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再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて(令和3年4月14日)

2021年4月14日

再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて

○ 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては、平成 26 年 11 月5日の中医協総会において、以下のとおり了承されたところ。

<平成 26 年 11 月5日 中医協総-2-1(抜粋)>
1.保険適用に係る今後の対応について
○ 再生医療等製品の保険適用に関する当面の間の対応

    • 薬事法改正後に承認(条件・期限付承認を含む。)された再生医療等製品については、保険適用の希望のあった個別の製品の特性を踏まえ、医薬品の例により対応するか、医療機器の例により対応するかを、薬事承認の結果を踏まえて判断
    • 薬価算定組織又は保険医療材料専門組織で償還価格について検討
    • 上記検討の結果を踏まえ、中医協総会で薬価基準又は材料価格基準に収載するかを審議

○ 再生医療等製品に関する知見が蓄積した後の対応

    •  再生医療等製品の保険上の取扱いに関し、独自の体系を作るかどうかなどについて、引き続き中医協総会で検討

○ 令和3年3月 22 日に以下の再生医療等製品が薬事承認され、製造販売業者より保険収載を希望する旨の申出がなされている。

<ブレヤンジ静注>

  • 製造販売業者:セルジーン株式会社
  • 一 般 的 名 称:リソカブタゲン マラルユーセル
  • 適 応 症:
    • 以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫
      ・ びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫
    • 再発又は難治性の濾胞性リンパ腫
      ただし、CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がなく、自家造血幹細胞移植の適応がない患者又は自家造血幹細胞移植後に再発した患者で、以下のいずれかを満たす場合に限る。

      •  形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫以外の大細胞型B細胞リンパ腫及び濾胞性リンパ腫の患者では、初発の患者では2 回以上の化学療法歴、再発の患者では再発後に1 回以上の化学療法歴があり、化学療法により完全奏効が得られなかった又は治療後に再発した。
      • 濾胞性リンパ腫が形質転換した形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫の場合には、形質転換後の1 回以上を含む、通算2 回以上の化学療法歴があり、形質転換後の化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した。
      • 濾胞性リンパ腫以外の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫が形質転換した形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫の場合には、形質転換後に2 回以上の化学療法歴があり、形質転換後の化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した。

○ 今般、平成 26 年の中医協了承に基づき、これらの再生医療等製品の取扱いについて審議するもの。

再生医療等製品の取扱いについて

類別

ヒト細胞加工製品(ヒト体細胞加工製品)

一般的名称

リソカブタゲン マラルユーセル

収載希望者

セルジーン株式会社

販売名

ブレヤンジ静注

形状、成分、分量等

遺伝子組換えレンチウイルスベクターを用いて、CD19 を特異的に認識するキメラ抗原受容体遺伝子を導入した患者由来の T 細胞

承認区分

新再生医療等製品(希少疾病用再生医療等製品)

効能、効果又は性能

以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫

ただし、CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がなく、自家造血幹細胞移植の適応がない患者又は自家造血幹細胞移植後に再発した患者で、以下のいずれかを満たす場合に限る。

  • 形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫以外の大細胞型B細胞リンパ腫及び濾胞性リンパ腫の患者では、初発の患者では2 回以上の化学療法歴、再発の患者では再発後に1 回以上の化学療法歴があり、化学療法により完全奏効が得られなかった又は治療後に再発した
  • 濾胞性リンパ腫が形質転換した形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫の場合には、形質転換後の1 回以上を含む、通算2 回以上の化学療法歴があり、形質転換後の化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した
  • 濾胞性リンパ腫以外の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫が形質転換した形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫の場合には、形質転換後に2 回以上の化学療法歴があり、形質転換後の化学療法により完全奏効が得られなかった又は化学療法後に再発した

用法及び用量又は使用方法

(一部省略)
通常、成人には、CAR発現生T細胞としてCD8陽性細胞(20×106~50×106個)及びCD4陽性細胞(20×106~50×106個)を、合計細胞数が体重を問わず100×106個を目標(範囲:44×106~100×106個)に、CD8陽性細胞及びCD4陽性細胞の細胞数の比が1 (範囲:0.8~1.2)となるよう、CD8陽性細胞を静脈内投与した後にCD4陽性細胞を静脈内投与する。なお、本品の再投与はしないこと。

医療保険上の取扱い(案)

本品目については、審査報告書において、「医薬品と同様に薬理的作用による治療効果を期待して、点滴で静脈内に投与される再生医療等製品」とされており、また、静脈内に点滴で投与する点も医薬品のような投与法であることから、医薬品の例により対応することとし、薬価算定組織において償還価格について検討し、中央社会保険医療協議会総会において薬価基準への収載について審議することとしてはどうか。

製品概要

販売名

ブレヤンジ静注

使用目的

本品は、患者末梢血由来のCD4陽性T細胞及びCD8陽性T細胞に、遺伝子組換えレンチウイルスベクターを用いてCD19を特異的に認識するキメラ抗原受容体(CAR)を導入し培養・増殖させた各T細胞から構成され、医薬品と同様に薬理的作用による治療効果を期待して、静脈内に投与される再生医療等製品である。

本品に遺伝子導入されたCARは、CD19を特異的に認識するマウス由来scFv、ヒトIgG4ヒンジドメイン、ヒトCD28膜貫通ドメイン、並びに細胞内シグナルドメインであるヒト4-1BB及びヒトCD3ζから構成される。なお、本品にはCARとともに、遺伝子導入率を評価するための細胞表面マーカーとしてEGFRtが遺伝子導入される。本品がCD19を発現した細胞を認識すると、導入T細胞に対して活性化、増殖、細胞傷害等のエフェクター機能の獲得をもたらす。これらの作用により、CD19陽性のB細胞性の腫瘍に対し腫瘍細胞を死滅させる効果が期待される。

主な使用方法
<医療機関での白血球アフェレーシス~製造施設への輸送>

白血球アフェレーシスにより、非動員末梢血単核球を採取する。採取した白血球アフェレーシス産物を、1~10℃に設定された保冷輸送箱に梱包して本品製造施設へ輸送する。

<医療機関での受入れ~投与>
  • 凍結した状態で本品を受領し、使用直前まで液体窒素気相下(-130℃以下)で凍結保存する。
  • 血液検査等により患者の状態を確認し、本品投与の 2 日前から7 日前までにリンパ球除去化学療法を行う。
  • 投与直前に本品を解凍する。CD8 陽性細胞を静脈内投与した後にCD4 陽性細胞を静脈内投与する。
主な有用性

2 レジメン以上の治療歴がある大細胞型 B 細胞リンパ腫、特に発症頻度の低い非ホジキンリンパ腫サブタイプにおいて良好なベネフィット・リスクを示す治療法に対するアンメットメディカルニーズは依然として高い。

再発又は難治性の B 細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第Ⅰ相試験における全奏効割合は、主たる有効性評価集団 133 例で 74.4%(95%CI(Confidence Interval):66.2-81.6)であった。

再発又は難治性のアグレッシブ B 細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相試験における全奏効割合は、全体 34 例で 58.8%(95%CI:40.7-75.4)、日本人集団 10 例で 70.0%(95%CI:34.8-93.3)であった(2019 年 9 月 13 日データカットオフ)。なお、2020 年 6 月 19 日データカットオフ時点における全体集団 46 例及び日本人集団 10 例の全奏効割合[95%CI]はそれぞれ 63.0%[47.5,76.8]及び 70.0%[34.8, 93.3]であった。

承認条件
  1. 緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍及び造血幹細胞移植に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、サイトカイン放出症候群の管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること。
  2. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用の成績に関する調査を実施することにより、本品使用患者の背景情報を把握するとともに、本品の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本品の適正使用に必要な措置を講じること。

参照 中央社会保険医療協議会 総会(第478回) 議事次第

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00093.html

議事次第
部会・小委員会に属する委員の指名等について
医療機器及び臨床検査の保険適用について
先進医療会議からの報告について
費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
医薬品の新規薬価収載について
再生医療等製品の保険適用について
DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
在宅自己注射について
再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて
DPC対象病院の合併に係る報告について
歯科用貴金属価格の随時改定について
費用対効果評価専門組織からの報告について
最適使用推進ガイドラインについて
令和4年度診療報酬改定、薬価改定の議論の進め方について
選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集について
不妊治療の実態調査の結果について
【会議資料全体版】

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