中外製薬のパイプライン（2021年4月22日現在）

中外製薬の開発パイプライン（2021年4月22日現在）について書いてみます。

全体感としては、現在の中外製薬のパイプライン上に挙がっている製品はおおよそ下表となります。

新規製品の数	オンコロジー領域	オンコロジー領域以外
第Ⅲ相以降	8	8
第Ⅱ相（第Ⅰ/Ⅱ相を含む）	1	2
第Ⅰ相	10	8
合計	19	18

オンコロジー領域が計19製品、オンコロジー領域以外が計18製品の開発が進んでいるので、オンコロジー領域の製品の割合は19/37=51%ですね。

第Ⅲ相以降の段階にある製品候補数も16あり、その内訳もオンコロジー領域で8、オンコロジー領域以外で8となって半々です。

オンコロジー領域以外でも、アンメットメディカルニーズの高い疾患ばかりです。

オンコロジー領域

新規の19製品
- 第Ⅲ相以降：8製品
- 第Ⅱ相：1製品
- 第Ⅰ相：10製品

一般名（開発コード）	製品名	剤型	作用機序等	予定適応症とステージ
ポラツズマブベドチン（RG7596）	ポライビー	注射	抗 CD79b 抗体薬物複合体	再発または難治性びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫：承認びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(適応拡大)：第Ⅲ相
アテゾリズマブ（RG7446）	テセントリク	注射	改変型抗 PD-L1 モノクローナル抗体	非小細胞肺がん(アジュバント)(適応拡大)：第Ⅲ相非小細胞肺がん(ネオアジュバント)(適応拡大)：第Ⅲ相非小細胞肺がん(ステージⅢ)(適応拡大)（RG6058 との併用）：第Ⅲ相尿路上皮がん(適応拡大)：第Ⅲ相腎細胞がん(アジュバント)(適応拡大)：第Ⅲ相腎細胞がん[二次治療](適応拡大)（カボザンチニブとの併用）：第Ⅲ相早期乳がん（適応拡大）：第Ⅲ相卵巣がん(適応拡大)（アバスチンとの併用）：第Ⅲ相肝細胞がん(アジュバント)(適応拡大)（アバスチンとの併用）：第Ⅲ相肝細胞がん（intermediate ステージ）(適応拡大)（アバスチンとの併用）：第Ⅲ相頭頸部がん(維持療法)(適応拡大)：第Ⅲ相食道がん（適応拡大）（RG6058 との併用）：第Ⅲ相膵臓腺がん（適応拡大）Morpheusプラットフォーム（RG1569またはRG6058との併用）：第Ⅰ相
ベバシズマブ（RG435）	アバスチン	注射	抗 VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体	肝細胞がん(アジュバント)(適応拡大)(テセントリクとの併用)：第Ⅲ相肝細胞がん（intermediate ステージ）(適応拡大)（テセントリクとの併用）：第Ⅲ相小細胞肺がん(適応拡大)（テセントリクとの併用）：第Ⅲ相
イパタセルチブ塩酸塩（RG7440）	製品名未定	経口	AKT 阻害剤	乳がん：第Ⅲ相前立腺がん：第Ⅲ相
トラスツズマブ / ペルツズマブ（配合剤）（RG6264）	製品名未定（ハーセプチン＋パージェタ）	注射	抗 HER2 ヒト化モノクローナル抗体 / HER2 二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体	乳がん：第Ⅲ相
アレクチニブ塩酸塩（AF802/RG7853）	アレセンサ	経口	ALK 阻害剤	非小細胞肺がん(アジュバント)(適応拡大)：第Ⅲ相
チラゴルマブ（RG6058）	製品名未定	注射	抗 TIGIT ヒトモノクローナル抗体	小細胞肺がん(テセントリクとの併用)：第Ⅲ相非小細胞肺がん：第Ⅲ相非小細胞肺がん（ステージⅢ）：第Ⅲ相食道がん：第Ⅲ相
giredestrant （RG6171）	製品名未定	経口	選択的エストロゲン受容体分解薬	乳がん：第Ⅲ相
一般名未定（OBP-301）	製品名未定	注射	腫瘍溶解性 5 型アデノウイルス	食道がん：第Ⅱ相肝細胞がん（テセントリク及びアバスチンとの併用）：第Ⅰ相
codrituzumab （GC33：中外origin）	製品名未定	注射	抗グリピカン 3 ヒト化モノクローナル抗体	肝細胞がん：第Ⅰ相
一般名未定（ERY974：中外origin）	製品名未定	注射	抗グリピカン 3/CD3 バイスペシフィック抗体	固形がん：第Ⅰ相
コビメチニブフマル酸塩（RG7421）	製品名未定	経口	MEK 阻害剤	固形がん：第Ⅰ相
cibisatamab （RG7802）	製品名未定	注射	抗 CEA/CD3 バイスペシフィック抗体	固形がん：第Ⅰ相
mosunetuzumab （RG7828）	製品名未定	注射	抗 CD20/CD3 バイスペシフィック抗体	血液がん：第Ⅰ相
glofitamab （RG6026）	製品名未定	注射	抗 CD20/CD3 バイスペシフィック抗体	血液がん：第Ⅰ相
一般名未定（AMY109：中外origin）	製品名未定	注射	―	固形がん：第Ⅰ相
一般名未定（STA551：中外origin）	製品名未定	注射	抗 CD137 アゴニストスイッチ抗体	固形がん：第Ⅰ相
一般名未定（SPYK04：中外origin）	製品名未定	経口	―	固形がん：第Ⅰ相
一般名未定（RG6194）	製品名未定	注射	抗 HER2/CD3 バイスペシフィック抗体	固形がん：第Ⅰ相

オンコロジー領域以外

腎領域＋自己免疫疾患領域＋神経疾患領域＋その他の領域の合計

新規の18製品
- 第Ⅲ相以降：8製品
- 第Ⅱ相：2製品
- 第Ⅰ相：8製品

腎領域

新規の1製品
- 第Ⅲ相以降：0製品
- 第Ⅱ相：0製品
- 第Ⅰ相：1製品

一般名（開発コード）

製品名

剤型

作用機序等

予定適応症とステージ

一般名未定

（EOS789：中外origin）

製品名未定

経口

NaPi-IIb, PiT-1, PiT-2 阻害剤

高リン血症：第Ⅰ相

自己免疫疾患領域

新規の1製品
- 第Ⅲ相以降：0製品
- 第Ⅱ相：0製品
- 第Ⅰ相：1製品

一般名（開発コード）

製品名

剤型

作用機序等

予定適応症とステージ

efmarodocokin alfa

（RG7880）

製品名未定

注射

ヒト IL-22 融合蛋白

炎症性腸疾患 ：第Ⅰ相

神経疾患領域

新規の8製品
- 第Ⅲ相以降：4製品
- 第Ⅱ相：1製品
- 第Ⅰ相：3製品

一般名（開発コード）	製品名	剤型	作用機序等	予定適応症とステージ
サトラリズマブ（SA237/RG6168：中外origin）	エンスプリング	注射	pH依存的結合性ヒト化抗IL-6 レセプターモノクローナル抗体	視神経脊髄炎スペクトラム障害：申請中＠欧州
リスジプラム（RG7916）	製品名未定	経口	SMN2 スプライシング修飾剤	脊髄性筋萎縮症：申請中
ガンテネルマブ（RG1450）	製品名未定	注射	抗アミロイドベータヒトモノクローナル抗体	アルツハイマー病：第Ⅲ相
トミネルセン（RG6042）	製品名未定	注射	HTTmRNA に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド	ハンチントン病：第Ⅲ相
ralmitaront （RG7906）	製品名未定	経口	パーシャル TAAR1 アゴニスト	統合失調症：第Ⅱ相
prasinezumab （RG7935）	製品名未定	注射	抗α-シヌクレインモノクローナル抗体	パーキンソン病：第Ⅰ相
一般名未定（GYM329/RG6237：中外origin）	製品名未定	注射	抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体	神経筋疾患：第Ⅰ相
semorinemab （RG6100）	製品名未定	注射	抗タウヒト化モノクローナル抗体	アルツハイマー病：第Ⅰ相

その他の領域

新規の8製品
- 第Ⅲ相以降：4製品
- 第Ⅱ相：1製品
- 第Ⅰ相：3製品

一般名（開発コード）	製品名	剤型	作用機序等	予定適応症とステージ
トシリズマブ（MRA/RG1569：中外origin）	アクテムラ	注射	ヒト化抗ヒト IL-6 レセプターモノクローナル抗体	新型コロナウイルス肺炎(適応拡大)：第Ⅲ相
ファリシマブ（RG7716）	製品名未定	注射	抗VEGF/Ang2バイスペシフィック抗体	糖尿病黄斑浮腫：第Ⅲ相滲出型加齢黄斑変性：第Ⅲ相網膜静脈閉塞症：第Ⅲ相
エミシズマブ（ACE910/RG6013：中外origin）	ヘムライブラ	注射	抗 factor IXa/X バイスペシフィック抗体	後天性血友病 A (適応拡大)：第Ⅲ相
クロバリマブ（SKY59/RG6107：中外origin）	製品名未定	注射	抗補体 C5 リサイクリング抗体	発作性夜間ヘモグロビン尿症：第Ⅲ相
一般名未定（NXT007：中外origin）	製品名未定	注射	抗血液凝固第 IXa/X 因子バイスペシフィック抗体	血友病 A：第Ⅰ/Ⅱ相
一般名未定（PCO371：中外origin）	製品名未定	経口	PTH1 受容体アゴニスト	副甲状腺機能低下症：第Ⅰ相
一般名未定（AMY109：中外origin）	製品名未定	注射	―	子宮内膜症：第Ⅰ相
casirivimab/imdevimab （RG6413/RG6412）	製品名未定	注射	SARS-CoV-2 中和抗体カクテル	新型コロナウイルス感染症：第Ⅰ相

参照

https://www.chugai-pharm.co.jp/ir/reports_downloads/pipeline/files/210422jPipeline.pdf

リンク