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リスキリングとは

リスキリングとは、英語表記ではReskilling、Re-skillingです。もともと職業能力の再開発、再教育という意味合いで使われてきた言葉です。

リスキリングに関する世界的な潮流

世界的には、AIブーム到来と時を同じくして、数年前からリスキリングへの注目が高まっています。

世界経済フォーラム

世界経済フォーラム(World Economic Forum, WEF)が発行したレポート「Towards a Reskilling Revolution(2018年1月22日)」の試算によると、デジタル化の進展で仕事が大きく変化しても、組織的にリスキリングに取り組めば、失職する恐れのある人々の95%が新しいキャリアに就けるとされています。一方、何もしなければその数字は2%に留まり、何も対策しなかったらほとんどが失職してしまう恐れがある、ということですね。

アメリカ

2018年7月、トランプ大統領は民間企業に向けて“Pledge to America's Workers(労働者への誓約)”を提唱し、2025年までに従業員にリスキリングやアップスキリングの機会を提供するよう、企業の賛同と署名を呼び掛けました。既に400以上の企業がこれに署名し、各社がリスキリング機会を提供する人数の合計は1600万人を超えます。署名企業にはApple、FedEx、Ford、HP、IBM、Mastercard、Walmartなどの米国企業はもちろん、Canon、Samsung、Shell、Toyotaなど米国以外の企業の米国法人も含まれています。

ヨーロッパ

ヨーロッパでも、EUを中心に労働者のリスキリングの取り組みが進んでいます。

例えば、2016年より、読解、筆記、計算、コンピュータの基礎的スキルがない成人に、既存能力のアセスメントと実情に即したスキル習得機会を提供する取り組みが始まっています。

デジタルスキルに関しては、The Digital Europe Programme というEUがファンディングしているプログラムが始まっています。

リスキングに必要な環境・サービス

リスキリングには、新しい職務で必要となるスキルの可視化と、それらのスキルを短期間で習得できるプログラムが必要です。

新しい職務で必要となるスキルの可視化

「新しい職務で必要となるスキルの可視化」に関わる企業として、SkyHiveや pymetricsがあります。大きく分けて、次のようなサービスが重要です。

  • 労働市場で需要が高まっている職務とそれに必要とされるスキル労働市場データから明確化
  • 顧客企業の従業員が持つスキルセットの分析
  • 新しい職務に移行しやすい人材や、その人が新しい職務に就くために習得すべきスキルの特定

スキルを短期間で習得できるプログラム

短期間でスキルを習得できる実践的なプログラムを提供している企業として、次のようなものがあります。

技術的失業(Technological Unemployment)とリスキリング

技術的失業(Technological Unemployment)とは、テクノロジーの導入によりオートメーションが加速し、人間の雇用が失われる社会的課題を指します。

オートメーションの加速、そして労働力のデジタル化に伴う「技術的失業」トレンドは、聖域なくあらゆる業種や業務形態に程度の差はあれ強まって来ています。

解決策の1つとして期待されているのが、デジタル社会に対応した労働力の再教育、すなわちリスキリングの導入です。

日本社会としても、デジタル人材へのスキル転換に向けてリスキリングを広く実施し、人々の雇用を維持する具体的なアクションを起こす必要性が高まっています。何も対応しない場合、技術的失業はますます加速し、所得格差の拡大などへとつながることもあるでしょう。リスキリングは個別企業の課題であるだけではなく、社会全体で取り組むべき課題とも言えます。

デジタルと切り離せない社会は既に一部では到来済です。今はまだデジタル化の波があまり来ていない業種・業態においても、今後まもなく「デジタルと切り離せない」状態は間違いなく来ます。新しい社会の到来に向けて、リスキリングへの意識を社会全体で高め、継続的な学習とスキル更新の習慣を獲得することが、将来的な技術的失業の脅威に対する最大の対策となるでしょう。

 

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