中国の反スパイ法は、2014年11月1日に可決され、同日施行された法律です。同法の目的は、「スパイ行為を防止、制止、処罰し、国家の安全を保持する」ことにあります。
同法によるスパイ防止のための工作においては、「中央の統一的指導を堅持しつつ、公開工作と秘密工作を相互に結合し、専門工作と群衆工作の路線を相互に結合し、積極防御と法により処罰するとの原則を堅持する」とされています。
同法は、多種多様な行為をスパイ行為と規定しており、国外での違法行為は通常、当該国の法規で裁かれますが、中国国籍を持つものは国外でも反スパイ法が適用されるとされています。
また、中国国内の外国人にも、いくつかの条文に基づきスパイ罪で摘発、拘束できる法規になっています。
- 中国の反スパイ法 拘束日本人の即時解放を - 産経ニュース. https://www.sankei.com/article/20230330-IDQ3PHWAO5J6LJSSCGWDYWLJEY/
- 中華人民共和国反間諜法 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E5%8F%8D%E9%96%93%E8%AB%9C%E6%B3%95
中国の反スパイ法において、「スパイ行為と定義される活動」とはどのようなものなのでしょうか。
外国の政府、軍事、情報機関、軍事組織、政治団体、宗教団体、テロリスト、その他の組織や個人による中国の国家安全に対する活動であり、中国の国家利益を損なうものとされています。
ただし、ここには不透明さが残るという指摘もあり、中国で活動を行う者は注意しなければならない法律の1つと言えるでしょう。
- 中国でスパイ容疑で拘束 懲役6年の男性が語る | NHK. https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2022/12/23/28216.html
- (社説)中国反スパイ法 不透明さが過ぎないか:朝日新聞デジタル. https://www.asahi.com/articles/DA3S15594934.html
- 中国での「スパイ行為」の定義拡大が外資企業に与える「意外な影響」(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/articles/45f7cc7658d62c29b88052f589a086cb1567ba04
中国で逮捕された日本人は、2015年以降少なくとも16人いるようです。この中には、アステラス製薬幹部が逮捕された事例もあります。
- 見せしめや情報収集が狙い?中国で反スパイ法で摘発され続ける日本人…アステラス製薬幹部拘束から垣間見える中国の思惑. https://www.fnn.jp/articles/-/505076
- 中国で“スパイ活動”懲役刑 日中交流団体理事長 刑期終え帰国 | NHK | 中国. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221011/k10013854921000.html
- 50代日本人男性が中国で逮捕 スパイ容疑か - 産経ニュース. https://www.sankei.com/article/20220720-ULHO7FISE5NFROXA6NXWH4CQYE/
- 中国でスパイ容疑で拘束 懲役6年の男性が語る | NHK. https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2022/12/23/28216.html
- 上海で拘束の日本人男性 中国当局が逮捕 スパイ行為など疑いか | NHK. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220720/k10013726981000.html