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医療・介護・健康分野のネットワーク化推進
一人ひとりを中心としたデータ統合
医療機関や介護施設に存在するデータは、個別の施設内で利用するために集められているものが多く存在します。
医療・介護・健康分野のネットワーク化を推進することで、地域の医療機関や介護施設間での効果的な情報共有や、地域を超えたデータ活用による患者等への適切な医療・介護サービスの提供が可能になると期待されています。
ゆくゆくは、国民一人ひとりを中心としたデータの統合による個々人に最適な健康管理・診療・介護を実現することが求められています。
EHRのクラウド化・双方向化
総務省により、2017年度(平成29年度)に、クラウド化・双方向化等による地域のEHR(Electronic Health Record)の高度化やEHR間の相互接続の際のセキュリティや運用ルールの検討がなされました。
2018年度(平成30年度)に、医療・介護・健康分野のネットワークを活用したサービスに係る実証事業を実施し、2019年度(令和元年度)に、レセプトデータを活用した診療支援モデルの構築等に向けた実証事業を実施されています。
EHRとPHRの情報連携
オンライン診療・遠隔医療
また、2018年度(平成30年度)診療報酬改定におけるオンライン診療料の新設等によりオンライン診療の普及が見込まれる中、総務省では、2018年度(平成30年度)、安全かつ効果的なオンライン診療実施モデルの構築に向けた実証事業を実施した。
2019年度(令和元年度)も、医師対医師(DtoD)の分野を含め、遠隔医療モデルの構築に資する実証事業等を実施し、今後は、当該成果を踏まえて「遠隔医療モデル参考書」として取りまとめが予定されています。
PHRサービスの普及展開
さらに、総務省において、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による研究事業として、2016年度(平成28年度)より3年間、ライフステージに応じたPHR(Personal Health Record)サービスモデルの開発及び本人に関する多種多様な情報の統合的な利活用を可能とする基盤的技術の確立を目的とした「パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)利活用研究事業」が実施されました。
今後、当該研究事業の成果も踏まえて、PHRサービスの普及展開に向けた取組が進められるとのことです。
医療・介護・健康分野における先導的ICT利活用研究推進
8K等の高精細映像技術は、映像を高い臨場感と実物感とともに伝えることができるため、医療分野において活用することにより、様々な領域で革新的な医療サービスが実現する可能性を有しています。
総務省により、「8K技術の応用による医療のインテリジェント化に関する検討会」が開催され、8K技術の医療応用を現実に進めていく上での可能性や課題について具体的に検討を行い、2016年(平成28年)7月に報告書がとりまとめられました。
報告書では、8K技術の具体的な活用シーンとして、内視鏡(硬性鏡)、顕微鏡を用いた手術・ライフサイエンス、病理診断を挙げているほか、医学教育や診断支援への高精細映像データの活用可能性についても言及されています。
報告書を踏まえ、総務省によって、AMEDによる研究事業として、2016年度(平成28年度より3年間、8K技術を活かした内視鏡(硬性鏡)システムの開発を行い、2019年度(令和元年度)以降は、開発した内視鏡の改良及び当該システムを応用した遠隔手術支援の実現に向けた研究開発が実施されます。
また、2017年度(平成29年度)から2019年度(令和元年度)までの3年間、高精細映像を学習させた人工知能(AI)を活用した診断支援システムの開発が実施されました。
また、2017年度(平成29年度)より3年間、自治体に蓄積されている健診・レセプトデータ、事例データ及びエビデンスデータ等を収集し、AIによる解析を行うことで、地域及び個人が抱える課題に応じ、適切な保健指導施策の提案を行う「AIを活用した保健指導システム研究推進事業」が実施されました。
2020年度(令和2年度)からは、高度な遠隔医療の実現に必要なネットワーク等の研究、AI・IoTを活用したデータ基盤開発が実施されます。
参考サイト
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd266120.html