、番号及び保険者番号
十五 地方公務員等共済組合法施行規程(昭和37年総理府・文部省・自治省令第1号)第九十三条第二項の組合員証の記号、番号及び保険者番号
十六 地方公務員等共済組合法施行規程第百条第一項の組合員被扶養者証の記号、番号及び保険者番号

十七 地方公務員等共済組合法施行規程第百条の二第一項の高齢受給者証の記号、番号及び保険者番号
十八 地方公務員等共済組合法施行規程第百七十六条第二項の船員組合員証及び船員組合員被扶養者証の記号、番号及び保険者番号
十九~二十(略)

「個人識別符号」とは、当該情報単体から特定の個人を識別できるものとして令に定められた文字、番号、記号その他の符号をいい、これに該当するものが含まれる情報は個人情報となる。

具体的な内容は、令第1条及び個人情報の保護に関する法律施行規則(平成28年個人情報保護委員会規則第3号。以下「規則」という。)第2条から第4条までに定められており、例えば、細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列、健康保険法に基づく被保険者証や高齢受給者証の記号、番号及び保険者番号などが該当する。

したがって、当該記号、番号及び保険者番号のいずれもが含まれる情報は、個人情報となる。

3.要配慮個人情報(法第2条第3項)

(定義)

法第二条
3 この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。
令第二条 法第二条第三項の政令で定める記述等は、次に掲げる事項のいずれかを内容とする記述等(本人の病歴又は犯罪の経歴に該当するものを除く。)とする。
一 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること。
二 本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(次号において「医師等」という。)により行われた疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査(同号において「健康診断等」という。)の結果
三 健康診断等の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと。
四 本人を被疑者又は被告人として、逮捕、捜索、差押え、勾留、公訴の提起その他の刑事事件に関する手続が行われたこと。
五 本人を少年法(昭和23年法律第168号)第三条第一項に規定する少年又はその疑いのある者として、調査、観護の措置、審判、保護処分その他の少年の保護事件に関する手続が行われたこと。
規則第五条 令第二条第一号の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害は、次に掲げる障害とする。
一 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)別表に掲げる身体上の障害
二 知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)にいう知的障害
三 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)にいう精神障害(発達障害者支援法(平成16年法律第167号)第二条第一項に規定する発達障害を含み、前号に掲げるものを除く。)
四 治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第四条第一項の政令で定めるものによる障害の程度が同項の厚生労働大臣が定める程度であるもの
「要配慮個人情報」とは、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして法第2条第3項、令第2条及び規則第5条で定める記述等が含まれる個人情報をいう。なお、医療機関等及び介護関係事業者において想定される要配慮個人情報に該当する情報とは、診療録等の診療記録や介護関係記録に記載された病歴、診療や調剤の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について、医療従事者が知り得た診療情報や調剤情報、健康診断の結果及び保健指導の内容、障害(身体障害、知的障害、精神障害等)の事実、犯罪により害を被った事実等が挙げられる。

なお、要配慮個人情報の取得や第三者提供には、原則として本人同意が必要であり、法第23条第2項の規定による第三者提供(オプトアウトによる第三者提供)は認められていないので、注意が必要である。

4.個人情報の匿名化

当該個人情報から、当該情報に含まれる氏名、生年月日、住所、個人識別符号等、個人を識別する情報を取り除くことで、特定の個人を識別できないようにすることをいう。顔写真については、一般的には目の部分にマスキングすることで特定の個人を識別できないと考えられる。なお、必要な場合には、その人と関わりのない符号又は番号を付すこともある。

このような処理を行っても、事業者内で医療・介護関係個人情報を利用する場合は、事業者内で得られる他の情報や匿名化に際して付された符号又は番号と個人情報との対応表等と照合することで特定の患者・利用者等が識別されることも考えられる。法においては、「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるもの」についても個人情報に含まれるものとされており、匿名化に当たっては、当該情報の利用目的や利用者等を勘案した処理を行う必要があり、あわせて、本人の同意を得るなどの対応も考慮する必要がある。

また、特定の患者・利用者の症例や事例を学会で発表したり、学会誌で報告したりする場合等は、氏名、生年月日、住所、個人識別符号等を消去することで匿名化されると考えられるが、症例や事例により十分な匿名化が困難な場合は、本人の同意を得なければならない。

なお、このような学会での発表等のために用いられる特定の患者の症例等の匿名化は、匿名加工情報(Ⅱ5.参照)とは定義や取扱いのルールが異なるので留意が必要である。
さらに当該発表等が研究の一環として行われる場合にはⅠ9.に示す取扱いによるものとし、学会等関係団体が定める指針に従うものとする。

5.匿名加工情報(法第2条第9項)

(定義)

法第二条
9 この法律において「匿名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。
一 第一項第一号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
二 第一項第二号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
10 この法律において「匿名加工情報取扱事業者」とは、匿名加工情報を含む情報の集合物であって、特定の匿名加工情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものその他特定の匿名加工情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの(第三十六条第一項において「匿名加工情報データベース等」という。)を事業の用に供している者をいう。ただし、第五項各号に掲げる者を除く。
令第六条 法第二条第十項の政令で定めるものは、これに含まれる匿名加工情報を一定の規則に従って整理することにより特定の匿名加工情報を容易に検索することができるように体系的に構成した情報の集合物であって、目次、索引その他検索を容易にするためのものを有するものをいう。

「匿名加工情報」とは、個人情報を個人情報の区分に応じて定められた措置を講じて特定の個人を識別することができないように加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元して特定の個人を再識別することができないようにしたものをいう。

個人情報から匿名加工情報を作成する場合には、規則で定める基準に従って加工する等一定の制限を受けることとなる。

匿名加工情報の加工基準及び匿名加工情報取扱事業者の定義等については、別途定める「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(匿名加工情報編)」(平成28年個人情報保護委員会告示第9号)を参照のこと。

6.個人情報データベース等(法第2条第4項)、個人データ(法第2条第6項)、保有個人データ(法第2条第7項)

(定義)

法第二条
4 この法律において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるもの(利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。
一 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
二 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
令第三条 法第二条第四項の利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定めるものは、次の各号のいずれにも該当するものとする。
一 不特定かつ多数の者に販売することを目的として発行されたものであって、かつ、その発行が法又は法に基づく命令の規定に違反して行われたものでないこと。
二 不特定かつ多数の者により随時に購入することができ、又はできたものであること。
三 生存する個人に関する他の情報を加えることなくその本来の用途に供しているものであること。
2 法第二条第四項第二号の政令で定めるものは、これに含まれる個人情報を一定の規則に従って整理することにより特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した情報の集合物であって、目次、索引その他検索を容易にするためのものを有するものをいう。

「個人情報データベース等」とは、特定の個人情報をコンピュータを用いて検索することができるように体系的に構成した個人情報を含む情報の集合体、又はコンピュータを用いていない場合であっても、紙面で処理した個人情報を一定の規則(例えば、五十音順、生年月日順など)に従って整理・分類し、特定の個人情報を容易に検索することができるよう、目次、索引、符号等を付し、他人によっても容易に検索可能な状態に置いているものをいう。なお、個人情報データベース等に該当しないものとしては、市販の電話帳や住宅地図などが該当するが、詳細は「通則ガイドライン」を参照されたい。

(定義)

法第二条

6 この法律において「個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人情報をいう。
「個人データ」とは、「個人情報データベース等」を構成する個人情報をいう。

(定義)

法第二条

7 この法律において「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は一年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいう。
令第四条 法第二条第七項の政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 当該個人データの存否が明らかになることにより、本人又は第三者の生命、身体又は財産に危害が及ぶおそれがあるもの
二 当該個人データの存否が明らかになることにより、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがあるもの
三 当該個人データの存否が明らかになることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあるもの
四 当該個人データの存否が明らかになることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が及ぶおそれがあるもの

令第五条 法第二条第七項の政令で定める期間は、六月とする。

「保有個人データ」とは、個人データのうち、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有するものをいう。ただし、①その存否が明らかになることにより、公益その他の利益が害されるもの、②6ヶ月以内に消去する(更新することは除く。)こととなるものは除く。

診療録等の診療記録や介護関係記録については、媒体の如何にかかわらず個人データに該当する。

また、検査等の目的で、患者から血液等の検体を採取した場合、それらは個人情報に該当し、利用目的の特定等(Ⅲ1.参照)、利用目的の通知等(Ⅲ2.参照)等の対象となることから、患者の同意を得ずに、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて検体を取り扱ってはならない。また、これらの検査結果については、診療録等と同様に検索可能な状態として保存されることから、個人データに該当し、第三者提供(Ⅲ5.参照)や開示(Ⅲ10.参照)の対象となる。

7.本人の同意

「本人の同意」とは、本人の個人情報が、個人情報取扱事業者によって示された取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の当該本人の意思表示をいう(当該本人であることを確認できていることが前提となる。)。

また、「本人の同意を得(る)」とは、本人の承諾する旨の意思表示を当該個人情報取扱事業者が認識することをいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な方法によらなければならない。

なお、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果について、未成年者、成年被後見人、被保佐人及び被補助人が判断できる能力を有していないなどの場合は、親権者や法定代理人等から同意を得る必要がある。

【本人の同意を得ている事例】

  • 事例1)本人からの同意する旨の口頭による意思表示
  • 事例2)本人からの同意する旨の書面(電磁的記録を含む。)の受領
  • 事例3)本人からの同意する旨のメールの受信
  • 事例4)本人による同意する旨の確認欄へのチェック
  • 事例5)本人による同意する旨のホームページ上のボタンのクリック
  • 事例6)本人による同意する旨の音声入力、タッチパネルへのタッチ、ボタンやスイッチ等による入力

法は、個人情報の目的外利用や個人データの第三者提供の場合には、原則として本人の同意を得ることを求めている。これは、法の基本となるOECD8原則のうち、利用制限の原則の考え方の現れであるが、医療機関等については、患者に適切な医療サービスを提供する目的のために、当該医療機関等において、通常必要と考えられる個人情報の利用範囲を施設内への掲示(院内掲示)により明らかにしておき、患者側から特段明確な反対・留保の意思表示がない場合には、これらの範囲内での個人情報の利用について同意が得られているものと考えられる。(Ⅲ5.(3)(4)参照)

また、患者・利用者が、意識不明ではないものの、本人の意思を明確に確認できない状態の場合については、意識の回復にあわせて、速やかに本人への説明を行い本人の同意を得るものとする。

なお、これらの場合において患者・利用者の理解力、判断力などに応じて、可能な限り患者・利用者本人に通知し、同意を得るよう努めることが重要である。

医療・介護関係事業者が要配慮個人情報を書面又は口頭等により本人から適正に直接取得する場合は、本人が当該情報を提供したことをもって、当該医療・介護関係事業者が当該情報を取得することについて本人の同意があったものと解される。(Ⅲ3.参照)

8.家族等への病状説明

法においては、個人データを第三者提供する場合には、あらかじめ本人の同意を得ることを原則としている。一方、病態によっては、治療等を進めるに当たり、本人だけでなく家族等の同意を得る必要がある場合もある。家族等への病状説明については、「患者(利用者)への医療(介護)の提供に必要な利用目的(Ⅲ1.(1)参照)と考えらえるが、本人以外の者に病状説明を行う場合は、本人に対し、あらかじめ病状説明を行う家族等の対象者を確認し、同意を得ることが望ましい。この際、本人から申出がある場合には、治療の実施等に支障を生じない範囲において、現実に患者(利用者)の世話をしている親族及びこれに準ずる者を説明を行う対象に加えたり、家族の特定の人を限定するなどの取扱いとすることができる。

一方、意識不明の患者の病状や重度の認知症の高齢者の状況を家族等に説明する場合は、本人の同意を得ずに第三者提供できる場合と考えられる(Ⅲ5.(2)②参照)。この場合、医療・介護関係事業者において、本人の家族等であることを確認した上で、治療等を行うに当たり必要な範囲で、情報提供を行うとともに、本人の過去の病歴、治療歴等について情報の取得を行う。本人の意識が回復した際には、速やかに、提供及び取得した個人情報の内容とその相手について本人に説明するとともに、本人からの申出があった場合、取得した個人情報の内容の訂正等、病状の説明を行う家族等の対象者の変更等を行う。

なお、患者の判断能力に疑義がある場合は、意識不明の患者と同様の対応を行うとともに、判断能力の回復にあわせて、速やかに本人への説明を行い本人の同意を得るものとする。

参照

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