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「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(案)(第三次) 概要

科学技術の進展等を踏まえたヒト受精胚の取扱いへの対応方針について、生命倫理専門調査会における議論に基づき次のように取りまとめた。

1.基礎的研究: 研究用新規胚を作成して行う研究を実施する際には、配偶子の提供を受ける必要があり、特に卵子の提供におけるインフォームド・コンセントの取得等、余剰胚とは異なる側面を持つことに留意すべき。こうした側面を踏まえれば、研究用新規胚を作成して行う研究は、それ以外の方法で実施できないものに限るべきであり、卵子の提供に当たっての配慮の十分な確保も併せて、「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」(平成22年12月文部科学省・厚生労働省告示第2号)における規定に留意した適切な運用が確保されるべきである。 このような考え方を踏まえつつ、個別研究計画において適切な審査が行われることを前提に、以下を容認する。

① 研究用新規胚にゲノム編集技術等を用いる遺伝性・先天性疾患研究

② 研究用新規胚に核置換技術を用いるミトコンドリア病研究

2.臨床利用: 本報告においては臨床利用に係る検討は対象外としている。 第二次報告に基づき、令和2年1月7日に厚生労働省において、臨床利用に対して法律による規制が必要であるとする「厚生科学審議会科学技術部会ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会 議論の整理」が取りまとめられた。

3.生命倫理専門調査会における議論はヒト胚の尊厳の確保等の社会規範に係るものであること、また、ゲノム編集技術等を用いるヒト胚研究が、人の多様性に関する考え方へ影響を及ぼすおそれがあるのではないかといった懸念に対応するため、国民的な議論の確保に係る取組を継続して行うべきである。また、諸外国や国際組織の検討状況も参考とすべきである。

4.本報告をもって、ゲノム編集技術等を用いるヒト胚研究に関する検討には、一定の区切りを付けることとなる。 今後も、新たな技術を社会で活用するに当たり生じるELSI※に対応することは常に求められることから、科学技術に関する生命倫理上の課題が生じたときには、生命倫理専門調査会において、最新の科学的知見や社会的妥当性の評価に基づく検討を行っていくこととする。

※ Ethical, Legal and Social Implications/Issues。倫理的・法的・社会的な課題。

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