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負の二項分布とは?
コインを投げることを想像してみてください。 表が出る確率が p で、裏が出る確率が 1 - p であるとき、何回裏が出るまで表が出るかを調べる場合、この状況を ベルヌーイ試行 と呼びます。
負の二項分布は、このベルヌーイ試行を何回か繰り返したとき、特定の回数 (r 回) 表が出るまでに裏が出た回数 (X 回) を表す確率分布です。言い換えると、r 回目の裏が出るまでに表が出た回数 を表す確率分布です。
例
コインを 3 回投げて、2 回目の裏が出るまで表が出た回数を調べる場合、r = 2 となります。 このとき、負の二項分布を使って、0 回、1 回、または 2 回表が出た確率を計算することができます。
ベルヌーイ試行とは?
ベルヌーイ試行は、「成功」と「失敗」の2通りしか結果を得られないランダムな試行です。 ベルヌーイ試行は、確率論や統計学の様々な分野で重要な役割を果たしています。
ベルヌーイ試行とは、確率論や統計学において、以下の3つの条件を満たす試行のことを指します。
- 試行の結果は「成功」と「失敗」の2通りであること
- 各試行は独立であること
- 成功確率 は試行を通じて一定であること
具体的には、コイン投げ、 サイコロの目当てた数字が出るかどうか、 ある機械が正常に動作するかどうかなど、 「Yes/No」 または 「成功/失敗」の 2 通りの結果しか得られないランダムな試行が、ベルヌーイ試行の例として挙げられます。
ベルヌーイ試行の例
- コインを投げて、「表」が出るかどうかの試行
- サイコロを投げて、特定の数字が出るかどうかの試行
- ある機械が正常に動作するかどうかを判定する試行
- アンケート調査で、「はい」と答えるかどうかを調べる試行
ベルヌーイ試行の性質
ベルヌーイ試行は、以下の性質を持つことが分かっています。
- 成功確率 () と失敗確率 (1−) の和は 1 である。
- 試行を繰り返しても、成功確率 は変化しない。つまり、 1 回目の試行、2 回目の試行、... と、どの試行でも成功確率は p になる。
ベルヌーイ試行と二項分布
ベルヌーイ試行を複数回繰り返したとき、特定の回数成功するまでの失敗回数 を表す確率分布が 二項分布 です。
二項分布は、ベルヌーイ試行の重要な応用例の一つです。
ベルヌーイ試行の応用例
ベルヌーイ試行は、確率論や統計学の様々な分野で用いられています。
- 品質管理: 製造工程における不良品発生率を分析する
- 医学: 特定の病気の罹患確率を推定する
- 経済学: 顧客の購入行動をモデル化する
- 工学: 通信システムにおけるエラー率を評価する
補足
- ベルヌーイ試行は、スイスの数学者ヤコブ・ベルヌーイにちなんで名付けられました。
- 負の二項分布は、ベルヌーイ試行の成功数までの失敗回数を表す確率分布です。