デジタルヘルス

Pokemon GO と リアルワールドエビデンス

2020年7月3日

こんにちは。E太郎(Evidence太郎)です。
今日は「Pokemon GOとリアルワールドエビデンス」の関係についてご紹介したいと思います。

ポケモンとエビデンスに何の関係が…?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、そもそも任天堂はWiiやNintendo Switchにも「運動」を取り入れたゲームを出しており、ポケモンGOのようなスマホアプリでもそのような応用を考えているとしても不思議はありません。厳密には、ポケモンGOはNianticと株式会社ポケモンが運営しているので、任天堂は直接の影響を及ぼせない構造になっていますが、任天堂は株式会社ポケモンの大株主でもあるので無関係ではないのは明白です。

ヘルスケア領域の論文検索といえばPubMedですが、本日時点で「Pokemon GO」と入力すると79件の論文がヒットします。

例えば、下記はポケモンGOをプレーしている人は、そうでない人に比べて心理的苦痛・精神的苦痛の改善度合いが高かったという論文です。そもそも、ポケモンGOを1ヶ月継続してプレーする集団自体が、何らかの特性を有している(年齢、性別、職業、居住地、所得、等々)可能性が考えられますが、事実としてポケモンGOを1ヶ月継続してプレーしている集団でそうした現象が見られたことになります。

因果関係を逆にして考えることも重要で、「ポケモンGOを1ヶ月続けたから心理的苦痛・精神的苦痛が改善した」のではなくて「心理的苦痛・精神的苦痛が改善したからポケモンGOを1ヶ月続けられた。心理的苦痛・精神的苦痛が改善しなかったから、ポケモンGOを1ヶ月続けられなかった。」のかもしれません。なので、因果関係まで踏み込んでしまうのは危険で、相関関係が見られた、という程度に留めて解釈しておいたほうが安全です。

Watanabe K, Kawakami N, Imamura K, et al.
Pokémon GO and psychological distress, physical complaints, and work performance among adult workers: a retrospective cohort study.
Sci Rep. 2017;7(1):10758. Published 2017 Sep 7. doi:10.1038/s41598-017-11176-2

ただ、本記事で言いたいのは、ポケモンGOのようなゲームアプリでも、こうした観察研究ができる、という点です。
禁煙治療アプリが日本でも初めて承認されたように、今後、アプリを単なる健康管理用の日記アプリのように使うのではなく、「ユーザーの行動を変える」という目的を大々的に謳ったアプリが他にも出てくることは想像できます。
処方アプリ(医師の処方が必要なアプリ)だけでなく、Google Play や App Store から自由にダウンロードできるアプリもますます増えていくでしょう。

「エビデンスとは何なのか」という点は常に考えておく必要がありますが、ヘルスケアにおけるエビデンス創出のためのデータソースは、どんどん増えていくことが考えられます。情報の洪水、データの洪水に飲まれないよう、一人一人のリテラシーを高めていくことが一層大切な時代になってきました。

それでは、また。

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