ビジネス全般

特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令案(概要)

特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令案について

令和3年8月
特許庁

Ⅰ.省令案の趣旨

特許法等の一部を改正する法律(令和 3 年 5 月 21 日法律第 42 号。以下「改正法」という。)の一部の施行に伴い、並びに関係法令の規定に基づき、及び関係法令を実施するため、特許法施行規則(昭和 35 年通商産業省令第 10 号)等関係省令について所要の改正を行う。

Ⅱ.省令案の概要

1.改正法の施行に伴う関係省令の整備に関する省令案

(1)口頭審理のオンライン化に伴う手続規定の整備

改正法において、特許無効審判等における口頭審理等に関して、当事者及び参加人がウェブ会議システム等を通じて手続を行うことができることとした(特許法第 145 条第 6 項及び第 7 項等関係)。

これを踏まえ、ウェブ会議システム等を通じた手続の実施に関する審判長の審理指揮の内容を定める等、各種規定を整備する(特許法施行規則第 51 条の 2 等関係)。

(2)割増特許料等の免除に係る手続規定の整備

改正法において、特許権者が不責事由により納付期間に特許料の納付をすることができないときは、割増特許料の納付を免除する規定を設け、実用新案法、意匠法、商標法においても同旨の改正を行った(特許法第 112 条第 2 項ただし書等関係)。

これを踏まえ、不責事由により特許料又は登録料の納付をすることができなかった旨の申出の方法及び必要な手続の期限を定める規定を新設する(特許法施行規則第 69 条第 4 項及び第 5 項等関係)。

(3)現金予納に関する手続規定の整備

改正法において、特許印紙による予納(以下「印紙予納」という。)を廃止し、現金による予納(以下「現金予納」という。)に切り替えることとした(工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(以下「特例法」という。)第 14 条及び第 15 条関係)。

これを踏まえ、印紙予納を前提としていた特例法施行規則様式第 35 を現金予納を受け付けるための記載事項に修正する等、各種規定及び様式の整備を行う。

なお、印紙予納については、改正法第 1 条第 3 号に掲げる規定の施行日から起算して 2 年を超えない範囲内において政令で定める日までの間はなおその効力を有することから、現行の予納書様式についても一定の併用期間を設けるべく、同日までなおその効力を有する経過措置を設ける。

(4)国際意匠登録出願に係る登録査定の謄本の送達見直しに関する規定の整備

改正法において、国際意匠登録出願の登録査定について、WIPO の国際事務局(以下「国際事務局」という。)を経由して海外の出願人に通知することで、当該査定の謄本の送達に代えることができることとし、具体的な通知手段は経済産業省令に委任した(意匠法第 60 条の 12 の 2 関係)。

これを踏まえ、現状も国際事務局を経由して出願人に通知している保護付与声明に添付する形で通知することとする規定を新設する(意匠法施行規則第 13 条の 2 関係)。

(5)その他

改正法の施行に伴い、関係省令についてその他の必要な改正を行う。

2.特許法施行規則及び意匠法施行規則等の一部を改正する省令案

(1)国際意匠登録出願における優先権書類の提出及び電子的交換に関する規定の新設

日本を指定締約国とする意匠の国際出願についての優先権書類は、国際公表の日(国際登録の日から原則 6 か月後)から 3 か月以内に日本国特許庁長官に宛てて書面で提出することとなるが、国際出願の願書との提出時期・提出先の相違や、今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国際郵便の引受け停止により、優先権書類の送付ができなかった又は困難となる事例が生じている。また、同期間内に WIPO のデジタル・アクセス・サービス(以下「DAS」という。)を利用するための所定の手続をすることにより優先権書類の提出に代えることができるが、優先権主張の基礎となる出願をした国が DAS 参加国でない場合は、それができない。

上記の課題を踏まえ、国際意匠登録出願の出願人が、国際出願と同時に優先権書類を国際事務局に提出することを可能とするとともに、提出された優先権書類について、国際事務局との電子的交換を可能とするために、意匠法施行規則第 19 条第 3 項において特許法施行規則の読替規定を追加する。

(2)手続書面において旧氏併記を可能とするための規定の改正

特許出願やこれに関連する手続等の書面に記載する自然人の氏名については、戸籍上の氏名を記載すべきであるところ、ユーザーからは、発明者等の氏名は、旧氏の記載を可能とするよう要望が寄せられていた。

近年では住民票やマイナンバーカード、運転免許証、旅券等の公的証明書においても旧氏併記を認めていることから、社会情勢の変化等も踏まえ、特許法等に定める手続書面に記載する氏名について、旧氏を氏に続いて括弧書きで併記することを可能とするよう規定を整備する(特許法施行規則第 1 条第 4 項等関係)。また、特許庁長官等が必要と認めるときに、旧氏を証明する書面の提出を命ずることができる根拠規定を整備する(特許法施行規則第 1 条第 5 項等関係)。

(3)その他

現行の実務の実態に照らしてその他必要な形式的改正を行う。

Ⅲ.スケジュール

令和 3 年 10 月 1 日(金) 施行予定

参照

-ビジネス全般

© 2024 RWE