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JMDCとは?レセプトデータの雄。近年はPHR、遠隔医療、スマートファーマシーなども

2021年6月29日

株式会社JMDC(英文表記:JMDC Inc.)は、2002年1月31日に設立された、医療統計データサービスを核とする事業展開をしている会社です。

主要取引先としては、健康保険組合、製薬会社、生損保保険会社、研究機関などが挙げられています。

事業内容

JMDCとその関連会社は、主に3つの事業を展開しています。JMDCはそのうち、ヘルスビッグデータの主力企業という位置づけですね。

  1. ヘルスビッグデータ
  2. 遠隔医療
  3. 調剤薬局支援

ヘルスビッグデータ

保険者・生活者向け事業

健康保険組合を中心とした保険者に対する保健事業の支援と、その加入者(組合員)に対する Personal Health Record (PHR) サービス提供から成る事業です。

保健事業の支援では、健康保険組合に対して、レセプトデータ、健診データ、台帳データ等をデータベース化し、それらのデータを基にした保健事業におけるPDCAサイクルのための支援が行われています。健康保険組合員の個人情報を扱う部門は、同じ会社内でも物理的・技術的に隔離され、管理された環境下で活動している、とされています。

PHRサービスでは、健康情報プラットフォーム「PepUp(ペップアップ)」が提供されており、保険者データから連携された健診結果や医療費通知、調剤履歴を表示することなどが出来るとされています。その他、健康年齢算出サービス、医師紹介サービス「clintal」、ポイントプログラム、健康関連コンテンツ提供などにも活用されています。ウェアラブル端末と組み合わせて活用することで、日々の生活習慣の記録と、健康管理を行うこともできるようです。

インダストリー向け事業

製薬企業や保険会社に対して、健康保険組合や医療機関などに由来する匿名加工化された疫学データを提供するサービスです。疾病ごとの有病率・罹患率の計算や、治療行為の時系列での追跡などを得意としています。製薬企業において、創薬から製造販売後調査まで幅広く活用の機会があるでしょう。保険会社では、新商品開発や支払査定業務の効率化に活用されているそうです。

個別の要望に応じて必要なデータを抽出・分析する「アドホック販売」サービスや、データベースの一部または全てへのアクセス権を付与する「データベース販売」サービスを軸に、データベースを用いたコンサルティングやアプリケーション開発も提供されているようです。まさに、データを基盤としたサービス展開ですね。

医療提供者向け事業

薬剤データベース事業と、その他の医療提供者向け事業に分けられるそうです。

薬剤データベース事業では、医薬品添付文書などの医薬品情報をもとにしたデータベースを開発し、医療系システム会社へのデータベース提供や、大規模病院向け部門システムの開発・販売・保守へと繋げているそうです。

その他の医療提供者向け事業では、データを用いた医療機関の経営やオペレーション改善のためのコンサルティング、診療報酬債権のファクタリングを行っている、とされます。

遠隔医療

2021年6月時点では、主に株式会社ドクターネットが担当するセグメントです。

CT/MRIなどの医用画像の診断依頼を医療機関から遠隔で受け付けて、契約読影医による診断レポートを提供する遠隔読影マッチングサービスが提供されています。

遠隔読影のリーディングカンパニーとして国内最大規模の放射線診断専門医のプラットフォームを形成しており、最適なマッチング、高品質な読影レポートのスピーディな提供の強みを有しています。

医療機関と放射線専門医をクラウドで繋ぎ、遠隔での画像診断を可能とするASPサービスも提供しているそうですよ。

江藤先生
遠隔読影マッチングサービス、これからの時代ますます進むでしょうね。専門医プラットフォームを形成している点も、他にない強みというところかしら。

調剤薬局支援

調剤薬局向けの業務システムを提供し、薬剤を処方する薬剤師が必要な情報を適切に患者に提供を提供できる環境「スマートファーマシー」の構築を目指している、とされます。

自らも5店舗の調剤薬局を運営しており、オペレーションテストを実施しているそうです。

P-CUBE n

2020年9月、JMDCとその子会社である株式会社ユニケソフトウェアリサーチは、次世代の電子薬歴レセコン一体型システム『P-CUBE n』を発表しました。

調剤業務において大変かつ重要な業務の1つに薬歴がありますが、「頭書き情報」から「薬歴入力」への連携機能を搭載することで、入力の生産性向上が図られているそうです。

その他、「P-CUBE n」と連携して、処方薬に応じた指導コンテンツを患者のLINEにメッセージ送信することもできるとのこと。薬局ごとの方針に応じて、どこまで活用できるかは変わってくるでしょうけれども、機能として搭載されていると可能性が広がりますね。

JMDCのデータを基にした論文発表情報

JRDA - JMDC研究・データ分析アーカイブ

「JMDC Claims Database」に基づく論文やレポートは、JRDAというサイトにまとめて掲載されています。

JRDAとは、JMDC Research and Data analysis Archive の略語だそうです。

パブリケーション情報一覧は、定期的に更新されており、2021年6月24日時点では、PDFデータでダウンロード可能です。

パブリケーション情報一覧 (2021/6/24更新)

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