ビジネス全般

新しい資本主義「成長戦略」

2022年1月3日

コロナ克服・新時代開拓のための経済対策

第3章 取り組む施策

Ⅲ.未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動

1.成長戦略

(1)科学技術立国の実現

① 科学技術・イノベーションへの投資の強化

コロナ後の新しい社会における成長を牽引する先端科学技術やイノベーションについて、民間による投資を促進するために予算・税制・規制改革等も含めた幅広い施策を国主導で講じ、科学技術立国を実現する。
世界最高水準の研究大学を形成するため、10兆円規模の大学ファンドを本年度内に実現する。本年度末目途に運用を開始し、世界に比肩するレベルの研究開発を行う大学の博士課程学生、若手人材育成等の研究基盤への大胆な投資を行う。財政融資資金の償還確実性の担保の観点から、償還期には過去の大きな市場変動にも耐えられる水準の安定的な財務基盤の形成を目指す。
また、世界と伍する研究大学に求められる、ガバナンス改革など大学改革の実現に向けて、新たな大学制度を構築するための関連法案の次期通常国会への提出を目指す。本ファンドの支援に当たっては、参画大学における自己収入の確実な増加とファンドへの資金拠出を慫慂しょうようする仕組みとし、世界トップ大学並みの事業成長を図る。将来的には、政府出資などの資金から移行を図り、参画大学が自らの資金で大学固有基金の運用を行うことを目指す。あわせて、科学技術分野において世界と戦える優秀な若手研究者の人材育成や質の高い国際共著論文の産出等を促進する。それらにより、世界最高水準の研究環境の構築や高等教育の質の向上を図る。
デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙、海洋等の分野における先端科学技術の研究開発・実証に大胆な投資を行い、民間投資を促進する。デジタル分野においては、光技術を使ったコンピューティングとネットワークをはじめ、次世代の通信インフラであるいわゆる6G(Beyond5G)などの開発を加速するとともに、デジタル社会を支えるデジタル人材の育成を図る。ライフサイエンス分野の強化を図るため、ワクチンや医薬品の国内での開発や創薬ベンチャーの育成、全ゲノム解析等実行計画の更なる加速・具体化に向けた措置を推進する。また、先端科学技術をはじめとする多様な分野に係る研究成果の活用や国際標準の戦略的な展開等により、国際競争力の強化に資する取組を進める。

  • 世界と伍する研究大学の実現に向けた大学ファンド<財政投融資を含む>(文部科学省、内閣府)
  • 博士後期課程学生の処遇向上と研究環境確保(文部科学省)
  • 科学研究費助成事業「国際先導研究」の創設による国際共同研究の抜本的強化(文部科学省)
  • 大学、国立研究開発法人等の施設・設備・教育研究基盤の整備(文部科学省)
  • 地域のイノベーション創出を促すための国の研究開発に係る機関や地域の中核大学の拠点整備(経済産業省)
  • 研究DXプラットフォームの構築(文部科学省)
  • デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業(文部科学省)
  • 健康・医療分野におけるムーンショット型研究開発事業(内閣府)
  • ムーンショット型研究開発制度(内閣府)
  • 次世代の人工知能技術の実現のための脳情報データ収集基盤の整備(総務省)
  • 衛星通信における量子暗号技術の研究開発(総務省)
  • 官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進(文部科学省)
  • ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成(文部科学省)【再掲】
  • ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(内閣府)【再掲】
  • 全ゲノム解析等実行計画及びロードマップ2021の確実な推進(厚生労働省)
  • 創薬ベンチャーエコシステム強化事業(経済産業省)【再掲】
  • イノベーション・グリーン・デジタル化等の推進のための金融支援<財政投融資>(財務省)
  • 衛星コンステレーションの利用実証等の宇宙開発利用の加速推進(内閣府)
  • 準天頂衛星システムの開発加速等(内閣府)
  • 国際宇宙探査「アルテミス計画」に向けた研究開発(文部科学省)
  • 北極域研究船の建造(文部科学省)
  • イノベーション創出・国土強靱化等に貢献する基幹ロケット・人工衛星の研究開発等(文部科学省)
  • 省エネ・高性能化の実現に向けた半導体集積回路の研究開発体制の強化(文部科学省)
  • ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(経済産業省)
  • Beyond5G研究開発促進事業(総務省)
  • 地域デジタル人材育成・確保推進事業(経済産業省)
  • 人材開発支援助成金によるデジタル人材育成・非正規雇用労働者支援(厚生労働省)
  • 標準の活用の推進に係る戦略策定及び加速化支援(内閣府)

② 2050年カーボンニュートラルの実現に向けたクリーンエネルギー戦略

我が国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言するとともに、2030年度の温室効果ガス削減目標として、2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるとの方針を示した。これらの目標の実現に向け、引き続き、グリーンイノベーション基金、投資促進税制、規制改革など、あらゆる政策を総動員する。

ア クリーンエネルギーへの投資

温暖化対策を経済成長の制約とする時代は終わり、積極的に対策を行うことで、産業構造や社会経済の変革をもたらし、次なる大きな成長につなげるという、経済と環境の好循環の実現を目指す。
こうした考え方の下、2035年までに新車販売で電動車100%を実現するため、購入補助や充電・水素充てんインフラの整備により、クリーンエネルギー自動車の集中的な導入を図る。あわせて、車載用蓄電池や半導体の国内生産基盤の確保に向けた大規模投資を促進するとともに、部品サプライヤー、SS(サービスステーション)、整備拠点等の事業再構築を支援する。また、CO2と水素の合成燃料(e-fuel)の技術開発・実証や水素インフラの充実等により、内燃機関の脱炭素化を推進するなど、水素社会の実現を図る。
再生可能エネルギーについては、主力電源として最優先の原則の下で最大限の導入に取り組む。このため、系統用蓄電池や水電解装置の導入、送電網整備の促進、再生可能エネルギーの地産地消に取り組む地域新電力等の事業環境整備を進めるとともに、地域との共生を図りながら、太陽光発電の導入拡大に向けた設備の整備を支援する。
さらに、再生可能エネルギーだけではなく、核融合を含む原子力や水素などあらゆる選択肢を追求して研究開発等を進めていく。また、将来にわたって安定的で安価なエネルギー供給を確保し、更なる経済成長につなげていくため、クリーンエネルギー戦略を策定する。

  • クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金等(経済産業省、国土交通省)
  • 蓄電池の国内生産基盤の確保のための先端生産技術導入・開発促進・認証拠点整備及び半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業(経済産業省)
  • 脱炭素社会における燃料安定供給対策事業(経済産業省)
  • 再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業及び大量導入に向けた次世代型ネットワーク構築加速化事業(経済産業省)
  • 再エネ調達市場価格変動保険加入支援事業費補助金(経済産業省)
  • 需要家主導による太陽光発電導入促進補助金(経済産業省)
  • PPA(Power Purchase Agreement)活用や再エネ×電動車の同時導入、計画づくり支援等による地域の脱炭素化・レジリエンス強化促進加速化事業(環境省)
  • 高効率廃棄物発電施設等の整備(環境省)
  • 水素、燃料アンモニア導入及びCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)適地確保体制構築事業(経済産業省)
  • 安全性向上等に資する革新的な原子力イノベーション事業(経済産業省)
  • 核融合発電の実現に向けた基幹技術の研究開発及び日本原子力研究開発機構の研究施設の高度化(文部科学省)
  • 温室効果ガス観測技術衛星等の技術高度化事業(環境省)

イ 国民のライフスタイル転換と企業の低炭素化支援等

我が国の温室効果ガス排出の約6割は家計関連であり、国民のライフスタイルの脱炭素化に向けた転換が重要である。このため、環境配慮行動へポイントを発行する企業や地域の取組を後押しする。また、断熱リフォーム支援や木造住宅の整備支援などZEH・ZEB(Net Zero Energy House 及びNet Zero Energy Building)等の取組を促進する。さらに、省エネルギー基準の適合義務化など住宅・建築物分野における脱炭素化に資する法案の次期国会提出を目指すとともに、住宅ローン減税のあり方やリフォーム税制の拡充・延長等について、令和4年度税制改正において結論を得る。あわせて、脱炭素化に資するまちづくりを推進する。

企業の低炭素化に向け、エネルギー多消費型産業における石炭火力自家発電の燃料転換や製鉄用設備の低炭素化等を支援する。また、海事・港湾・空港・鉄道等の分野における脱炭素化を推進する。加えて、我が国のグリーン国際金融センターとしての機能向上に取り組むとともに、AETI(Asia Energy Transition Initiative)を通じた、アンモニア、水素などのゼロエミッション火力への転換やCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会)における取組に率先して対応すべく、国際的な気候資金動員への貢献を行う。

  • 食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業(環境省)
  • 既存住宅の断熱リフォーム支援及び建物等の高機能換気設備導入・ZEB化支援(環境省、文部科学省)
  • 地域材の安定的な活用促進等を含む地域型住宅グリーン化事業(国土交通省)
  • 経済成長を支える脱炭素に資する都市インフラの整備(国土交通省)
  • 基礎素材産業の低炭素化投資促進に向けた設計・実証事業及びコンビナートの水素、アンモニア等供給拠点化に向けた支援事業(経済産業省)
  • 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(経済産業省)
  • 海事・港湾・空港・鉄道等の分野におけるカーボンニュートラルの推進<財政投融資を含む>(国土交通省)
  • グリーンボンド等の客観的な認証枠組みや情報プラットフォームの整備、サステナビリティに関する国際的な開示枠組みの策定推進(金融庁)
  • カーボン・クレジット取引市場の創設及びトップリーグの整備(経済産業省)
  • 新たなESGポリシーに基づく対外的な気候変動ファイナンスの推進(財務省)
  • 国際機関等を通じた途上国への脱炭素化・気候変動適応策支援(外務省、財務省)
  • アジアグリーン成長プロジェクト推進事業(経済産業省)

③ 我が国企業のダイナミズムの復活、イノベーションの担い手であるスタートアップの徹底支援

我が国経済の力強い成長を実現させるためには、要素技術の製品化・サービス化や、付加価値の高い新製品・新サービスの創出を促進するために、民の経営力の強化を進める必要がある。また、イノベーションの担い手であるスタートアップを徹底的に支援し、新たなビジネス、産業の創出を進めるとともに、高い付加価値を生み出す成功モデルを創出する必要がある。このため、スタートアップによる研究開発への支援を強化するほか、国内スタートアップの世界市場への展開や海外ベンチャーキャピタルからの投資の呼び込みを促進し、海外拠点都市との連携や国際比較等を通じて、スタートアップ・エコシステムの構築を支援する。また、税制措置等により、スタートアップと大企業等が協働するオープンイノベーションを促進する。加えて、スタートアップの国内での資金調達を改善する観点から、新規株式公開(IPO)プロセス及びSPAC(特別買収目的会社)制度の検討を進め、結論を得る。さらに、公正な競争を進めるための競争政策の強化、デジタル広告市場のルール整備等、環境整備に取り組む。

  • 地域の技術シーズ等を活用した研究開発型スタートアップ支援事業(経済産業省)
  • スタートアップ創出を含む新産業創出に向けたイノベーション・エコシステムの機能強化(文部科学省)
  • オープンイノベーション促進税制(経済産業省)
  • グローバルスタートアップ・アクセラレーションプログラムの実施・強化(内閣府)

(2)地方を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」

① テレワーク、ドローン宅配、自動配送、自動運転などデジタルの地方からの実装

デジタル技術の活用により、地域の個性を活かしながら、地方を活性化し、持続可能な経済社会を目指す「デジタル田園都市国家構想」を推進する。同構想実現のため、時代を先取るデジタル基盤を、公共インフラとして整備するとともに、これを活用した地方のデジタル実装を、政策を総動員して支援する。

地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていく。このため、ローカル5G、データセンター等、デジタルインフラの整備を進めるとともに、自動配送について、関連法案を提出する。また、デジタルを活用した、意欲ある地域による自主的な取組を応援するための交付金を大規模に展開し、テレワーク、ドローン宅配、自動運転等の更なる推進を図り、デジタルイノベーションを地方から実装する。加えて、魅力的なまちづくりを推進し、地方が抱える課題の解決を図るほか、国家戦略特別区域を活用したスーパーシティ構想の早期実現を図る。さらに、誰一人取り残さず、全ての国民がデジタル化のメリットを享受できるよう、デジタル活用に対する不安の解消に向けて、デジタル推進委員を全国に展開するなど、デジタルデバイド対策を推進する。

  • 携帯電話等エリア整備事業(5G等)(総務省)
  • 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証(総務省)
  • データセンターの地方拠点整備(経済産業省)
  • データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業(総務省)
  • デジタル田園都市国家構想関連地方創生交付金(デジタル田園都市国家構想推進交付金、地方創生テレワーク交付金、地方創生拠点整備交付金)(内閣府)
  • 地方創生テレワーク推進事業(内閣府)
  • 高度無線環境整備推進事業(総務省)
  • デジタル活用支援推進事業(総務省)
  • 3D都市モデルの整備等によるスマートシティ、スーパーシティの推進(国土交通省、内閣府)

② デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

官民のサービスの向上や業務効率化に向けて、デジタル庁を司令塔として、デジタル化・データ利活用を強力に推進する。具体的には、デジタル庁及び所管府省庁において健康・医療・介護、教育など準公共分野におけるデータの利活用を強力に推進するとともに、各種行政手続きのオンライン化、オンライン利用率を大胆に引き上げる取組並びに支払のオンライン化及びキャッシュレス化を推進するほか、自治体情報システムの標準化・共通化に向けた環境整備等に取り組む。教育分野については、GIGAスクール構想の一層の推進等により、教育のICT環境の整備等に取り組むとともに、オンラインを活用し、個に応じた学びを実現するとともに、大学・高校設置基準等の見直しにより、質の高い教育を実現する。医療分野については、オンライン診療、オンライン服薬指導、電子処方箋という医療DXの基盤を整備することにより、利用者・患者それぞれの状況に応じた医療へのアクセスを可能とする。交通・物流・インフラ分野等においてもDXを推進する。また、デジタル時代に対応した簡素で一元的な権利処理が可能となるような著作権制度を実現する。こうした取組を通じて、デジタルの力を取り込み、地方から新しい時代の成長を生み出していく。

また、マイナンバーカードの普及を促進するとともに、消費喚起や生活の質の向上につなげるため、マイナンバーカードを活用して、幅広いサービスや商品の購入などに利用できるマイナポイント(1人当たり最大2万円相当)を付与する。具体的には、(ⅰ)マイナンバーカードの新規取得者に最大5,000円相当のポイント、(ⅱ)健康保険証としての利用登録を行った者に7,500円相当のポイント、(ⅲ)公金受取口座の登録を行った者に7,500円相当のポイントを付与する。あわせて、DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)の推進、利用料の透明化によるキャッシュレス利用環境の整備を図るなど、新たなルール整備を推進する。

さらに、デジタル臨時行政調査会において、デジタル社会にふさわしい国や地方の制度の在り方や、徹底すべき「デジタル原則」の策定等、デジタル改革、規制改革、行政改革に係る横断的課題の一体的な検討・実行を進めていく。

  • 準公共分野デジタル化推進事業(デジタル庁)
  • 自治体情報システムの標準化・共通化に向けた環境整備(対象業務の追加に伴う要求)(総務省)
  • 個別最適な学びを実現するためのGIGAスクール構想の推進(文部科学省)
  • 医療DXの基盤構築(厚生労働省)【再掲】
  • 障害福祉分野のロボット等導入支援事業(厚生労働省)
  • マイナポイント第2弾(総務省、厚生労働省、デジタル庁)【再掲】
  • マイナンバーカードの普及促進に係る対応策強化(総務省)
  • マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載システム等構築事業(デジタル庁)
  • マイナポータルのデジタル基盤の機能整備等(デジタル庁)
  • 公金受取口座登録制度推進事業(デジタル庁)
  • 高速道路料金の大口・多頻度割引の拡充措置の延長(国土交通省)
  • デジタル化による行政の業務効率化及びサービス向上(デジタル庁等)

③ 地方活性化に向けた積極的投資

地方活性化に向けて、地域経済を支える農林水産業や観光業のコロナ禍からの再生を支援するのみならず、ポストコロナを見据えて、これら産業の中長期的な成長を推進することが重要である。中小企業等についても同様であり、足元の経営課題に対応しつつ、中小企業等の事業再構築や生産性向上を後押ししていく。

ア 農林水産業の活性化

新型コロナウイルス感染症の影響による外食産業の落ち込みに伴い、農林水産物への需要も大きく減退した。これに対応するため、Go Toイート事業等を通じて需要喚起を図るとともに、米については、15万トンの特別枠を設けて保管や販売促進等の支援を行う。

その上で、農林水産業を地域の成長産業とするため、来年1月1日に発効する予定のRCEPをはじめTPP11や日EU・EPAをチャンスと捉えて輸出力強化を図り、2025年に2兆円、2030年に5兆円の農林水産物・食品の輸出目標の達成を目指す。具体的には、輸出産地・事業者の育成、品目団体の組織化に向けた取組の強化、戦略的サプライチェーンの構築支援、加工食品輸出に取り組む中小事業者への支援等を行う。あわせて、森林の若返り促進や木材の国際的な需給の逼迫状況に対応するため、再造林や木材製品の供給力強化、輸出・消費拡大等に取り組むとともに、農業や漁業におけるデジタル技術の実装等を通じたスマート化を生産現場で推進し、若者にとっても魅力のある産業としていく。また、持続可能な食料システムの構築に向け、みどりの食料システム戦略を推進する。日本産酒類についても、消費喚起と販路拡大を推進する。

農林水産業の生産基盤の強化を図るほか、農業・農村が持つ多面的機能の維持のため、中山間地域といった条件にかかわらず、農業者等の所得確保・向上等を推進するとともに、生産コストの上昇や生産物価格の低落による影響の緩和等に取り組む。また、農林水産業の高収益化を図るため、米から収益性の高い作物への転換等を支援するほか、農地の集積・集約化や漁業構造改革の実証の取組等を推進する。さらに、農林水産業の担い手の育成・確保のため、新規就業者の研修や女性の就農環境の改善等を支援する。

  • グローバル産地づくり緊急対策(農林水産省)
  • マーケットイン輸出ビジネス拡大緊急支援事業(農林水産省)
  • 産地生産基盤パワーアップ事業(農林水産省)
  • 畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(農林水産省)
  • 食肉等流通構造高度化・輸出拡大事業(農林水産省)
  • 木材産業国際競争力・製品供給力強化緊急対策(農林水産省)
  • 水産物輸出促進緊急基盤整備事業(農林水産省)
  • 水産業競争力強化緊急事業(農林水産省)
  • スマート農業技術の開発・実証・実装プロジェクト(農林水産省)
  • みどりの食料システム戦略緊急対策事業(農林水産省)
  • 日本産酒類の販路拡大・消費喚起等推進事業(財務省)
  • コロナ影響緩和特別対策(農林水産省)【再掲】
  • 中山間地域所得確保対策(農林水産省)
  • 漁業収入安定対策事業、漁業経営セーフティーネット構築事業(農林水産省)【再掲】
  • 配合飼料価格高騰緊急対策(農林水産省)
  • Go Toイート事業(農林水産省)【再掲】
  • 新市場開拓に向けた水田リノベーション事業(農林水産省)
  • 農地の更なる大区画化・汎用化の推進、集積・集約化の加速化(農林水産省)
  • 農林水産業の担い手の育成・確保(農林水産省)

イ 観光立国の復活

コロナ禍の影響を強く受けた観光業の立て直しを図るとともに、ウィズコロナを前提とした旅行ニーズの変化やデジタル化に対応した事業再構築を支援していく。

具体的には、全国の感染状況やワクチン接種証明等の活用に関する技術実証の結果を踏まえつつ、Go Toトラベル事業を再開し、観光需要の喚起を図る。同事業の再開までの間についても、感染状況や地域の要望を踏まえ、地域観光事業支援の継続や隣県に支援対象の拡大を図るなど、切れ目のない支援を行う。また、地域のバスや鉄道におけるキャッシュレス決済の導入支援等、地域公共交通への事業支援に取り組むとともに、国内外の移動再開等に向けた交通機関等の感染防止対策や水際対策に万全を期す。

また、ポストコロナの観光業の力強い成長のため、地域一体となった観光地の再生・高付加価値化に向けた宿泊施設等の改修やDXを活用した観光地経営の改善等を支援するとともに、地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出を推進する。さらに、来るべきインバウンドの回復に備え、反転攻勢の基盤を構築するため、訪日外国人旅行者の受入環境を整備するとともに、空港・港湾など広域交通拠点にアクセスする道路ネットワークや地域交通の安定的確保に資するインフラを整備し、国立公園の利用環境の整備を含む自然環境を活かした地方活性化に取り組む。空港等の分野では、PPP/PFIなどの官民連携手法を通じて民間の創意工夫を最大限取り入れる。

2025年大阪・関西万博については、世界中の人々に「夢」と「驚き」を与えるような国際博覧会とするべく、必要な経費を確保し、円滑に準備を進める。

  • Go Toトラベル事業(観光・運輸業消費喚起事業給付金)(国土交通省)【再掲】
  • 地域観光事業支援(需要喚起支援)(国土交通省)【再掲】
  • 地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化(国土交通省)
  • 地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出(国土交通省)
  • 沖縄観光サービスの新たな視点からの高付加価値化(内閣府)
  • 訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業(国土交通省)
  • 観光DX推進緊急対策事業(国土交通省)
  • 地域のくらしを創るサステイナブルな地域公共交通の実現(国土交通省)
  • 生産性向上に資する道路ネットワークの整備等(国土交通省)
  • 民間資金等活用事業調査費補助金(PPP/PFI案件化促進)(内閣府)
  • 条件不利地域における地方活性化(離島、豪雪地帯、半島、奄美、小笠原)(国土交通省)
  • 地域観光等の拠点や多様な世代の集いの場を創出するコンパクトでウォーカブルなまちづくり等の実現(国土交通省)

ウ 文化芸術立国の推進とスポーツの振興

文化芸術は、豊かな人間性を涵養し、創造力と感性を育むなど、人間が人間らしく生きるための糧となるものである。このような認識の下、新型コロナウイルス感染症により制限を受けた文化芸術活動等の再開を支援するのみならず、文化芸術立国の実現等に向けて、地域の文化、芸術及びスポーツへの支援強化に取り組む。具体的には、地域の伝統行事等の伝承支援や文化財の保存・活用支援、文化施設の整備に加え、文化芸術やスポーツに関するイベントにおける感染拡大防止対策を支援する。さらに、今後の新しい成長を実現するため、コンテンツ産業の海外展開支援や日本文化の国内外への魅力発信、日本国内におけるグローバルなアート市場の形成に取り組むとともに、著作物の利用円滑化、適切な対価還元に向けた方策の検討を行う。

  • イベント需要喚起事業(経済産業省)【再掲】
  • コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業(経済産業省)【再掲】
  • 安全で安心な地域スポーツ施設の整備(文部科学省)
  • 観光再開・拡大に向けた文化観光コンテンツの充実事業(文部科学省)
  • ウィズコロナにおける日本博事業(文部科学省)
  • 地域の伝統行事等のための伝承事業(文部科学省)
  • 子供の文化芸術の鑑賞体験等総合パッケージ(文部科学省)
  • コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業(ARTS for the future!等)(文部科学省)【再掲】
  • 文化施設の活動継続・発展等支援事業(文部科学省)【再掲】

エ 中小企業等の足腰強化と事業環境整備

新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国経済は戦後最大の落ち込みを記録した後、持ち直しの動きが続いているものの、依然として厳しい状況に置かれている中小企業等が数多く存在する。他方、中小企業等が抱える資金繰りなどの足元の喫緊の経営課題に対応するのは当然として、今回の危機を古い経済社会システムから脱却して「新たな日常」への構造変化を図るチャンスと捉え、中小企業等の足腰強化と質の高い雇用の創出を図っていくことが重要である。

このため、中小企業等のグリーン・デジタル分野を含めた成長を後押しすべく、売上減少要件の緩和や特別枠の設定など拡充を図ることにより、新分野展開、業態転換など思い切った事業再構築の取組や生産性向上に資する設備投資、IT導入、販路開拓等を支援する。また、今後、事業再編・再生支援のニーズが高まることに備え、事業再構築補助金も活用しつつ、事業承継・引継ぎ、事業再生等を支援する。加えて、海外需要の取り込みによる中小企業等の収益拡大を図るとともに、中小企業等の生産基盤強化のため、物流等のインフラ整備を行う。
事業者の経営課題を設定することにより、真に必要な事業者に支援策が届くようにするため、新たに開発する研修プログラムを受講した支援者による伴走支援を実施するほか、地域金融機関による面的・一体的な地域の中小企業のDX推進を含め、事業者支援機関の支援能力の向上を図る。また、地域の企業・産業のDXを加速させるため、必要なデジタル人材を育成・確保するためのプラットフォームを構築するとともに、デジタルスキル標準を整備する。

コロナ禍による債務過剰の問題に対しては、「『自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン』を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則(令和2年10月策定)」に基づく円滑な債務整理の支援を行う。また、中小企業の私的整理等のガイドラインを本年度内に策定し、来年度から運用を開始するとともに、倒産時の個人破産を回避するため、経営者保証に関するガイドラインの内容を明確化し、活用を促す措置を検討する。加えて、事業再構築のための私的整理円滑化のための法制整備の検討を進める。
さらに、事業環境全体の改善を図るため、下請取引に対する監督体制強化等に取り組むとともに、我が国の国際金融センターとしての機能向上等、市場環境の整備に取り組む。

  • 中小企業等事業再構築促進事業(経済産業省)
  • 中小企業生産性革命推進事業(経済産業省)
  • 中堅・中小企業の海外展開等を通じた地域活性化支援事業(経済産業省)
  • デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業(経済産業省)
  • 国際コンテナ・バルク戦略港湾や、地域の基幹産業の競争力強化等のための港湾整備(国土交通省)
  • 事業環境変化対応型支援事業(経済産業省)
  • 地域金融機関等による人材マッチング等支援(金融庁、内閣府)
  • 中小企業再生支援事業(経済産業省)【再掲】
  • 中小企業経営力強化支援ファンド・中小企業再生ファンド(経済産業省)【再掲】
  • 認定支援機関を活用した経営改善支援の促進(経済産業省)
  • 中小企業の私的整理等のガイドラインの策定等(経済産業省、金融庁)
  • 地域金融機関・支援機関の連携・協働による中小企業等の経営改善・事業再生・事業転換支援等の推進(金融庁)
  • 自然災害や新型コロナウイルス感染症の影響を受けた個人・個人事業主の債務整理支援(金融庁)【再掲】
  • 経営者保証に依存しない融資の促進(経済産業省、金融庁)
  • 銀行等向け資本規制の柔軟な運用を通じた事業者支援に資する貸出余力の確保(金融庁)
  • 下請取引適正化・監督体制強化(公正取引委員会、経済産業省)
  • 新市場開拓支援事業(酒類業)(財務省)
  • 海外金融事業者・金融人材をワンストップでサポートする「金融創業支援ネットワーク」の強化や、拠点開設サポートオフィスにおける英語での対応対象の拡大(金融庁)
  • 地域デジタル人材育成・確保推進事業(経済産業省)【再掲】
  • 日本政策金融公庫等による設備投資等を促す金融支援(財務省、経済産業省、内閣府)

④ 地方交付税の増額

地方公共団体が、本経済対策の事業や本経済対策に合わせた独自の地域活性化策等を円滑に実施できるよう、令和3年度の地方交付税を増額する。

(3)経済安全保障

安全保障と経済を横断する領域で様々な課題が顕在化する中、自律性の確保と優位性ひいては不可欠性の獲得に向けて、経済安全保障に係る施策を総合的・包括的に進める必要がある。このため、我が国の経済安全保障を推進するための法案を策定するとともに、戦略技術・物資の特定、技術の育成、技術流出の防止等に向けた取組を推進する。

戦略的な産業基盤を国内に確保するため、半導体、ワクチン・治療薬等の製造拠点整備を促進する。我が国の技術的優位性を確保・維持するため、先端的な重要技術に係る研究開発や実用化を支援する。特に、経済安全保障強化に向けて新たな枠組・取組が進展していく中で5,000億円規模とすることを目指し、本年中に活動を開始するシンクタンク機能も活用しながら、新たに実用化に向けた強力な支援を開始する。これらの経済安全保障上の課題に対し、基金を造成・活用し、中長期的視点で取り組む。デジタル社会の基盤となる先端半導体に関する国際共同開発や、生産工場の国内立地を促進するための基金設置を含めた法的枠組みを構築するとともに、サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の国内拠点工場の生産性向上や災害対応強化に資する設備刷新を支援する。国際競争で優位に立つために、標準を含む知財戦略を強化する。基本的価値やルールに基づく国際秩序の下で国際連携も図りつつ、レアアースを含む重要鉱物等について必要な調査を実施すること等により、重要物資の安定供給の確保、サプライチェーンの強靱化等を図る。

あわせて、次世代データセンターの地方分散・最適配置を推進するとともに、官民のサイバーセキュリティ環境・対応能力を強化する。

  • 先端半導体の国内生産拠点の確保(経済産業省)
  • 先端半導体の国内生産を促進するための金融支援<財政投融資>(経済産業省)
  • ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業(経済産業省)【再掲】
  • 新型コロナウイルスワクチン開発支援等事業(厚生労働省)【再掲】
  • 新型コロナウイルス感染症治療薬の確保(厚生労働省)【再掲】
  • 医薬品安定供給支援事業(厚生労働省)
  • 経済安全保障重要技術育成プログラム(ビジョン実現型)(内閣府、文部科学省、経済産業省)
  • ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(経済産業省)【再掲】
  • 標準の活用の推進に係る戦略策定及び加速化支援(内閣府)【再掲】
  • サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業(経済産業省)【再掲】
  • 日本企業進出先国等における責任ある企業行動の促進(外務省、経済産業省)
  • 経済安全保障に資する重要鉱物資源のサプライチェーン構築のための支援(外務省)
  • データセンターの地方拠点整備(経済産業省)【再掲】
  • データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業(総務省)【再掲】
  • サイバー攻撃インフラ検知等の積極的セキュリティ対策総合実証(総務省)
  • 衛星通信における量子暗号技術の研究開発(総務省)【再掲】
  • 重要土地等調査法の円滑な執行(内閣府、デジタル庁)

参照

コロナ克服・新時代開拓のための経済対策(令和3年11月19日閣議決定)第1&2章

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