デジタルヘルス

医療等分野における識別⼦(医療等ID)

2021年1月5日

医療等分野における識別⼦(ID)の主な検討課題

オンライン資格確認の導入にあわせて整備されるインフラの検討状況等を踏まえ、「⾒える番号」と「⾒えない番号」の相違点も整理しつつ、安全で、かつ費⽤負担に⾒合った便益を得られる医療等分野における識別⼦(ID)体系をどのように構築していくかが課題。

医療等分野における識別⼦(ID)体系

  • オンライン資格確認の導入にあわせて整備されるインフラの識別⼦(ID)体系における活用の在り方
  • 利⽤⽤途(ユースケース)に応じた識別⼦(ID)体系の在り方
  • 「⾒える番号」と「⾒えない番号」の相違点(法令の適⽤、セキュリティの違い)
  • データベースにおけるデータの正確な連結と安全な管理を実現するための識別⼦(ID)体系の在り方
  • 識別⼦(ID)の共有範囲
  • 識別⼦(ID)体系の機能・セキュリティと識別⼦(ID)の導入・運営等コストとのバランス

発⾏・管理主体

  • 識別⼦(ID)の発⾏・管理主体の在り⽅

コスト

  • 識別⼦(ID)の発⾏・管理のコスト及びそのシステムの運用コスト並びにその負担者の決定

運用ルール

  • 本⼈同意など、医療情報の収集・利活⽤の際の識別⼦(ID)体系の運用ルールの在り方

平成27年12月 医療等分野における番号制度の活⽤等に関する研究会 報告書(概要)

1.医療等分野の個人情報の特性、情報連携の意義

  • 医療等分野の個人情報は、患者と医療・介護従事者が信頼関係に基づき共有しており、病歴や服薬の履歴、健診の結果など、第三者には知られたくない情報がある。個人情報の取得・利用に当たっては、本人の同意を得るとともに、患者個人の特定や目的外で使用されることのないよう、必要な個人情報保護の措置を講じる必要がある。
  • 一方、医療等分野の個人情報の適切な活用は、患者へのより安全で質の高い医療・介護の提供に不可欠である。日常の健康管理や災害時の対応などでも、国民自らが診療・服薬の履歴を把握するニーズも大きい。医療の高度化には医学研究の発展が不可欠だが、個人の医療データの蓄積を活用することで、医学研究の発展や医療の高度化など社会全体の利益にもつながる。

2.医療保険のオンライン資格確認の導入

  • 正しい被保険者資格の提示を確保し、資格確認を確実に行うことは、資格喪失等によるレセプトの返戻事務をなくすとともに、適切な診療報酬の支払いにより医療サービスの基盤を維持し、公的保険制度の公正な利用の確保のために必要なものである。
  • オンライン資格確認は、ICカードの二重投資を避け、広く社会で利用される情報インフラを安全かつ効率的に活用する観点から、マイナンバー制度のインフラと医療保険の既存のインフラをうまく組み合わせて、個人番号カードの活用を基本とすることが合理的である。導入の初期費用や運営コストを精査しつつ、保険者・医療関係者と協議・検討を進め、平成30年度から段階的に導入し、平成32年までに本格運用を目指して、準備を進めていく必要がある。円滑に導入できるよう、本格運用までの間に、一定期間のテスト運用も実施する必要がある。

3.医療等分野の情報連携の識別子(ID)の体系、普及への取組

  • 医療等分野の情報連携に用いる「地域医療連携用ID(仮称)」は、オンライン資格確認と一体的に管理・運営するのが効率的であるなど、支払基金・国保中央会が発行機関となることに合理性がある。「地域医療連携用ID(仮称)」は、患者本人を厳格に確認した上で利用する観点から、個人番号カードによる資格確認したときに、保険医療機関等に発行する仕組みが考えられる。
  • ただし、個人番号カードを持たない患者も医療連携は必要であり、過渡的な対応として、現在の保険証番号に代えて、保険者を異動しても変わらない「資格確認用番号(仮称)」を健康保険証で読み取るなど、個人番号カードがない場合でも資格確認できる仕組みを用意すべき、との意見があった。一方、公的個人認証の仕組みは安全・確実に本人確認を担保できるが、個人番号カード以外の方法はなりすましを完全に排除できないので、安易に他の方法をとるべきではない、との意見があった。
  • 国民自らが医療情報を活用する目的や意義について成熟した理解も必要であり、教育の場を含め、様々な機会を活用して、国民への周知に取り組むことが求められる。本人の健康や受診歴も把握できるポータルサービスなど、国民自身がメリットを享受できるような仕組みにつなげていくことで、医療・介護の効率的な提供や保険財政への国民の理解と納得が浸透していくことが期待される。

平成29年11月 被保険者番号の個人単位化と資格履歴の⼀元管理

現状・課題

世帯単位での付番

  • 現在の被保険者番号は、基本的に世帯単位。保険者は個人(特に被扶養者)の状況把握までは求めていない。適切な保険制度の運⽤のためにも、保険者として、個⼈単位での状況把握をどう⾏うかが課題。
  • 今後、保健事業を通じた被保険者の健康管理等の役割が保険者に⼀層期待されている中、個人単位でデータを連結できない現在の状態は、データヘルスの推進の観点からも課題。

保険者ごとの管理

  • 各保険者でそれぞれ被保険者番号を付番しており、資格管理も保険者ごと。
  • 加入する保険が変わる場合、個人の資格情報(※)は引き継がれず、継続的な資格管理がされていない。

※⽒名、⽣年⽉⽇、性別、被保険者番号、資格取得⽇、負担割合など

対応方針

  1. 加⼊する保険が変わっても、個⼈単位で資格情報等のデータをつなげることを容易にするため、被保険者番号を個人単位化。
  2. 新しい被保険者番号も保険の変更に伴い変わることとなるが、加⼊する保険によらず資格情報等を連結させて管理するため、個別の保険者に代わって⽀払基⾦・国保中央会が⼀元的に管理する。

※ マイナンバー制度の情報連携のために構築されている既存のインフラを活用

平成29年11月 オンライン資格確認

現状・課題

  • 現⾏の健康保険証による資格確認では、資格喪失後の未回収の保険証による受診や、それに伴う過誤請求が請求時に判明。保険者・医療機関等の双⽅に負担が発⽣。

対応方針

  • マイナンバーカードの電⼦証明書を保険医療機関・薬局の窓⼝で読み取って、受診時やレセプト請求前等にオンラインで支払基⾦・国保中央会に資格情報を照会・確認する仕組みを整備する。

※「⾒えない」「預からない」ので、医療現場で診療情報がマイナンバーと紐づけて管理されることはない

※定められた利⽤⽬的以外でのマイナンバーの書き写し等は不正利⽤であり、法律で禁⽌されている

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