規制

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(案)

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(案)

令和2年3月 28 日(令和3年某日変更予定)
新型コロナウイルス感染症対策本部決定

政府は、新型コロナウイルス感染症への対策は危機管理上重大な課題であるとの認識の下、国民の生命を守るため、これまで水際での対策、まん延防止、医療の提供等について総力を挙げて講じてきた。国内において、感染経路の不明な患者の増加している地域が散発的に発生し、一部の地域で感染拡大が見られてきたため、令和2年3月 26 日、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成 24 年法律第 31 号。以下「法」という。)附則第1条の2第1項及び第2項の規定により読み替えて適用する法第 14 条に基づき、新型コロナウイルス感染症のまん延のおそれが高いことが、厚生労働大臣から内閣総理大臣に報告され、同日に、法第 15 条第1項に基づく政府対策本部が設置された。

国民の生命を守るためには、感染者数を抑えること及び医療提供体制や社会機能を維持することが重要である。

その上で、まずは、後述する「三つの密」を徹底的に避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策を行うことをより一層推進し、さらに、積極的疫学調査等によりクラスター(患者間の関連が認められた集団。以下「クラスター」という。)の発生を抑えることが、いわゆるオーバーシュートと呼ばれる爆発的な感染拡大(以下「オーバーシュート」という。)の発生を防止し、感染者、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるためには重要である。

また、必要に応じ、外出自粛の要請等の接触機会の低減を組み合わせて実施することにより、感染拡大の速度を可能な限り抑制することが、上記の封じ込めを図るためにも、また、医療提供体制を崩壊させないためにも、重要である。

あわせて、今後、国内で感染者数が急増した場合に備え、重症者等への対応を中心とした医療提供体制等の必要な体制を整えるよう準備することも必要である。

既に国内で感染が見られる新型コロナウイルス感染症に関しては、

  • 肺炎の発生頻度が、季節性インフルエンザにかかった場合に比して相当程度高く、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあること
  •  感染経路が特定できない症例が多数に上り、かつ、急速な増加が確認されており、医療提供体制もひっ迫してきていることから、全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある状況であること

が、総合的に判断されている。

このようなことを踏まえて、令和 2 年4月7日に、新型コロナウイルス感染症対策本部長(以下「政府対策本部長」という。)は法第 32 条第 1 項に基づき、緊急事態宣言を行った。緊急事態措置を実施すべき期間は令和2年4月7日から令和2年5月6日までの 29 日間であり、緊急事態措置を実施すべき区域は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県とした。

以後、4 月 16 日に、各都道府県における感染状況等を踏まえ、全都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域とし、5 月 4 日には、全都道府県において緊急事態措置を実施すべき期間を令和 2 年 5 月 31 日まで延長
することとした。その後、各都道府県における感染状況等を踏まえ、段階的に緊急事態措置を実施すべき区域を縮小していった。

5 月 25 日に、感染状況等を分析し、総合的に判断した結果、全ての都道府県が緊急事態措置を実施すべき区域に該当しないこととなったため、政府対策本部長は、法第 32 条第 5 項に基づき、緊急事態解除宣言を行った。

その後、新規報告数は、10 月末以降増加傾向となり、11 月以降その傾向が強まっていった。12 月には首都圏を中心に新規報告数は過去最多の状況が継続し、医療提供体制がひっ迫している地域が見受けられた。

こうした感染状況や医療提供体制・公衆衛生体制に対する負荷の状況に鑑み、令和3年1月7日、政府対策本部長は、法第 32 条第 1 項に基づき、緊急事態宣言を行った。緊急事態措置を実施すべき期間は令和3年1月8日から令和3年2月7日までの 31 日間であり、緊急事態措置を実施すべき区域は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県である。

本指針は、国民の生命を守るため、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況を的確に把握し、政府や地方公共団体、医療関係者、専門家、事業者を含む国民が一丸となって、新型コロナウイルス感染症対策をさらに進めていくため、今後講じるべき対策を現時点で整理し、対策を実施するに当たって準拠となるべき統一的指針を示すものである。

一 新型コロナウイルス感染症発生の状況に関する事実

我が国においては、令和2年1月 15 日に最初の感染者が確認された後、令和3年1月5日までに、合計 250,343 人の感染者、3,718 人の死亡者が確認されている。

令和2年4月から5月にかけての緊急事態宣言下において、東京都、大阪府、北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、兵庫県及び福岡県の 13 都道府県については、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要があったことから、本対処方針において特定都道府県(緊急事態宣言の対象区域に属する都道府県)の中でも「特定警戒都道府県」と位置付けて対策を促してきた。

また、これら特定警戒都道府県以外の県についても、都市部からの人の移動等によりクラスターが都市部以外の地域でも発生し、感染拡大の傾向が見られ、そのような地域においては、医療提供体制が十分に整っていな
い場合も多いことや、全都道府県が足並みをそろえた取組が行われる必要があったことなどから、全ての都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域として感染拡大の防止に向けた対策を促してきた。

その後、5 月 1 日及び 4 日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下「専門家会議」という。)の見解を踏まえ、引き続き、それまでの枠組みを維持し、全ての都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域(特定警戒都道府県は前記の 13 都道府県とする。)として感染拡大の防止に向けた取組を進めてきた。

その結果、全国的に新規報告数の減少が見られ、また、新型コロナウイルス感染症に係る重症者数も減少傾向にあることが確認され、さらに、病床等の確保も進み、医療提供体制のひっ迫の状況も改善されてきた。

5月 14 日には、その時点における感染状況等の分析・評価を行い、総合的に判断したところ、北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府及び兵庫県の8都道府県については、引き続き特定警戒都道府県として、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていくこととなった。

また、5 月 21 日には、同様に、分析・評価を行い、総合的に判断したところ、北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の 5 都道県については、引き続き特定警戒都道府県として、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要があった。

その後、5 月 25 日に改めて感染状況の変化等について分析・評価を行い、総合的に判断したところ、全ての都道府県が緊急事態措置を実施すべき区域に該当しないこととなったため、同日、緊急事態解除宣言が発出さ
れた。緊急事態宣言解除後、主として7月から8月にかけて、特に大都市部の歓楽街における接待を伴う飲食店を中心に感染が広がり、その後、周辺地域、地方や家庭・職場などに伝播し、全国的な感染拡大につながっていった。

この感染拡大については、政府及び都道府県、保健所設置市、特別区(以下「都道府県等」という。)が連携し、大都市の歓楽街の接待を伴う飲食店等、エリア・業種等の対象を絞った上で、重点的な PCR 検査の実施や営業時間短縮要請など、メリハリの効いた対策を講じることにより、新規報告数は減少に転じた。

また、8 月7日の新型コロナウイルス感染症対策分科会(以下「分科会」という。)においては、今後想定される感染状況に応じたステージの分類を行うとともに、ステージを判断するための指標(「6つの指標」。以下「ステージ判断の指標」という。)及び各ステージにおいて講じるべき施策が提言された。

この提言を踏まえ、今後、緊急事態宣言(緊急事態措置を実施すべき区域を含む)の発出及び解除の判断に当たっては、以下を基本として判断することとする。その際、「ステージ判断の指標」は、提言において、あくまで目安であり、これらの指標をもって機械的に判断するのではなく、政府や都道府県はこれらの指標を総合的に判断すべきとされていることに留意する。

(緊急事態宣言発出の考え方)

国内での感染拡大及び医療提供体制・公衆衛生体制のひっ迫の状況(特に、分科会提言におけるステージⅣ相当の対策が必要な地域の状況等)を踏まえて、全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるか否かについて、政府対策本部長が基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で総合的に判断する。

(緊急事態宣言解除の考え方)

国内での感染及び医療提供体制・公衆衛生体制のひっ迫の状況(特に、緊急事態措置を実施すべき区域が、分科会提言におけるステージⅢ相当の対策が必要な地域になっているか等)を踏まえて、政府対策本部長が基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で総合的に判断する。

なお、緊急事態宣言の解除後の対策の緩和については段階的に行い、必要な対策はステージⅡ相当以下に下がるまで続ける。

8 月 28 日には政府対策本部が開催され、「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」がとりまとめられ、重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患がある者への感染防止を徹底するとともに、医療資源を重症者に重点化すること、また、季節性インフルエンザの流行期に備え、検査体制、医療提供体制を確保・拡充することとなった。

夏以降、減少に転じた新規報告数は、10 月末以降増加傾向となり、11 月以降その傾向が強まっていったことから、クラスター発生時の大規模・集中的な検査の実施による感染の封じ込めや感染拡大時の保健所支援の広域調整等、政府と都道府県等が密接に連携しながら、対策を講じていった。

また、10月23日の分科会においては、「感染リスクが高まる「5つの場面」」を回避することや、「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」を周知することなどの提言がなされた。12 月には首都圏を中心に新規報告数は過去最多の状況が継続し、医療提供体制がひっ迫している地域が見受けられた。

こうした感染状況や医療提供体制・公衆衛生体制に対する負荷の状況に鑑み、令和3年1月7日、政府対策本部長は、法第 32 条第 1 項に基づき、緊急事態措置を実施すべき期間を令和3年1月8日から令和3年2月7日までの 31 日間とし、区域を東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県とする緊急事態宣言を行った。

新型コロナウイルス感染症については、以下のような特徴がある。

  • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にある。令和2年 6 月から 8 月に診断された人における重症化する割合や死亡する割合は 1 月から 4 月までと比べて低下している。重症化する人の割合は約 1.6%(50 歳代以下で 0.3%、60 歳代以上で 8.5%)、死亡する人の割合は、約 1.0%(50 歳代以下で 0.06%、60 歳代以上で 5.7%)となっている。
  • 重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある人で、重症化のリスクとなる基礎疾患には、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満がある。
  • 新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させる可能性がある期間は、発症の 2 日前から発症後7日から 10 日間程度とされている。また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられている。

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられている。

  • 新型コロナウイルス感染症は、主に飛沫感染や接触感染によって感染し、①密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、②密集場所(多くの人が密集している)、③密接場面(互いに手を伸ばしたら手が届く距離
    での会話や発声が行われる)という3つの条件(以下「三つの密」という。)の環境で感染リスクが高まる。このほか、飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間に及ぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりといった場面でも感染が起きやすく、注意が必要である。
  • 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR 検査、抗原定量検査、抗原定性検査等がある。新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭ぬぐい液だけでなく、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっている。なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできない。
  • 新型コロナウイルス感染症の治療は、軽症の場合は経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行う。呼吸不全を伴う場合には、酸素投与やステロイド薬(炎症を抑える薬)・抗ウイルス薬の投与を行い、改善しない場合には人工呼吸器や体外式膜型人工肺(Extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)等による集中治療を行うことがある。
  • 英国、南アフリカ等の世界各地で変異株が確認されている。国立感染症研究所によると、英国で確認された変異株(VOC-202012/01)については、英国の解析では今までの流行株よりも感染性が高いこと(実効再生産数を0.4以上増加させ、伝播のしやすさを最大 70%程度増加すると推定)が示唆されること、現時点では、重篤な症状との関連性やワクチンの有効性への影響は調査中であることなど、また、南アフリカで確認された変異株(501Y.V2)については、感染性が増加している可能性が⽰唆されているが、精査が必要であること、現時点では、重篤な症状との関連性やワクチンの有効性への影響を⽰唆する証拠はないこと等の見解がまとめられている。国立感染症研究所によると、変異株であっても、個人の基本的な感染予防策としては、従来と同様に、「三つの密」の回避、マスクの着用、手洗い等が推奨されている。
  • 日本国内におけるウイルスの遺伝子的な特徴を調べた研究によると、令和2年1月から2月にかけて、中国武漢から日本国内に侵入した新型コロナウイルスは3月末から4月中旬に封じ込められた一方で、その後、欧米経由で侵入した新型コロナウイルスが日本国内に拡散したものと考えられている。7 月、8月の感染拡大は、検体全てが欧州系統から派生した2系統に集約されたものと考えられる。現時点では、国内感染は国内で広がったものが主流と考えられる 。
  • また、ワクチンについては、令和3年前半までに全国民に提供できる数量の確保を目指すこととしており、これまでモデルナ社、アストラゼネカ社及びファイザー社のワクチンの供給を受けることについて契約締結等に至っている。ワクチンの接種を円滑に実施するため、令和2年9月時点で得られた知見、分科会での議論経過等を踏まえ、内閣官房及び厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について(中間とりまとめ)」を策定したが、その後、予防接種法(昭和 23年法律第 68 号)の改正や接種順位の検討等、接種に向け必要な準備を進めている。現時点では国内で承認されたワクチンは存在しないもののファイザー社のワクチンについて 12 月中旬に薬事承認申請がなされており、現在、安全性・有効性を最優先に、迅速審査を行っているところであり、承認後にはできるだけ速やかに接種できるよう接種体制の整備を進めている。
  • 新型コロナウイルス感染症による日本での経済的な影響を調べた研究では、クレジットカードの支出額によれば、人との接触が多い業態や在宅勤務(テレワーク)の実施が困難な業態は、3月以降、売り上げがより大きく減少しており、影響を受けやすい業態であったことが示されている。また、令和2年4~6月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比7.9%減、年率換算で 28.1%減を記録した。

二 新型コロナウイルス感染症の対処に関する全般的な方針

  1. これまでの感染拡大期の経験や国内外の様々な研究等の知見を踏まえ、より効果的な感染防止策等を講じていく。
  2. 緊急事態措置を実施すべき区域においては、社会経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている場面に効果的な対策を徹底する。すなわち、飲食を伴うものを中心として
    対策を講じることとし、その実効性を上げるために、飲食につながる人の流れを制限することを実施する。具体的には、飲食店に対する営業時間短縮要請、夜間の外出自粛、テレワークの推進等の取組を強力に推進する。
  3. 緊急事態措置を実施すべき区域以外の地域においては、地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との持続的な両立を図っていく。その際、感染状況は地
    域によって異なることから、各都道府県知事が適切に判断する必要があるとともに、人の移動があることから、隣県など社会経済的につながりのある地域の感染状況に留意する必要がある。
  4. 感染拡大を予防する「新しい生活様式」の定着や「感染リスクが高まる「5つの場面」」を回避すること等を促すとともに、事業者及び関係団体に対して、業種別ガイドライン等の実践と科学的知見等に基づく進化を促していく。
  5. 新型コロナウイルス感染症についての監視体制の整備及び的確な情報提供・共有により、感染状況等を継続的に監視する。また、医療提供体制がひっ迫することのないよう万全の準備を進めるほか、検査機能の強化、保健所の体制強化及びクラスター対策の強化等に取り組む。
  6. 的確な感染防止策及び経済・雇用対策により、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との両立を持続的に可能としていく。
  7. 感染の拡大が認められる場合には、政府や都道府県が密接に連携しながら、重点的・集中的な PCR 検査の実施や営業時間短縮要請等を含め、速やかに強い感染対策等を講じる。

三 新型コロナウイルス感染症対策の実施に関する重要事項

(1)情報提供・共有

  1. ① 政府は、地方公共団体と連携しつつ、以下の点について、国民の共感
    が得られるようなメッセージを発出するとともに、状況の変化に即応
    した情報提供や呼びかけを行い、行動変容に資する啓発を進めるととも
    に、冷静な対応をお願いする。

    • 発生状況や患者の病態等の臨床情報等の正確な情報提供。
    • 国民に分かりやすい疫学解析情報の提供。
    • 医療提供体制及び検査体制に関する分かりやすい形での情報の提供。
    • 「三つの密」の回避や、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗いなどの手指衛生」をはじめとした基本的な感染対策の徹底等、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の定着に向けた周知。
    • 室内で「三つの密」を避けること。特に、日常生活及び職場において、人混みや近距離での会話、多数の者が集まり室内において大きな声を出すことや歌うこと、呼気が激しくなるような運動を行うことを避けるように強く促すこと。
      令和2年10月23日の分科会で示された、「感染リスクが高まる「5つの場面」」(飲酒を伴う懇親会やマスクなしでの会話など)や、「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」(なるべく普段一緒にいる人と少人数、席の配置は斜め向かい、会話の時はマスク着用等)の周知。
    • 業種別ガイドライン等の実践。特に、飲食店等について、業種別ガイドラインを遵守している飲食店等を利用するよう、促すこと。
    • 風邪症状等体調不良がみられる場合の休暇取得、学校の欠席、外出自粛等の呼びかけ。
    • 感染リスクを下げるため、医療機関を受診する時は、あらかじめ厚生労働省が定める方法による必要があることの周知。
    • 新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の考え方を分かりやすく周知すること。
    • 感染者・濃厚接触者や、診療に携わった医療機関・医療関係者その他の対策に携わった方々に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことの呼びかけ。
    • 従業員及び学生の健康管理や感染対策の徹底についての周知。
    • 国民の落ち着いた対応(不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいだ移動の自粛等や商店への殺到の回避及び買い占めの防止)の呼びかけ。
    • 接触確認アプリ(COVID-19Contact-Confirming Application:COCOA)のインストールを呼びかけるとともに、陽性者との接触があった旨の通知があった場合における適切な機関への受診の相談や陽性者と診断された場合における登録の必要性についての周知。併せて、地域独自のQRコード等による追跡システムの利用の呼びかけ。
  2. 政府は、広報担当官を中心に、官邸のウェブサイトにおいて厚生労働省等関係省庁のウェブサイトへのリンクを紹介するなどして有機的に連携させ、かつ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等の媒体も積極的に活用することで、迅速かつ積極的に国民等への情報発信を行う。
  3. 政府は、民間企業等とも協力して、情報が必ずしも届いていない層に十分な情報が行き届くよう、丁寧な情報発信を行う。
  4. 厚生労働省は、感染症やクラスターの発生状況について迅速に情報を公開する。
  5. 外務省は、全世界で感染が拡大していることを踏まえ、各国に滞在する邦人等への適切な情報提供、支援を行う。
  6. 政府は、検疫所からの情報提供に加え、企業等の海外出張又は長期の海外滞在のある事業所、留学や旅行機会の多い大学等においても、帰国者への適切な情報提供を行い、渡航の是非の判断・確認や、帰国者に対
    する14 日間の外出自粛の要請等の必要な対策を講じるよう周知を図る。
  7. 政府は、国民、在留外国人、外国人旅行者及び外国政府に対し、帰国時・入国時の手続や目的地までの交通手段の確保等について適切かつ迅速な情報提供を行い、国内でのまん延防止と風評対策につなげる。また、政府は、日本の感染対策や感染状況の十分な理解を醸成するよう、諸外国に対して情報発信に努める。
  8. 地方公共団体は、政府との緊密な情報連携により、様々な手段により住民に対して地域の感染状況に応じたメッセージや注意喚起を行う。
  9. 都道府県等は、厚生労働省や専門家と連携しつつ、積極的疫学調査により得られた情報を分析し、今後の対策に資する知見をまとめて、国民に還元するよう努める。
  10. 政府は、今般の新型コロナウイルス感染症に係る事態が行政文書の管理に関するガイドライン(平成 23 年4月1日内閣総理大臣決定)に基づく「歴史的緊急事態」と判断されたことを踏まえた対応を行う。地方公共団体も、これに準じた対応に努める。

(2)サーベイランス・情報収集

  1. 感染の広がりを把握するために必要な検査を実施し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成 10 年法律第 144 号。以下「感染症法」という。)第 12 条に基づく医師の届出等によりその実
    態を把握する。
  2. 厚生労働省及び都道府県等は、感染が拡大する傾向が見られる場合はそれを迅速に察知して的確に対応できるよう、戦略的サーベイランス体制を整えておく必要がある。また、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との両立を進めるためにも感染状況を的確に把握できる体制をもつことが重要であるとの認識の下、地方衛生研究所や民間の検査機関等の関係機関における検査体制の一層の強化、地域の関係団体と連携した地域外来・検査センターの設置等を迅速に進めるとともに、新しい検査技術についても医療現場に迅速に導入する。都道府県は、医療機関等の関係機関により構成される会議体を設けること等により、民間の検査機関等の活用促進を含め、PCR等検査の実施体制の把握・調整等を図る。さらに、厚生労働省は、PCR検査及び抗原検査の役割分担について検討・評価を行う。また、これらを踏まえ、検査が必要な者に、より迅速・円滑に検査を行い、感染が拡大している地域においては、医療・介護従事者、入院・入所者等関係者に対する幅広いPCR等検査の実施に向けて取組を進めるとともに、院内・施設内感染対策の強化を図る。政府と都道府県等で協働して今後の感染拡大局面も見据えた準備を進めるため、厚生労働省は、財政的な支援をはじめ必要な支援を行い、都道府県等は、相談・検体採取・検査の一連のプロセスを通じた対策を実施する。
  3. 厚生労働省は、感染症法第 12 条に基づく医師の届出とは別に、市中での感染状況を含め国内の流行状況等を把握するため、抗体保有状況に関する調査など有効なサーベイランスを実施する。また、いわゆる超過死亡については、新型コロナウイルス感染症における超過死亡を推計し、適切に把握する。
  4. 厚生労働省は、医療機関や保健所の事務負担の軽減を図りつつ、患者等に関する情報を関係者で迅速に共有するための情報把握・管理支援システム(Health Center Real-time Information-sharing System on COVID19:HER-SYS)を活用し、都道府県別の陽性者数等の統計データの収集・分析を行うとともに、その結果を適宜公表し、より効果的・効率的な対策に活用していく。
  5. 政府は、医療機関の空床状況や人工呼吸器・ECMOの保有・稼働状況等を迅速に把握する医療機関等情報支援システム(Gathering Medical Information System:G-MIS)を構築・運営し、医療提供状況やPCR等検査の実施状況等を一元的かつ即座に把握するとともに、都道府県等にも提供し、迅速な患者の受入調整等にも活用する。
  6. 文部科学省及び厚生労働省は、学校等での集団発生の把握の強化を図る。
  7. 政府は、変異株に対して迅速に診断するための検査キット等の開発の支援を進める。
  8. 都道府県は、地方公共団体間での迅速な情報共有に努めるとともに、県下の感染状況について、リスク評価を行う。
  9. 遺伝子配列を分析するにあたり、公衆衛生対策を進めていく上で必要な情報を、国立感染症研究所において収集を行う。

(3)まん延防止

1)外出の自粛(後述する「4)職場への出勤等」を除く)

特定都道府県は、法第 45 条第 1 項に基づき、不要不急の外出・移動の自粛について協力の要請を行うものとする。特に、20 時以降の不要不急の外出自粛について、住民に徹底する。

医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外とする。

また、「三つの密」を徹底的に避けるとともに、「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策を徹底するとともに、あらゆる機会を捉えて、令和2年4月22 日の専門家会議で示された「10 のポイント」、5月4日の専門家会議で示された「新しい生活様式の実践例」、10 月 23 日の分科会で示された、「感染リスクが高まる「5つの場面」」等を活用して住民に周知を行うものとする。

2)催物(イベント等)の開催制限

特定都道府県は、当該地域で開催される催物(イベント等)について、主催者等に対して、法第 45 条第2項等に基づき、別途通知する目安を踏まえた規模要件等(人数上限・収容率、飲食を伴わないこと等)を設定し、その要件に沿った開催の要請を行うものとする。併せて、開催にあたっては、業種別ガイドラインの徹底や催物前後の「三つの密」及び飲食を回避するための方策を徹底するよう、主催者等に求めるものとする。

また、スマートフォンを活用した接触確認アプリ(COCOA)について、検査の受診等保健所のサポートを早く受けられることやプライバシーに最大限配慮した仕組みであることを周知し、民間企業・団体等の幅広い協力を得て引き続き普及を促進する。

3)施設の使用制限等(前述の「2)催物(イベント等)の開催制限」、後述する「5)学校等の取扱い」を除く)

  1. 特定都道府県は、法第 24 条第9項及び法第 45 条第2項等に基づき、感染リスクが高いと指摘されている飲食の場を避ける観点から、飲食店に対する営業時間の短縮(20 時までとする。ただし、酒類の提供は 11 時から 19 時までとする。)の要請を行うものとする。要請にあたっては、関係機関とも連携し、営業時間短縮を徹底するための対策強化を行う。法第 45 条第2項に基づく要請に対し、正当な理由がないにもかかわらず応じない場合には、法第 45 条第3項に基づく指示を行い、これらの要請及び指示の公表を行うものとする。政府は、新型コロナウイルス感染症の特性及び感染の状況を踏まえ、施設の使用制限等の要請、指示の対象となる施設等の所要の規定の整備を行うものとする。また、20 時以降の不要不急の外出自粛を徹底することや、施設に人が集まり、飲食につながることを防止する必要があること等を踏まえ、飲食店以外の他の新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令(平成25 年政令第 122 号)第 11 条に規定する施設(学校、保育所をはじめ別途通知する施設を除く。)についても、同様の働きかけを行うものとする。また、特定都道府県は、感染の拡大につながるおそれのある一定の施設について、別途通知する目安を踏まえた規模要件等(人数上限・収容率、飲食を伴わないこと等)を設定し、その要件に沿った施設の使用の働きかけを行うものとする。
  2. 政府は、地方創生臨時交付金に設けた「協力要請推進枠」により、飲食店に対して営業時間短縮要請等と協力金の支払いを行う都道府県を支援する。
  3. 事業者及び関係団体は、今後の持続的な対策を見据え、業種別ガイドライン等を実践するなど、自主的な感染防止のための取組を進める。その際、政府は、専門家の知見を踏まえ、関係団体等に必要な情報提供や助言等を行う。

4)職場への出勤等

  1. 政府及び特定都道府県は、事業者に対して、以下の取組を行うよう働きかけを行うものとする。
    • 職場への出勤は、外出自粛等の要請の対象から除かれるものであるが、「出勤者数の 7 割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテ
      ーション勤務等を強力に推進すること。
    • 20 時以降の不要不急の外出自粛を徹底することを踏まえ、事業の継続に必要な場合を除き、20 時以降の勤務を抑制すること。
    • 職場に出勤する場合でも、時差出勤、自転車通勤等の人との接触を低減する取組を強力に推進すること。
    • 職場においては、感染防止のための取組(手洗いや手指消毒、咳エチケット、職員同士の距離確保、事業場の換気励行、複数人が触る箇所の消毒、発熱等の症状が見られる従業員の出勤自粛、出張による従業員の移動を減らすためのテレビ会議の活用等)や「三つの密」や「感染リスクが高まる「5つの場面」」等を避ける行動を徹底するよう促すこと。特に職場での「居場所の切り替わり」(休憩室、更衣室、喫煙室等)に注意するよう周知すること。さらに、職場や店舗等に関して、業種別ガイドライン等を実践するよう働きかけること。
    • 別添に例示する国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業者及びこれらの業務を支援する事業者においては、「三つの密」を避けるために必要な対策を含め、十分な感染防止策を講じつつ、事業の特性を踏まえ、業務を継続すること。
  2. ② 政府及び地方公共団体は、在宅勤務(テレワーク)、ローテーション勤務、時差出勤、自転車通勤等、人との接触を低減する取組を自ら進めるとともに、事業者に対して必要な支援等を行う。

5)学校等の取扱い

  1. 文部科学省は、学校設置者及び大学等に対して一律に臨時休業を求めるのではなく、地域の感染状況に応じた感染防止策の徹底を要請する。幼稚園、小学校、中学校、高等学校等については、子供の健やかな学びの保障や心身への影響の観点から、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」等を踏まえた対応を要請する。また、大学等については、感染防止と面接授業・遠隔授業の効果的実施等による学修機会の確保の両立に向けて適切に対応することを要請する。部活動、課外活動、学生寮における感染防止策、懇親会や飲み会などについては、学生等への注意喚起の徹底(緊急事態宣言区域においては、部活動における感染リスクの高い活動の制限)を要請する。大学入学共通テスト、高校入試等については、実施者において、感染防止策や追検査等による受験機会の確保に万全を期した上で、予定どおり実施する。都道府県は、学校設置者に対し、保健管理等の感染症対策について指導するとともに、地域の感染状況や学校関係者の感染者情報について速やかに情報共有を行うものとする。
  2. 厚生労働省は、保育所や放課後児童クラブ等について、感染防止策の徹底を行いつつ、原則開所することを要請する。

6)緊急事態宣言が発出されていない場合の都道府県における取組等

  1. 都道府県は、持続的な対策が必要であることを踏まえ、住民や事業者に対して、以下の取組を行うものとする。その際、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との両立を持続的に可能としていくため、「新
    しい生活様式」の社会経済全体への定着を図るとともに、地域の感染状況や感染拡大リスク等について評価を行いながら、必要に応じて、後述③等のとおり、外出の自粛、催物(イベント等)の開催制限、施
    設の使用制限等の要請等を機動的に行うものとする。
 (外出の自粛等)
    •  「三つの密」、「感染リスクが高まる「5つの場面」」等の回避や、「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗いなどの手指衛生」をはじめとした基本的な感染対策の徹底等、感染拡大を防止する「新しい生活様式」の定着が図られるよう、あらゆる機会を捉えて、令和2年4月 22 日の専門家会議で示された「10 のポイント」、5月4日の専門家会議で示された「新しい生活様式の実践例」、10 月23 日の分科会で示された「感染リスクが高まる「5つの場面」」等について住民や事業者に周知を行うこと。
    • 帰省や旅行など、都道府県をまたぐ移動は、「三つの密」の回避を含め基本的な感染防止策を徹底するとともに、特に大人数の会食を控える等注意を促すこと。感染が拡大している地域において、こうした対応が難しいと判断される場合は、帰省や旅行について慎重な検討を促すこと。特に発熱等の症状がある場合は、帰省や旅行を控えるよう促すこと。
    • 業種別ガイドライン等を遵守している施設等の利用を促すこと。
    • 感染拡大の兆候や施設等におけるクラスターの発生があった場合、政府と連携して、外出の自粛に関して速やかに住民に対して必要な協力の要請等を行うこと。
(催物(イベント等)の開催)
    • 催物等の開催については、「新しい生活様式」や業種別ガイドライン等に基づく適切な感染防止策が講じられることを前提に、地域の感染状況や感染拡大リスク等について評価を行いながら、必要な規模要件(人数上限や収容率)の目安を示すこと。その際、事業者及び関係団体において、エビデンスに基づきガイドラインが進化、改訂された場合は、それに基づき適切に要件を見直すこと。また、催物等の態様(屋内であるか、屋外であるか、また、全国的なものであるか、地域的なものであるかなど)や種別(コンサート、展示会、スポーツの試合や大会、お祭りなどの行事等)に応じて、開催の要件や主催者において講じるべき感染防止策を検討し、主催者に周知すること。催物等の開催に当たっては、その規模に関わらず、「三つの密」が発生しない席の配置や「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、催物の開催中や前後における選手、出演者や参加者等に係る主催者による行動管理等、基本的な感染防止策が講じられるよう、主催者に対して強く働きかけるとともに、参加者名簿を作成して連絡先等を把握しておくことや、接触確認アプリ(COCOA)等の活用等について、主催者に周知すること。
    • 感染拡大の兆候や催物等におけるクラスターの発生があった場合、国と連携して、人数制限の強化、催物等の無観客化、中止又は延期等を含めて、速やかに主催者に対して必要な協力の要請等を行うこと。
(職場への出勤等)
    • 事業者に対して、在宅勤務(テレワーク)、時差出勤、自転車通勤等、人との接触を低減する取組を働きかけること。
    • 事業者に対して、職場における、感染防止のための取組(手洗いや手指消毒、咳エチケット、職員同士の距離確保、事業場の換気励行、複数人が触る箇所の消毒、発熱等の症状が見られる従業員の出勤自粛、出張による従業員の移動を減らすためのテレビ会議の活用等)や「三つの密」や「感染リスクが高まる「5つの場面」」等を避ける行動を徹底するよう促すこと。特に職場での「居場所の切り替わり」(休憩室、更衣室、喫煙室等)に注意するよう周知すること。さらに、職場や店舗等に関して、業種別ガイドライン等を実践するよう働きかけること。
(施設の使用制限等)
    • これまでにクラスターが発生しているような施設や、「三つの密」のある施設については、地域の感染状況等を踏まえ、施設管理者等に対して必要な協力を依頼すること。
    • 感染拡大の兆候や施設等におけるクラスターの発生があった場合、政府と連携して、施設の使用制限等を含めて、速やかに施設管理者等に対して必要な協力の要請等を行うこと。
  1. 都道府県は、感染の状況等を継続的に監視し、その変化が認められた場合、住民に適切に情報提供を行い、感染拡大への警戒を呼びかけるものとする。
  2. 都道府県は、感染拡大の傾向が見られる場合には、地域における感染状況や公衆衛生体制・医療提供体制への負荷の状況について十分、把握・分析を行い、8月7日の分科会の提言で示された指標を目安としつつ総合的に判断し、同提言に示された各ステージにおいて「講ずべき施策」や累次の分科会提言(12 月 11 日「今後の感染の状況を踏まえた対応についての分科会から政府への提言」等)等を踏まえ、地域の実情に応じて、迅速かつ適切に法第 24 条第 9 項に基づく措置等を講じるものとする。特に、ステージⅢ相当の対策が必要な地域等にあっては、速やかにステージⅡ相当の対策が必要な地域へ移行するよう、取り組むものとする。また、ステージⅢ相当の対策が必要な地域で、感染の状況がステージⅣに近づきつつあると判断される場合には、特定都道府県における今回の措置に準じた取組を行うものとする。
  3. 都道府県は、①③の取組を行うに当たっては、あらかじめ政府と迅速に情報共有を行う。

7)水際対策

  1. 政府は、水際対策について、変異株を含め、国内への感染者の流入及び国内での感染拡大を防止する観点から、入国制限、渡航中止勧告、帰国者のチェック・健康観察等の検疫の強化、査証の制限等の措置等を、引き続き、実施する。なお、厚生労働省は、関係省庁と連携し、健康観察について、保健所の業務負担の軽減や体制強化等を支援する。
  2. 諸外国での新型コロナウイルス感染症の発生の状況を踏まえて、必要に応じ、国土交通省は、航空機の到着空港の限定の要請、港湾の利用調整や水際・防災対策連絡会議等を活用した対応力の強化等を行うとともに、厚生労働省は、特定検疫港等の指定を検討する。
  3. 厚生労働省は、停留に利用する施設が不足する場合には、法第 29条の適用も念頭に置きつつも、必要に応じ、関係省庁と連携して、停留に利用可能な施設の管理者に対して丁寧な説明を行うことで停留施設の確保に努める。

8)クラスター対策の強化

  1. 都道府県等は、厚生労働省や専門家と連携しつつ、積極的疫学調査により、個々の濃厚接触者を把握し、健康観察、外出自粛の要請等を行うとともに、感染拡大の規模を適確に把握し、適切な感染対策を行う。その際、より効果的な感染拡大防止につなげるため、積極的疫学調査を実施する際に優先度も考慮する。
  2. 政府は、関係機関と協力して、クラスター対策に当たる専門家の確保及び育成を行う。
  3. 厚生労働省及び都道府県等は、関係機関と協力して、特に、感染拡大の兆候が見られた場合には、専門家やその他人員を確保し、その地域への派遣を行う。なお、感染拡大が顕著な地域において、保健所における積極的疫学調査に係る人員体制が不足するなどの問題が生じた場合には、都道府県は関係学会・団体等の専門人材派遣の仕組みである IHEAT(Infectious disease Health Emergency Assistance Team)の活用や、厚生労働省と調整し、他の都道府県からの応援派遣職員の活用等の人材・体制確保のための対策を行う。
    また、都道府県等が連携し、積極的疫学調査等の専門的業務を十分に実施できるよう保健所の業務の重点化や人材育成等を行うこと等により、感染拡大時に即応できる人員体制を平時から整備する。
  4. 政府及び都道府県等は、クラスター対策を抜本強化するという観点から、保健所の体制強化に迅速に取り組む。これに関連し、特定都道府県は、管内の市町村と迅速な情報共有を行い、また、対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、法第 24 条に基づく総合調整を行う。さらに、都道府県等は、クラスターの発見に資するよう、地方公共団体間の迅速な情報共有に努めるとともに、政府は、対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、法第20 条に基づく総合調整を行う。
  5. 政府及び都道府県等は、クラスター対策を強化する観点から、以下の取組を行う。
    • 大規模な歓楽街については、令和 2 年 10 月 29 日の分科会における「大都市の歓楽街における感染拡大防止対策ワーキンググループ当面の取組方策に関する報告書」に示された取組を踏まえ、通常時から相談・検査体制の構築に取り組むとともに、早期介入時には、重点的(地域集中的)な PCR 検査等の実施や、必要に応じ、エリア・業種を絞った営業時間短縮要請等を機動的に行うこと。
    • 事業者に対し、職場でのクラスター対策の徹底を呼びかけること。
    • 言語の壁や生活習慣の違いがある在留外国人を支援する観点から、政府及び都道府県等が提供する情報の一層の多言語化、大使館のネットワーク等を活用したきめ細かな情報提供、相談体制の整備等により、検査や医療機関の受診に早期につなげる仕組みを構築すること。
  6. 政府は、接触確認アプリ(COCOA)について、機能の向上を図るとともに、検査の受診等保健所のサポートを早く受けられることやプライバシーに最大限配慮した仕組みであることを周知し、その幅広い活用や、感染拡大防止のための陽性者としての登録を行うよう、呼びかけを行い、新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)及び保健所等と連携した積極的疫学調査で活用することにより、効果的なクラスター対策につなげていく。

9)その他共通的事項等

  1. ① 特定都道府県は、地域の特性に応じた実効性のある緊急事態措置を講じる。特定都道府県は、緊急事態措置を講じるに当たっては、法第5条を踏まえ、必要最小限の措置とするとともに、講じる措置の内容及び必要性等について、国民に対し丁寧に説明する。特定都道府県は、緊急事態措置を実施するに当たっては、法第20 条に基づき、政府と密接に情報共有を行う。政府は、専門家の意見を聴きながら、必要に応じ、特定都道府県と総合調整を行う。
  2. ② 緊急事態措置を講じること等に伴い、食料・医薬品や生活必需品の買い占め等の混乱が生じないよう、国民に冷静な対応を促す。
  3. ③ 政府及び地方公共団体は、緊急事態措置の実施に当たっては、事業者の円滑な活動を支援するため、事業者からの相談窓口の設置、物流体制の確保、ライフラインの万全の体制の確保等に努める。
  4. ④ 政府は、関係機関と協力して、公共交通機関その他の多数の人が集まる施設における感染対策を徹底する。

(4)医療等

  1. 重症者等に対する医療提供に重点を置いた入院医療の提供体制の確保を進めるため、厚生労働省と都道府県等は、関係機関と協力して、次のような対策を講じる。
    • 重症者や重症化リスクのある者に医療資源の重点をシフトする観点から、令和2年 10 月 14 日の新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令(令和2年政令第 11 号)の改正(令和2年 10 月 24 日施行)により、高齢者や基礎疾患のある者等入院勧告・措置の対象の明確化を行っており、都道府県等は、当該政令改正に基づき、地域の感染状況等を踏まえ、適切に入院勧告・措置を運用する
      こと。
      重症者等に対する医療提供に重点を置くべき地域では、特に病床確保や都道府県全体の入院調整に最大限努力した上で、なお病床がひっ迫する場合には、高齢者等も含め入院治療が必要ない無症状病原体保有者及び軽症患者(以下「軽症者等」という。)は、宿泊施設(適切な場合は自宅)での療養とすることで、入院治療が必要な患者への医療提供体制の確保を図ること。丁寧な健康観察を実施すること。
      特に、家庭内での感染防止や症状急変時の対応のため、宿泊施設が十分に確保されているような地域では、軽症者等は宿泊療養を基本とすること。そのため、都道府県は、ホテル等の一時的な宿泊療養施設及び運営体制の確保に努めるとともに、政府は、都道府県と密接に連携し、その取組を支援すること。
      子育て等の事情によりやむを得ず自宅療養を行う際には、都道府県等は電話等情報通信機器を用いて遠隔で健康状態を把握するとともに、医師が必要とした場合には電話等情報通信機器を用いて診療を行う体制を整備すること。
    • 都道府県は、患者が入院、宿泊療養、自宅療養をする場合に、その家族に要介護者や障害者、子供等がいる場合は、市町村福祉部門の協力を得て、ケアマネージャー、相談支援専門員、児童相談所等と連携し、必要なサービスや支援を行うこと。
    • 都道府県は、関係機関の協力を得て、新型コロナウイルス感染症の患者専用の病院や病棟を設定する重点医療機関の指定等、地域の医療機関の役割分担を行うとともに、病床・宿泊療養施設確保計画に沿っ
      て、段階的に病床・宿泊療養施設を確保すること。
      特に、病床が逼迫している場合、令和2年 12 月 28 日の政府対策本部で示された「感染拡大に伴う入院患者増加に対応するための医療提供体制パッケージ」を活用しつつ、地域の実情に応じ、重点医療機
      関以外の医療機関に働きかけを行うなど病床の確保を進めること。また、医療機関は、業務継続計画(BCP)も踏まえ、必要に応じ、医師の判断により延期が可能と考えられる予定手術や予定入院の延期を検討し、空床確保に努めること。
      さらに、都道府県は、仮設の診療所や病棟の設置、非稼働病床の利用、法第 48 条に基づく臨時の医療施設の開設についてその活用を十分に考慮すること。厚生労働省は、それらの活用に当たって、必要な支援を行うこと。
    • 都道府県は、患者受入調整や移送調整を行う体制を整備するとともに、医療機関等情報支援システム(G-MIS)も活用し、患者受入調整に必要な医療機関の情報の見える化を行うこと。また、厚生労働省は、都道府県が患者搬送コーディネーターの配置を行うことについて、必要な支援を行うこと。さらに、感染拡大に伴う患者の急増に備え、都道府県は、都道府県域を越える場合も含めた広域的な患者の受入れ体制を確保すること。
  2. 新型コロナウイルス感染症が疑われる患者への外来診療・検査体制の確保のため、厚生労働省と都道府県等は、関係機関と協力して、次のような対策を講じる。
    • かかりつけ医等の地域で身近な医療機関や受診・相談センターを通じて、診療・検査医療機関を受診することにより、適切な感染管理を行った上で、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者への外来医療を提供すること。
    • 都道府県等は、関係機関と協力して、集中的に検査を実施する機関(地域外来・検査センター)の設置を行うこと。
      また、大型テントやプレハブを活用した、いわゆるドライブスルー方式やウォークスルー方式による診療を行うことで、効率的な診療・検査体制を確保すること。併せて、検査結果を踏まえて、患者の振り分けや受け入れが適切に行われるようにすること。
    • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況等を踏まえ、診療・検査医療機関の指定や地域外来・検査センターの設置を柔軟かつ積極的に行うこと。
    • 都道府県は、重症化しやすい方が来院するがんセンター、透析医療機関及び産科医療機関等について、必要に応じ、新型コロナウイ
      ルス感染症への感染が疑われる方への外来診療を原則行わない医
      療機関として設定すること。
  3. 新型コロナウイルス感染症患者のみならず、他の疾患等の患者への対応も踏まえて地域全体の医療提供体制を整備するため、厚生労働省と都道府県は、関係機関と協力して、次のような対策を講じる。
    • 都道府県は、地域の医療機能を維持する観点から、新型コロナウイルス感染症以外の疾患等の患者受入れも含めて、地域の医療機関の役割分担を推進すること。患者と医療従事者双方の新型コロナウイルス感染症の予防の観点から、初診を含めて、電話等情報通信機器を用いた診療体制の整備を推進すること。
  4. 医療従事者の確保のため、厚生労働省と都道府県等は、関係機関と協力して、次のような対策を講じる。・ 都道府県等は、現場で従事している医療従事者の休職・離職防止策や潜在有資格者の現場復帰、医療現場の人材配置の転換等を推進すること。また、検査を含め、直接の医療行為以外に対しては、有資格者以外の民間の人材等の活用を進めること。
    • 厚生労働省は、今般の新型コロナウイルス感染症の対応に伴い、全国の医療機関等の医療人材募集情報を掲載する Web サイト「医療のお仕事Key-Net」の運営等を通じて、医療関係団体、ハローワーク、ナースセンター等と連携し、医療人材の確保を支援すること。
      また、都道府県が法第 31 条に基づく医療等の実施の要請等を行うに当たって、必要な支援を実施すること。
  5. 医療物資の確保のため、政府と都道府県、関係機関は協力して、次のような対策を講じる。
    • 政府及び都道府県は、医療提供体制を支える医薬品や医療機器、医療資材の製造体制を確保し、医療機関等情報支援システム(G-MIS)も活用し、必要な医療機関に迅速かつ円滑に提供できる体制を確保するとともに、専門性を有する医療従事者や人工呼吸器等の必要な医療機器・物資・感染防止に必要な資材等を迅速に確保し、適切な感染対策の下での医療提供体制を整備すること。
    • 政府及び都道府県は、特に新型コロナウイルス感染症を疑う患者にPCR等検査や入院の受入れを行う医療機関等に対しては、マスク等の個人防護具を優先的に確保すること。
  6. 医療機関及び高齢者施設等における施設内感染を徹底的に防止するため、厚生労働省と地方公共団体は、関係機関と協力して、次の事項について周知徹底を図る。
    • 医療機関及び高齢者施設等の設置者において、
      • 従事者等が感染源とならないよう、「三つの密」が生じる場を徹底して避けるとともに、
      •  症状がなくても患者や利用者と接する際にはマスクを着用する、
      • 手洗い・手指消毒の徹底、
      • パソコンやエレベーターのボタン等複数の従事者が共有するものは定期的に消毒する、
      • 食堂や詰め所でマスクを外して飲食をする場合、他の従事者と一定の距離を保つ、
      • 日々の体調を把握して少しでも調子が悪ければ自宅待機する、
        等の対策に万全を期すこと。
    • 医療機関及び高齢者施設等において、面会者からの感染を防ぐため、面会は、地域における発生状況等も踏まえ、患者、家族のQOLを考慮しつつ、緊急の場合を除き制限するなどの対応を検討すること。
    • 医療機関及び高齢者施設等において、患者、利用者からの感染を防ぐため、感染が流行している地域では、患者、家族のQOLを考慮しつつ、施設での通所サービス等の一時利用を中止又は制限する、院患者、利用者の外出、外泊を制限するなどの対応を検討すること。
    • 医療機関及び高齢者施設等において、入院患者、利用者等について、新型コロナウイルス感染症を疑った場合は、早急に個室隔離し、保健所の指導の下、感染対策を実施し、標準予防策、接触予防策、飛沫感染予防策を実施すること。
  1. 都道府県は、感染者と非感染者の空間を分けることなどを含む感染防止策の更なる徹底等を通して、医療機関及び施設内での感染の拡大に特に注意を払う。高齢者施設等の発熱等の症状を呈する入所者・従事者に対する検査や陽性者が発生した場合の当該施設の入所者等への検査が速やかに行われるようにする。また、感染者が多数発生している地域における医療機関、高齢者施設等への積極的な検査が行われるようにする。加えて、手術や医療的処置前等において、当該患者について医師の判断により、PCR検査等が実施できる体制をとる。
  2. この他、適切な医療提供・感染管理の観点で、厚生労働省と都道府県は、関係機関と協力して、次の事項に取り組む。
    • 妊産婦に対する感染を防止する観点から、医療機関における動線分離等の感染防止策を徹底するとともに、妊産婦が感染した場合であっても、安心して出産し、産後の生活が送れるよう、関係機関との協力
      体制を構築し、適切な支援を実施すること。また、関係機関と協力して、感染が疑われる妊産婦への早めの相談の呼びかけや、妊娠中の女性労働者に配慮した休みやすい環境整備等の取組を推進すること。
    • 小児医療について、関係学会等の意見を聞きながら、診療体制を検討し、地方公共団体と協力して体制整備を進めること。
    • 関係機関と協力して、外国人が医療を適切に受けることができるよう、医療通訳の整備等を、引き続き、強化すること。
    • レムデシビルやデキサメタゾンについて、必要な患者への供給の確保を図るとともに、関係省庁・関係機関とも連携し、有効な治療薬等の開発を加速すること。特に、他の治療で使用されている薬剤のうち、効果が期待されるものについて、その効果を検証するための臨床研究・治験等を速やかに実施すること。
    • ワクチンについては、ファイザー社から 12 月中旬に薬事承認申請がなされており、国内治験データ等のデータに基づき審査を行うとともに、有効性・安全性が確認された後には、できるだけ速やかに接種
      を開始できるよう、接種体制の整備を進めること。
    • その他のワクチンについても、関係省庁・関係機関と連携し、迅速に開発等を進めるとともに、承認申請された際には審査を行った上で、できるだけ早期の実用化、国民への供給を目指すこと。
    • 法令に基づく健康診断及び予防接種については、適切な感染対策の下で実施されるよう、実施時期や実施時間等に配慮すること。
    • 国は、実費でPCR検査が行われる場合にも、医療と結びついた検査が行われるよう、周知を行うとともに、精度管理についても推進すること。
  3. 政府は、令和2年度第1次補正予算・第2次補正予算、予備費等も活用し、地方公共団体等に対する必要な支援を行うとともに、医療提供体制の更なる強化に向け、対策に万全を期す。

(5)経済・雇用対策

現下の感染拡大の状況に応じ、その防止を最優先とし、予備費を活用するなど臨機応変に対応することとする。

昨年春と夏の感染拡大の波を経験する中、感染対策とバランスをとりつつ、地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との両立を図ってきた。

具体的には、政府は、令和2年度第 1 次補正予算を含む「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月 20 日閣議決定)及び令和2年度第2次補正予算の各施策を、国・地方を挙げて迅速かつ着実に実行することにより、感染拡大を防止するとともに、雇用の維持、事業の継続、生活の下支えに万全を期してきた。

今後、令和2年度第3次補正予算を含む「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(令和2年 12 月 8 日閣議決定)及び令和3年度当初予算の各施策を、国・地方を挙げて迅速かつ着実に実行することにより、医療提供体制の確保やワクチンの接種体制等の整備をはじめとする新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に全力を挙げるとともに、感染症の厳しい影響に対し、雇用調整助成金や官民の金融機関による実質無利子・無担保融資等により雇用と生活をしっかり守っていく。

その上で、成長分野への民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、民需主導の成長軌道の実現につなげる。

今後も感染状況や経済・国民生活への影響を注意深く見極め、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策予備費の適時適切な執行により、迅速・機動的に対応する。

(6)その他重要な留意事項

1)偏見・差別等への対応、社会課題への対応等

  1. 政府及び地方公共団体は、新型コロナウイルス感染症へのり患は誰にでも生じ得るものであり、感染者やその家族、勤務先等に対する不当な扱いや誹謗中傷は、人権侵害に当たり得るのみならず、体調不良時の受診遅れや検査回避、保健所の積極的疫学調査への協力拒否等につながり、結果として感染防止策に支障を生じさせかねないことから、分科会の偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループが行った議論のとりまとめ(令和 2 年 11 月 6 日)を踏まえ、以下のような取組を行う。
    • 新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識の普及に加え、政府の統一的なホームページ(corona.go.jp)等を活用し、地方公共団体や関係団体等の取組の横展開にも資するよう、偏見・差別等の防止等に向けた啓発・教育に資する発信を強化すること。
    • 偏見・差別等への相談体制を、研修の充実、NPO を含めた関係機関の連携、政府による支援、SNS の活用等により強化すること。
    • 悪質な行為には法的責任が伴うことについて、政府の統一的なホームページ等を活用して、幅広く周知すること。
    • 新型コロナウイルス感染症の特徴を踏まえた行政による情報公表の在り方に関して、改めて国としての統一的な考え方を整理すること。
    • クラスター発生等の有事対応中においては、感染症に関する正しい知識に加えて、感染者等を温かく見守るべきこと等を発信すること。
  2. 政府は、新型コロナウイルス感染症対策に従事する医療関係者が偏見・差別等による風評被害等を受けないよう、国民への普及啓発等必要な取組を実施する。
  3. 政府は、海外から一時帰国した児童生徒等への学校の受入れ支援やいじめ防止等の必要な取組を実施する。
  4. 政府及び関係機関は、各種対策を実施する場合において、国民の自由と権利の制限を必要最小限のものとする。特に、女性の生活や雇用への影響が深刻なものとなっていることに留意し、女性や障害者等に与える影響を十分配慮して実施するものとする。
  5. 政府及び地方公共団体は、マスク、個人防護具、医薬品、医薬部外品、食料品等に係る物価の高騰や買占め、売り惜しみを未然に回避し又は沈静化するため、必要な措置を講じる。
  6. 政府は、地方公共団体と連携し、対策が長期化する中で生ずる様々な社会課題に対応するため、適切な支援を行う。
    • 長期間にわたる外出自粛等によるメンタルヘルスへの影響、配偶者暴力、性犯罪・性暴力や児童虐待等。
    • 情報公開と人権との協調への配慮。
    • 営業自粛等による倒産、失業、自殺等。
    • 社会的に孤立しがちな一人暮らしの高齢者、休業中のひとり親家庭等の生活。
    • 外出自粛等の下で、高齢者等がフレイル状態等にならないよう、コミュニティにおける支援を含め、健康維持・介護サービスの確保。
  7. 政府及び地方公共団体は、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方に対して尊厳をもってお別れ、火葬等が行われるよう、適切な方法について、周知を行う。

2)物資・資材等の供給

  1. 政府は、国民や地方公共団体の要望に応じ、マスク、個人防護具、消毒薬、食料品等の増産や円滑な供給を関連事業者に要請する。また、政府は、感染防止や医療提供体制の確保のため、マスク、個人防護具、人工呼吸器等の必要な物資を政府の責任で確保する。例えば、マスク等を政府で購入し、必要な医療機関や介護施設等に優先配布するとともに、感染拡大に備えた備蓄を強化する。
  2. 政府は、マスクや消毒薬等の国民が必要とする物資が安定的に供給されるよう、これらの物質の需給動向を注視するとともに、過剰な在庫を抱えることのないよう消費者や事業者に冷静な対応を呼びかける。また、政府は、繰り返し使用可能な布製マスクの普及を進める。
  3. 政府は、事態の長期化も念頭に、マスクや抗菌薬及び抗ウイルス薬の原薬を含む医薬品、医療機器等の医療の維持に必要な資材の安定確保に努めるとともに、国産化の検討を進める。

3)関係機関との連携の推進

  1. 政府は、地方公共団体を含む関係機関等との双方向の情報共有を強化し、対策の方針の迅速な伝達と、対策の現場における状況の把握を行う。
  2. 政府は、対策の推進に当たっては、地方公共団体、経済団体等の関係者の意見を十分聴きながら進める。
  3. 地方公共団体は、保健部局のみならず、危機管理部局も含め全ての部局が協力して対策に当たる。
  4. 政府は、国際的な連携を密にし、WHOや諸外国・地域の対応状況等に関する情報収集に努める。また、日本で得られた知見を積極的にWHO等の関係機関や諸外国・地域と共有し、今後の対策に活かすとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受ける国・地域に対する国際社会全体としての対策に貢献する。
  5. 政府は、基礎医学研究及び臨床医学研究、疫学研究を含む社会医学研究等の研究体制に対する支援を通して、新型コロナウイルス感染症への対策の推進を図る。
  6. 都道府県等は、近隣の都道府県等が感染拡大防止に向けた様々な措置や取組を行うに当たり、相互に連携するとともに、その要請に応じ、必要な支援を行う。
  7. 特定都道府県等は、緊急事態措置等を実施するに当たっては、あらかじめ政府と協議し、迅速な情報共有を行う。政府対策本部長は、特定都道府県等が適切に緊急事態措置を講じることができるよう、専門家の意見を踏まえつつ、特定都道府県等と総合調整を行う。
  8. 緊急事態宣言の期間中に様々な措置を実施した際には、特定都道府県知事及び指定行政機関の長は政府対策本部長に、特定市町村長及び指定地方公共機関の長はその所在する特定都道府県知事に、指定公共機関の長は所管の指定行政機関に、その旨及びその理由を報告する。政府対策本部長は国会に、特定都道府県知事及び指定行政機関の長は政府対策本部長に、報告を受けた事項を報告する。

4)社会機能の維持

  1. 政府、地方公共団体、指定公共機関及び指定地方公共機関は、職員における感染を防ぐよう万全を尽くすとともに、万が一職員において感染者又は濃厚接触者が確認された場合にも、職務が遅滞なく行えるように対策をあらかじめ講じる。特に、テレビ会議及びテレワークの積極的な実施に努める。
  2. 地方公共団体、指定公共機関及び指定地方公共機関は、電気、ガス、水道、公共交通、通信、金融業等の維持を通して、国民生活及び国民経済への影響が最小となるよう公益的事業を継続する。
  3. 政府は、指定公共機関の公益的事業の継続に支障が生じることがないよう、必要な支援を行う。
  4. 国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業者は、国民生活及び国民経済安定のため、事業の継続を図る。
  5. 政府は、事業者のサービス提供水準に係る状況の把握に努め、必要に応じ、国民への周知を図る。
  6. 政府は、空港、港湾、医療機関等におけるトラブル等を防止するため、必要に応じ、警戒警備を実施する。
  7. 警察は、混乱に乗じた各種犯罪を抑止するとともに、取締りを徹底する。

5)緊急事態宣言解除後の取組

政府は、緊急事態宣言の解除を行った後も、都道府県等や基本的対処方針等諮問委員会、分科会等との定期的な情報交換等を通じ、国内外の感染状況の変化、施策の実施状況等を定期的に分析・評価・検証を行う。

その上で、最新の情報に基づいて適切に、国民や関係者へ情報発信を行うとともに、それまでの知見に基づき、より有効な対策を実施する。

6)その他

  1. 政府は、必要に応じ、他法令に基づく対応についても講じることとする。
  2. 今後の状況が、緊急事態宣言の要件等に該当するか否かについては、海外での感染者の発生状況とともに、感染経路の不明な患者やクラスターの発生状況等の国内での感染拡大及び医療提供体制のひっ迫の状況を踏まえて、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるか否かについて、政府対策本部長が基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で総合的に判断することとする。
  3. 政府は、基本的対処方針を変更し、又は、緊急事態を宣言、継続若しくは終了するに当たっては、新たな科学的知見、感染状況、施策の実行状況等を考慮した上で、基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で臨機応変に対応する。

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