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mRNAワクチンの次の技術。薬を精密に届けるDDS開発の最前線

現代の医薬品開発は、まさに革命的な転換期の真っ只中にあります。これまで長らく創薬の中心であった低分子医薬や抗体医薬といった伝統的な治療手段に加え、近年では「創薬モダリティ」と呼ばれる、医薬品を創り出すための技術や方法論そのものが、驚くべき多様化を遂げているのです 1。モダリティとは、ある病気を治療するために、どのような種類の「薬」を用いるかという、その根本的なアプローチを指す言葉です 3。このモダリティの多様化の中でも、特に大きな期待を集めているのが、核酸医薬と呼ばれる新しい種類の医薬品です。

核酸医薬には、アンチセンス核酸やsiRNA(低分子干渉RNA)、そして近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンで一躍その名を知られることになったmRNA医薬など、様々な種類が存在します 1。これらの医薬品がなぜ革命的かと申しますと、その作用機序が従来薬とは根本的に異なる点にあります。低分子医薬や抗体医薬が、主に病気の原因となる「タンパク質」に直接作用してその働きを抑えるのに対し、核酸医薬は、そのタンパク質が作られる前の段階、すなわち生命の設計図である遺伝情報そのものに働きかけることができるのです 4。具体的には、病気の原因となるタンパク質の設計図が書かれたmRNA(メッセンジャーRNA)を標的として分解させたり、その翻訳を阻害したりすることで、原因タンパク質が作られること自体を防ぎます。これは、病気の原因をより根源的なレベルで断つことを意味し、これまで治療が困難であった多くの遺伝性疾患や難病に対する、新たな治療の道を拓く可能性を秘めています。

しかし、この大きな可能性を秘めた核酸医薬には、実用化に向けた重大な課題が存在します。それは「送達」、すなわち、いかにして薬を目的の場所まで届けるかという問題です。核酸医薬を構成するDNAやRNAといった分子は、もともと生体内に存在する分解酵素によって非常に壊れやすく、また、分子サイズが大きいために細胞の膜を自力で通過することが極めて困難です 5。たとえ血中に投与したとしても、標的となる細胞にたどり着く前に分解されてしまったり、細胞の中に入れずに効果を発揮できなかったりするのです。この問題を解決しなければ、核酸医薬は「絵に描いた餅」に過ぎません。

ここで登場するのが、「薬物送達システム(Drug Delivery System)」、通称「DDS」と呼ばれる技術です 6。DDSとは、薬物を「体内の必要な部位に」「必要な量を」「必要な時間だけ」送り届けることを目的とした技術体系の総称であり、薬の効果を最大化し、副作用を最小限に抑えることで、患者さんの生活の質(QOL)を向上させることを目指すものです 6

かつてDDSは、薬の放出速度を調節して効果を持続させるといった、既存薬の付加価値を高めるための補助的な技術と見なされる側面がありました。しかし、核酸医薬のような新しいモダリティの登場は、DDSの役割を根底から変えました。これらの新しい薬にとって、DDSはもはや単なる補助技術ではありません。薬の価値そのものを左右する、創薬と一体不可分の「基盤技術」となったのです。つまり、どれほど優れた核酸医薬(ペイロード)を設計できたとしても、それを正確に患部へ届けるDDS(ビークル)がなければ、医薬品として成立しないのです。このペイロードとビークルの共生的な関係こそが、現代の創薬研究開発の最も重要な特徴と言えるでしょう。

このような背景から、世界中の製薬企業や研究機関が、このDDS技術の開発に熾烈な競争を繰り広げています。そして、この動きは産業界にとどまりません。例えば、日本では経済産業省や日本医療研究開発機構(AMED)が主導し、「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業」といった国家的なプロジェクトを立ち上げ、核酸医薬などを念頭に置いた次世代の送達技術開発に多額の予算を投じています 8。これは、DDS技術が単なる個別企業の技術開発競争の対象ではなく、一国のバイオテクノロジー産業の将来を左右する戦略的基盤であると認識されていることの証左です。この分野での優位性を確立することが、次世代医療における国際競争力を確保する上で不可欠であると考えられているのです 10

本稿では、この次世代医療の鍵を握るDDS、特に標的を精密に狙い撃つ「アクティブターゲティング」技術に焦点を当てます。まず、DDSの基本的な考え方とその進化の歴史を概観し、次に、現在主流となっている二つの大きな技術的アプローチについて詳しく解説します。そして、その最先端の実例として、日本のスタートアップ企業であるレナセラピューティクス社が達成した、核酸医薬を特定の免疫細胞であるリンパ球へ選択的に送達する画期的な技術開発について、その詳細なメカニズムと意義を深く掘り下げていきます。最後に、未来のDDS技術の潮流を探り、この分野が拓く医療の新たな可能性について展望します。

標的を狙い撃つ技術:薬物送達システム(DDS)の進化

薬物送達システム(DDS)の歴史は、いかにして薬の作用を「制御」するかという探求の歴史でした。その進化を理解するためには、まず「パッシブターゲティング(受動的ターゲティング)」と「アクティブターゲティング(能動的ターゲティング)」という二つの基本的な概念を区別することが重要です 11

パッシブターゲティングとは、生体が元々持っている生理的な機能や特性を「受動的に」利用して、薬物を特定の組織に集積させる試みを指します。例えば、がん組織では、正常な組織に比べて血管壁の目が粗く、リンパ系の機能も不十分であることが知られています。このため、ナノメートルサイズの微粒子に薬物を封入して投与すると、正常な血管からは漏れ出さずに血中を循環する一方で、がん組織の粗い血管壁からは漏れ出し、組織内に滞留しやすくなります。これは「EPR効果(Enhanced Permeability and Retention effect)」と呼ばれ、特別な仕掛けをせずとも、粒子のサイズを最適化するだけで、ある程度の標的指向性を実現できるのです。

これに対し、アクティブターゲティングは、薬物やその運び手(キャリア)に、標的となる細胞や組織に特異的に結合するような「目印」を積極的に付与することで、より精密な標的指向化を図るアプローチです 11。この「目印」はリガンドと呼ばれ、標的細胞の表面に存在する特定の受容体(鍵穴)にだけ結合する「鍵」のような分子です。この鍵と鍵穴の特異的な結合を利用して、薬物を目的の細胞にだけ送り届けるのが、アクティブターゲティングの基本的な考え方です。

DDSの初期の研究開発は、主に薬物の放出速度を制御することに主眼が置かれていました。例えば、一日に何度も服用が必要な薬を、徐々に溶け出す高分子でコーティングすることで、一日一回の服用で済む徐放性製剤にする、といった具合です。これは、薬の作用の「時間」を制御する技術と言えます。しかし、近年の創薬研究、特に核酸医薬や遺伝子治療といった新しいモダリティの開発が本格化するにつれて、DDSに求められる役割は大きく変化しました。今、最も重要視されているのは、薬の作用の「場所」を精密に制御する技術、すなわちアクティブターゲティングなのです。

この変化の背景には、二つの大きな理由があります。第一に、核酸医薬のような新しいモダリティは、体内の特定の細胞の中にある特定の遺伝子に作用して初めて効果を発揮するため、そもそも標的細胞に効率的に届けられなければ意味がありません。第二に、これらの薬は非常に強力な作用を持つものが多く、もし標的以外の正常な細胞に作用してしまうと、予期せぬ重篤な副作用を引き起こす危険性があります。したがって、薬効を最大限に高め、同時に副作用のリスクを最小限に抑えるためには、薬を病気の原因となっている細胞にだけ集中させ、他の健康な細胞には極力届けないようにする精密な送達技術が不可欠となるのです。

このアクティブターゲティング技術の重要性の高まりは、医薬品そのものの価値基準をも変えつつあります。かつて「良い薬」とは、主にその薬効成分(ペイロード)自体の作用の強さや選択性によって定義されていました。しかし今日では、それに加えて「どこで効くか」という「住所」の正確さが、薬の価値を決定する極めて重要な要素となっています。非常に強力な作用を持つものの、全身に投与すると毒性が高すぎて開発を断念せざるを得なかったような薬物候補も、アクティブターゲティングDDSと組み合わせることで、患部にだけ作用させ、全身への影響を抑えることができれば、再び有望な治療薬として蘇る可能性があります。このように、アクティブターゲティング技術は、これまで「創薬不可能(undruggable)」とされてきた標的への道を拓き、医薬品開発の可能性そのものを大きく広げる力を持っているのです。

この戦略的な重要性から、日本においても、AMEDの「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業」などを通じて、国を挙げた研究開発支援が行われています 8。この事業は、まさに核酸医薬などを念頭に置き、特定の臓器や細胞を狙い撃ちにするような次世代の送達技術の開発を後押しすることを目的としており、アクティブターゲティングが現代の創薬における最重要課題の一つであることを明確に示しています 9

現代DDSの二大潮流:主要なアクティブターゲティング戦略

アクティブターゲティングを実現するための具体的な戦略は、現在、大きく二つの潮流に分かれています。一つは、薬物をナノサイズの「運び屋(キャリア)」に封入し、そのキャリアの表面に標的指向性を持たせるアプローチです。もう一つは、薬物そのものに標的細胞に結合する「目印(リガンド)」を直接結合させるアプローチです。どちらの戦略も、特定の臓器や細胞への精密な送達を目指すという目的は同じですが、その技術的な特徴や応用範囲には違いがあり、それぞれに研究開発が活発に進められています。

「運び屋」に載せる戦略:脂質ナノ粒子(LNP)が拓く可能性

薬物を封入するキャリアとして、現在最も実用化が進み、臨床での豊富な使用実績を持つのが「脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle)」、すなわちLNPです 15。LNPは、その名の通り脂質を主成分とする直径数十から百ナノメートル程度の微小な粒子で、内部に薬物を内包することができます 5。この技術の有用性が広く知られるきっかけとなったのは、2018年に承認された世界初のsiRNA医薬である「オンパットロ」や、世界的なパンデミックの中で開発されたCOVID-19のmRNAワクチンです 5。これらの製品において、LNPは不安定な核酸(siRNAやmRNA)を体内の分解酵素から保護し、標的となる細胞まで安全に届けるという、不可欠な役割を果たしました 16

LNPの基本的な構造は、主に4種類の脂質から構成されています。第一に、プラスの電荷を持ち、マイナスに帯電した核酸と結合して粒子内に保持する「イオン化脂質」。第二に、粒子全体の構造を安定させる「コレステロール」。第三に、脂質二重膜の骨格を形成する「リン脂質」。そして第四に、粒子の表面を覆い、血中での安定性を高め、免疫系から認識されにくくする「PEG修飾脂質」です 16

このLNPを用いたDDSの初期の成功は、主に肝臓を標的としたものでした。LNPを静脈内に投与すると、なぜ優先的に肝臓に集まるのでしょうか。そのメカニズムは非常に巧妙です。血中に入ったLNPの表面を覆っているPEG修飾脂質は、徐々に表面から剥がれ落ちていきます。すると、その部分に血液中に存在するアポリポタンパク質E(ApoE)というタンパク質が吸着します。このApoEは、肝臓の細胞表面に多く発現しているLDL受容体という「鍵穴」に結合する「鍵」の役割を果たします。結果として、ApoEをまとったLNPは、LDL受容体を介して効率的に肝細胞に取り込まれるのです 18。これは、体内に元々存在するタンパク質と受容体のシステムを巧みに利用した、一種のパッシブターゲティングとアクティブターゲティングのハイブリッド戦略と言えます。この特性により、LNPに封入した核酸医薬の開発は、まず肝臓を標的とする疾患、特に希少な代謝性疾患などを中心に進められてきました。

しかし、科学者たちの挑戦は肝臓だけにとどまりませんでした。近年、LNPを用いて肝臓以外の臓器や細胞を狙う研究開発が爆発的に活発化しています。その鍵を握るのは、LNPを構成する脂質の組成です。前述の4種類の脂質の種類を変えたり、その配合比率を変化させたりすることで、LNPの物理化学的な性質が変わり、体内での運命、すなわちどの臓器に集まりやすいかという「標的指向性」が変化することが分かってきたのです。例えば、2020年に学術誌で発表された研究では、LNP全体の表面電荷が標的指向性に大きく影響し、正電荷に帯電したLNPは肺に、負電荷のものは脾臓に、中性のものは肝臓に移行しやすいことが示されました。研究者たちは、多種多様な新規脂質のライブラリーを構築し、様々な組成のLNPを設計しては動物に投与し、どのLNPが目的の臓器に最も効率良く集まるかをスクリーニングするという、地道かつ大規模な取り組みを続けています。

このLNPの標的指向性をさらに飛躍的に高めるための次なる一手として、大きな注目を集めているのが「抗体修飾LNP」です。これは、LNPの表面に特定の抗体を結合させるという、より直接的で強力なアクティブターゲティング手法です。抗体は、特定の抗原(この場合は標的細胞の表面にあるタンパク質)に極めて高い特異性で結合する性質を持っています。この抗体をLNPの表面に「ホーミングミサイル」のように搭載することで、標的細胞に寸分たがわずLNPを送り届けようというのです。

この抗体修飾LNP技術が特に大きな変革をもたらすと期待されているのが、がん免疫療法や遺伝子治療の分野です。現在、一部のがん治療では「CAR-T細胞療法」という画期的な治療法が用いられています。これは、患者さんからT細胞という免疫細胞を取り出し、体外(ex vivo)で遺伝子操作を行って、がん細胞を認識して攻撃する能力を持つキメラ抗原受容体(CAR)を発現させ、再び患者さんの体内に戻すというものです。この治療法は劇的な効果を示すことがある一方で、製造プロセスが非常に複雑で高コストであること、患者さん一人ひとりの細胞を扱うため品質管理が難しいこと、そして治療前に強力な化学療法が必要で副作用のリスクが高いことなど、多くの課題を抱えています。

もし、抗体修飾LNPが実用化されれば、この状況は一変する可能性があります。例えば、T細胞の表面にあるCD8というタンパク質を認識する抗体をLNPに修飾し、その内部にCARの設計図であるmRNAを封入します。この抗体修飾LNPを患者さんに注射するだけで、体内のT細胞に直接mRNAが送り届けられ、T細胞がその場でCAR-T細胞に変わる「in vivo CAR-T療法」が実現できるのです。米国のCapstan Therapeutics社は、まさにこのin vivo CAR-T療法の開発をリードする企業の一つです。同社は、T細胞に特異的に送達されるLNP技術を用いて、がんや自己免疫疾患の治療を目指しており、この技術が成功すれば、複雑な体外での細胞製造プロセスが不要となり、治療は「オフ・ザ・シェルフ(既製品)」の注射薬のように、より安全で、安価で、多くの患者さんが利用できるものになる可能性があります 19。この革新的なアプローチの将来性を見込み、大手製薬企業が巨額の資金を投じて買収に動くなど、その期待の高さがうかがえます 22

ただし、このような高度なDDSの実用化には、製造面での大きな壁が立ちはだかります。ただでさえ複雑なLNPの製造において、さらに抗体を均一に、かつ安定的に結合させ、一つのLNPに何個の抗体が付いているか、全LNPのうち何パーセントが修飾されているかといった品質を、製造バッチごとに厳密に管理・制御することは、極めて高度な分析技術と製造技術(CMC)を要求します。この技術的課題の克服が、抗体修飾LNPの未来を左右する鍵となるでしょう。

「目印」を付ける戦略:リガンド結合型核酸医薬の最前線

アクティブターゲティングのもう一つの大きな潮流は、LNPのようなキャリアを用いず、薬物そのものに直接、標的指向性を持つ「目印」、すなわち「リガンド」を結合させるアプローチです。この方法は、特にアンチセンス核酸やsiRNAといった、比較的分子量の小さい核酸医薬で主流となっています。これらの核酸医薬は、化学修飾技術の進歩によって血中での安定性が向上し、必ずしもLNPのような大きなキャリアに保護してもらう必要性が低下してきたことも、このアプローチが選ばれる理由の一つです。

このリガンド結合型アプローチにおいて、現在、最も輝かしい成功を収めているのが、「N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)」というリガンドです。GalNAcは糖の一種であり、肝細胞の表面に特異的に、かつ非常に多く発現している「アシアロ糖タンパク質(ASGP)受容体」に、まるで鍵が鍵穴に収まるように、高い親和性で結合します 24。この性質を利用し、siRNAなどの核酸医薬にGalNAcを結合させておくと、血中に投与された薬物は優先的に肝臓へと導かれ、ASGP受容体を介して効率的に肝細胞内に取り込まれるのです 24

このGalNAc-siRNAコンジュゲート技術を世界で初めて実用化したのが、2019年に承認された急性肝性ポルフィリン症の治療薬「ギブラーリ」です。この薬の成功以降、GalNAcは肝臓を標的とする核酸医薬の送達技術として不動の地位を築き、現在も多くの医薬品がこの技術を用いて開発されています 26。LNPが静脈内投与を必要とすることが多いのに対し、GalNAcコンジュゲートはより簡便な皮下投与が可能である点も、大きな利点とされています 27

このように、LNPとリガンド結合型アプローチは、それぞれ異なる特徴を持っています。一般的に、LNPはmRNAのような大きな分子を運ぶのに適しており、その組成を変えることで様々な臓器を狙える可能性を秘めていますが、構造が複雑で製造管理が難しいという側面があります。一方、リガンド結合型は、siRNAのような比較的小さな分子に適しており、化学的に合成しやすく品質管理も容易ですが、その成功は標的細胞に特異的で高発現している適切な受容体と、それに対する優れたリガンドを見つけ出せるかどうかにかかっています。どちらの技術が優れているという単純な話ではなく、運ぶべき薬物(ペイロード)の種類や標的とする疾患、製造コストなどを総合的に考慮して、最適な戦略が選択されるのです。

そして今、リガンド結合型アプローチにおける研究開発の最重要課題は、「肝臓の次の標的」を見つけ出すことです。GalNAcの成功に続く、「第二のGalNAc」を求めて、世界中の研究者が新たなリガンドの探索に凌ぎを削っています。例えば、GalNAcを実用化したAlnylam社は、中枢神経系(CNS)を次の標的と定め、「C16」と呼ばれる脂質性のリガンドを開発しました。このC16を付加したsiRNA医薬は、脳内に直接投与することで、アルツハイマー病などの神経疾患の原因タンパク質の産生を抑制する効果が期待され、臨床試験が進められています。

筋肉もまた、重要な標的臓器の一つです。筋ジストロフィーなどの筋肉の難病に対して、核酸医薬を効率的に届けるため、研究者たちは筋肉の細胞に多く発現している「トランスフェリン受容体1(TfR1)」に着目しました 26。米国のAvidity Bioscience社やDyne Therapeutics社は、このTfR1に結合する抗体やその一部(低分子抗体)をリガンドとして用い、siRNAやアンチセンス核酸を筋肉に送達する医薬品を開発し、臨床試験の段階にまで進めています。

日本国内でも、この新しいリガンド探索の動きは活発です。日産化学は、55億種類以上ものペプチドからなるライブラリーの中から、標的細胞への指向性が高い特殊な環状ペプチドを探索する技術を開発し、製薬企業との共同研究を目指しています。また、大阪大学の小比賀聡教授らのグループも、AMEDの支援のもと、標的特異的な核酸医薬送達を可能にするリガンドの探索研究を推進しています。これらの研究は、肝臓という一つの成功例に安住することなく、核酸医薬の活躍の舞台を全身のあらゆる臓器へと広げようとする挑戦の一環なのです。

革新のケーススタディ:レナセラピューティクス社によるリンパ球ターゲティングのブレークスルー

これまでの章で見てきたように、薬物送達システム(DDS)の開発は、LNPのような「運び屋」とGalNAcのような「目印」という二大潮流を中心に進化を続けてきました。ここでご紹介する日本のバイオテクノロジー企業、レナセラピューティクス社の最新の成果は、このリガンド結合型アプローチの中でも、特に独創的で優れた一例と言えるでしょう。同社は、これまで核酸医薬の送達が極めて困難とされてきた「リンパ球」という免疫細胞を、特異的に標的とするための新しいリガンドを開発することに成功したのです。

この成果を深く理解するためには、まずレナセラピューティクス社が持つ独自のコア技術について知る必要があります。それが、「DNA/RNAヘテロ2本鎖核酸(Hetero Duplex Oligonucleotide)」、通称「HDO」です 28。HDOは、東京科学大学の横田隆徳教授らによって開発された、アンチセンス核酸やsiRNAとは異なる、第3の核酸医薬プラットフォームとも呼ばれる革新的な技術です 30

HDOの構造は、その名の通り、2本の核酸鎖から成り立っています。一本は、標的となるmRNAに結合して薬効を発揮する「アンチセンス鎖」で、これはDNAで構成されています。もう一本は、そのアンチセンス鎖と相補的に結合している「キャリア鎖」で、こちらはRNAでできています 28。このDNAとRNAのハイブリッド構造が、HDOのユニークな特性を生み出します。HDOが細胞内に取り込まれると、細胞内に存在するリボヌクレアーゼH(RNase H)という酵素が、RNAであるキャリア鎖だけを選択的に切断・分解します。その結果、一本鎖となったDNAのアンチセンス鎖が放出され、核内などに移行して標的のmRNAに結合し、そのmRNAの分解やスプライシングの制御(エキソンスキップなど)を誘導することで、病気の原因となるタンパク質の産生を抑制するのです 32

HDO技術の最大の利点の一つは、DDSへの応用にあります。リガンドを結合させる際、薬効本体であるアンチセンス鎖に直接修飾を加えると、その活性に影響を与えてしまう可能性があります。しかしHDOでは、薬効には直接関与しないキャリア鎖の末端にリガンドを結合させることができます 31。これにより、アンチセンス鎖の活性を損なうことなく、多様なリガンドを導入して、組織特異的な送達、すなわちアクティブターゲティングを実現することが可能になるのです 34。さらに、2本鎖構造をとることで、1本鎖の核酸に比べて核内への移行性が高まったり、毒性が低減されたりといった利点も報告されています 31

レナセラピューティクス社は、このHDO技術を基盤として、様々な疾患に対する核酸医薬の開発を進めるとともに、特定の臓器や細胞にHDOを届けるためのリガンド開発にも精力的に取り組んできました。そして、彼らが次なる挑戦の標的として定めたのが、免疫システムの中心的な役割を担う「リンパ球」でした。リンパ球は、自己免疫疾患やアレルギー、一部のがんなど、多くの疾患に関与する重要な細胞ですが、もともと核酸のような外来の物質を取り込みにくい性質を持っており、効率的な送達法の開発が長年の課題とされていました。

ここで、レナセラピューティクス社の研究チームの慧眼が光ります。彼らは、やみくもにリガンドを探すのではなく、リンパ球の生物学的な特性に深く根差した、極めて合理的なアプローチを選択しました。彼らが着目したのは、「スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体」という、リンパ球の細胞表面に発現している受容体です。このS1P受容体、特にそのサブタイプの一つである「S1P1受容体」は、リンパ球がリンパ節などの二次リンパ組織から血中へと移動する、体内循環のプロセスにおいて必須の役割を担っていることが知られています 35。そして最も重要な点は、このS1P受容体は、リガンド(本来の生体内リガンドはS1Pという脂質メディエーター)が結合すると、細胞の内側へと取り込まれる(内在化する)という性質を持つことが報告されていたことです 35。研究チームは、この受容体の内在化という自然のメカニズムを、HDOを細胞内に送り込むための「トロイの木馬」として利用できるのではないか、と考えたのです。

この仮説に基づき、同社は市販の化合物ライブラリーをスクリーニングし、S1P受容体への結合能を持つ化合物を探索しました。そして、見出された化合物をさらに化学的に改良(最適化)することで、S1P受容体に対してアゴニスト(作動薬)として働き、内在化を引き起こす強力な新規リガンドを創製することに成功しました。

この新規リガンドとリンカー(HDOとリガンドをつなぐ連結部分)から成る送達ユニット「RL-024」をHDOに結合させ、その効果を検証する実験が行われました。S1P受容体を発現させた細胞を用いて、長鎖ノンコーディングRNAである「MALAT1」の発現を抑制(ノックダウン)する活性を評価したところ、その結果は目覚ましいものでした。HDOを単独で細胞に作用させても、MALAT1の量はほとんど減少しませんでした。しかし、「RL-024」を結合したHDO(RL-024-HDO)を作用させると、非常に高いノックダウン活性が確認されたのです。これは、RL-024がS1P受容体を介して、HDOを効率的に細胞内へと送り届けたことを明確に示しています。さらに、このリガンドはS1P受容体の5つのサブタイプの中でも、特にリンパ球の循環に重要とされるS1P1受容体に対して高い特異性を持つことも明らかにされました。

この成功は、細胞レベルにとどまりませんでした。マウスを用いた動物実験においても、RL-024-HDOを静脈注射または皮下注射で投与したところ、いずれの投与経路でも、HDO単独で投与した場合に比べて、血液中の免疫細胞(末梢血単核球)において、標的遺伝子の顕著なノックダウン活性が確認されたのです。これは、同社が開発したリガンドが、生体内においてもリンパ球へのターゲティング機能を発揮することを示す、非常に重要な結果です。

この一連の開発は、現代のDDS開発における一つの理想的な姿を示しています。それは、単に物理化学的な性質に頼るのではなく、標的となる細胞の生物学的なメカニズムを深く理解し、そのメカニズムを巧みに利用する「生物学主導(biology-driven)」の合理的設計です。レナセラピューティクス社は、S1P1受容体の内在化という特定の生命現象を「ハッキング」することで、これまで困難であったリンパ球への核酸医薬送達という課題を解決する道を拓きました。

同社は、今回開発したリガンドを完成形とは考えておらず、これを中心にさらに多様なリガンドのライブラリーを構築し、提携する製薬企業などの顧客のニーズに応じて最適なリガンドを提供していくという、柔軟な事業戦略を描いています。また、リガンドとHDOをつなぐリンカーの構造や長さによっても、細胞への取り込み効率が変化することも見出しており、この部分の最適化も今後の重要な研究開発テーマとなります。この「HDO(ペイロード)」「リガンド(目印)」「リンカー(連結部)」という三つの要素を自在に組み合わせられるモジュール性こそが、同社のプラットフォーム技術の強みです。武田薬品工業との間で複数回にわたるライセンス契約を締結し、その関係を拡大・深化させている事実は、このHDOプラットフォーム技術がいかに産業界から高く評価されているかを物語っています 30

次なるフロンティア:生体に着想を得た未来のDDS技術

LNPの改良や新規リガンドの探索といった現在の主流な研究開発が進む一方で、科学者たちの視線はさらにその先、未来のDDS技術へと向けられています。そこでの共通のテーマは「バイオインスピレーション」、すなわち生体内の仕組みそのものから着想を得る、あるいは生体分子を直接利用するという、より自然で巧妙なアプローチです。これは、人工的な異物を体内に導入するという従来の考え方から、生体のシステムと調和し、それを積極的に利用する方向へと、DDSの設計思想が大きく転換しつつあることを示唆しています。

その一つの方向性が、生体内に存在するタンパク質をDDSに活用する試みです。前述の通り、LNPが肝臓に集積するメカニズムには、血中のApoEというタンパク質がLNP表面に吸着することが関わっていました。北海道大学の原島秀吉卓越教授らは、この現象を他の臓器へのターゲティングに応用するという、独創的なアイデアを提唱しています。つまり、LNPの脂質組成を工夫することで、ApoE以外の、特定の臓器に親和性を持つ未知の内因性タンパク質(仮に「ApoX」と呼びます)が選択的に吸着するようにLNPを設計するのです。もしそのようなLNPが実現できれば、投与後に体内で自動的に「ApoX」をまとい、そのApoXを認識する受容体を持つ標的臓器へと自律的に運ばれていく、という夢のようなDDSが完成するかもしれません。このアプローチは、抗体などをあらかじめ結合させる必要がなく、従来のLNPの製造法を応用しやすいという利点も考えられます。

原島教授らの研究グループは、この仮説を裏付けるような興味深い成果も報告しています。肝線維症のモデルマウスにおいて、LNPの表面に、線維症の状態で多く発現する血小板由来成長因子(PDGF)というタンパク質が吸着し、そのPDGFを介して線維化に関わる肝星細胞にLNPが取り込まれることを示唆するデータを得ています。これは、病態特異的に発現する内因性タンパク質が、DDSの標的指向性を決定しうることを示す好例であり、この原理を他の臓器や疾患に応用できる可能性を秘めています。

この「生体分子の利用」というコンセプトをさらに推し進め、生体由来のタンパク質そのものでナノ粒子(運び屋)を作ってしまおうという、より大胆な研究も始まっています。米国のAera Therapeutics社は、著名な科学者であるFeng Zhang博士らの発見に基づき、「プロテインナノパーティクル(PNP)」と名付けられた送達技術の実用化を目指しています 37。この技術は、ヒトの体内に元々存在するタンパク質で、自己集合してウイルスの殻(カプシド)のような構造を形成する能力を持つものを利用します。このタンパク質の殻の中に、核酸医薬や遺伝子編集ツールといったペイロードを封入し、標的細胞に届けるのです 39。完全にヒト由来のタンパク質でできたキャリアであるため、従来のLNPのような合成脂質に比べて免疫原性(体内で異物として認識され、免疫反応を引き起こす性質)が低く、より安全に投与できる可能性があると期待されています 41

そして、生体内の仕組みを利用するアプローチの究極形とも言えるのが、「エクソソーム」を送達技術として用いる研究です。エクソソームとは、細胞が分泌する直径30から150ナノメートルほどの極めて小さな袋状の小胞です 42。細胞は、このエクソソームの中にタンパク質やRNAといった情報分子を詰め込んで放出することで、細胞間のコミュニケーションを行っています。つまり、エクソソームは、生体が元々持っている「天然のナノDDS」なのです。この天然のシステムを人工的に改変し、治療に応用しようという研究が世界中で進められています。

この分野の日本の第一人者が、金沢大学の華山力成教授です。華山教授らの研究グループは、「デザイナーエクソソーム」という、目的の機能を持つように人工的に設計したエクソソームを開発しています。彼らは、エクソソームの膜に存在する「テトラスパニン」というタンパク質を足場として利用する技術を確立しました。このテトラスパニンに、標的としたい分子(例えば、がん抗原やT細胞を活性化させる因子など)を遺伝子工学的に融合させることで、エクソソームの表面に目的の分子を自在に提示させることができるのです 42

実際に、がんを攻撃するキラーT細胞の活性化に必要な三つのシグナル(がん抗原、補助シグナル分子、増殖因子)を同時に表面に発現させたデザイナーエクソソームを作製し、がんを持つマウスに投与したところ、体内でがん特異的なキラーT細胞が強力に活性化され、がんの増殖が大幅に抑制されることを見出しました 44。これは、エクソソームがDDSとして機能するだけでなく、それ自体が強力な免疫賦活作用を持つ「薬」にもなりうることを示しています。次のステップとして、このデザイナーエクソソームの内部にmRNAなどを封入し、特定の免疫細胞に選択的に届けるアクティブターゲティング技術の開発を目指しており、実現すれば極めて特異性の高い治療法につながると期待されています 43

これらの次世代技術は、まだ基礎研究段階のものも多いですが、DDSの未来が「バイオインテグレーション(生体融合)」という方向に向かっていることを明確に示しています。人工物をいかにして生体から隠すか、という発想から、いかにして生体のシステムと賢く協調し、その力を利用するか、という発想への転換です。この流れは、より安全で、より効果的な医薬品開発の新しい扉を開くことになるでしょう。

おわりに:医薬品とDDSの未来

本稿では、核酸医薬という新しい創薬モダリティの台頭を背景に、その成否の鍵を握る薬物送達システム(DDS)、特に標的を精密に狙うアクティブターゲティング技術の進化と現状、そして未来の展望について解説してきました。その旅路を通じて、現代の最先端創薬における一つの揺るぎない真実が明らかになったのではないでしょうか。それは、もはや医薬品(ペイロード)と送達システム(ビークル)は、それぞれ独立して開発されるものではなく、一つの生命体のように不可分で、共に進化していく「共生的」な関係にある、ということです。

LNP技術は、その組成を最適化することで肝臓から肺、脾臓へとその標的を広げ、さらには抗体をその身にまとうことで、in vivo CAR-T療法という細胞治療の常識を覆すほどの革新をもたらそうとしています。リガンド結合技術は、GalNAcという金字塔を打ち立てた後、「第二のGalNAc」を求めて中枢神経系や筋肉へとその触手を伸ばしています。そして、レナセラピューティクス社が示したS1P1受容体を介したリンパ球ターゲティングは、標的細胞の生物学を深く洞察することによって、いかにエレガントで強力なDDSを設計できるかを見事に証明しました。

これらの技術開発の最前線に共通しているのは、副作用のリスクを最小限に抑えながら、薬効を最大限に引き出すという、医療の根源的な要請です。アクティブターゲティングは、薬を必要な場所にだけ届けることで、これを実現します。その結果、これまで治療法がなかった多くの難治性疾患や遺伝性疾患に対して、核酸医薬という強力な武器が届けられるようになり、さらには複雑で高コストなex vivoの遺伝子治療が、より簡便なin vivo治療へと置き換わる未来さえも見え始めています。

もちろん、その道のりは平坦ではありません。抗体修飾LNPやデザイナーエクソソームのような複雑なDDSを、医薬品として求められる厳格な品質基準のもとで、安定的に、かつ大規模に製造する技術の確立は、依然として大きな課題です。しかし、その先にある、多くの患者さんを苦しみから解放するという大きな目標に向かって、世界中の研究者や技術者が日々努力を重ねています。

この壮大な挑戦において、成功の鍵を握るのは「連携」です。病気のメカニズムを解き明かし、画期的な薬の種(ペイロード)を創り出す創薬科学者と、その種を的確な土壌(標的細胞)へと運び、芽吹かせるための乗り物(DDS)を設計するDDS技術者。この両者が、開発の初期段階から緊密に連携し、知識と技術を融合させることが不可欠です。ペイロードの特性に最適化されたDDSを、そしてDDSの能力を最大限に引き出せるペイロードを、一体として設計・開発していく。そのような協調的なアプローチこそが、次世代医療の扉を開く原動力となるでしょう。核酸医薬とDDSが織りなすイノベーションの物語は、まだ始まったばかりなのです。

引用文献

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