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糖尿病と遠隔医療

2020年7月10日

糖尿病と遠隔医療について考えてみましょう。

新型コロナ渦における、遠隔医療での糖尿病管理

糖尿病患者さんは、コロナウイルスに感染する 「高リスク」 に分類されるため、ソーシャルディスタンスが必要な際には、糖尿病管理がより一層難しくなりがちです。

より端的に表現すると「新型コロナに感染する可能性が高いので、受診を控える方が増える→かかりつけ医によるきめ細かな疾患管理が難しくなっている」ということです。

新型コロナウイルスのパンデミックに対応するための新しい方策

ですので、新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、医療従事者の方々は、遠隔医療を用いて疾患管理を行うことが求められる状況にあります。

例えば、Dexcom CGM(日本にもはやく第六世代が来るといいですね…)やDexcom Clarity アプリが、糖尿病の遠隔医療としては一歩先を行っている技術になるでしょう。

一型糖尿病、二型糖尿病いずれも、CGMによる血糖値測定がリアルタイムでスマホで視覚化されること自体が疾患コントロールのために非常に有効と考えられます。

外出制限によって受診頻度が低下しがちな状況かではより一層、その力が発揮されるはずです。

遠隔医療で得られたデータの活用

遠隔医療は、当然ながら患者さんと医療従事者の方々の間で「データのやり取り」が行われることで成立します。

そして、対面診療時との大きな違いとして、「やり取りはデータ化されている」という点が出てきます。

データはストリーミングサービスのように記録が(表面的には)残らないものもありますが、残そうと思えば「データ保存」することが出来ます。

個人的な日記のように、他人に見せるものではない情報もあれば、「自分が特定されないなら、世のため人のために情報を提供してもいい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

遠隔医療で収集され得る情報は、そうした「世のため人のため」に活用され得る可能性があります。

遠隔医療とリアルワールドデータ、リアルワールドエビデンスは、「データ化される」という点で密接な関連があります。

疾患ごとに遠隔医療の導入度合いは異なるのが現状ですが、それぞれの疾患は単独で存在しているわけではありません。

そのため、何らかの疾患(例えば糖尿病)がきっかけとなって、遠隔医療の促進、ひいては遠隔医療で得られた蓄積データの活用、というデータ活用のサイクルが進むことでしょう。

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