日本の医薬品・医療機器業界について考える際に無視できないのが製薬協(日本製薬工業協会) です。
業界人には「JPMA」等と略語で表現されることもしばしばです。
- JPMAはJapan Pharmaceutical Manufacturers Associationの略です。
製薬協(JPMA)は、さまざまなレポートを定期的に出しています。
特に、製薬協の中にある政策研(医薬産業政策研究所、OPIR: Office of Pharmaceutical Industry Research)の発行するレポートはかなり踏み込んでいる&網羅的なので、ヘルスケア産業についての概要を深める上での最初の一歩としては、非常に有用なものでしょう。
今回ご紹介するのはレポートではなくプレゼン資料のようなものですが、それでも製薬協がリアルワールドエビデンスや医療ビッグデータについてどう考えているのかを伺い知ることができます。
医療健康分野のビッグデータ ―期待される活用と課題(2次活用の立場から)―日本製薬工業協会 医薬産業政策研究所
俯瞰的な視点で・・・「医療健康ビッグデータの活用」
- エコシステムを廻すことができるビッグデータ活用システム構築
- ライフコースヘルスのソリューション提供
- P4+1医療 (患者が中心のPrecision Medicine)の実現
簡単に言うと、技術はそろったので、あとはみんなの意識や目的の摺り合わせ段階、ということだと私は解釈しました。
P4+1医療
- マインドの変換を進める(全体のデータが一人の健康に寄与。一人のデータが全体に寄与。)⇒医療の発展・サイエンスの発展をみんなで支える。
- 医療の現場で診療と研究(Data収集)が同時に行われる環境
既に、自分の情報は出来るだけ開示したほうが、それ以上のメリットを享受できる環境になりつつあります。
もちろん、情報開示には一定のリスク(特定されてしまう等)があるので、情報管理のための一定のリテラシーは必要なものの、「リテラシーが不十分なので開示を控える」ような層が大多数を占めてしまっているとすると、それは国としての力が相対的に他国より弱いことに繋がりかねないので対策が必要でしょう。