エビデンス全般

【データサイエンス】オススメのスキルと資格とは?

ここ数年、「データサイエンス」という言葉を目にしない日は無いほどに、データサイエンスやデータサイエンティストに対する注目度が高まっています。

背景には、ビッグデータ周辺の技術の進歩や、ビジネスの拡大があります。

求人市場においても「データサイエンティスト」の需要や市場価値が高まっています。

その一方で「そもそもデータサイエンスとは何なのか?」「データサイエンスやデータサイエンティストの定義が曖昧で分かりにくい」という声があるのも事実です。

「データを扱って分析し解釈する」という部分だけみたら、そんなこと誰でも少なからずやっている、何が違うんだ、という感想を抱くのは当然です。

そこで今回は、データサイエンスについて、次の視点から解説することを試みます。

  • データサイエンスとは何か
  • データサイエンティストに求められるものとは
  • データサイエンティストに必要なスキルとは
  • データサイエンティストになるために必要な資格とは

データサイエンスとは何か?

データサイエンスを一言で表現するなら「データ自体やデータ管理、データ分析に関する学問」と言えるでしょう。

言い換えるなら、"大量のデータ"を収集・管理・分析し、現状把握や意思決定に有用な価値のある情報・結論を導出・抽出するための学問や研究、です。

ビジネスシーンでは、事業の戦略策定や、ビジネスにおける課題解決の提案などの活用が考えられます。

データサイエンスそのものは決して新しいものではなく、2000年代に入りインターネットの普及や浸透にともなって存在感が増してきた概念、考え方と言えるでしょう。

データサイエンスに関連する学問分野としては、数学や統計学、コンピュータサイエンスが挙げられます。

ビッグデータ自体は雑多な情報の寄せ集めですが、きちんと整理して構造化することで、新しいチャンスやアイデアにつながる可能性があります。

一見無意味な情報の塊に思えても、「実は大きな利用価値があった」ということも少なくありません。

データサイエンスは、現状把握や課題解決を求める人々にとって、大いに役立つ学問なのです。

そして、データサイエンスは医学・薬学・看護学・公衆衛生学などのヘルスケア分野においても例外ではありません。

俗に「リアルワールドエビデンス」などと呼ばれるものも、結局はヘルスケアにおけるデータサイエンスの1つです。

データサイエンスが活用される分野

データサイエンスが活用される分野は多岐にわたります。

前述のように、ヘルスケア周辺では、医学・薬学・看護学・公衆衛生学の分野での活用は既に進められています。

他分野にも目を向ければ、自然科学、人文科学、社会科学、応用化学などが考えられます。

医学や薬学、心理学、教育学、スポーツ科学、金融、工学など、社会に深く根付いたものに活用されている、とも言えるでしょう。

加えて、近年では「ビッグデータ解析」「機械学習」「人工知能」などの先端分野での活用も注目されており、医工連携などが進んでいます。

データサイエンスは、私たちの日常生活において大きな影響力を有しているだけでなく、理系・文系や医学・工学などの学問の垣根も破壊しつつあるかもしれません。

データサイエンティストとは

データサイエンスを職業として扱う方々を、現在は一括りに「データサイエンティスト」と表現することが多くあります。

データサイエンティストとは、一言で言えば「データ処理の専門技術者」です。

データサイエンティストの主な役目には「巨大なデータを分析し、そこからインサイト・メッセージを導きだし、様々な課題解決につなげる」というものがあります。

データサイエンティストの需要は今後も伸び続ける可能性が高いといえます。

現在では、人気の高い職業の一つとして注目を集めており、就職市場・転職市場での価値も高いといえるでしょう。

データサイエンスに求められるものとは?

データサイエンスに求められるものは、大きく分けて3種類あります。

具体的には、
・大量のデータの収集、管理
・データの正しい理解
・データ分析の技術
です。

大量のデータの収集、管理

データサイエンスでは、問題解決のために必要な、多種多様なデータ収集が欠かせません。

データ分析を行うにも、そもそも分析対象とするデータがないことには、何もできないのは当たり前ですね。

また、ただ単純にデータをかき集めればいいというものではなく、収集した大量のデータを管理するスキルも必要です。

この「大量のデータを管理するスキル」のことを、データマネジメントスキル、と言います。

データと一括りにいっても、WEBページ、SNS、画像、動画、音声など、データの種類や形態は無数にあります。

こうした「多種多様な大量のデータ」をどのように収集し、どう管理するのか、が非常に重要です。

データ分析に注目が集まる傾向にありますが、実は、データ収集とデータ管理が最も重要とすらいえます。

データの正しい理解

第二に、データに対して、正しく理解し、知識を持つことも大切です。

例えば、機械学習について分析を行うなら、そもそも自分が機械学習について知識を持っていなければなりません。

これは、他のどんな分野でも同じことです。

また、個人情報を収集する場合、取り扱い方に注意しなければなりません。

個人情報保護法などについて理解を深め、誤った扱いをして非難を受けないよう、十分気をつける必要があります。

データ分析の技術

データ分析には、それに応じた技術が必要です。

前述のデータ収集や管理にもつながりますが、大規模データ処理には専門の技術が求められます。

また、莫大なデータの中から、本当に大切な要素を抽出する技術も求められます。

統計学やデータマイニング、パターン認識といった知識を身につけ、クラス分類やクラスター解析、予測などの手法を扱えるようにする必要があります。

データサイエンティストに必要なスキル

データサイエンティストは、統計学の知識だけ持っていればいいわけではありません。

さまざまなスキルを持った人材が求められています。具体的に求められるスキルとして、以下の3つが挙げられます。
・ビジネススキル
・ITスキル
・統計解析スキル

ビジネススキル

ビジネススキルはいろいろありますが、特にデータサイエンティストに求められるものは、

・ビジネスに対する深い理解
・論理的思考能力
・文書作成能力
・プレゼンテーション能力

の4つです。

データサイエンティストは、データを分析し、その結果を事業に活かすことが役割です。

そのため、企業のビジネスについてもしっかり理解しておくことが必要です。

分析対象の業界や自社のビジネスモデルのほか、市場トレンドや競合他社の状況なども押さえましょう。

また、分析を行う上での論理的思考能力や、他者にわかりやすく説明するための文書作成能力も求められます。

欲を言えば、プレゼンテーション能力を磨くことが出来ればワンステップ上へと飛躍できるでしょう。

ITスキル

莫大なデータを分析するには、ITスキルも不可欠です。中でも身につけるべきものとして、4つが挙げられます。
・幅広いIT知識
・大量データ処理に関する知識
・データベースに関する深い知識
・プログラミング

ビッグデータを処理するために、オープンソースソフトウェアのHadoop、HBase、pigなどの知識が求められることが多いです。

また、データは基本的にデータベースに格納して使われることから、基本的なデータベース言語であるSQLは必ず習得しておきましょう。

プログラミングを行う機会もあるため、RubyやPythonなどの言語に関する知識を身につけることも大切です。

統計解析スキル

データを分析して予測を行う上で、統計解析スキルは必須です。具体的には、以下の3つが挙げられます。
・数学知識
・データ分析ソフトウェアのスキル
・データ分析処理手法の知識

データサイエンティストとして、確率や統計、微分積分、行列といった数学知識は必ず身につけましょう。

また、回帰分析やデータマイニングといったデータ分析処理手法の知識を押さえた上で、データ分析ツールのスキルを習得しておく必要があります。

データサイエンスを行う上で必要な資格

最近では、大学でもデータサイエンス学部を設けて、学びの場を提供しているところが増えています。

研究者も多く、回帰分析や予測分析といった知識や技術を身につける環境は、着実に整備されつつあるといえます。

データサイエンティストは新しい職業であるため、まだ必要な国家資格といった明確な決まりはありません。

一方で、仕事上で必要といえる資格はあります。

具体的には、
・統計検定
・オラクルマスター
・OSS-DB技術者認定試験
・基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験

の4種類です。

統計検定

統計に関する能力を検定する全国統一試験です。

1級から4級のほか、統計調査士および専門統計調査士の、計8種類があります。

統計解析スキルを身につけるためにも役立つ資格といえます。

2級が大学基礎課程(1・2年次学部共通)レベルとなっていますので、まずはこちらの取得を目指しましょう。

オラクルマスター

日本オラクル社による、データベースに関する試験です。

「Oracle Database」を取り扱うスキルを試されるもので、データベースに関する知識や管理・運用技術、SQLの文法の問題などが出題されます。

オラクルは、国内のデータベース市場でトップシェアです。

つまり、この資格を取得することで、「首位ブランドの製品を扱える技術者」と認められることになります。

間接的にではありますが、仕事の評価につながりやすいメリットも期待できます。

OSS-DB技術者認定試験

特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)による、OSS-DB(オープンソースデータベース)に関する試験です。

合格すれば、OSS-DBのスペシャリストとして認定されます。

資格を取得することで、データサイエンティストとしてのニーズや信頼感を高める効果が期待できます。

基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による、IT全般に関する試験です。

「ITに関する知識レベル・技術力の共通的・客観的な評価指標」として、多くの企業や学校などで認められています。

データサイエンスには、ITに関する知識やスキルが必須です。

自分のIT能力を社会的に証明できるため、おすすめの資格です。

まとめ

データを分析することで、課題解決を行うデータサイエンスは、いままさに最も魅力的で成長の期待される分野の筆頭です。

企業にとっても大きな意味を持ち、大規模データを扱えるデータサイエンティストが求められています。

しかし、データサイエンティストは専門性の高い技術者のため、なかなかスキルや知識が身につかないとお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

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これを機に、データサイエンスについて深く学んでみてはいかがでしょうか。

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