国家戦略特別区域基本方針(抄)

国家戦略特別区域を指定する政令の立案に関する基準その他基本的な事項

1.国家戦略特別区域の指定基準

①国家戦略特区の指定の基本的考え方

国家戦略特区は、規制の特例措置等の適用を受けて産業の国際競争力の強化に資する事業又は国際的な経済活動の拠点の 形成に資する事業を実施することにより、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に相当程度寄与することが見込まれる区域を、法第2条第1項に基づき政令で 指定するものである。

国家戦略特区の指定は、国家戦略特区における取組をリーディングプロジェクトとして、日本経済全体の再生を図ろうとする観点から行われるものであり、必ずしも大都市に限定されるものではなく、地方も 含め全国的な視点に立って行われるものである。

②国家戦略特区の指定類型の考え方

国家戦略特区の区域については、大胆な規制・制度改革により民間の力を引き出すという制度趣旨を踏まえつつ、日本経済に大きな 効果をもたらすプロジェクトを実施するために合理的な範囲において指定することと する。基本的には、以下の三類型によるものとする。

ア)都道府県又は一体となって広域的な都市圏を形成する区域を指定する「比較的広域的な指定」

イ)一定の分野において、地域以外の視点も含めた明確な条件を設定した上で、国家戦略として革新的な事業を連携して強力に推進する市町村を絞り込んで特定し、地理的な連担性にとらわれずに区域を指定する「革新的事業連携型指定」

ウ)スーパーシティ構想実現のために、 複数 分野 の大胆な規制・制度改革と併せ、特定のデータ連携基盤を共同で活用して複数の先端的サービスを官民連携により実施する区域を指定する「スーパーシティ型指定」

③国家戦略特区の指定の基準

国家戦略特区の指定に当たっては、恣意的な指定とならないよう、 その検討過程の 透明性を確保するととともに、 可能な限り定量的な指標も活用しつつ、 客観的な評価に基づいて検討を行うこととする。その際、国家戦略特区を指定する政令の立案に当たっては、以下の事項を基準とするものとする。

【指定基準】
ア)区域内における経済的社会的効果

当該区域において実施されるプロジェクトにより当該区域内において大きな経済的社会的効果が生じること。

イ)国家戦略特区を超えた波及効果

当該区域においてプロジェクトを実施することにより、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成を通じて、全国的な社会的経済的効果も含め、広く波及効果を及ぼすものであること。

ウ)プロジェクトの先進性・革新性等

区域において実施されるプロジェクトが、先進性・革新性を有するもの(従来なかった取組を新しく行う場合を含む。)であり、日本の経済社会の風景を変えるような取組と認められること(国内外に発信する価値のある日本の魅力や日本で培われた制度等を活かした取組を含む。)。

エ)地方公共団体の意欲・実行力

区域内の地方公共団体が、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成のために、地域独自の取組を進め、又は進めようとしているなど課題に取り組む意欲が高く、規制・制度改革をスピード感をもって、継続的に遂行する実行力があると認められること。

オ)プロジェクトの実現可能性

区域内の地方公共団体並びに特定事業等を実施すると見込まれる者において、プロジェクトを推進する体制が構築されており、関係者間の必要な合意形成が進んでいるなど国家戦略特区におけるプロジェクトの実現可能性が高いこと。

カ)インフラや環境の整備状況

産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成を図る上で、それに必要な産業、都市機能等の相当程度の集積があるなど、目的の実現に必要なインフラや環境が整っている、又は整うことが見込まれること。

キ)1.②の区域指定の分類に応じ、それぞれ以下の事項

a)「比較的広域的な指定」の場合には、当該区域において実施されるプロジェクトが、分野横断的な広がりを持っている等の包括性・総合性を有すること。

b)「革新的事業連携型指定」の場合には、当該区域において実施されるプロジェクトが、高い価値を有し、当該区域でしか実現できないほどの革新性を有すること。

c)「スーパーシティ型指定」の場合には、以下の 事項 。

  1. 当該区域において整備されるデータ連携基盤に基づき、 「住民目線」での課題解決に向けた 区域住民等に対して複数分野の 先端的サービス が 提供 され ること例えば、 移動・物流・支払い・行政・医療 ・ 介護・ 服薬・ 教育・エネルギー・ 環境・防犯・防災 など の 分野から 、 概ね 5 分野 以上 の 先端的 サービス が 提供 されることを一つの目安とする 。ただし、規制・制度改革の内容、複数の先端的サービス間のデータ連携の内容 等 によって は 、 5分野 にこだわるものではない。
  2. 広範かつ 大 胆な規制・制度改革 の 提案 と 、 当該規制・制度改革 により可能となる先端的サービス等の事業の 実現に向けた 地方公共団体、民間事業者等の関係者の強いコミットメントがあること 。
  3. 地域 課題の設定、事業計画 の作成 、 先端的 技術 の活用 など 、スーパーシティ 構想全体を 企画 する「アーキテクト」 が 存在 していること ただし、構想の企画段階から実現段階へと取組ステージが変わるに当たり、「アーキテクト」の 交替 も あり得る。
  4. データ連携基盤整備事業及び先端 的サービスを実施する 主要な事業者 の候補が、地方公共団体の公募により選定されていること。また、これらの事業者 の候補が 、 その構想を 実現 するために必要な 能力 がある こと (なお 、 法第 7 条第 2 項の規定に基づき、 区域指定後に、内閣府は、 諮問会議及び関係地方公共団体の意見を聴いた上で決定する 区域方針に即して、 データ連携基盤 整備 事業及び先端的サービスを実施する と見込まれる 事業 者 を、公募その他の政令で定める方法により選定し、区域会議の構成員に加えるものとする。
    地方公共団体が公募により事業者の候補を選定するに当たっては、以下の点にも留意しつつ、公正かつ透明な手続により行うことが期待される。
    イ 選定基準
    ・実施しようとする事業ごとに、その内容及び当該事業を実施しようとする事業者が満たすべき要件を明確に定めた適切な選定基準を設け、募集要項等において事前に公表すること。
    ・実施しようとする事業について、選定基準に定められた要件を満たし、当該事業を確実に実施することが見込まれる応募者は公平かつ公正に取り扱われるべきであり、正当な理由なく特定の事業者を優遇したり排除したりするような選定基準を設けることは、適切ではない。
    ロ 選定手続
    ・選定に係るスケジュールの策定に当たっては、応募者の準備に要する時間の確保等に配慮 すること。
    ・事業者への情報提供個別事業者からの質問への回答内容を他の事業者も知ることができるよう公表すること等を含む や事業者からの説明の機会の付与 ヒアリングの実施等 等について、全ての事業者を平等に取り扱うこと。
    ・有識者等により構成される第三者委員会を設置する等、公正かつ透明な選定手続を確保すること。
    ・事業者の選定を行ったときは、その結果を速やかに公表すること。
  5. 地方公共団体が、区域指定の応募に 当たり 、 事業計画の内容、期待される効果・
    影響及びそれへの対応策等に関する 住民説明会の開催、パブリックコメントの実
    施等 、事前に住民 等 の意向 把握 のため必要な措置を講じていること。
  6. 整備しようとするデータ連携基盤について、APIの公開などにより、システ
    ム間の相互の連携及び互換性が確保されるとともに、法第 28 条の2第1項に規定
    するデータの安全管理に係る基準に適合することが見込まれること。
  7. データ連携基盤整備事業及び先端的サービスの実施に当たり、地方公共団体及び関係事業者等において、 個人情報保護法令等 の遵守を含め、 住民等の個人情報の適切な 取扱いが図られ ることが見込まれる こと。

なお、区域指定に当たっては、規制の特例措置をできるだけ全て活用できるよう努めるものとする。

④国家戦略特区の指定数の考え方

国家戦略特区の指定数については、「日本再興戦略」において定められた「特区の数は国家戦略として必要な範囲に限定する」という趣旨に従い、厳選することとする。 国家戦略特区制度の円滑な導入を図るため、国家戦略特区は 必要に 応じ指定することと する。

2.国家戦略特別区域の指定手続に関する基本的な事項

国家戦略特区の指定に当たっては、法第2条第 6 項に基づき 、 内閣総理大臣は、あらかじめ諮問会議の意見を聴かなければ なら ないとされて いる。 諮問会議は、 1 ③ に定める国家戦略特区の指定基準に従い、 区域指定に係る調査審議を実施 し、 国家戦略特区として指定すべき区域案について意見具申することとする。この際、 第二の3②による 区域方針 の調査審議も一体として行うこととし、 内閣総理大臣に併せて意見具申することとする。

国家戦略特区の指定は、当該区域内に存する地方公共団体の事務に大きな影響を及ぼすこと から、 内閣総理大臣は、法第2条第 6 項の規定に基づき、関係地方公共団体の意見を聴取する こととされており、諮問会議からの意見具申のあった区域案をもとに、これを行うこととする。

政府は、これらを踏まえ、国家戦略特区を 政令で定める。

内閣総理大臣が諮問会議の意見を聴くのに先立ち、 WG 等 を活用して、段階的に検討を進めることとする。具体的には、WG 等 において、 地方公共団体、民間事業者等から提出のあった提案(以下「提案募集による提案」という。) 等を参考に、1 ③ に定める国家戦略特区の指定基準に従い、広域的な都道府県単位での絞り込みを行い、実施の見込まれる具体的なプロジェクトを総合的に検討する中で、区域の 案を具体化していくこととする。

なお、スーパーシティの区域指定に当たっては、様々な専門家の評価を取り入れ つつ 、諮問会議における調査審議を行う 。

新たな規制の特例措置の求めに関する基本的な事項

1.区域会議 による 新たな規制 の特例措置の求め に係る手続等

スーパーシティ型国家戦略特区の指定を受けた区域の区域会議は、 法第 28 条の4第1項に基づき、先端的サービスを実施する主体が区域内において新たな規制の特例措置の適用を受けて先端的サービスを実施し又はその実施を促進する必 要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該新たな規制の特例 措置の整備を求めることができる。

区域会議は、新たな規制の特例措置の求めをしようとする場合には、 法第 28 条の4第2項の規定 に基づき 、スーパーシティに関する基本構想を作成 し、内閣総理大臣に提出するものとする。この場合において、区域会議は、住民その他の利害関係者の意向を踏まえなければならない。

①基本構想の記載事項

基本構想の記載事項 については、 法第 28 条の4 第3項の規定に基づき、以下の事項を定めるものとする。

ア)国家戦略特区の名称

イ)データ連携基盤整備事業その他の特定事業の内容及び実施主体、新たな規制の特例措置の適用を受けて実施する先端的サービスの内容及び当該先端的サービスを実施すると見込まれる主体

ウ)データ連携基盤整備事業その他の特定事業ごとの規制の特例措置の内容及び 先端的サービスに適用される新たな規制の特例措置の内容

エ)その他データ連携基盤整備事業その他の特定事業及び 先端的サービスに関する事項

オ)区域計画の実施が国家戦略特区に及ぼす経済的社会的効果

カ)その他必要な事項

②基本構想の作成に当たっての住民その他 の利害関係者 の意向の 反映

区域会議は、基本構想の 作成に 当たっては 、 法第 28 条の4第2項後段の規定に基づき、 住民その他の利害関係者の意向を踏まえなければならない。その方法としては、 国家戦略特別区域法施行規則 (平成 26 年内閣府令第 20 号。以下「施行規則」という。) 第30 条第4項に規定する 協議会 の議決、区域に係る議会の議決、区域の住民を対象とした投票、その他区域会議が適切と認める方法から、区域会議が適切な方法を選択する ものとする 。 また、基本構想の作成に当たっては、電子的な手法も活用しつつ、幅広い利害関係者の意向の反映に努めるものとする。

③基本構想の提出前の住民その他の利害関係者の意向の確認

内閣総理大臣への提出前には 、基本構想に 関し 、これに関係する住民を対象に投票によって そ の 意向を確認する ことを基本とする。 また 、先端的サービスや規制改革事項の内容に応じ、 追加的に、 意向確認の手続を 行 うこととする。

なお、新規開発型(グリーンフィールド)の場合は、基本構想の提出前の住民を対象とした 投票に代わり、住民等となることが確定する時点で、 それ に代わる、意向確認の手続を行うこととする。

④基本構想に定めた先端的サービスの住民への提供

既存都市型(ブラウンフィールド)の場合は、住民を対象とした 投票において合意が得られた先端的サービスについては、投票の対象となった住民 の利便性の確保に配慮しつつ、当該住民が 全員利用することを原則とする。

2.新たな特例措置の求め に対する内閣総理大臣及び関係行政機関の長の対応

新たな規制の特例措置の求めを受けた内閣総理大臣は、 第 28 条の4 第4項の規定に基づき、 当該求めがその 所管 する法令等により規定された規制についての特例に関する措置を求める場合において、 当該特例措置を講ずることが必要かつ適当であると認めるときは、遅滞なく、その内容を区域会議に通知するとともに、公表する ものとする 。 一方、新たな規制の特例措置を講ずることが必要でないと認めるとき、又は適当でないと認めるときは、 同条第5項の規定に基づき、 遅滞なく、その旨及びその理由を区域会議に通知するものとする。

内閣総理大臣は、新たな規制の特例措置の求めの内容が他の関係行政機関の長の所管する法律又は政令等に規定された規制である場合には、 同条第7項の規定に基づき、 当該 関係行政機関の長に対し、新たな規制の特例措置について検討を行うよう要請する とともに、その旨を区域会議に通知するものとする。

要請を受けた関係行政機関の長は、新たな規制の特例措置を講ずることが必要かつ適当であると認めるときは、 同条第8項の規定に基づき、 遅滞なく、新たな規制の特例措置の内容を内閣総理大臣に通知するとともに、その内容を公表するものとする。一方、新たな規制の特例 措置を講ずることが必要でないと認めるとき、又は適当でないと認めるときは、 同条第 9 項の規定に基づき、 遅滞なく、その旨及びその内容を内閣総理大臣に通知するものとする。

内閣総理大臣及び 関係行政機関の長は、新たな規制措置を講ずるか否かを判断するに当たっては、法第 28 条の4第6項及び第 11 項の規定に基づき、諮問会議の意見を聴くものとする。

3.諮問会議による勧告

諮問会議は、新たな規制の特例措置の求めについて、必要があると認めるときは、法第30条第2項の規定により、 内閣総理大臣又は関係行政機関の長に勧告することができる。内閣総理大臣又は関係行政機関の長は、勧告を受けて講じた措置について 諮問会議に通知しなければならない。

参照

地方創生 > 国家戦略特区 > 第2回スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定に関する専門調査会の開催について > 配布資料

国家戦略特別区域基本方針(抄)

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