令和3(2021)年度 内閣府年央試算
令和3年7月6日
内閣府
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、輸出や生産を中心に持ち直しの動きが続いているものの、サービス消費など一部で弱さが増している。
今後については、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
政府は、令和2年度第3次補正予算等及び令和3年度予算を迅速かつ適切に執行する。引き続き、感染状況や経済的な影響を注視し、状況に応じて、予備費の活用により臨機応変に必要な対策を講じていくとともに、自律的な経済成長に向けて、躊躇なく機動的なマクロ経済政策運営を行っていく。
こうした下で、2021 年度(令和3年度)のGDP成長率は、実質で 3.7%程度、名目で 3.1%程度と見込まれる。感染拡大防止のために経済活動を抑制してきたこともあり、年度前半は緩やかな回復となるが、公的支出により経済を下支えする中で、ワクチン接種の促進等もあってサービス消費が回復に向かい、輸出や設備投資の着実な増加とあいまって、年度後半に回復ペースが速まり、GDPは 2021 年中に感染拡大前の水準を回復することが見込まれる。
2022 年度(令和4年度)のGDP成長率は、実質で 2.2%程度、名目で2.5%程度と見込まれ、GDPは過去最高となることが見込まれる。
内閣府年央試算に関する付注
2021 年度 | 2022 年度 (参考試算) |
||
(政府経済見通し) | (今回試算) | ||
世界GDP(日本を除く)の実質成長率(%) | 5.9 | 7.4 | 3.7 |
円相場(円/ドル) | 104.4 | 109.2 | 109.2 |
原油輸入価格(ドル/バレル) | 44.8 | 66.3 | 66.8 |
試算に当たり、以下の前提を置いた。なお、これらの前提は、作業のための想定であって、内閣府としての予測あるいは見通しを示すものではない。
- ① 世界GDP(日本を除く)の実質成長率は、国際機関による我が国の主要輸出相手国についての経済見通しを基に算出。
- ② 円相場は、2021 年 5 月 5 日~6 月 4 日の期間の平均値(109.2 円/ドル)で翌日以降一定と想定。
- ③ 原油輸入価格は、2021 年 5 月 5 日~6 月 4 日の期間のドバイ・スポット価格の平均値に運賃、保険料を付加した値(66.8 ドル/バレル)で翌日以降一定と想定。