エビデンス全般 規制

医薬品リスク管理計画指針(平成24年4月11日)

医薬品リスク管理計画指針(平成24年4月11日)

1.緒言

1.1 目的

医薬品の承認時や製造販売後に、重要な特定されたリスク、重要な潜在的リスク及び重要な不足情報を安全性検討事項(Safety Specification)として集約し、それを踏まえて医薬品安全性監視活動の計画(医薬品安全性監視計画)を立てることについては、「医薬品安全性監視の計画について」(平成17 年9月 16 日付け薬食審査発 0916001 号・薬食安発 0916001 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長・安全対策課長連名通知。以下「ICH E2E ガイドライン」という。)により示され、対応が行われてきた。

この指針は、ICH E2E ガイドラインに示されている安全性検討事項及びそれを踏まえた医薬品安全性監視計画に加えて、医薬品のリスクの低減を図るためのリスク最小化計画を含めた、医薬品リスク管理計画(RMP:RiskManagement Plan)を策定するための基本的な考え方を示すものである。

この指針を活用することにより、医薬品の開発段階、承認審査時から製造販売後の全ての期間において、ベネフィットとリスクを評価し、これに基づいて必要な安全対策を実施することで、製造販売後の安全性の確保を図ることを目的とする。

なお、この指針の適用に当たっては、新医薬品、バイオ後続品又は後発医薬品など、それぞれの医薬品の特性を考慮した対応が必要である。

1.2 適用範囲

この指針は、後発医薬品及びバイオ後続品を含む医療用医薬品を対象とする。

具体的には、以下に示す時点に、この指針を基に医薬品リスク管理計画の策定を検討する。

  • 新医薬品(薬事法(昭和 35 年法律第 145 号。以下「法」という。)第14 条の4第1項第1号に規定する新医薬品をいう。以下同じ。)の承認申請を行おうとする時点
  • バイオ後続品の承認申請を行おうとする時点
  • 追加の医薬品安全性監視活動又は追加のリスク最小化活動(以下「追加の措置」という。)が実施されている先発医薬品に対する後発医薬品の承認申請を行おうとする時点
  • 医薬品の製造販売後において、新たな安全性の懸念が判明した時点

2.医薬品リスク管理計画

2.1 医薬品リスク管理計画の策定

医薬品の製造販売業者又は製造販売承認申請者は、常に医薬品の適正使用を図り、ベネフィット・リスクバランスを適正に維持するため、医薬品について3.に示すとおり安全性検討事項を特定し、これを踏まえて、4.に示す医薬品安全性監視計画及び6.に示すリスク最小化計画を策定し、また、必要に応じて5.に示す有効性に関する製造販売後の調査・試験の計画を策定し、これらの計画の全体を取りまとめた医薬品リスク管理計画書を作成する。

2.2 医薬品リスク管理計画の策定における留意事項

医薬品リスク管理計画の策定に当たっては、安全性検討事項に応じて、通常の医薬品安全性監視活動及び通常のリスク最小化活動に加えて、追加の措置の必要性を検討し、それらを実施するか否かについて、その理由や手法とともに医薬品リスク管理計画書に明確に記載する。なお、医薬品リスク管理計画については、承認審査の過程においてその妥当性が検討されることになるので、その検討の内容を反映するため、審査報告書の記載内容との整合性を図って整備すること。

追加の措置の必要性を検討するに当たって考慮する点として、例えば以下の事項が挙げられる。

  • 推定使用患者数
  • 投与状況
  • 特定されているリスク集団
  • 対象疾患の重篤性、合併症の重篤性及び背景発現率
  • 副作用がベネフィット・リスクバランス又は保健衛生の状況に対して及ぼす影響の大きさ
  • 重篤な副作用の重症度、頻度、可逆性及び予防可能性
  • リスク最小化活動の実施により期待される効果
  • 海外での開発又は製造販売の状況
  • 海外との安全性プロファイルの相違
  • 海外で実施されている調査・試験の状況及び結果
  • 海外で執られた安全対策

安全性検討事項を踏まえた医薬品リスク管理計画の検討の結果として、追加の措置が必要でないと判断される医薬品においても、通常の医薬品安全性監視活動として、法第 77 条の4の2に基づく副作用及び感染症情報の収集、報告等、並びに通常のリスク最小化活動としての添付文書等による情報提供の適切な実施が義務付けられていることに留意する。

2.3 医薬品リスク管理計画の節目となる予定の時期の設定

医薬品リスク管理計画の策定に当たっては、各医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動について、その結果の評価又は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)への報告を行う節目となる予定の時期を、各活動ごとに設定し、医薬品リスク管理計画書に記載する。

節目となる予定の時期は、各医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動ごとに設定するが、例えば、一つの活動で複数の安全性検討事項に関する検討を行う場合には、それぞれの安全性検討事項に関する目標を適切な時期に達成することができるように、各安全性検討事項に対応した節目となる評価又は報告の予定の時期を設定し、活動全体の進捗状況及び個別の安全性検討事項に係る進捗状況を管理できるようにする。

節目となる予定の時期を設定するに当たって考慮する点として、例えば以下の事項が挙げられる。

  • 有害事象について事前に設定しておいた頻度を十分な信頼性をもって検出できるようになる時期はいつか
  • 有害事象の発現に影響を及ぼすリスク因子を十分な正確さで評価できるようになる時期はいつか
  • 実施中又は実施を計画している医薬品安全性監視活動の結果を利用することができるようになる時期はいつか
  • リスク最小化活動の対象としている安全性検討事項に関する臨床上及び保健衛生上の重要性が評価できるようになる時期はいつか(安全性検討事項が非常に重要なものである場合には、リスク最小化活動の効果について、その評価をより早期に、かつ、頻繁に行うこと)

2.4 医薬品リスク管理計画の見直し

医薬品リスク管理計画を一度策定した後にも、製造販売後の状況に応じて適切に見直しを行い、医薬品のベネフィット・リスクバランスを適正に維持するよう、その内容を改訂する必要がある。

医薬品リスク管理計画に含まれるそれぞれの医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動の実施状況に応じて見直しを行うことが必要であり、例えば以下の時点が挙げられる。

  • 製造販売後に新たな安全性の懸念が判明した場合など、安全性検討事項の内容に変更があった時
  • 医薬品リスク管理計画で設定している節目となる時期
  • 規制に基づく又は総合機構から指示されている定期的な報告の時期
  • 新医薬品の再審査申請を行う時

3.安全性検討事項

3.1 安全性検討事項の特定

それぞれの医薬品について、有効成分、剤型等の薬剤としての特徴、対象疾患、投与対象となる患者群等の特性を考慮し、安全性検討事項の特定を行う。

安全性検討事項の特定は、その医薬品における特定されたリスク、潜在的リスク及び不足情報のうち、ヒトにおいて発現した場合に重篤である、又は高頻度に発現する等の理由から、当該医薬品のベネフィット・リスクバランスに影響を及ぼしうる、又は保健衛生上の危害の発生若しくは拡大のおそれがあるような重要なものについて、重要な特定されたリスク、重要な潜在的リスク及び重要な不足情報として要約した安全性検討事項を特定することが求められる。

安全性検討事項の特定については、ICH E2E ガイドラインを参照すること。

3.1.1 重要な特定されたリスク

医薬品との関連性が十分な根拠に基づいて示されている有害な事象のうち重要なものをいう。特定されたリスクは、例えば以下のものが挙げられる。

  • 非臨床試験において医薬品との関連性が十分に明らかにされており、臨床データにおいても確認されている副作用及び感染症(以下「副作用等」という。)
  • 適切に設計された臨床試験や疫学研究において、比較対照群との相違から医薬品との因果関係が示された副作用等
  • 製造販売後に多くの自発報告があり、これらにより時間的関連性や生物学的妥当性から因果関係が示唆される副作用等
3.1.2 重要な潜在的リスク

医薬品との関連性が疑われる要因はあるが、臨床データ等からの確認が十分でない有害な事象のうち重要なものをいう。潜在的リスクは、例えば以下のものが挙げられる。

  • 非臨床データから当該医薬品の安全性の懸念となり得る所見が示されているが、臨床データ等では認められていない事象
  • 臨床試験や疫学研究において、比較対照群との相違から医薬品との因果関係が疑われるが、十分に因果関係が示されていない有害事象
  • 製造販売後に自発報告から生じたシグナルとして検出された当該医薬品との因果関係が明らかでない有害事象
  • 当該医薬品では認められていないが、同種同効薬で認められている副作用等
  • 当該医薬品の薬理作用等の性質から発現が予測されるが、臨床データ等では確認されていない事象
3.1.3 重要な不足情報

医薬品リスク管理計画を策定した時点では十分な情報が得られておらず、製造販売後の当該医薬品の安全性を予測する上で不足している情報のうち重要なものをいう。不足情報は、例えば以下のものが挙げられる。

  • 治験の対象から除外されていた患者集団であるが、実地医療で高頻度での使用が想定される等の理由により、当該患者集団での安全性の検討に必要となる情報

3.2 安全性検討事項の見直し

医薬品の製造販売業者は、ICH E2E ガイドラインに基づき、常に当該医薬品の安全性検討事項について見直しを行う必要がある。製造販売後の医薬品安全性監視活動等の結果として、新たな安全性の懸念が判明したときは、速やかに安全性検討事項の内容を見直す。安全性検討事項を変更するときは、医薬品リスク管理計画の見直しを行い、医薬品リスク管理計画書をはじめとした関連する文書を整備する等、必要な措置を行う。

4.医薬品安全性監視計画

医薬品安全性監視計画については、ICH E2E ガイドラインを参照し、以下を踏まえてその内容を検討する。

4.1 通常の医薬品安全性監視活動

製造販売業者において実施している通常の医薬品安全性監視活動及びその実施体制について要約する。

4.2 追加の医薬品安全性監視活動

安全性検討事項を踏まえて、追加の医薬品安全性監視活動の必要性、その理由、手法等について検討の上、その実施体制とともに要約する。医薬品安全性監視活動の手法については、医療情報データベースを活用した薬剤疫学的手法も含め、ICH E2E ガイドラインの別添「医薬品安全性監視の方法」を参照するほか、以下のことも考慮する。

  • 新医薬品においては、販売開始直後において、稀で重篤な副作用が見出されることがあるので、医療機関に対し確実な情報提供、注意喚起等を行い、適正使用に関する理解を促すとともに、重篤な副作用等の情報を迅速に収集し、必要な安全対策を実施し、副作用等の被害を最小限にすることが重要である。このため、必要に応じ、追加の医薬品安全性監視活動として、市販直後調査の実施が求められる。市販直後調査については、「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準に関する省令」(平成 16 年厚生労働省令第 135 号)、「医療用医薬品の市販直後調査の実施方法等について」(平成 18 年3月 24 日付け薬食安発第 0324001 号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)等の関連する法令、通知等を参照すること。
  • 医薬品の製造販売後に、法第 77 条の4の2に基づく副作用等報告による情報が集積され、新たに重篤又は致死的な副作用等が判明するなど、新たな安全性の懸念が判明し、安全性検討事項が変更されることがある。この場合において、追加のリスク最小化活動が実施された場合には、そのリスク最小化活動の効果の評価のために追加の医薬品安全性監視活動の必要性も検討する。
  • 当該医薬品の適応となる患者集団において、原疾患やその合併症の自然経過といった背景の中で発現率の高い有害事象がある場合には、それが当該医薬品による副作用等との鑑別が困難なこともある。そのような場合にも、追加の医薬品安全性監視活動の必要性を検討する。

なお、新たに特定された安全性検討事項に基づいて、追加の医薬品安全性監視活動を計画し、実施する場合には、事前に総合機構と相談を行うこと。

4.3 追加の医薬品安全性監視活動の実施計画

追加の医薬品安全性監視活動を実施する場合においては、医薬品リスク管理計画書の作成又は改訂を行う。医薬品リスク管理計画書には、各医薬品安全性監視活動について、以下の事項等を含んだ概要を簡潔に記載する。また、各医薬品安全性監視活動の詳細について実施計画書を作成する。

  • 実施計画書の表題
  • 安全性検討事項
  • 当該医薬品安全性監視活動の実施計画(案)
  • 当該医薬品安全性監視活動の目的
  • 当該医薬品安全性監視活動の実施計画の根拠
  • 当該医薬品安全性監視活動の結果に基づいて実施される可能性のある追加の措置及びその開始の決定基準
  • 当該医薬品安全性監視活動の実施状況及び得られた結果の評価、又は総合機構への報告を行う節目となる予定の時期及びその根拠

複数の安全性検討事項に対し、一つの医薬品安全性監視活動で対応する場合にはその旨を記載する。

なお、製造販売後臨床試験を行う場合においては、安全性検討事項に関するモニタリングの詳細及び試験中止についての規定を記載する。また、必要に応じて、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年厚生省令第 28 号)第 19 条に規定する効果安全性評価委員会への情報提供及び当該試験の中間解析の実施時期を医薬品リスク管理計画書に記載する。

医薬品安全性監視活動として実施する調査・試験・研究において、有効性に関する情報収集を行う場合には、その旨を記載する。

5.有効性に関する調査・試験の計画

医薬品の有効性に関する情報の収集を目的として調査、試験等を実施する場合には、当該調査等を実施する目的、その手法等について4.3を参考にして簡潔にその要約を記載する。なお、医薬品安全性監視計画の策定においても有効性に関する情報の収集を考慮すること。

6.リスク最小化計画

リスク最小化計画とは、医薬品の承認時までに得られた情報及び当該医薬品の製造販売後に医薬品安全性監視活動により収集された安全性等に関する情報並びにそれらの情報の評価に基づき、当該医薬品のリスクを最小に抑え、ベネフィット・リスクバランスを適切に維持するために実施する個々のリスク最小化活動の全般を束ねたものをいう。リスク最小化活動は、全ての医薬品において通常行われる活動と、当該医薬品の特性等を踏まえ、必要に応じて通常のリスク最小化活動に追加して行われる活動がある。

6.1 通常のリスク最小化活動

医薬品の用法、用量、効能、効果等の製造販売承認事項及び当該医薬品の使用上の注意を記載した法第 52 条に規定する添付文書を作成し、また、必要に応じて改訂し、その内容を医療関係者に対して情報提供することは、通常行われるべきリスク最小化活動であり、その実施体制と併せて通常のリスク最小化活動として要約する。

また、「「患者向医薬品ガイドの作成要領」について」(平成 17 年 6 月30 日付け薬食発第 06300001 号厚生労働省医薬食品局長通知)及び「患者向医薬品ガイドの運用について」(平成 18 年2月 28 日付け薬食安発第 0228001号・薬食監麻発第 0228002 号厚生労働省医薬食品局安全対策課長・監視指導・麻薬対策課長連名通知)に基づき作成される患者向医薬品ガイドは、通常のリスク最小化活動とする。

6.2 追加のリスク最小化活動

追加のリスク最小化活動としては、例えば、以下に示すような、通常行われる添付文書情報の提供に加えて、特に安全性検討事項について行われる医療関係者への情報提供、当該医薬品の投与対象となる患者への情報提供、当該医薬品の使用条件の設定等がある。個別の医薬品の特性等に応じて、これらのリスク最小化活動の実施の必要性及び組合せを検討し、追加のリスク最小化計画を策定する。

6.2.1 医療関係者への追加の情報提供
○市販直後調査による情報提供

市販直後調査は、当該医薬品の適正使用に関する理解を促すとともに、重篤な副作用等の情報を迅速に収集し、必要な安全対策を実施し、副作用等の被害を最小限にすることを目的として、医薬品の販売開始後の6か月間行われるもので、4.2に示したとおり追加の医薬品安全性監視活動であるとともに、医療機関に対し確実な情報提供、注意喚起等を行う、追加のリスク最小化活動でもある。

○適正使用のための資材の作成及び配布

安全性検討事項に関連し、医薬品の適正使用を医療関係者に対し周知するため、総合機構と協議のうえ、適正使用のための資材を作成し、配布する。

○製造販売後の医薬品安全性監視活動により得られた情報の迅速な公表

安全性検討事項に関し、医薬品の使用に際して特段の注意が必要な場合等においては、製造販売後の医薬品安全性監視活動により得られた副作用等の集積状況等を当該医薬品の製造販売業者等の特定の利用者のみ対象としたものではないホームページにおいて公表し、適切な頻度で更新を行う等により、医療関係者に対する周知を行う。この際には、関係学会等との連携を図ることや、総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページにも掲載を行うこと等も考慮する。

○その他

安全性検討事項に関連する関係学会等の第三者の作成する適正使用を目的としたガイドライン等が存在する場合には、それらを活用して情報提供する。

6.2.2 患者への情報提供
○安全性検討事項に応じた資材の作成及び提供

安全性検討事項に関連し、総合機構と協議のうえ、医薬品の特性等に応じて、患者手帳等の個別の注意点等を記載した患者向け資材を作成し、提供する。

6.2.3 医薬品の使用条件の設定

医薬品の特性や対象疾患の性質等に鑑み、適正使用による安全性の確保を目的として、必要に応じて使用に当たっての条件を設定する。医薬品の製造販売業者は、当該使用条件を確保し得る医療機関に対して医薬品を納入する等、製造販売に当たって必要な措置を講ずる。これらの条件は、医薬品の添付文書の使用上の注意への記載、承認条件としての規定、安全管理手順等の一環としての規定等の形で設定される。例えば以下のものが挙げられる。

○専門的知識・経験のある医師による使用の確保

治療域が狭い医薬品、重篤な副作用等が懸念される医薬品等については、医薬品を処方する医師に対して、対象疾患の治療に関する高度な専門的知識及び経験を求める。また、これに加えて、投与に際して特別な注意を要する医薬品については、医薬品の使用方法等に関する講習会の受講等、知識及び経験を確保するための一定の要件を定めた上で、製造販売業者における医師の登録等を求める。

○医薬品の使用管理体制の確保

重篤な副作用等により致命的な経過をたどる可能性がある医薬品、投与後の患者の状態の厳格な管理が必要な医薬品等については、緊急時に十分な対応が可能な医療機関での使用、入院管理下での投与等の使用管理体制の確保を求める。特別な薬剤管理が必要な医薬品については、管理体制の確保や、医師、薬剤師等の登録を求める。

○投与対象患者の慎重な選定

医薬品の有効性、安全性を確保する上で、投与対象となる患者を特に慎重に選定する必要がある医薬品については、患者の状態、既往歴、治療歴、併用薬等の状況を勘案した条件を設定する。特に注意を要する場合には、患者の条件への適合性に係る事前確認の確保やモニタリングの実施、医薬品の製造販売業者における投与患者の登録等を求める。

○投与に際しての患者への説明と理解の実施

医薬品の投与に伴い致命的な副作用等の発現リスクが高く、その早期発見やその際の主治医への連絡体制の確保等を図る上で、患者側の理解が特に必要とされる医薬品等については、投与に先立ち、患者及びその家族に対して医薬品の有効性、安全性等に関する説明を十分に行い、同意を得た上で投与する旨の条件を設定する。また、特定の重篤なリスクを回避するために、患者側の理解を補助し、注意を徹底するために患者向けの資材や教育プログラム等の提供を行う。

○特定の検査等の実施

医薬品の投与対象患者の適切な選択や、医薬品の使用により発現が予測される特定の副作用等を防止するため、医薬品の投与前又は投与後に特定の検査等を実施する旨の条件を設定する。

6.2.4 その他の活動
○表示、容器・包装等の工夫

ヒューマンエラー防止等の観点から、医薬品の表示、容器・包装等に特別の措置を講じる。

6.3 追加のリスク最小化活動の実施計画

追加のリスク最小化活動を実施する場合においては、医薬品リスク管理計画書の作成又は改訂を行う。医薬品リスク管理計画書には、実施中及び実施を計画している各リスク最小化活動について、以下の事項等を含んだ概要を簡潔に記載する。

  • 安全性検討事項
  • 当該リスク最小化活動の目的
  • 当該リスク最小化活動の具体的内容
  • 当該リスク最小化活動を実施する根拠
  • 当該リスク最小化活動の結果に基づいて実施される可能性のある追加
  • 置及びその開始の決定基準
  • 当該リスク最小化活動の実施状況及び得られた結果の評価、又は総合機構への報告を行う節目となる予定の時期及びその根拠

7.医薬品リスク管理計画の評価及び総合機構への報告

各医薬品安全性監視活動、有効性に関する調査・試験及びリスク最小化活動については、医薬品リスク管理計画に基づき、実施状況及び得られた結果についての評価を、その節目となる時期に適切に行う。評価の際には、医薬品リスク管理計画に基づいて実施された各活動から得られた情報を踏まえて、医薬品のベネフィット・リスクバランスに関する評価及び考察も行う。

再審査期間中の新医薬品については、法第 14 条の4第6項の規定又は法第14 条の5第2項前段の規定による報告に係る薬事法施行規則(昭和 36 年厚生省令第1号)第 63 条に規定する安全性定期報告の際に、その評価内容を要約して報告し、その他の医薬品にあっては、追加の措置の内容に応じ、報告時期を医薬品リスク管理計画に規定する。

この報告の際には、医薬品リスク管理計画の見直しについて、その検討結果も報告することとし、計画の変更を行う場合には、必要に応じ、事前に総合機構と相談を行う。報告の内容については、総合機構において確認を行い、何らかの対策が必要と判断された場合には、製造販売業者に対する指示が行われる。

参照

医薬品リスク管理計画指針について

https://www.pmda.go.jp/files/000145482.pdf

薬食安発 0411 第 1 号
薬食審査発 0411 第2号
平成24年4月11日

-エビデンス全般, 規制

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