ビジネス全般

社会保障分野の改革工程表におけるエビデンス構築の進捗(令和3年11月5日)

社会保障:予防・健康づくりの推進

1.特定健診

エビデンス構築の進捗状況

  • 大規模実証事業(特定健診・保健指導)において、諸外国における予防・健康づくりに係るエビデンスレビュー(文献検索)を実施。
    • USPSTF(米国予防医学専門委員会)による文献検索の結果、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満に対するスクリーニング検査・生活指導介入が高く推奨されていることを確認。
  • 大規模実証事業(特定健診・保健指導)において、NDBデータを用いて特定保健指導が健診結果に与える影響を、回帰不連続デザインを用いて推定。
    • 体重・HbA1cについては統計学的に有意な減少が認められたが、収縮期血圧・LDLコレステロールについては改善傾向を示しているものの、有意差が認められなかった。
    • 効果的に特定保健指導を実施するための実施方法等の見直しの必要性が指摘された。
  • 特定保健指導について、第三期(2018年~)より「介入成果に着目したアウトカム指標(腹囲2㎝以上、体重2kg以上の改善)に基づいた「モデル実施による積極的支援」を新たに導入。

今後の予定

  • 特定健診・保健指導について、大規模実証事業において、医療費適正化及び健康増進双方の観点から検証を行っており、事業効果及び事業目的について明確化を図る。
    • 特定保健指導の実施率が高い保険者等の保健指導内容を、アンケートやヒアリングを通じて実証フィールドで収集し、特定健診・保健指導の効果的な実施方法を検証
    • 特定保健指導について、従来の指導方法による効果と、アウトカム指標を導入したモデル実施による効果等を、NDB等のデータを用いて定量的に比較することを検討中。
    • 受診者の行動変容につながり、成果が出たことを評価する方向(アウトカム評価の導入、保健指導内容の見える化など)(11月に検討会を立ち上げ予定)
  • その上で、特定健診・保健指導のあり方の見直しを検討する。

社会保障:医療・福祉サービス改革

2.医療費適正化の取組

エビデンス構築の進捗状況

  • 後発医薬品の使用促進については、保険者ごとの取組(例:差額通知、パンフレットの配布)の有無が、保険者ごとの後発医薬品の使用割合にどの程度寄与しているのか、重回帰分析などの統計解析を実施中。
    • 取組の有無:保険者データヘルス全数調査
    • 後発医薬品の使用割合:NDBデータ

今後の予定

  • 重複投薬、多剤投薬の防止などの医療費適正化効果については、先行研究のレビューを実施するとともに、保険者の取組の効果の定量的な分析のために必要なデータの定義付け・収集方法を、引き続き検討する。
  • 効果的な医療費適正化の取組を確認し、2024年度からはじまる第4期医療費適正化計画の策定に向けた検討に反映していく(2021年7月の医療保険部会で議論を開始)。

その他

3.医療扶助

エビデンス構築の進捗状況

○医療扶助のガバナンス強化に向けた保健医療施策との連携等に関する調査分析等

医療扶助について、そのガバナンス強化に向けた保健医療施策との連携及び地域における効果的な健康管理支援等の実施を図るため、

①調査研究事業により、令和3年1月に施行された被保護者健康管理支援事業の全国の取組状況を把握するとともに、健康管理支援に関する保健医療施策全般との連携に係る好事例を収集しつつ、今後の他制度との連携・協働の在り方について検討予定。(令和3年度末取りまとめ予定)

②NDBデータを活用し、医療扶助と医療保険加入者の医療費の地域差分析及びそれぞれの地域差に与える要因(年齢構成・疾病分類等)の比較分析を実施予定。(令和3年度中)

今後の予定

  • ①の検討結果を踏まえ、中期的に医療扶助のガバナンス強化の観点も考慮しつつ、必要な対応を検討。
  • ②の分析結果について、都道府県等に対しその活用方策も含め提供し、データを活用した健康管理等の取組を推進。

参照

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