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デジタル広告市場「市場規模と近年の伸び」
- 2020 年の日本の総広告費は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による広告販促キャンペーン等の延期・中止により、通年で前年比88.8%の 6 兆 1594 億円となり、東日本大震災のあった 2011 年以来9年ぶりのマイナス成長であり、また、リーマン・ショックの影響を受けた 2009年(同 88.5%)に次ぐ下げ幅となった。
- 媒体別にみれば、マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア)が6年連続で減少している中で、インターネット広告費については、2019 年には初めてテレビ広告費を抜き、また、総広告費が減少した 2020 年においても前年比 105.9%の成長(2 兆 2290 億円)を遂げた(このうち、広告の制作費等を除く媒体費は前年比 105.6%の 1 兆 7567 億円)。
- グローバルでみても、インターネット広告費シェアは継続的に成長しており、2021 年には、総広告費の過半を占めるとの予測もある。
- スマートフォンの普及に伴い、インターネットと消費者との接点がデスクトップからモバイルにシフトする中で、デジタル広告市場の伸びをモバイル広告が牽引しており、2019 年における広告費に占める割合は、デスクトップの 24.1%に対して、モバイルは 75.9%に上る。
- 取引手法別では、運用型広告が全体の 82.9%(1 兆 4558 億円)を占める(予約型広告が 11.5%、成果報酬型広告が 5.6%)。
- 広告種別では、検索連動型広告が占める割合が 38.6%と最も大きく(6787 億円)、次いでディスプレイ広告が 32.6%(5733 億円)、ビデオ(動画)広告が 22.0%(3862 億円)と続く。このうち、特にビデオ(動画)広告は、前年比 121.3%の高成長率を維持している。
※ このようにデジタル広告全体は成長を続けているものの、検索連動型広告については Google が 70~80%のシェアを占め独占的な地位にあり、動画広告については YouTube 等のソーシャルメディアの寄与が大きいことから、従来型のディスプレイ広告(バナー広告)を中心としたパブリッシャーサイドが得る収益は伸びていない又はむしろ減少しているとの見解もある。 - ソーシャルメディア(SNS や動画共有プラットフォーム)で展開される広告については、広告媒体費の 32.4%を占める(5687 億円。前年比116.1%)。