デジタルヘルス

保健医療分野AI開発加速コンソーシアム―議論の整理と今後の方向性(令和元年6月 28 日)

0.関連リンク

臨床研究等 ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業(令和4年度厚生労働科学研究)

1.経緯

  • 医療・介護現場には、医療・介護従事者の不足、地域偏在・診療科偏在、過重労働、安全・安心な医療・介護の提供等、様々な課題がある。こういった課題解決に向け、人工知能(Artificial Intelligence:AI)の活用は、①全国どこでも安心して最先端・最適な医療やより質の高い介護を受けられる環境の整備、②患者の治療等に専念できるよう、医療・介護従事者の負担軽減、③新たな診断方法や治療方法の創出、等に繋がると期待されている。
  • 厚生労働省では、平成 29 年6月に「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」を開催した。そこでは、①我が国における医療技術の強みの発揮、②我が国の保健医療分野の課題の解決(医療情報の増大、医師の偏在等)、の両面から、特にAI開発を進めるべき領域を「重点6領域」(具体的には、ゲノム医療、画像診断支援、診断・治療支援、医薬品開発、介護・認知症、手術支援)として選定し、これらの領域を中心とした研究開発支援や必要な制度設計等を進めてきた。
  • しかしながら、諸外国におけるAI開発は急速に進んでおり、本邦においても、諸外国に遅れを取ることなく、産学官が一丸となって取り組めるよう、スピード感を持って、課題や対応策について早急に検討する必要が生じている。
  • このような状況に鑑み、厚生労働省においては、AI開発及び利活用促進に向けて幅広い視点から議論を行い、本邦にて取り組むべき事項を検討することを目的に、「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」を平成 30 年7月に設置した。

2.議論の整理

(1)開発段階に応じたロードブロックごとの迅速に対応すべき事項

  • 本コンソーシアムでは、まず、重点6領域のうち我が国の強みの発揮が期待されている、画像診断支援領域におけるAI開発を例に、開発段階に応じたロードブロック(障壁)について議論を行い、本年1月には、これら課題について迅速に対応すべき事項をまとめた、中間整理を行った。(別添1)
  • ここでは、開発段階を9つの過程①倫理審査委員会(Institutional Review Board:IRB)、②インフォームドコンセント、③アノテーション/ラベリング、④データ転送・標準化/匿名化、⑤クラウドでの計算/データストレージ、⑥臨床での検証、⑦医薬品医療機器総合機構(PMDA)審査/薬事承認、⑧商用展開/アップデート、⑨その他)に分類し、それぞれ集中的に議論を行った。
  • ①については、医療機関のIRBにおけるAIの専門家の不足や、IRB間での審査の質が均一でないこと等が課題として取り上げられた。この点については、既に現行の制度の中で、IRBは他施設の研究を審査することも可能であること、一括審査が可能であることを改めて確認した。例えば、審査の過程において、当該IRBにAIの専門家が不在の場合でも、他施設のAIの専門家に意見を仰ぐことや、AIの専門家が存在する他施設のIRBにて審査を行うことが可能であることを示した。なお、今後はIRBでの一括審査を原則にする等、運用手続の簡略化に関して「医学研究等に係る倫理指針の見直しに関する合同会議」(文部科学省、厚生労働省及び経済産業省による開催)の中で検討が進められている。
  • ②については、現場において適用される制度(個人情報保護法、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針、等)への理解不足等の課題が挙げられ、まずは国が積極的に、現行制度を周知していくことが望まれた。ここでは特に、医用画像等の医療データを活用するケースを想定し、例えば、学術研究機関と企業が共同研究等を行う場合でも、個人情報保護法ではなく医学系指針の適用範囲となる場合もあること(例えばオプトアウトによる手続で実施可能)を改めて整理した。
  • ③については、臨床現場における負担軽減策を考えつつ、作業に当たっての専門家のインセンティブを考えながら、その質をどう担保するかが重要、という議論になった。アノテーション作業を担う民間企業も増えていることを踏まえると、専門医と連携した質の担保と、作業に当たっての自動化技術の導入が期待される。
  • ④⑤については、医療情報等を扱うに当たってのセキュリティの担保や医療従事者の理解の促進、クラウドの活用について議論を行った。この領域については、厚生労働省、総務省及び経済産業省における、いわゆる「3省3ガイドライン」の中で、医療情報を扱う際の安全管理に関する一定の方向性が示されている他、総務省及び経済産業省における「クラウドサービスの安全性評価に関する検討会」での取組等が行われており、引き続き、既存の枠組みも活用しつつ、必要な対応を行うことが求められる。
  • また、セキュリティについては、データベースにアクセスしている個人を認証する仕組みの方法や、ネットワーク環境の検討等、懸念点を明確にし、費用負担や利便性とのバランスも考えながら具体的な対応策を考えていく必要がある。また、利用目的に応じて、パブリッククラウドを活用するのか、オンプレミスな環境を活用するのか、様々な環境や技術を使い分けていくことが必要である。
  • ⑥⑦⑧については、AIそのものの品質や、AIに学習させるデータの質の担保の重要性、評価手法、医療現場の使用に当たっての責任の所在等について議論を行った。これらのうち、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器法」という。)に関係するものについては、その評価指標の策定や審査のあり方について議論を重ねており、令和元年5月 23 日付けで、AIを利用した医用画像診断支援システムに関する評価指標を取りまとめた医療機器審査管理課長通知を発出している。また、承認後に継続した改善・改良が見込まれる医療機器について、変更計画を審査の過程で確認し、その範囲の中で迅速な承認事項の一部変更を可能とする方策や、市販後に恒常的に性能が向上する医療機器について、医療機器の改良プロセスを評価することにより、市販後の性能変化に併せて柔軟に承認内容を変更可能とする方策について、現在、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」が国会に提出されており、引き続き、AI技術の進展と並行して検討が必要な領域である。
  • また、AIを用いた診断、治療等の支援を行うプログラムの利用と、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」とされている医師法第 17 条の規定との関係に関しては、平成 30 年 12 月 19 日付けで医政局医事課長通知が発出されている。この通知において、現在開発が行われているAIの現状を踏まえると、AIを用いた診断・治療支援を行うプログラムを利用して診療を行う場合、診断・治療等を行う主体は医師であること、医師はその最終的な判断の責任を負うこと、及び、当該診療は医師法第 17 条の医業として行われることが明確化された。しかしながら、AI技術の進歩は目覚ましいことから、人間とAIの協働などに関する他の分野での議論や技術的進展を見ながら、今後も継続的な議論が必要と考える。
  • その他、最も多く取り上げられた課題が、情報基盤に関するものであった。質と量を備えたデータと、それに対する適切なアクセス環境があれば、優れたサービスを構築する事業者が現れると予測されるが、その際、データはシングルソースではなく様々なデータも繋げて活用できること、アカデミアのみならず産業界側からもデータ提供が行われることが、有用性の高い優れたデータベースの構築にとって必要との意見もあった。そのような産業界からのデータ提供を促進するためには、オープンイノベーションの考え方を広めていくことが必要であり、協調領域と競争領域の明確化を図り、共通基盤づくりを進めていくことの必要性についての理解を得ていくことが重要である。
  • また、今後のデジタルヘルスに向けた取組では、患者等の日常生活情報等の収集のためにウェアラブルデバイスやスマートフォンを活用するケースが増えてくると予測される。また、収集された情報に基づき、患者に適切なアドバイスを行うAIの開発も進むことが期待される。
  • 医療等分野における識別子(ID)については、オンライン資格確認システムを基盤として、個人単位化される被保険者番号を活用した医療等情報の連結の仕組みの検討を進め、2021 年度からの運用開始を目指すこととされており、データベースの整備を通じて医療等分野の研究開発等の推進に資することが期待される。
  • 一方で、これらの取組を進めるに当たっては、データ提供者のプライバシーが配慮されていることも必要である。健康医療にかかわるデータについては、患者のプライバシーにかかわる情報であるという側面と、データを幅広く共有することによって新たに価値が生まれ得る共有財としての側面がある。このため、社会としてのどのように利活用していくか、社会全体としてのコンセンサスの形成に向け、引き続き議論を積み重ねていく必要がある。
  • 上記の他、医用画像をはじめとした様々な医療データについて、公的研究期間が終了した後も継続的にAI開発等に活用できるような、エコシステムの構築の検討が必要とされた。このようなエコシステムの構築には、継続的にデータを収集し、それを広く活用できる基盤作りが必要であり、また、データ収集に伴う負担が生じることから医療機関に対する情報提供のインセンティブを考える必要がある。また、開発されたAIサービスが利益を生んだ場合、AI開発には、AIそのものの開発のほかに、学習用データの収集等に多くの関係者が関与することとなるため、知的財産権の帰属について整理し、その利益配分の在り方について検討することも必要である。
  • これらの課題については、継続中の研究事業等の枠組みの活用や、「データヘルス改革推進本部」での取組等とも連携し、事業の効果の検証や社会実装に向けた明確な目標を設定して、実用化を加速化することが望まれる。

(2)AIの開発・利活用が期待できる分野/領域について

  • 健康・医療・介護・福祉分野は幅が広く、AI開発に必要な基盤的データの種類や社会実装に関係する制度も多様である。本分野においてAI開発・利活用を促進するために必要な取組を議論する際には、まず、健康・医療・介護・福祉分野のどの領域におけるAI開発の取組なのかを共有することが必要である。
  • このため、重点6領域を中心に、健康・医療・介護・福祉分野におけるAI開発に関する取組状況等について幅広くヒアリングを行い、AIの活用が期待される領域の整理を行いつつ、分野全体を整理した俯瞰図を作成した。また、AI開発をさらに加速するために必要な取組について議論を行った。
    別添2、別添3
  • この中で、領域に共通する課題として多くの意見が挙げられたのが、(1)のロードブロックでの議論とも共通する課題である、様々な医療情報を収集した情報基盤の整備や、現場の負担軽減に資するようなデータ入力のあり方、カルテの標準化等の課題であった。また、医療においてAI活用を推進していくための人材育成、AIの質の担保や評価についての意見があった。

(2-1)新たに検討が必要な課題

(a)情報基盤、データ入力、カルテの標準化

  • 情報基盤については、前述のとおり、患者や医療現場の理解を得ながらも、アカデミアや企業が活用しやすい環境が望まれる他、その質の担保や、医療以外のライフコースデータとの突合が今後の予防・先制医療には重要、という意見があった。また、様々な公的資金によって構築されたデータベースが、研究費が終了した後、維持・管理ができなくなっている点についても、今後の課題であるとされた。
  • また、このような情報基盤を構築するに当たっては、医師や看護師をはじめとした多くの医療従事者の協力が必要である。ここで、常に課題として挙げられたのは、臨床現場におけるデータ入力作業の負担をいかに軽くするかというものであった。今後、この作業負担軽減に資するような、例えば音声入力等の技術や、電子カルテの普及と標準化のあり方を含め引き続き検討していくことが求められる。
  • 具体的には、例えば、データ入力については、現在、がんゲノム領域において、パネル検査の保険適用に伴いゲノム情報及び臨床情報の収集・集積が開始されることとなっており、まずはここでの負担軽減策の取組を参考にしつつ、横展開することが考えられる。また、このような技術は、医療のみならず、介護・認知症領域でも、介護記録等の自動音声入力の開発が期待されており、他領域でも同様の技術が期待される。
  • 電子カルテの普及と標準化のあり方については、現在、医療機関内の情報連携に加え、医療機関間の情報連携を円滑にする観点から、令和元年5月に成立した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」に基づく医療情報化支援基金を活用し、電子カルテの標準化を進めるための支援を実施することが予定されている。
  • 国際競争力を強めていくという観点からは、幅広い分野の研究者や企業にもニーズがあるようなAI開発の基盤となるデータセットを整備することが重要である。AI開発に適したデータセットを整備するためには、プログラムやアルゴリズムを開発する者が、データ提供元との相互関係を維持しながら、AI開発の基盤となるデータセットを作っていく仕組みづくりが重要である。

(b)人材育成

  • 人材育成については、保健医療分野におけるAIの開発を進めるに当たり、AI技術者における医療の教育と、医療関係職種におけるAIの教育の両方の方向性があり得るのではないかという意見があった。また、医療従事者がAIを活用するにあたり、正しく安全に使用するための教育も必要という意見があった。
  • 例えば医師の場合、医師がAIを活用するに当たっては、AIの原理について学び、AIの推論結果を鵜呑みにしないことの重要性や、AIが推論して医師か判断するプロセスを模擬的に学習することも必要ではないかとの意見があった。また、併せて、チーム医療の中にAIの専門家を入れ、一緒に医療現場でAIを活用しつつ、必要なAIを開発していくことがよいのではないかという意見や、一方で、AIの技術に頼ってしまい、医師の技術力が落ちてしまうことのないよう、医師を教育する体制も併せて作っていくことが必要との意見があった。
  • なお、今後もAIの技術は発展し続け、次々と新たな手法が出てくると予測されるため、教育や研修の内容については、最新の情報が反映されたものとすることが必要であり、また、教育や研修を受けた者がその後も最新の情報に触れられるようにすることが重要である。
  • これらの課題解決のため、関係省庁とも連携しつつ、厚生労働省としても、様々な医療関係職種を対象とした教育の枠組みを検討することが求められている。

(c)AIの評価、質の担保

  • AIの質の担保や評価については、機械学習等、AI技術としての評価と、診断支援等を行う機器としての評価の両者がある。特に、AIは常に新しい技術が開発されていることを踏まえると、その評価指標に加え、評価するタイミングや頻度についても検討していく必要がある。医薬品医療機器法における対応や、「AI戦略 2019」(令和元年6月 11 日 統合イノベーション戦略推進会議決定)を踏まえ、関係省庁にて予定している対応に加え、例えば公的研究において開発したAIについては、その人工知能モデルやアルゴリズムを評価・公開することや、世界中で開発されているスピードの速さを認識しつつ、評価する頻度をよく考えていく必要がある。
  • また、一方で、学習させるデータの質も重要である。例えば、ある遺伝子変異情報が、数年間で、病的ではないという評価から病的変異であるという評価に変更されることがある。このような、医学的な知見の進歩や診断基準等の変更に適切に対応できるよう、AIに学習させる教師データの選択は常に留意が必要であり、また、AIの活用に当たっては、どのような教師データにより学習したAIであるのかを理解することが重要である。この観点からも、関連する医学会や専門医等と連携した教師データの質の担保の枠組みが期待される。

(2-2)分野特有の課題

(a)重点6領域における取組

  • 本コンソーシアムでは、先の懇談会にて重点領域とされた6領域について、現在のAI開発状況についてヒアリングを行い、さらにAI開発を加速するために必要な取組ついて、議論を行った。
  • がんについては、(2-1)でも述べたとおり、パネル検査の保険適用に伴い、今後は、ゲノム情報及び臨床情報の収集・集積が開始されること、また本年から全国がん登録情報の第三者提供が開始されるなど、情報の利活用が進められていることとなっている。今後は、このような取組を着実に進めつつ、がんゲノム領域において課題となっている、診療情報を入力する現場の負担軽減等に関する取組等について、他領域へも横展開されることが期待される。
  • 医薬品開発については、創薬ターゲットの探索を始めとした研究開発から、承認申請、市販後の情報収集に至るまで、様々な段階においてAIの活用が期待されており、引き続き、公的研究機関と産業界での連携を進めるとともに、民間企業も広く活用できるような、オープンプラットフォームの構築が期待される。
  • 介護・認知症領域のAIについては現場からの要望が強い一方、現場のニーズに即したAI開発が必要であるとの意見もあり、また、現場への導入を進めるためには、いかにコストダウンして普及させるかも重要との意見もあった。これらの意見を踏まえ、介護・認知症領域については、現場のニーズを把握しつつ、介護従事者の負担軽減や質の高い介護サービスの提供に資するようなAIの導入を進めるとともに、必要な制度面、運用面の対応についても併せて検討することが期待される。
  • 手術支援については、外科領域におけるデータはまだアナログのものが多く、まずはこれらをデジタル化し構造化する取組を推進することが必要である。

(b)その他の個別領域

  • これまで議論がなされていなかった領域として、本コンソーシアムでは、新たに医療安全についても議論された。インシデントレポート等、構造化されていないデータから必要な情報を吸い上げ、医療従事者にアラートを鳴らすような仕組みが構築されれば、医療事故の防止に繋がるのではないかと期待される。薬剤の誤投与、人の取り違い、医療データの見落とし等の人為的なミスは一定の割合で必ず起きるものであることを認識しつつも、医療従事者の負担軽減が求められている中、医療の質と安全を保つためには、このような領域におけるAIの開発・利活用が期待される。
  • また、医療現場におけるインフォームドコンセントには多大な時間が必要とされている。こういった現状を踏まえ、例えば、基本的な情報提供等、比較的簡単な説明をAIが行い、AIでは対応できないような複雑な内容や人が説明すべきものについては医療従事者が直接対応する等、2段階で行うことも一案であるとされた。また、こういった技術を多言語対応にすることや、子どもや高齢者にも適用可能な仕様とすることで、海外展開や、幅広い年齢層にも対応するインフォームドコンセントが可能となる。また、カルテや看護記録等の音声入力は、医療従事者の負担軽減に資するだけでなく、医療従事者が患者と触れる時間を保つことにも繋がると期待された。
  • なお、今後も様々なAIの開発が進み、AIの利活用が期待される領域も拡大すると考えられることから、健康・医療・介護・福祉分野におけるAI開発の取組状況については、引き続き継続的な把握が必要と考える。

3.今後の方向性

  • AIの開発は世界中で行われており、その技術の進展と応用が加速度的に進んでいることを鑑みると、健康・医療・介護・福祉分野という幅広い分野においてAIの開発・利活用を推進するためには、どのような領域でどのようなAI開発が進められているか、その国内外の最新の情報を着実に把握しながら、各領域におけるロードブロックを把握しつつ、継続的に検討することが必要である。
  • 保健医療分野の中でAIを活用するメリットの一つとして、個別最適化が考えられる。これまでは個人差ととらえられていた事象が、AIによって様々なデータを解析することで、患者個人に適した治療法や薬剤の選択が可能なものだと分かれば、個々人に最適な医療の提供が期待される。
  • 保健医療分野におけるAIの開発・利活用を進めるに当たり、日本がアジアやその他諸外国においてイニシアチブを発揮することが期待される一方で、諸外国が行っている事例を単に日本も追いかけていくのではなく、日本独自の文化として、日本の良い制度や特徴のあるデータリソースの活用、あるいは高いセキュリティでデータの共有を可能にするネットワークの仕組み等を活かせるようなAIの開発を目指す必要がある。研究者や開発者も、海外での事例を参考にしつつも、日本としての保健医療分野におけるAIの活用方法を、研究や医療・介護現場等、あらゆる場面で作っていく必要がある。
  • 昨今のAI開発が加速度的に進化していくことを踏まえると、今回、幅広い領域で挙げられた課題について、次にどのようなアクションプランを立てて進めていくのか、継続的に検討し対応を進めていく必要がある。
  • また、本コンソーシアムにおけるロードブロックの議論の中で取り上げてきた医用画像関連データベースについては、日本医療研究開発機構(AMED)研究事業の成果として解決できた課題もある一方、関連する法律や各種指針等に係るもの等、引き続き、関係省庁において検討が必要な課題も多く残っているのが現状である。
  • そのため、今後は本コンソーシアムの下に例えばワーキンググループ(WG)を設置する等、継続的な情報収集と進捗状況の確認を行う体制を確立しつつ、本コンソーシアムにおいて引き続き検討を行うことが必要である。
  • また、政府として策定した「AI戦略 2019」においても、本コンソーシアムの議論に関連する内容が盛り込まれており、引き続き、政府全体の枠組みとも連携しながら、AI開発・利活用の加速を行っていくこととする。

参照

-デジタルヘルス

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