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<臨床研究法全体について>
- 臨床研究をとして新しい医薬品等の開発や既存の治療法の比較評価が行われることは患者にとっても必要であることは基本的な原則 。
- 人を対象とした研究に見合った価値のあるリサーチクエスチョンなのか、有害事象の取扱やデータの信頼性を含めた質の問題について、委員会が適切に管理できる質を保持 しているかが問題。
- 患者の立場からすれば、臨床研究の現場は治療の現場でもあり、土台となる施設や専門家に対する信頼感が土台となって行われるものだが、その臨床研究において不正が行われ、医療を揺るがす自体が惹起されたことが法律の制定の歴史的経緯となっている。
- 専門家の集団の中で、不正を見逃したか、隠蔽したことにより、プロフェッショナルオートノミーが機能していないという不信感が発生していることに対して、臨床研究法における国内の対応が発生しているのではないか。
- 海外は介入のある医薬品の臨床試験に限って厳しくしているだけで、医療機器についてはさほど規制をかけておらず、日本だけ厳しいことには留意すべき。
- 臨床研究法からの除外が前提となっている印象を受けるが、臨床研究法の何に対してどう厳しすぎるのか、適切な規制のあり方を議論すべきではないか。
- 法から除外する研究を考えるべきなのか、法の中で規制の緩和を検討すべきか 。
- そもそも薬機法(治験)、臨床研究法、指針と、 研究の種類によって規制枠組みが異なる点が複雑であるが、臨床研究全体の適正な規制のあり方も検討してはどうか。
- 国際比較を行うにあたって、研究に関する規制のみならず、医師免許や病院の基準、医療の責任体制などを含めて比較しないと、被験者保護やデータ信頼性が失われることになりかねない。
- 被験者保護と研究結果の信頼性を重視すべき 。
- 不適合の取扱いについて 指針と違って大臣報告、公表にはなっていない。指針とのバランスについて検討してほしい 。
- 日本における新薬の開発が先細って行くことについて対応していく必要があるという点にも考慮すべき。
<事務手続(①事務作業量軽減)>
- 事務手続が 煩雑、 些細な 変更も CRB審査が必要となっている。軽微な変更の範囲を広げるべき 。
- jRCTに web登録した後に印刷・捺印物を送付するのは二度手間。をオンライン化を 進めるべき 。
- データの信頼性は維持したまま簡略化すべき 。
- 運用で見直せる部分は進めるべき。
- 手続きの合理化に関して、そもそも手続きの規定は研究の信頼性の回復が目的になっていることから、信頼性の確保が達成されるような内容であることを前提にして、不合理な点は見直すべき。
【第 22回部会】
- 届出の効率化に関連して jRCTについても改修をお願いしたい。検索しても表示されるのはタイトルだけで内容はいちいち開かないと見られず、タイトルの名称などもなじみのない項目に入っていたりするので、アメリカの Clinical Trials.govを参照してわかりやすい表示にしていただきたい。
- これまで軽微な変更の範囲 が限定的だったが、特定臨床研究が始まって一定期間が経ち、軽微な変更としてよいものの抽出が可能になってきており、該当するものを増やしていく必要がある。それでもグレーゾーンが残るが、その場合は事務局の判断根拠を残し、 CRBの委員 のチェックを可能にするなどの方策が考えられる。また、届出での煩雑さや二度手間を解消していただきたい。
- 役職や、試験の本質にかかわらずかつ事前に把握することが難しいものは、事後に確認出来るようにしてよいのではないかと思う。一方で簡便な審査がまとまってきているようなので、その対象としている 項目を CRB間でルールを統一して運用できるような仕組みができればよいと考える。
- 特定臨床研究という名称について、「臨床試験」から外れた日本独特の仕組みは早く卒業してほしい。運用基準についても、治験と特定臨床研究が異なること自体がリスクを引き起こすので、基本的に治験並びとし、簡易な審査についても薬機法及び関連法令の定めに統一することを基本方針として臨んでほしい。
- CRBが簡便な審査で対応している内容は事後に確認できる内容になってくると思うので、それを十分に参照して建て付けを考えていただきたい。
- 実施計画 について、変更届の項目数や内容は把握できないのか。これがわかれば検討しやすいと思うが、現時点では把握できないということか。
- 軽微な変更になるようなものは、そもそも検討も必要としないものと理解しているが、事後通知となれば審査不要となるため、 CRBの委員が変更箇所を把握するのは難しいため、軽微な変更について年に 1回の定期報告の際にでも、変更箇所一覧を提出していただきたい。
- jRCTのシステムにおいて証跡記録(いつ、誰がシステムへの入力や変更を行ったか後でたどれること)が残っているか。(→記録は保持されている 。)
- 軽微な変更の項目として概形的に判断できるもののほか、事務局が軽微と判断したものを入れるかどうかがポイントとなる。
<事務手続(②COI)>
- 本人確認以上の手立てがない以上は、虚偽申告の場合の 研究者個人の責任を重くするべき。
- 製薬企業が公表する情報が活用可能な場合は、医療機関の確認を不要にしてはどうか。
- 業界団体が資金を提供した研究者のデータベースのようなものを構築するのも有効ではないか。
- 製薬企業が公表している情報を活用するのは有用と考える。一方で、全ての企業が業界団体に加盟しているわけではないことに留意すべき。
- 臨床研究のデータを含めた信頼性の問題と被験者保護が重要になるので、これを損なわない程度に積極的に簡略化するのが基本的な姿勢であるべき。
- COIは自己申告なので、 COIが どうあるべきかをよく考えて方針を考えるべき 。
- ICMJEと統一フォームを作成するなど、統一的な管理ができないか。
- 企業の COIの開示は HPのアクセスしやすい階層におくべき。また、統一フォームで公開すべき。
- 国や日本医学会等が一元管理するような方策も検討すべき 。
【第24回部会】
- 改めて、実施医療機関等においては事実確認不可能なことの確認を求めていること自体に意味が無い。
- 企業の申告について、翌年度に報告されるということであれば、利益相反の確認に活用することは現実的ではない。
- 国が一元的に管理をするのが望ましいが、実質的なチェック機能や網羅性、実効性が課題になると考える。
- 利益相反管理については、本来、研究者の責務であることを大前提として、手続きの効率化、抜け・漏れを防止していくことが重要。
- 最終的に国が法律上開示を義務づけて登録するところまで対応するのかまで考える必要がある。
- 過渡期として実施するのであれば、医学会連合の管理指針や厚労省の審議会の確認でも活用できるような統一化した運用が望ましい。
- 個人情報でもあるので公開の範囲や公開の方法は検討すべき。
- COI管理基準違反を、臨床研究の「不適合」又は「重大な不適合」として扱う場合、どのような対応が必要なのか整理してほしい。
<適応外>
- 保険診療 の審査提供事例で保険償還はされているのに、薬事法に引きずられて適応外の範囲が広いのは、研究を行う上で 障壁となっている 。
- 適応外の範囲を広げるだけが根本解決にはならず、適応外の研究により根拠がある成績が出た場合には、添付文書の改訂に生かすべき。
- 適応外薬の取扱については、実施について支援をするか、特定臨床研究から外すかという選択肢があるが、いずれにせよ、日常の臨床行為から構想される貴重な研究仮説に関する研究が後退しないようにすることが必要。
- 先進医療Bに該当しない研究は保険が適用されない 。
【第24回部会】
- 保険と薬事の齟齬を解消するために、臨床研究によって科学的エビデンスを示して適応を広げる方向で、臨床研究を活性化するとともに、薬事側も検討をすべき。
- 広く用いられている適応外使用も含め、個一定の根拠に基づいて特定臨床研究の該当政について判断すべき。また、判断の基準を明確にすべき。
- 日常診療の評価や医療のレベルを変革する比較試験も重要である。このような試験は、指針の規定に基づき実施されており、一定の質が担保されている点について整理すること。
<観察研究>
- 侵襲 の程度によって 被験者に与え るリスクは異なるので、慎重に検討すべきで はないか 。
- 同じ医薬品を使ったり、同じ処置をしても、研究をスタートするタイミングで介入研究にも、観察研究にも
なり得る。 - この法律の対象は介入研究に 限定するのであれば、「臨床試験法」といったような名称変更やそれに相当するような対策を講じる必要がある。
- 侵襲 の大小については、 CRBによって判断が変わってくる ところに問題がある 。
- この法律の適用が介入試験であることを明確にして、介入の定義をしっかりさせることで対象範囲を明らかにすべき。
- 法の対象を臨床試験に限ることで、研究者の混乱を防ぎ、国際共同研究にもつながっていくと考えられ、この機会に定義、適用範囲をしっかり考えていくべき。
- 侵襲が大きい観察研究についても 指針下においてモニタリング 等 も必要とされているため、 一定の担保はされている。
- 患者さんの立場からすれば、適用される規制の違いにかかわらず、いずれも臨床研究であり、安全性や情報公開に差があってはならない。その中で観察研究がなおざりになってしまう可能性を危惧する。
- 「こういうもの」というものから何かを抜くという定義ではなく、法の対象をしっかり定義した方が良い。
- 観察研究について、薬物血中濃度測定のために入院する場合や、被爆検査を行う場合、追加通院を求める場合などは法の対象としてもよいのではないか。
- 経験では、アメリカでも侵襲の有無で線引きされているのではないか。
【第24回部会】
- 指針に基づくといっても、実際には問題がある研究について耳にする。介入研究を対象とするというコンセプトを目指しつつも、現状の過渡期においては、侵襲が大きいものは方の対象とするという対応も必要と考える
。 - 法の対象かどうかを判断するCRBの質の向上に向けた取り組みと一体不可分であり、 CRBの対応もしっかり行うべき。また、本来 CRBで審議すべき試験が倫理審査委員会で許可されてしまう事例もあることから将来的に倫理審査委員会の質の向上も検討していくべき。
- 国際整合性の観点から、観察研究についても欧米の法令等の定義を提示した上で、これを参照しつつ議論できるようにすべき。
<スポンサー>
- 中央としてのきちんとした管理をすることが必要。 「 スポンサー 」という用語に 拘る必要はない 。
- 病院長 としては、傘下の臨 床研究を把握したいというニーズがあり、 慎重に検討すべき。
- ICH-GCPで意味する「スポンサー」の定義を明確にした上で、研究者の研修で周知する必要がある。
- 研究の責任が明らかになるように、用語の整理を改めて行うべき。
- スポンサーについて、法人が担当する場合、所属する法人の規模が大きいと、実質的に対応ができないのではないか 。
【第23回部会】
- 機能だけで考えれば 、 研究責任医師の機能の一部を法人等に置き換えることは 理解できる 。しかし、企業発案特定臨床研究については、被験者側からすると、治験であれば、新商品開発のために協力してくださいという 趣旨が明確だが、 臨床研究 においても企業の事業目的が背景にあることなので、それは 薬機法の中でやってほしいと思っている。 欧米の制度概念は理解しているつもりだが、実際、運用上どのような研究が行われているかをしないと適否の判断はしにくいのではないか。臨床研究法の成立の経緯は、 ディオバン事件、臨床研究ではあるが、 企業がこの結果が出てきたらプロモーションに役立つと思ったという動機づけの不純さ、その不純さの先に不正 という問題があって、そこに対する国民の信頼感が損なわれてこの法律ができているという経緯からしても、そこのところの論点はしっかり議論して新しい制度設計を考えていただきたい。
- むしろ、 企業が名前を出さずに先生方の名前を借りて臨床研究をするほうが、被験者保護の観点から、あまり望ましくない のではないか 。企業がやるのであれば、きちんと名前を出して責任をもち、公正にきちんと被験者が守られるような形で実施するのが筋ではないかと考える 。
- 疾病等の因果関係の判断が一律にするという観点であれば スポンサー の概念を導入 した方が 良い。また、 組織、 法人が責任を負うというところは、なかなか理解が進まないのではないか とも思うため、 事例をわかりやすく示した方が、議論が見える形になると考える。
- 今でも研究代表医師がほぼスポンサーのような役割を担っているように思っている。今回の見直しでは、研究全体で責任を取るということ、各医療機関に対被験者を中心に責任を取ることをしっかり分ける ことがうまくいけばよいのではないか。
- 実態より形を整える状態になっているのは疑問であり 、責任の主体を明確にした方が良い。「スポンサー」という言葉 自体に日本人が持って いるイメージは、実際に欧米で使われている概念とは異なるように思うので、きちんと研究者や被験者にも伝わるような形で説明をするよう 気をつける必要がある。
- スポンサーの問題は 非常に難しいため、今日だけでは結論は出せない。 ICH-GCPにあわせて臨床研究法だけスポンサーを入れても、 薬機法の治験における スポンサー 概念が今後どうなっていくのかも気になる。 参考資料の一覧は、あくまでも医薬品の話で、海外では このような 厳しい法律を医療機器の臨床研究には課していない。医療機器の多施設共同研究をやった場合に、 この スポンサー 概念が同じように宛ては得られるかも、確認した方がよい。日本は公的資金の臨床研究への配分が少ないので 、欧米のような公費主体の研究 環境での スポンサー 概念の違いも考えて、議論をした方がよい。
- 研究の場が常に患者にとっては治療の現場と同じであること、病院、医療行為に対する信頼や期待が混ざっているところが悩ましい。医師、薬剤師の職能によって患者を守るという制度設計の中で、医師がやっていることとメーカーがやっていることはそもそも違っている。外形的法律だけではなく、職能集団の役割と罰則について内外の 比較してもらわないと 、単にこの外形的な研究を統制する法律だけを比較しても、いつも分からない。職能集団との関わりも、何か資料があれば、今後の議論のために用意してほしい 。
<医療機器に関する臨床研究の適用範囲>
- 機器の臨床試験の規制について国際整合性を考えるべき。欧州では臨床試験を規制する法律について医療機器は対象外。
- CRBでしっかりと審議できるための研修が必要 。
【第22回部会】
((一社)日本医療機器産業連合会資料)◎:医機連
- p.13臨床研究への該当性について、患者への負担等について「一元的に判断する者」という のは公的な立場の者を想定しているのか、どういったところがどれぐらいの規模で実施することを想定しているのか。
◎本来は各CRBでできればよいが、まずは事例を積み重ねることを考えている。例としては、 p.14にも示しているように、厚労科研や医療機器センターにお願いすることも考えられる。 - 企業がCRBの費用を負担するだけの場合は臨床研究から外すという提案について、そもそも金額の過多ではなく、利益相反の透明化が基本にあったところだが、その点はどう考えるか。
◎実態として先生方が困っていることを踏まえて、研究の中身や費用負担の透明性は確保した上で、審査手数料だけであれば特定臨床研究には該当しないとできないか提案したところ。 - 過去に、業界で基金をつくって研究費を提供することは可能かという点が議論されていたと思う。このような考え方についてどう考えるか。
◎今のところ、医機連において基金を造ることについては想定していない。
【第25回部会】
- 今後、研究班の調査結果を期待する。また、医療機器の扱いについては国際整合性の観点からもあり方を考える必要がある。
<疾病等報告について>
- 疾病等報告という名称は不自然で、海外にも説明できない。改正に当たっては「有害事象」等の用語に変更すべき。
- 薬機法の参照について、未承認・適応外と既承認で分類するのではなく、治験と市販後で分類をすべき。臨床研究法については、治験と同様一定の管理の元で行われるので、治験と同様の報告期限とすることが適切である。
- 国内で実施されている試験についてはなるべく統一的に動かすことが望ましく、薬機法の傘下で行われている治験がしっかり行われており、これを参照することがよいと考える。
- 多施設における情 報共有については、プトロコル上に規定があるはずで、これは試験の内容とリスクに応じて具体的な規定がなされている。また、重篤な副作用が比較的高い頻度で発言する場合には、効果・安全性評価委員会を設定するなどの対応もなされている。
- 治験では、実施医療機関から IRBに直ちに報告されているが、スポンサーの概念を議論するときにはこの点も重要となる。
- 臨床研究について、多施設で実施する場合、研究中にシェアすべき情報が発生した場合、委員会に情報が届いて、全ての共同研究施設がその情報を安全確保に利用できる建て付けになってい るのかどうか 確認 すべき。
- 大臣宛の報告と委員会( IRB、 CRB)宛の報告について整理した上で議論すべき。
- 副作用の 発生段階で CRBに報告して共同研究者で情報共有する仕組みにしておかないと被験者保護に結びつかない。
【第 22回部会】
- CRBが被験者保護に責任を持っているということを考えると、既承認かつ既知のものであっても、 1年に一度の定期報告ではなく、 30日の方が良いと考える。
- 共同研究者間で情報は共有されている前提でも、重篤性等についてCRBの評価が必要であり、 30日を支持する。
- 未承認についても30日の方が良いのではないか。また、臨床研究法では「疾病等」となっている一方で、ICHや薬機法では「有害事象」という表記になっている。疾病等報告については、スポンサー概念を取り入れるかどうかで取扱が変わってくるのではないかと思うので、連動して議論をした方がよいと考える。
- 既承認かつ既知の重篤な症例は、薬機法上でPMDAに報告され、安全対策がとられており、既存の仕組みを活用することが先決と考える。また、多施設共同臨床試験においては、通常、効果安全性評価委員会が設置され、重篤な有害事象を評価している。このよう な状況で、既承認かつ既知の症例について30日で報告を上げても実効性が薄いと考える。
- 臨床研究法と薬機法との並びの中で、臨床研究法の方を厳しくすることには違和感を持つ。既知についても頻度が高い等の場合には未知として取り扱われており、既知のものであれば定期でよいのではないかと考える。
- 研究者 の意見も理解できるが、現状そのような機能がワークしているかどうかの実態を把握し、評価しないといけないと考える。
【第24回部会】
- がんの研究では、既知 の重篤な副作用はかなり数が起こるので、 1件 1件検討しても意味がなく、判断は難しい。頻度がものすごくなれば、そこからは未知として取り扱われることになる。
- ゲフィチニブの例においても、既知の事例において発生頻度が高くなれば未知と判断される運用については判断が難しかったこともあり、がん以外の領域も考えると、やはり CRBに報告していただくことが望ましい。
- 多施設共同試験の場合、有害事象の情報を集約して判断を一元化することは必要と考える。
- (臨床研究中核病院ですら)CRBをやっていると、 既知のもので重篤を 1例報告さ れても、分かっているし、こういうこともあ るよねということで審議が終わる。
<CRBについて>
- CRBの質の担保について、臨床研究法の制定前に各国の状況を調べたところ、欧州、特に英国については模擬 プロトコールや IC文書を作成し、数年に 1度は必ずこれらの文書を審査させた結果を確認することで質のコントロールをしていた。
- 提案されているピアレビューについて、 CRBの負担が大きいことやクオリティーの差が激しいので、模擬審査の方が適切ではないか。CRBの実地調査をした上で、部会に報告する 方が良く評価が出来るのではないか。
- 質に踏み込んで評価することは(大変だが) 必要。設置数が増えているが、人材を集約するという当初の想定に沿わ ない状況になっているのではないか。
- 特定臨床研究として CRBに承認された試験の説明文書を見たところ、必要な要件を満たしていなかった事例があった。このような事例を見ると CRBが機能しているのか不安になる。
- CRBの現状を把握した上で、見直しを検討してほしい。
- CRBについて客観的なデータを示してほしい。
- 実態として、年に 1件の申請があるかどうかの CRBがある。一方で、年に1~ 2件の新規申請があれば、疾病等報告などを含めて年 11回の開催は可能であり、 11回の開催という条件は質の担保につながっていない実態がある。
- CRBは審査料で運営することとされているが、審査料で運営をしつつ質を上げていくのは体制として苦しいところがある。
- CRBについて、優秀なメンバーの集約化、委員会運営のコストの観点から適正な委員会数という考え方もあるのではないか。
- 実態把握が急務。
- 事務局機能の体制評価 も併せて整備が必要。
【第23回部会】
- 開催回数については、多くの CRBにおいて 年 11回 を カバーできるように は 見えない。更新できない場合、 同一機関が もう 1つの CRBを申請することについては 問題ではない か。せっかく最初の倫理委員会で 11回の意味づけがあるのに、それを満たしていないこと自体に問題があるのではないか。 年 11回の妥当性はともかくとして、 年5,6 回も開催できないような CRBを認定するという制度は改めるべきではないか 。
- 設置の際には、年12回開催することを想定はしているが、実際はその通りにはいかないという事例もある。そのため、更新要件を検討する必要がある。
- 法制定当時 の前提に比べて研究数が少ない一方で、 CRBの数は当時の想定より多くなっているので、規定に見合わなくなっている。 認定要件が初めから 11回以上ということを定められているにもかかわらず、それでも6割ぐらいしか満たせていないことからすると、数を6割にしたら 50 60件ぐらいになり、数としてはちょうどいい数になるのではないかと思うが、急にそこで切ってしまうと、継続案件のことも考える必要があるため 、この 11回はそのまま置いておいて、もし更新できない場合は一定の期間の猶予を置いて集約していく必要があるのではないか。加えて、客観性や地域差なく一定の認定要件という ことからすると、 11回以上の中で、一定の新規申請をある程度の回数でやっているということも入れる必要があるのではないか。また、客観性、地域差なしにできるような要件をもし考えていくことができるのであれば、それも加えるということで更新の要件としてはどうか。
制度による対応のほかには、 質向上に向けた取組としては研修内容 、特に就任するとき、一般委員も含めてきちんとした研修をやっているかどうかということと、その内容、方法とか、その研修の成果の確認 を してはどうか 。 また、 CRBは、委員長によって、かなり 委員会の 内容 や 発言しやすさ等 が変わる。研修の中に委員長の研修という実務的な研修も必要。
あとは、事務局の業務の範囲や 内容も確認していくべき。議事録の 概要のみ であ ったり、発言者が不明なものもあるため、 チェックも必要。
ピアレビューは、顔が見え る範囲だと遠慮しすぎて緩くなっ てしまう こともある ので、 模擬審査も含めて更なる質の向上に取り組むべき 。 - 開催回数については、継続案件で回数は稼げる ため 年 11回を無くすべきとまでは言わないが、開催回数だけ で質を 担保できるとはいえないのではないか。
複数の案件を年間に一定数で審査するということがなければ、 CRB自体あるいは委員自体の経験値が上がらないため、数値目標をつくるのであれば、新規審査案件何件以上というものが一番経験値をはかる目安になるのではないかと考えている。模擬審査にしろ、ピアレビューにしろ、実施の有無ではなく、どう評価するかという議論も必要ではないか。 - 審査手数料の資料 について 、 一括 100万 で費用を徴収する場合と、新規と継続の手数料を分けている場合があり、一つの課題あたりいくらぐらいかかるかという見せ方をしないと、将来的に混 乱しかねない。
CRBの数 については、 都道府県に1つは最低限要るとして 、 研究数に応じて、多いところは複数置く等により 、妥当な CRBの数を設定すればよい 。 各都道府県のアイデンティティを尊重する必要もあるのではないか。更新要件については、年11回以上開催に加えて、新規の審査案件を 3年間で 3回以下しか開催していないところは切るなどで、 CRBを適正な数に持っていってはどうか。審査の質向上のための取組については、欧米各国 では 審査の質の維持のために 相当な 国費 を 出していた 。 イギリスやフランスでは 倫理委員会の質向上のた めに、 中央審査機関が 審査をしたり、 サイトビジットを実施 したりしていた。 日本でも 、 責任の所在がはっきりしたところでチェックする ための 恒常的な予算措置が必要ではないか 。 - 11回を満たすためにわざわざ議題をばらすというのもおかしな話なので、真に内容で考えるのであれば、新規件数 の方が要件としては適切ではないか 。 その場合には、 それぞれの CRBが担当する 適切な 新規審査件数 について議論すべき ではないか 。研究者は 審査 が通 り やすい CRBを選んでいる印象 があるため、地域毎に CRBがあるべきという意見に賛成。 その上で、 研究者が CRBショッピングするのではなく、 将来的には 決まった CRBに申請し、きちんとした質で審査される体制を念頭に置いて検討をしてほしい 。
- 開催回数 11回を残すかどうかはとは別に、 やはり審査件数も必要。 臨床研究中核病院の要件であることから、 CRBも一種のブランド的な印象を持たれて 、各病院が設置して いるところもあるのではないか。病院側の意識を変えてくことも重要。質の向上には、量的な人数に加え、経験値が重要なため、集約化をしないといつまで経っても質は上がらない。審査料 が高額であること もやはり問題点の1つでもあるため、 国が公的支援をして、審査料も押しなべて大体同じぐらいのコストでできる、基本的なインフラ化をするということに関してはぜひやっていただきたい 。 自由競争のような形で対応する問題ではない。
- 都道府県に1つという発言があったが、現在はリモート対応が可能ではないか。
- 審査手数料について、内外差を付けているところも多いので、外部の研究支援に積極的な CRBに 公的支援を行う 等の配慮も必要ではないか。
- 自施設案件の審査について、参考といて、医療事故調査制度で報告書作成にあたって第三者性の 担保に配慮していること。 今回の調査結果を見ると、 むしろ審査の客観性に疑問を抱かざるを得ない状況ではないか 。 客観的に研究を評価するということから考えるとあまり顔が見えないほうがいいのではないか。
- CRBは外部の評価を受ける等の取組等があっても良いと思う。 CRBは、外部委員に対する規定が非常に強くなっており、 自機関の CRBだからといって、内部研究者からの申請 に 必ずしも甘くしているわけでもな く、中身をしっかり評価してほしい 。 制度設計として外部委員の比率を高めて客観性を保っている点も踏まえて議論をしてほしい。
- 一定程度、自施設の件数は抑えるという考え方と、自施設よりも公的支援を受けたほかのところのほうが早くて安いという誘導で 自施設への集中を避けられるという観点で 、公的 支援 に期待がある。一方で、 日本の研究者は欧米に比べて大学に対する忠誠心が高いというところがある。仲間というコミュニティーを構成していて、それが審査をゆがめるのではないかという懸念が あり 、 そういう日本の現状からすると、なるべく他の客観的な審査があるという形が、いわゆる国民の感覚からいえば、公平にきちん としているように見える。 誘導が効かないとなれば 、何らか基準を作る必要があるかもしれない。
- 新規3~4件という議論と、都道府県に1つのCRBというバランスについては検討すべき。(地域の研究数によって、 両立しない場合がある)
- CRBは外部委員が多いので、必ずしも自施設意識を持っている委員ばかりではない と思う。 それよりは、CRB自体の取り組み、質を高める取り組みに力を入れるべき。
- 委員長が外部委員又は一般の立場の発言をどれだけ引き出すかという点も重要 。
- 現状の審査依頼形態のままだと、 安い、早い、審査が通りやすいという視点で CRBは選ばれる ことになり、 質の低下を招くのではないか 。 研究者が選べる制度を否定するものではないが、 CRBが審査件数を増やす方向に努力しなければならないような要件とした場合、質の向上には逆効果な場合もあると考えられる。
【第25回部会】
- 先進医療技術審査部会の資料について、臨床研究中核病院でも先進Bを審議もしていないような CRBがあり、 CRBをステータスとしてもっていることに意義があると認識されている事もあると思われるため、経時的に実態を提示いただく必要がある。見直し要件については、もう少し厳しくやっていただきたいが、現状の制度が壊 れてしまわないようにソフトランディングをしたいという提案に関しては反対するものではないので、少しずつ前に進めて改善してほしい。
- 現行 11件ということを分かって手を挙げて CRBをつくっているので、あまりにも最低限過ぎるのではないか。事務局提案の基準で進めるのであれば、今後段階的に見直す方向であることや高い目標を目指すべき事をメッセージとして明らかにしてほしい。
- ロジを考えた場合に、混乱を避ける観点から、今回は事務局提案通りとして、次の見直しのときにはレベルを上げるという緩和措置の方が良いのではないか。また、新規の審議案件について、地方厚生局がその内容を確認するなどの対応が必要。
- CRBと IRB、再生医療等の委員会を含め各法律の整性に配慮すべき。また、将来的には PMDA等による適合性の確認の制度等を検討してはどうか。
- 今後 CRBの質を含めた確認を行うために、議事要旨ではなく議事録を提出させるなどの取り組みを検討するべき。
- 特定臨床研究以外の臨床研究について、 CRBが努力義務で審議することになっているが、審議件数を増やす観点からも、継続の要件に努力義務の審議件数を加えることを検討してほしい。
- CRBの廃止に伴って実施中の臨床研究を他の CRBが引き継ぐ必要があるが、費用をどのように考えるのかについても検討してほしい。
<附帯決議 ①薬事利用>
- 薬事申請利活用のうち ただし書きについて、様々な診療に承認がついて行けていない傾向が世界的にもあること。患者数が少ないだけが治験の実施が困難というわけではないため、記載ぶりに留意いただきたい。
- 薬事申請については、企業(申請者)の負担が減らせるのか 。
- 薬機法の存在意義を考えたとき、単純に広げるのではなく、安全性を確保するための最低限必要な要件を決めるべき。
- 特定臨床研究等の薬事申請への利用について、ものを規制する薬機法と行為を規制する臨床研究法には整合しにくい部分がある。適応外使用について、薬事承認と医師の裁量による使用と保険適用については、日本の医療と密接に関連するものであり、確保を所管するセクションの密接な連携調整を期待する。
- 臨床研究で根拠ある成果が得られれば、添付文書への反映等対応いただきたい。
【第25回 部会】
- 薬事申請を目指す場合の特定臨床研究であれば、 GCPと同程度のクオリティーと信頼性があるかどうかについて PMDAへ事前に相談をするような制度が必要ではないか。
- 信頼性を担保する対応として個別案件のみならず、広い視野を持って検討することが必要ではないか。
- これまで実施されてきた臨床研究は、第1相や第 2相試験がほとんどであり、申請資料における検証試験の位置付けにあたるような試験はやってきておらず、これは日本の研究費は検証試験ができるだけの規模がなかったことによる。公知申請については再審査機関が終了し ている医薬品を対象としているため、再審査期間中の適応拡大などの取扱に困っている。今後は、先進 Bや特定臨床研究の妥当性について事前に相談する枠を充実させる必要がある。
<附帯決議 ②資金提供の取扱>
- 調査する際、「製薬企業等」となっているが、機器企業もきちんと見て欲しい。また、公表の仕方も様々であるため、 HP等の見せ方についてもきちんと見て いただきたい。
- 情報公開の見直しについては、既存の 3点の公表内容でも対応出来ていると思っている。情報提供関連費については不要ではないか。
- 接遇費については 利益相反に関連するようにも思うため、よく考えるべき 。
- 公表については、自主ガイドラインの対象となっていないところはどれくらいあるのか。調査の時に確認して欲しい
- 透明性ガイドラインについては、医機連の方でも同じように作成している。連合に入っていないところも当該ガイドラインを使うように言ってはいる。
- 加盟会社については、今後もガイドライン遵守に努める。個別公開はしていない。講演等は臨床研究に直接紐付いているものでは ないため、全てを公開するというのは現実的ではないように思う 。
【第25回部会】
- 調査結果と しては、全ての企業から回答を得られたわけではなく、自主ガイドラインを照合して金額を決めている企業も多くて 8割程度という状況のため、本調査の結果だけで情報提供関連費や接遇費が不正につながる蓋然性は低いとは言い切れないのではないか。情報提供関連費や接遇費を公表すべき。
- 追加で調査するのであれば、例えば接遇費について奨学寄付金などと比べてどの程度の金額であるのかを明らかにすべき。
- 特定臨床研究に関与していない企業もあるので、その点を整理すれば特定臨床研究に関与している企業の状況が明らかになるのではないか。
- 臨床研究法については、全体としては適切に動いている中でいくつかの突出した事例が発生した事を契機として制定されたことを考えると、大部分が問題ないということは情報提供関連費や接遇費を除外する理由にはならない。
これらの費用を含めた資金の提供が処方誘導になるのではないかという点については薬機法側で実施している MR活動や資材の規制等も関係するため薬機法側の検討との整合性を考え得て全体の制度を考えるのか、臨床研究の適切な実施に絞るのかは事務局側で整理して示してほしい。 - サンシャイン法と同等の透明性、信頼性が確保できることが望ましい。
<附帯決議 ③患者申し出療養等>
- 患者申出療養等について、患者さんのために速やかに実施できるようにすることが必要。
- 患者申し出療養や先進医療のような評価医療は、保険の制度が密接に関連して設定している。