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外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ(案)

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第1 基本的な考え方

我が国における在留外国人は増加傾向にあり、リーマンショックや東日本大震災の影響による一時的な減少は見られたが、令和元年末には約293万人と過去最高となった。その後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、在留外国人は若干減少したが、令和3年12月末現在においては約276万人(我が国の総人口に占める割合は2. 18 %%)となっており、30年前の約128万人 と比べると 約2.15倍と大幅に増加(約148万人増加)している。最近は、南米諸国出身日系人等(以下「日系人等」という。)に加え、アジア諸国出身の外国人が大きく増加しており、国籍・地域の多様化が進んでいる。外国人労働者数 も 、令和 3 年 10 月末において 約 173 万人と 、新型
コロナウイルス感染症の感染拡大の影響下においても、過去最高 となっている 。

在留外国人の増加、 特に、平成2年の改正入管法の施行を契機とした日系人等の増加及びそれに伴って生じた様々な課題等を踏まえ、地方公共団体において必要に迫られて地域社会の構成員の一員として受け入れるための各種施策が実行されてきた。また、政府においても、平成18年12月に「『生活者としての外国人』に関する総合的対応策」を取りまとめるなどし、外国人が社会の一員として日本人と同様の公共サービスを享受するなど、各種受入れ環境の整備に努めてきた。

また、平成30年7月24日には、新たな在留資格を創設すること を踏まえて、 「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」が閣議決定され、 関係 府省庁が連携を強化し、地方公共団体とも協力しつつ、外国人の受入れ環境の整備を効果的・効率的に進めることとした。

あわせて、 外国人との共生社会の実現に向けた環境整備等について、 政府が一体と な って総合的な検討を行うため 、 関係行政機関の緊密な連携の下、 「外国人材の受入れ・共生のための 関係閣僚会議 」 (以下「関係閣僚会議」という。 を 設置 し 、 「『生活者としての外国人』に関する総合的対応策」を抜本的に見直し、平成 30 年 12 月 25日、 日本人と外国人が 安全・ 安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的として 、「外国人材の受入れ・共生のための 総合的対応策 」(以下「総合的対応策」という。)(平成 30 年 12 月 25 日関係閣僚会議決定) を 取りまとめ た。

総合的対応策は、改訂を重ねながら内容の充実が図られており、外国人との共生社会の実現のための方向性を示すものとして、我が国社会に定着しつつある が 、 短期的な課題への対応にとどまっている。

そこで、政府においては、 外国人との共生 社会 の在り方、その実現に向けて取り組むべき中長期的な課題について調査し、関係閣僚会議に意見を述べることを目的として、令和3年1月 29 日、「外国人との共生社会の実現のための有識者会議」(以下「有識者会議」という。)の開催を決定した。 有識者会議 では 、 出入国在留管理庁が実施する関係者ヒアリング(以下「関係者ヒアリング」という。)の結果を踏まえつつ、共生社会の在り方、その実現に向けて取り組むべき中長期的な課題について、様々な観点から御議論いただいた。その議論の結果を取りまとめた意見書が同年11月29日に関係閣僚会議の共同議長である法務大臣に提出された。この意見書を踏まえ、 政府において、 我が国の目指すべき共生社会のビジョン、その実現に向けて、令和 8 年度 まで を対象期間とした 中長期的な 課題及び具体的施策を示すロードマップを策定し、政府一丸となって外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を一層推進して いくこととしたものである。

第2 目指すべき外国人との共生社会 のビジョン

有識者会議から提出された意見書を踏まえ、政府 として 中長期的に取り組んでいく姿勢として、 次のような 外国人との 共生社会を目指す。

〔3つのビジョン〕

① これからの日本社会を共につくる一員として外国人が包摂され、全ての人が安全に安心して暮らすことができる社会

外国人の中には、我が国において生活するために必要な日本語を理解し、使用する能力や、我が国の税や社会保障等の社会制度に対する理解が十分でない人も存在する。こうした能力や理解を十分に身に付けてもらうため、日本語を習得する機会 の提供、我が国の社会制度等に関する情報提供に係る取組を充実させていく必要がある。

外国人に対する支援を行うに当たっては、言葉の壁等、外国人の多くが直面する様々な困難性に配慮し、国や地方公共団体、 民間支援団体等の関係機関が連携・協力し、外国人の置かれている状況や支援ニーズを把握し、外国人の立場に寄り添った支援をする必要がある。 こうした取組に おいては 、 「外国にルーツを持つ者」にも配慮を要する。また、 外国人においては、納税等の公的義務を履行 し、社会の構成員として責任を持った行動をとることが期待される。

外国人との共生社会を実現するためには、外国人が適切に行政サービスを享受し、共に生きる社会の一員として包摂されるとともに、責任ある社会の構成員としての行動を促すことにより、外国人を含む全ての人が安全・安心に暮らすことができる社 会を形成していく必要がある。

なお、人生の礎となる子どもに対する教育や、母子保健をはじ め生命に関わる医療サービスなど、誰しもが享受すべき権利については、全ての外国人がアクセスできるよう、引き続き支援していく必要がある。

② 様々な背景を持つ外国人を含む全ての人が社会に参加し、能力を最大限に発揮できる、多様性に富んだ活力ある社会

中長期的な視点を持って外国人との共生社会の実現に向けた取組を進めるに当たっては、専門的・技術的分野の外国人労働者の受入れにより我が国社会に活力を取り込むというこれまでの視点を超えて、様々な背景を有する外国人を含む全ての人が能力を存分に発揮し社会の一員として活躍することによって、我が国社会 を 多様性に富んだ活力ある ものとして いくことができる。

外国人との共生社会の実現は、外国人のためだけのものではなく、我が国全ての人、企業、地域、ひいては社会全体の成長を促すものとして捉えていく必要がある。

③ 外国人を含め、全ての人がお互いに個人の尊厳と人権を尊重し、差別や偏見なく暮らすことができる社会

目指すべき共生社会においては、外国人を含む全ての人が、それぞれが持つ多様性を異質なものとして差別・排除の対象とするのではなく、豊かさとしてお互いに個人の尊厳と人権を尊重することが必要である。この考え方は、目指すべき共生社会の基盤となるものであり、誰しもが個人の尊厳や人権を侵されることがあってはならない。

また、お互いに個人の尊厳と人権を尊重するには、全ての人が、共に社会をつくっていくことの必要性 や意義に対する理解を深め、社会の一員としてルールを守る社会であることが必要である。

第3 重点事項

有識者会議の意見書を踏まえ、 第2で示した目指すべき外国人との共生社会を実現するために取り組むべき中長期的な課題として、次の 4つの重点事項を掲げることとした 。

〔4つの重点事項〕

①円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育等の取組

生活のために必要な日本語や、ライフステージに応じて必要となる日本語を習得できる機会を提供する という観点から、「円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育等の取組」を一つ目の重点事項として 取り上げる 。

② 外国人に対する情報発信・外国人向けの相談体制の強化

平時はもちろんのこと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のような非常時ともいえる状況においても、 全ての外国人が取り残されることなく、安全に安心して暮らせるようにするため、外国人が必要とする支援に迅速かつ確実にアクセスできるよう、 「外国人に対する情報発信・外国人向けの相談体制の強化」を二つ目の重点事項として取り上げる 。

③ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援

外国人の「乳幼児期」、「学齢期」、「青壮年期」及び「高齢期」の各ライフステージを、就学・就労等の活動と交差させ、外国人を多面的に捉えながら、人生のライフステージごとや、ライフステージを移行しながら生活していくに当たり必要となる施策を検討 するため、「ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援」を三つ目の重点事項として取り上げる 。

④ 共生社会の基盤整備に向けた取組

これらの重点事項については、外国人の生活状況に係る実態を十分に踏まえて施策として企画・立案することが重要であり、さらに、その実施に 当たっては、外国人を含む全ての人が、共に社会をつくっていくことの意義等について理解すること、外国人への支援の提供や適正な在留管理に資する関係機関が緊密に連携していくことなどが重要である ことから、これらについて「共生社会の基盤整備に向けた取組」とし、四つ目の重点事項として取り上げる 。

第4 重点事項に関する 中長期的 に取り組む施策

1 円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育等の取組 (重点事項1)

(1)現状及び課題

ア 日本語教育等の機会提供
  • 令和2( 2020 )年 11 月時点において 、 約 58 万人の外国人住民が日本語教室の開設されていない市区町村に居住しており、 日本語教育を受ける機会が十分に提供されていない。 また、市区町村においては日本語教室に関するノウハウ、人員不足等により日本語教育の実施が難しいところが多く、日本語教室が設置されていない市区町村は約6割を占める。
  • 国及び地方公共 団体において 、 社会生活上のルールや制度に関する周知に努めているところ 、 生活オリエンテーションについては 、 居住する地方公共団体によっては 、 その実施の有無や内容の違いによ り 、 我が国の習慣・社会制度 等 に対する理解度に違いが生じ得 る状況にある。
イ ライフステージに応じた体系的な日本語学習
  • 外国人がライフステージに応じた日本語能力を習得するに当たっては 、 日本語レベルについての基準等がなく 、 体系的に日本語学習を進めてい くことが困難な状況にある。
ウ 日本語教育の質の向上等
  • 日本語教師の資質・能力 を正面から担保する仕組みは十分ではなく 、また、待遇が必ずしも十分でないなどの面で日本語教師としての長期的なキャリア形成が難しい状況が隘路となり、 日本語教師の質の確保や量的確保 ・育成 が課題 となっている。

(2)5年後の目標

外国人が 生活のために 必要な日本語 能力 を身に付け、 我が国の習慣・社会制度に関する知識を習得する ことができる 環境を整備する 。

(3 )具体的な取組

ア 外国人が生活のために必要な日本語等を習得できる環境の整備
(生活のために必要なレベルの日本語の習得を目的とする日本語教育 及び社会にスムーズに定着するための生活オリエンテーションの受講支援)
  • 都道府県・ 指定都市が、域内に日本語教育を行き渡らせるための体制づくりのための取組(域内の 日本語教育の総合的な体制づくり 推進事業実施 計画策定や 日本語教育機関や企業等の 関係 機関との連絡調整、各地域 の日本語教室 への指導 ・ 助言等を行い域内の 日本語教育に関する 司令塔機能を担う総括コーディネーターの配置、日本語教育施策の協議、総合調整を行う有識者会議(総合調整会議)の設置等 に対し、その推進を図る観点から、国として補助を行う。 【文部科学省】《 1 》
  • 都道府県・ 指定都市が、整備した体制の 下 に、日本語教育人材を活用して、関係機関と連携して地域日本語教育の実施を推進する 観点から、 日本語教育の以下の取組に対し、国として補助を行う。
    • 日本語教育機関、企業等の関係機関と連携し、日本語教師を活用した先導的な日本語教育 を 実施 する 。
    • 外国人が地域社会に参画して活躍する共生社会を実現していくため、「日本語教育の参照枠」を活用し、学習者の更なる日本語能力 の向上を図る先導的な日本語教育 を 実施 する。具体的には、国による地域日本語教育の総合的な体制づくりの推進を目的とした支援の中で、「日本語教育の参照枠」を参照した都道府県・指定都市等が行うカリキュラムの立案や地域の日本語教育プログラムの編成、教材等の作成を促進する。また、「日本語教育の参照枠Can do」を活用した日本語能力評価ツールである「にほんご チェック!」 (仮称)や日本語学習サイト「つながるひろがる にほんごでのくらし」(通称:つなひろ)の活用についても周知 する。
    • 市区町村が、都道府県をはじ めとする関係機関と連携して行う日本語教育、日本語教育の重要性の理解を促進する住民向けセミナー等の広報活動等を実施する。【文部科学省】《 2 》
  • 「日本語教育の参照枠」に示された日本語教育の内容(言語能力記述文:Can doという。)や、レベル尺度(A1~C2の6段階)等に対応した教育モデルを開発する。日本語教育プログラムの開発実績を有する日本語教育機関等により、「参照枠に基づくカリキュラム及び教材・評価手法等」を開発することにより、多様な学習目的に応じた教育内容と評価方法等を整備し、日本語教育の水準の向上を図る。
    開発された各分野の教育モデルが日本語教育実施機関等での教育及び評価に活用されることにより、国内外・分野別日本語教育機関間 の教育の連 関による日本語教育の推進と水準の向上を目指す。【文部科学省】《 3 》 (再掲 1-(3)《 11 》
  • 生活上の困りごと を抱える外国人を適切な支援(例:ニーズやレベルに応じた日本語の学習のための支援等)につなげることのできる人材(「外国人総合支援コーディネーター(仮称)」) を育成するための必要な研修 内容や研修修了者の 配置を促進する措置を検討し、これら を順次実施する 。
    また、 専門性の高い支援人材の認証制度の在り方等について検討し、結論を得る。 【法務省】 《 4 》 (再掲 2-(3)《 29 》 、 3-(3)《 64 》、4-(3)《 84 》
  • 日本語教室 が開設されていない 市区町村に対する日本語教室の開設のためのアドバイザー派遣とともに日本語教室の開設・安定化に向けた支援を行う。
    また、市区町村間の情報交換及び教室開設のノウハウ共有のために、「空白地域解消推進セミナー」及び「日本語教室開設のための研究協議会」を開催する。【文部科学省】 《 5 》
  • 有識者等の意見を踏まえ、生活オリエンテーション(生活ルールやマナー等日本で生活するために必要な基本的な情報の提供、初歩的な日本語学習)動画の内容及び動画以外の社会制度等の知識習得のための仕組みについて検討する。検討結果を踏まえ、生活オリエンテーション動画の作成・配信並びに地方公共団体及び受入れ機関等において当該動画の活用を 促 進するための取組を順次進めるとともに、生活オリエンテーション動画の作成・活用以外の必要な施策についても企画・立案・実施する。【法務省】 《 6 》 (再掲4( 《 71 》、《 87 》
  • 地方公共団体に対し、生活オリエンテーションに係る地方財政措置の周知を行い、外国人の社会へのスムーズな定着を支援する。【総務省】
    《 7 》 (再掲4-(3)《 7 2 》
(オンライン講座等の実施)
  • 日本語教室の設置が困難な地域に在住する外国人が、生活場面に応じた日本語を自習できるICT教材(日本語学習サイト「つながるひろがる にほんごでのくらし」(通称:つなひろ))を開発・提供するともに、外国人が生活していく上で必要となる日本語能力を身に付けられるよう、「日本語教育の参照枠」を踏まえて、生活場面の動画コンテンツを追加して、ICT教材の充実及び活用促進を引き続き図っていく。【文部科学省】 《 8 》
(日本語教育の 環境整備 に関する検討)
  • 法務省及び文化庁等関係省庁は、 現行の施策の実施状況を踏まえ、更なる日本語教育環境の整備の必要性 等 について 検討する。【法務省 、文部科学省 等関係省庁】 《 9 》
イ 日本語教育の質の向上等
(日本語教育 の質の 向上等)
  • 日本語教育機関の認定制度及び日本語教師の資格制度を整備することにより、日本語教育機関の日本語教育水準の維持向上と日本語教師の能力及び資質の向上を図り、もって我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる 環境の整備に寄与する仕組みを構築するための法案提出を含めた 検討を 進める 。 【文部科学省】 《 10 》
(外国人のニーズに沿った日本語教育の提供)
  • 「日本語教育の参照枠」に示された日本語教育の内容(言語能力記述文:Can doという。)や、レベル尺度(A1~C2の6段階)等に対応した教育モデルを開発する。日本語教育プログラムの開発実績を有する日本語教育機関等により、「参照枠に基づくカリキュラム及び教材・評価手法等」を開発することにより、多様な学習目的に応じた教育内容と評価方法等を整備し、日本語教育の水準の向上を図る。
    開発された各分野の教育モデルが日本語教育実施 機関等での教育及び評価に活用されることにより、国内外・分野別日本語教育機関間の教育の連関による日本語 教育の推進と水準の向上を目指す。【文部科学省】 《 1 1 》 (再掲1-(3)《 3 》
  • 学校における日本語指導の基本的な指導内容・指導方法を示した「外国人児童生徒受入れの手引」について周知・活用を図り、日本語指導が必要な児童生徒に対する日本語指導のための指導計画作成と指導の充実を促進する。
    また、同手引 の内容を踏まえて作成した教員・支援者向け研修動画や、「外国人児童生徒等教育アドバイザー」を活用し、学校における体系的な日本語指導に関する研修の充実を図る。
    高等学校については、令和4年度中に日本語指導に係る授業作りのための指導資料を開発し、学校等に対する普及を図る。【文部科学省】 《 12 》
  • 高等学校において、日本語の個別指導を教育課程に位置付けて実施することができる制度を令和5年度 から導入し、日本語指導の充実を図る。また、日本語指導の授業作り のための指導資料を開発する。【文部科学省】《 13 》(再掲: 3-(3)《 48 》

2 外国人に対する情報発信・外国人向けの相談体制の強化 (重点事項2)

(1)現状及び課題

ア 外国人に対する情報発信
  • 外国人が自らの 置かれている状況に応じ 活用可能な支援についての 情報を適切かつ迅速に選択すること が困難との指摘がある。
  • 国が発信する情報は 、 必ずしも読み手に配慮した内容となっておらず 、 また 、 外国人が情報を入手する媒体と 国が 情報を発信 する媒体が異なることにより 、 必要とする情報が届かないなどの課題がある。
イ 外国人向けの相談体制
  • 外国人受入環境整備交付金により 、 地方公共団体が設置・運営する一元的相談窓口を支援しているところ 、 必要な通訳の確保が困難などの状況があり、また、 地域の実情に応じた同交付金の交付対象の見直しを求める要望がある。
  • 外国人が抱える問題は 、 在留資格・言葉の問題や 、 文化・習慣の違いなどにより 、 複雑で複合的な ものがあり 、 相談対応に当たっては 、 必要に応じて関係機関が緊密に連携することが重要である。
  • 地方公共団体の行政窓口等の職員においては 、 十分な通訳・翻訳体制が確保できない中、 日本語能力が十分でない外国人とのコミュニケーションに苦労 している状況がある。
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大という非常時ともいえるような状況においては、 外国人が置かれている困難な状況を迅速かつ的確に把握し 、 時宜を得た支援策を講じていく必要がある。

(2)5年後の目標

外国人が必要とする情報に迅速・円滑にアクセスでき、抱える困りごと を迅速に 解決 できる環境を整備する。

(3)具体的な取組

ア 外国人の目線に立った情報発信の強化
(情報内容の工夫(何を伝えるか 、情報の伝達方法の工夫(どのように伝えるか)
  • 「在留外国人に対する基礎調査」 等 を継続的に実施し、国籍、在留資格、主な使用言語等の属性にも留意した上で、外国人が抱える職業上、日常生活上、社会生活上の問題点を的確に把握することで、共生施策の企画・立案・実施に反映させる。【法務省】 《 14 》 (再掲 3-(3) 《 65 》 、4-(3) 《 7 5 》
  • 地域における外国人支援者が 、 相互にその存在や活動内容等を共有する 機会を設け 、 外国人支援者 同士 が連携・協力して効果的に外国人への支援が 行われる よう 、 外国人支援者のネットワークの構築を図 り、 外国人支援者ネットワーク 構築 事例を収集し、事例集を作成する。
    また、外国人が抱える問題及び外国人が必要とする支援の内容や情報等の的確な把握と分析を行う。
    さらに、NPO・NGO、キーパーソン及びインフルエンサーを活用した情報発信を 推進することにより 、 多様な 外国人 の情報入手 手段 に対応した 行政情報発信のより一層の充実・強化を図る。 【法務省】 《 15 》 (再掲 2-(3)《 27 》 、 4-(3)《 7 7 》
  • 外国人が抱える問題の把握・分析も踏まえて、「何を伝えるか」(社会制度等の知識、人生設計に資する知識等)、「どう伝えるか」、「伝達手段の工夫」に着目し、地方公共団体の好事例を参考にしつつ、 日本で生活している 外国人に 向けた 「生活・就労ガイドブック」及び「外国人生活支援ポータルサイト」のガイドライン(掲載方針)の 作成 を行い 、 関係省庁と連携して情報の内容を改善し、行政機関等が活用で きるよう 、 公表する。 【法務省】 《 16 》
  • 在留外国人がマイナポータル 等 を通じて必要とする情報を入手することができるようにする。また、在留手続や災害等 に係る外国人の状況に応じた必要な情報を発信するため、オーダーメイ ド型及びプッシュ型の情報発信の在り方について検討する。 【法務省】 《 17 》(再掲:4-(3)《 8 3 》
  • 日本司法支援センター(法テラス)において実施している多言語情報提供サービスについて、利用者の認知媒体等に関する調査を実施し、その結果に基づき効果的な周知・広報の方策を検討するとともに、同サービスや法テラスの支援について、HP・SNSなどを通じて多言語での情報発信を拡充することにより、同サービスの年間利用件数を増加させる。【法務省】 《 1 8 》
イ 外国人が抱える問題に寄り添った相談体制の強化
(一元的相談窓口等への支援)
  • 外国人受入環境整備交付金の交付要件の見直し等 、 一元的相談窓口の設置を促進するための方策を検討 ・実施 する 。 【法務省】 《 19 》
  • 一元的相談窓口等における相談対応事例集を作成し 、 年に2回程度地方公共団体に共有する。また 、 受入環境調整担当官が主体となり 、 地域の地方公共団体担当者等と相談対応における事例研究を含む意見交換会を少なくとも年1回開催するとともに 、 地方公共団体が運営する外国人向け相談窓口へ入管職員を相談員として派遣する。さらに 、 一元的相談窓口での対応に資するFAQ の作成(改訂)を年1回程度行う。 相談事例集等のデータについて、地方公共団体の利便性向上に資する活用方法を検討し、検討結果を踏まえた取組を実施する。 【法務省】 《 20 》
  • 近年の在留外国人の増加に伴い 、 言語によっては通訳の確保が困難となっている状況が見受けられることから 、 地方公共団体の行政窓口に対する通訳支援 の試行 を実施しつつ 、 効果的な実施方法等通訳支援の在り方 について引き続き 検討する。 【法務省】 《 21 》
  • 多言語翻訳技術について、AIにより会話の文脈や話者の意図を補完し、ビジネス・国際会議の場での議論にも対応した実用レベルの「同時通訳」の実現に取り組むとともに、特定技能外国人を含めた在留外国人に対応する観点から重点対応言語を 15 言語に拡大し、翻訳精度の向上を図る。【総務省】《 22 》
  • 外国人患者の対応を行う医療機関に対する電話通訳の利用促進、希少言語に対応した遠隔通訳サービスの提供、「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」への医療通訳者及び外国人患者受入れ医療コーディネーターの配置支援等とともに、都道府県における医療機関等からの相談にワンストップで対応するための体制整備支援等を通じて、外国人患者が安心して受診できる環境を整備する。【厚生労働省】《 23 》
  • 外国人が安全・安心 な 消費生活を送ることができるよう、地方消費者行政強化交付金による支援を 通じて、全国の消費生活センター等における外国人向け消費生活相談窓口の整備を支援し、地域における消費生活相談体制の充実を図る。【消費者庁】《 24 》
  • その他の外国人に対応する相談窓口においても、相談体制の整備・充実について検討し、検討結果を踏まえて順次整備等を図る 。 【関係府省庁】《 25 》
(地域における関係機関の連携、外国人支援者ネットワーク構築推進)
  • 地方出入国在留管理局等の国・独立行政法人等の外国人支援を行う 地域の関係機 関 が 合同 の 相談会を 実施するなどし 、 地域における関係機関の連携・協力を推進し、地域における外国人向けの相談体制等を強化する。 【法務省】《 26 》
  • 地域における外国人支援者が、相互にその存在や活動内容等を共有する機会を設け、外国人支援者同士が連携・協力して効果的に外国人への支援が行われるよう、外国人支援者のネットワークの構築を図り、外国人支援者ネットワーク構築事例を収集し、事例集を作成する。
    また、外国人が抱える問題及び外国人が必要とする支援の内容や情報等の的確な把握と分析を行う。
    さらに、NPO・NGO、キーパーソン及びインフルエンサーを活用した情報発信を推進することにより、外国人に対する情報伝達手段の多様化を進め、行政情報発信のより一層の充実・強化を図る。 【法務省】 《 27 》 (再掲 2-(3)《 15 》、4-(3)《 7 7 》
  • 外国人支援を行う関係機関等に対する業務説明を実施したり、同機関を指定相談場所とするなどして、関係機関との連携を強化し、法的援助を必要とする外国人が適切に法テラスによる支援を利用できるよう努める。【法務省】《 28 》
(外国人の相談対応等に従事する専門人材の育成等
  • 生活上の困りごと を抱える外国人を適切な支援(例:解雇等された場合の就 労・生活等のた めの支援、ニーズやレベルに応じた日本語の学習のための支 援等)につなげることのできる人材(「外国人総合支援コーディネーター(仮称)」) を育成するための必要な研修 内容や研修修了者の配置を促進する措置を検討し、これら を順次実施する 。また 、専門性の高い支援人材の認証制度の在り方等について検討し、結論を得る。 【法務省】 《 29 》 (再掲 1-(3)《 4 》 、 3-(3) 《 6 4 》、4-(3)《 84 》
ウ 情報発信及び相談対応におけるやさしい日本語化の更なる促進
  • 出入国在留管理庁と文化庁が開催した「やさしい日本語の普及による情報提供等の促進に関する検討会議」における議論を踏まえ、研修のための教材等を開発するなどして地方公共団体の職員向けのやさしい日本語の研修を検討し充実させる。また、やさしい日本語書き換え例の追加について検討し、その結果を踏まえ、順次これを追加することにより、外国人住民と最前線で接する地方公共団体等の職員が、通訳・翻訳体制の確保が困難な 場合においても、日本語能力が十分でない外国人に対し、やさしい日本語によって必要な情報を迅速かつ的確に提供し、相談に対応できるよう、やさしい日本語の普及を推進する。【法務省】《 30 》
  • 地方公共団体が実施する日本語教室をはじめとする地域の日本語教育の体制整備の一環として、外国人住民の地域参加を支える日本語教師や日本語学習支援者、地方公共団体の職員や地域住民に対するやさしい日本語の啓発のための研修及びやさしい日本語を通じて住民同士が協働する取組等を支援することにより、やさしい日本語の普及を促進する。【文部科学省】 《 31 》

3ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援 (重点事項3)

(1)現状及び課題

有識者会議における議論では、各ライフステージ(「乳幼児期」、「学齢期」、「青壮年期」及び「高齢期」) ごとに外国人に対する支援を実施しているが、関係者ヒアリング等も踏まえた検討の結果、各ライフステージ において更なる取組が必要な状況であるとの指摘があった 。また、 外国人は、各々の選択に応じて我が国社会でライフステージを移行しながら生活しているが、就学、進学、就職等、ライフステージを移行する際 に課題に直面することが多く、この「継ぎ目」における支援が必要である。

こうした段階における支援を検討するに当たっては、 実態調査及び ニーズ の把握 を 行い、それらを踏まえた支援策を検討すること が重要である。

ア 「乳幼児期」、「学齢期」及び「青壮年期」初期
  • 外国人児童生徒等に対する教育は、外国人児童生徒等の 我が国 における生活の基礎となるものである。このため、一人一人の日本語能力を的確に把握しつつ、きめ細かな指導・支援を行うことにより、外国人児童生徒等が必要な学力等を身に付け、自信や誇りを持って学校生活において自己実現を図ることができるようにする必要がある。
  • 地方公共団体(教育委員会を含む。)等の関係機関が連携し、地域における外国人の子どもの就学状況について、一体的に管理・把握し、就学支援につなげる仕組みを構築する必要がある。
  • 就学の促進、高等学校の中途退学の防止等の観点から、保護者が就学・進学の重要性を十分に理解していることが肝要であるため、来日前における就学情報等の提供、プレスクール等の機会を捉えて、子どもの将来の可能性について、保護者に情報が提供される仕組みが必要 である 。
イ 「青壮年期」
  • 留学生をはじめとする外国人が我が国で就労し、定着するためには、日本語能力のみならず、我が国の企業文化・価値観・雇用慣行等への理解を深めることが重要。
  • 外国人労働者は、我が国の労働法制・雇用慣行等に関する知識不足、言語・コミュニケーション能力や慣習の相違等から、労働条件・解雇等に関するトラブル等が生じやすい。
ウ 「高齢期」
  • 高齢の外国人を取り巻く実態や課題が十分に把握できていない状況にある。
  • 年金制度においては、法令に規定する適用要件に該当すれば、国籍を問わず国民年金及び厚生年金保険に加入し保険料を納付する必要があり、納付月数が少ない者に対しては、任意加入制度等の利用により、年金の確保が図られているところ、こうした制度も含め、現役世代の段階から周知していく必要がある。

(2)5年後の目標

実態把握を進め、各ライフステージ・ライフサイクル に応じ必要な施策を検討し、順次実施する。

(3)具体的な取組

ア 「乳幼児期」 、 「学齢期」を中心とした外国人に対する支援 等
(子育てしやすい環境の整備)
  • 子育て中の親の孤独感や不安感の増大等に対応するため、地域において子育て中の親子の親子同士の交流の場の提供や子育てに関する相談・援助等 を行う地域子育て支援拠点 事業 を実施する 地方公共団体を支援する。 【厚生労働省】 《 32 》
(外国人の子どもの就学支援 等)
  • 幼稚園等(幼稚園型認定こども園、幼保連携型認定こども園を含む。)にいる外国人幼児等の人数を把握するほか、外国人幼児等への指導やその保護者との連携に当たって求められる支援策のニーズ把握を行う。 【文部科学省】《 33 》
  • 外国人の子どもの就学促進のために地方公共団体が講ずべき事項について、令和2年に文部科学省が策定した「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針」に基づく取組を推進する。そのため、補助事業「外国人の子供の就学促進事業」の活用を地方公共団体に促し、就学していない外国人の子どもに対する日本語指導等の実施や地域における就学状況調査・就学ガイダンスの実施等の取組を進める。【文部科学省】《 34 》
  • 学齢簿の編製に関しては、デジタル・ガバメント実行計画に基づき、文部科学省において学齢簿システムの標準 仕様書 1.0版を令和3年8月に作成したところ、当該仕様書に外国人の子ども の就学に関する事項を盛り込むことに している。 令和7年度末までに地方公共団体における住民基本台帳システムとの連携 を行うことで 外国人の子ども の就学状況の一体的管理・把握を図る。【文部科学省】《 35 》
  • 「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針」を踏まえ、住民基本台帳 等の情報に基づいた就学案内の送付を徹底することにより外国人の子ども の就学を促進し、就学時健康診断を実施する。【文部科学省】《 36 》
  • 補助事業「外国人の子供の就学促進事業」や多言語の就学案内文書等を掲載する情報検索サイト「かすたねっと」の活用を促し、就学案内の多言語化を図る。【文部科学省】《 3 7 》
  • 「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針」を踏まえ、教育委員会が首長部局(住民基本台帳部局等)と連携し、外国人が住民登録を行う際に適切な就学情報の提供を行う。また、文部科学省と出入国在留管理庁が連携し、地方公共団体が開設している一元的相談窓口等において就学に関する情報提供を行う。【文部科学省、法務省】《 3 8 》
  • 多言語の就学ガイドブックや日本の学校生活紹介動画の普及を図るとともに、我が国の在外公館や駐日各国大使館に情報提供を行い、来日を控えた外国人家庭に対する情報発信を進める。【文部科学省】《 3 9 》
  • 「外国人の子供の就学状況等調査」を継続して実施し、外国人の子どもの就学状況と地方公共団体における就学促進等の実施状況を把握するとともに、先進的な取組事例の収集・普及を行う。【文部科学省】《 4 0 》
  • 補助事業「帰国・外国人児童生徒等のきめ細かな支援事業」の活用を地方公共団体に促し、プレスクールの実施を推進する 。【文部科学省】《 41 》
  •  「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」を継続して実施し、プレスクールの先進的な取組事例や教育委員会が作成したマニュアル等を 収集し、普及を図る。【文部科学省】《 42 》
  •  多言語の就学ガイドブックや日本の学校生活を紹介した動画の普及を図り、プレスクールや外国人向け就学ガイダンスにおいて、日本の学校制度や教科書無償供与、就学援助、高等学校等就学支援金等に関する情報提供を推進する。【文部科学省】《 43 》
  • 外国人学校の保健衛生環境の確保に向け、外国人学校向けのホームページやメールマガジン等を用いて保健衛生に関する情報を提供するとともに、「外国人学校の保健衛生環境整備事業」において、外国人学校に向けた相談窓口の設置や地方公共団体の取組への支援等を実施する。【文部科学省】 《 4 4 》
(外国人の子どもの母語や母文化に配慮した日本語指導体制の構築)
  • 補助事業「帰国・外国人児童生徒等のきめ細かな支援事業」の活用を地方公共団体に促すことにより、学校での日本語指導体制を構築するための母語支援員の派 遣や学校内外において母語・母文化を尊重した取組を推進する。
    その 際、必要に応じて、NPO等との連携も推進する。
    教員・支援者向け研修動画や「外国人児童生徒等教育アドバイザー」を活用した教員研修において、母語・母文化を尊重した取組の重要性について啓発に取り組む。【文部科学省】《 45 》
イ 「青壮年期」初期を中心とした外国人に対する支援 等
(外国人の子どもに対するトータルなキャリア形成支援)
  • 「外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針」において示した、外国人生徒・保護者のための進学ガイダンスの実施や、公立高等学校入学者選抜において外国人生徒を対象とした特別定員枠の設定や受検に際しての配慮(試験教科の軽減、問題文の漢字へのルビ振り等)の取組を推進する。【文部科学省】 《 4 6 》
  • 公立高等学校入学者選抜に関する調査において、外国人生徒等に関する教育委員会の取組状況を把握する。【文部科学省】 《 4 7 》
  • 高等学校において、日本語の個別指導を教育課程に位置付けて実施することができる制度を令和5年度から導入し、日本語指導の充実を図る。また、日本語指導の授業づくりのための指導資料を開発する。【文部科学省】《 4 8 》(再掲 1-(3)《 13 》
  • 補助事業「帰国・外国人児童生徒等のきめ細かな支援事業」の活用を地方公 共団体に促し、高等学校において、外国人 生徒等に対するキャリア教育や進路指導の取組を充実する。また、NPO等の関係団体とも連携し、外国人児童生徒等に対する生活相談・心理サポートの実施、放課後や学校内外での居場所づくり(学習支援等を含む 。 )などの取組を推進し、中途退学防止を含めた包括的な支援体制を構築する。【文部科学省】 《 4 9 》
  • 外国人生徒も含めた、課題を抱える生徒に対する学校における相談体制の充実、地域における学びを通じたステップアップ支援促進事業の実施、高校等で 学び直す者に対する修学支援 を 実施 する 。【文部科学省】 《 50 》
  • 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)や第3期教育振興基本計画等に基づき、全ての都道府県や指定都市に少なくとも一つの夜間 中学が設置されるよう新設準備に向けたニーズ調査等や設置後の円滑な運営に向けた補助などの支援、広報活動等 の充実を通じてその促進を図る。【文部科学省】 《 51 》
  • 外国人の子ども の適切な将来設計の実現を図るため、高校・ハローワーク・関 係機関が連携して、子ども のキャリア形成支援を行う取組を試行的に実施する。 その際、親の参画を含めた子ども のキャリア形成支援について理解を進められるよう具体的な方法を検討する。【厚生労働省】 《 5 2 》
ウ 「青壮年期」を中心とした外国人に対する支援
(就労等の支援)
  • 業務に必要な多様な日本語レベルの明確化を目指し、外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブックについて、企業等に周知するとともに、地方公共団体や企業の経営相談を 行う各地域の支援機関等に対し、活用促進を図る。【経済産業省】 《 5 3 》
  • 外国籍社員との職場等における効果的なコミュニケーションの実現を目指し、職場における日本人社員と外国籍社員の効果的なコミュニケーションに向けた動画教材等について、企業等に周知するとともに、地方公共団体や企業の経営相談を行う各地域の支援機関等に対し、活用促進を図る。【経済産業省】 《 5 4 》
  • 日本貿易振興機構(JETRO)が作成した中堅・中小企業や支援機関向けの高度外国人材の定着 や 活躍 に関する教材・指導カリキュラムを活用したセミナー・ワークショップ等の実施、企業に対する個別の情報提供を行うことによ り、職場における外国人社員と日本人社員が相互に理解し合う環境整備を する。【経済産業省】 《 5 5 》
  • 安定的な就労の促進及び職場定着を図るため、ハローワークの「外国人雇用サービスコーナー」等において、専門相談員や通訳の配置による職業相談や、 外国人雇用 事業所データベースの活用により、外国人向け求人の掘り起こし等、定住外国人等が応募しやすい求人情報の提供等を行う。【厚生労働省】《 5 6 》
  • 「外国人雇用サービスセンター」やハローワークの「留学生コーナー」において、外国人留学生を対象とした、きめ細かな相談支援を行うほか、大学とハローワークとの連携協定の締結等、大学に対する支援・連携を強化し、インターンシップの充実、就職ガイダンス等のセミナー、合同企業説明会を開催する等、留学生と企業のさらなるマッチングの促進を図る。【厚生労働省】《 57 》
  • 外国人留学生の国内就職支援研修モデルカリキュラム や、外国人 社員 と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集等の周知を通じ、職場における効果的かつ適切なコミュニケーションの周知・啓発を図る。【厚生労働省】 《 58 》
  • 外国人労働者が日本で安心して働き、その能力を十分に発揮する環境が確保されるよう、雇用管理セミナーの開催等を通じた外国人雇用管理指針の周知・啓発及び事業所訪問等による外国人雇用管理指針に基づく事業主指導を行うとともに、外国人雇用管理アドバイザーによる事業主等からの外国人労働者の雇用管理に関する高度かつ専門的な相談への対応を行う。
    また、 外国人労働者の職場定着の促進等が図られるよう、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備に取り組んだ事業主への助成を行う。
    さらに、外国人の地域への定着実績や効果的な支援内容等について把握・整理し、好事例や改善点について、地方公共団体等に周知を図る。【厚生労働
    省】 《 59 》
  • 定住外国人を対象とした、日本語能力に配慮した職業訓練を実施するほか、都道府県等の実情に応じ、定住外国人職業訓練コーディネーターの配置を進める。また、好事例の収集及びその周知等を図ることで日本語能力に配慮した職業訓練の実施を希望する地方公共団体を支援する。【厚生労働省】 《 60 》
  • 厚生労働省のホームページや各種パンフレット、都道府県労働局の助成金説明会等を活用して、人材開発支援助成金制度の周知・広報を図り、外国人を含む労働者の職業訓練等に取り組む事業主等を支援することにより、当該労働者のキ ャリア形成を促進する。【厚生労働省】 《 61 》
エ 「高齢期」を中心とした外国人に対する支援
  • 外国人が「高齢期」を迎えたときに年金を受給できるよう年金制度の周知を図るため、多言語によるパンフレットの配布、日本年金機構ホームページ及び出入国在留管理庁ホームページの外国人生活支援ポータルサイトへの掲載等、現在実施している外国人向け周知・広報を継続するとともに、更なる充実を検討し、可能なものから順次実施する。また、周知・広報の実効性をより高めるため、周知・広報の機会の拡大を検討し、必要に応じて関係機関への協力を依頼した上で、可能なものから順次実施する。【厚生労働省】 《 6 2 》
  • 厚生労働省ホームページに掲載している介護保険制度に関するリーフレットにより、外国人への情報提供・発信を継続するとともに、必要に応じて当該リーフレットの内容の更新等を検討する。【厚生労働省】 《 6 3 》
オ ライフステージに共通する取組
  • 生活上の困りごと を抱える外国人を適切な支援(例:解雇等された場合の就労・生活等のための支援、ニーズやレベルに応じた日本語の学習のための支援等)につなげることのできる人材(「外国人総合支援コーディネーター(仮称)」)を育成するための必要な研修内容や研修修了者の配置を促進する措置を検討し、これらを順次実施する。また、専門性の高い支援人材の認証制度の在り方等について検討し、結論を得る。【法務省】《 64 》(再掲:1-(3)《 4 》、2-(3)《 29 》、4-(3)《 84 》)
  • 「在留外国人に対する基礎調査」 等 を継続的に実施し、国籍、在留資格、主な使用言語等の属性にも留意した上で、外国人が抱える職業上、日常生活上、社会生活上の問題点を的確に把握することで、共生施策の企画・立案・実施に反映させる。【法務省】 《 65 》 (再掲 2-(3)《 14 》、4-(3)《 7 5 》

4共生社会の基盤整備に向けた取組 (重点事項4)

(1)現状及び課題

ア 共生社会の実現に向けた意識醸成
  • 学校 、 職場 、 地域など社会の様々な場面において外国人に対する差別や偏見が 少なからず 生じており 、 共生社会の実現に向けた意識醸成が課題となってい る。
イ 社会制度等の知識習得のための仕組みづくり
  • ○ 外国人の中には 、 日本の文化・習慣 、 税や社会保障等の社会制度に 対する理解が 十分でないため 、 意図せず公的義務を履行していなかったり 、 必要なサー ビスを享受できな かったりする 人も存在する。
    外国人が我が国の文化や習慣、税や社会保障等の社会制度を十分に理解し、習得するための仕組みづくりが重要 である。
ウ 外国人の生活状況に係る実態把握
  • 今後、外国人へのきめ細かな支援を実施していくに当たっては、政府統計や世論調査等に基づいて外国人の生活に係る実態を把握しておく必要がある。
  • 政府統計等の中で、「国籍」、「在留資格」等が調査項目として採用されている統計は限られており、その実態を十分に把握することは困難な状況にある。
エ 外国人に対する支援や在留管理のための情報収集及び関係機関間の連携
  • 外国人がどのような問題に直面し、どのような支援を必要としているかを把握し、ニーズに応じた支援を提供できるよう、民間支援団体等との連携の下、情報収集能力の強化を図る必要がある。
  • 外国人が抱える多様化・複合化する問題に対応するためには、各関係機関が提供可能な支援をコーディネートする人材の育成等が課題となっている 。
  • 在留資格手続における負担の軽減や適正な在留管理の観点から 、 出入国在留管理庁において 、 マイナンバー制度との連携等を通じ在留管理に必要な情報(納税・社会保険料納付情報 、 身分関 係情報)を効率的に取得し 、 円滑な在留資格の審査を実現し利便性向上や適正な在留管理を実現していくことが課題 となっている 。
オ 外国人の社会参加
  • 我が国で教育を受けた若い世代 、 高度な知識・スキルにより我が国社会・経済発展に貢献する研究者・経営者 、 自治会や消防団などにおいて地域社会に貢献する外国人住民等 、 様々な場面で外国人が活躍している。我が国社会の構成員として外国人への期待も高まりつつあることから 、 社会参加に意欲を持つ外国人に活躍の場を広げていく ことが課題 である 。
カ 共生社会の基盤としての在留管理体制の構築
  • 永住許可の予見可能性を高めるため、独立生計要件及び国益要件における収入の目安額を設定するなど、手続の透明性確保の観点から統一的な指針を示す必要 がある。
    また、永住許可後に永住者としての要件を満たさなくなったと思われる事案に対処できる仕組みを構築する必要がある。
  • 依然として多数の不法滞在者が存在し 、 中には 、 その手口は悪質・巧妙化し 、 悪質な仲介 事 業者等が関与する事案もある。また 、 主たる在留目的が就労であるに もかかわらず 、 その目的を偽って就労する者が 少なからず見受けられる。
  • 我が国の難民認定制度については、難民該当性の判断の基準が不明確であるなどの指摘を受けており、制度の透明性の向上が求められている。また、近年における難民認定申請者数の急増や申立内容の多様化への対応も求められており、難民認定制度の運用の一層の適正化を図る必要がある。

(2)5年後の目標

外国人との共生に対する国民 及び外国人 の幅広い理解を得ながら、関係機関が連携し、外国人への 必要な 支援の提供や適正な在留管理を実施 することができる共生社会の基盤整備 を目指す。

(3)具体的な取組

ア 共生社会の実現に向けた意識醸成
(啓発活動の推進)
  • 外国人との共生社会の実現に向けた意識の醸成・理解を促進していくため、「外国人との共生に係る啓発月間(仮称)」を創設 し 、共生社会の実現をテーマとした各種啓発イベントを行うことを検討し、必要な啓発イベントを順次実施する。
    また、各地の外国人在留支援に関係する機関が実施するイベントにおいて、外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)に 関する広報活動や、当該イベントについて、FRESCに お ける 周知・協力等を行うなど、地域における啓発活動を推進する。 【法務省】 《 6 6 》
  • 政府における外国人に関する共生施策について、外国人や国民の理解を得ながら、既存施策の改善や新たな施策の企画・立案を行っていくため、共生施策の実施状況を白書として取 りまとめ、公表することを検討し、その検討結果を踏まえ、白書を作成 ・公表する。【法務省】《 67 》(再掲:4-(3)《 76 》)
  • 法務省の人権擁護機関では 、 年間を通じて 、 「外国人の人権を尊重しよう」を人権啓発活動における強調事項の一つとして掲げ 、 外国人の人権に関する理解や関心を深めることを目的とする講演会等の開催 、 啓発冊子の配布 、 啓発動画のDVDの貸し出しやYouTube法務省チャンネルでの配信等の各種人権啓発活動を実施しているところ 、 これらの取組を引き続き実施する。【法務省】 《 6 8 》
  • 外国人との共生を更に推進していく必要があることから 、 引き続き 、 国際移住機関(IOM)との共催による「外国人 の 受入れと社会統合に関する国際フォーラム」を開催し 、 外国人の受入れ施策を講じるための知見を得る機会とする。【外務省】 《 6 9 》
(学校教育における共生のための教育の推進)
  • 「多文化共生に向けた日本語指導の充実に関する調査研究」により、日本人と外国人が互いを尊重しながら共に学ぶ授業の実施や、散在地域における日本語指導等の指導体制構築などのモデル的な実践研究を実施する。また、調査研究の成果を踏まえ、異文化理解・多文化共生の考え方に基づく教育の更なる普及・充実を進める。
    補助事業「帰国・外国人児童生徒等のきめ細かな支援事業」の活用を地方公共団体に促し、共生社会における共に学び成長する授業を推進する取組を充実する。【文部科学省】 《 70 》
イ 社会制度等の知識習得のための仕組みづくり
  • 有識者等の意見を踏まえ、生活オリエンテーション(生活ルール やマナー等日本で生活するために必要な基本的な情報の提供、初歩的な日本語学習)動画の内容及び動画以外の社会制度等の知識習得のための仕組みについて検討する。検討結果を踏まえ、生活オリエンテーション動画の作成・配信並びに地方公共団体及び受入れ機関等において当該動画の活用を 促 進するための取組を進めるとともに、生活オリエンテーション動画の作成・活用以外の必要な施策についても企画・立案・実施する。 【法務省】 《 7 1 》 (再掲 1-(3)《 6 》 、4- 4-(3)《 8 7 》
  • 地方公共団体に対し、生活オリエンテーションに係る地方財政措置の周知を行い、外国人の社会へのスムーズな定着を支援する。【総務省】《7 2 》(再掲:
    1 -(3)《 7 》
ウ 外国人の生活状況に係る実態把握のための政府 統計の充実等
(政府統計等における調査項目の見直し 等)
  • 出入国管理統計及び在留外国人統計等のバックデータ等を活用し、国籍、年齢、在留資格及び雇用状況届出情報等を基に業種(職種)別などの外国人の生活状況の実態把握が可能な新たな統計表を順次作成・公表する。
    また、出入国在留管理庁が保有する外国人に関する属性情報及び地域別の在留情報等を活用し、各府省庁が所管する既存の統計表に新たに取り入れることができる項目を調査し、各府省庁が有する得意分野を分担することにより、外国人の生活状況の実態把握が可能な府省庁横断的な統計表を順次作成・公表す る。【法務省】《 7 3 》
  • 外国人労働者の労働条件、キャリア形成等の雇用管理の実態の把握に加え、我が国内外における労働移動等の実態を適切に把握するための統計基盤の整備 を行う。【厚生労働省】《 7 4 》
  • 「在留外国人に対する基礎調査」 等 を継続的に実施し、国籍、在留資格、主な使用言語等の属性にも留意した上で、外国人が抱える職業上、日常生活上、社会生活上の問題点を的確に把握することで、共生施策の企画・立案・ 実施に反映させる。【法務省】《 7 5 》 (再掲 2 -(3)《 14 》 、 3 --( 《 65 》)
(「共生に関する白書(仮称)」の 作成 等)
  • 政府における外国人に関する共生施策について 、 外国人や国民の理解を得ながら、既存施策の改善や新たな施策の企画・立案を行っていくため、共生施策の実施状況を 白書として取りまとめ 、 公表する ことを検討し、その検討結果を踏まえ、白書を作成 ・公表する。 【法務省】 《 7 6 》 (再掲:4-(3)《 67 》)
エ 共生社会の基盤整備のための情報収集強化及び関係機関間の連携強化
(外国人に対する支援を目的とした情報収集能力・関係機関間の連携強化)
  • 地域における外国人支援者が、相互にその存在や活動内容等を共有する機会を設け、外国人支援者同士が連携・協力して効果的に外国人への支援が行われるよう、外国人支援者のネットワークの構築を図り、外国人支援者ネットワーク構築事例を収集し、事例集を作成する。
    また、外国人が抱える問題及び外国人が必要とする支援の内容や情報等の的確な把握と分析を行う。
    さらに、NPO・NGO、キーパーソン及びインフルエンサーを活用した情報発信を推進することにより、外国人に対する情報伝達手段の多様化を進め、 行政情報発信のより一層の充実・強化を図る。【法務省】《 7 7 》 (再掲 2--(3)《 15 》 、 《 2 7 》
  • 受入環境調整担当官の職員研修を拡充することにより、専門性の高い職員を 育成し、外国人の支援や受入れ環境整備を促進する。【法務省】《 7 8 》
  • 国が発信する情報へのアクセスや 、 地方公共団体の一元的相談窓口での相談が困難な 在留外国人 を主たる対象として 、 民間支援団体が行う情報発信・情報提供 、 困難に陥っている外国人に対するアウトリーチ 支援の取組を支援する ための試行事業を実施する 。 また 、 試行 事業の 結果を踏まえ 、 必要かつ可能なものを実施していく。 【法務省】 《 7 9 》
  • 地方出入国在留管理局に設置されている外国人在留総合インフォメーションセンターに寄せられた相談について 、 必要に応じて当該相談の解決に向けて地方公共団体等の関係機関と連携・協力して対応する 。そのための受入環境調整担当官 及び地方公共団体担当者等に対する研修の実施並びに研修実施状況の分析・検証 、 連携事例集作成等の関係 機関との連携強化 に資する取組を実施する。 【法務省】 《 80 》
(適正な在留管理、在留資格手続上の利便性向上を目的とした情報収集能力・関係 機関間の連携強化)
  • 法改正及び関係機関との必要な調整等を通じて、出入国在留管理庁において、在留管理に必要な情報を一元的に把握できる仕組みを構築するための検討 を行う。【法務省】《 8 1 》
  • 在留資格手続のオンライン申請や電子届出について、完全オンライン化の実現を図るとともに、オンライン申請時において、申請人がマイナポータル上の 自己情報を利用できる仕組みの構築を検討する。【法務省】《 8 2 》
  • 在留外国人がマイナポータル 等 を通じて必要とする情報を入手することができるようにする。また、在留手続や災害等 に係る外国人の状況に応じた必要な情報を発信するため、オーダーメイ ド型及びプッシュ型の情報発信の在り方につ いて検討する。【法務省】《 8 3 》 (再掲 2-(3)《 17 》
(総合的な支援をコーディネートする人材の育成・認証制度の検討等)
  • 生活上の困りごと を抱える外国人を適切な支援(例:解雇等された場合の就労・生活等のための支援、ニーズやレベルに応じた日本語の学習のための支援等)につなげることのできる人材(「外国人総合支援コーディネーター(仮称)」)を育成するための必要な研修内容や研修修了者の配置を促進する措置を検討し、これらを順次実施する。また、専門性の高い支援人材の認証制度の在り方等について検討し、結論を得る。【法務省】《 84 》(再掲:1-(3)《 4 》、2-(3)《 29 》、3-(3)《 64 》)
(民間支援団体等のための拠点の創設)
  • 地方出入国在留管理局を拠点として民間支援団体等に対し 、 情報提供・相談対応を行うとともに 、 受入環境調整担当官及び地方公共団体担当者等に対する研修の実施並びに研修実施状況の分析・検証 、 連携事例集作成等の関係機関との連携強化に資する取組を実施する。 【法務省】 《 8 5 》
(地方公共団体間の連携強化に向けた基盤整備)
  • 「地域経済分析システム(RESAS)」を参考に、各地方公共団体における外国人に関する基礎統計の把握を通じて重点的な受入 れ 環境整備につなげるほか、各地方公共団体のデータを見える化するなど、外国人に関する共生施策の 企画・立案に資するデータの提供の検討を行う。【法務省】《 8 6 》
オ 外国人も共生社会を支える担い手となるような仕組みづくり
(外国人に対する情報提供 ・人材育成支援等)
  • 有識者等の意見を踏まえ、生活オリエンテーション(生活ルールやマナー等日本で生活するために必要な基本的な情報の提供、初歩的な日本語学習)動画の内容及び動画以外の社会制度等の知識習得のための仕組みについて検討する。検討結果を踏まえ、生活オリエンテーション動画の作成・配信並びに地方公共団体及び受入れ機関等において当該動画の活用を推進するための取組を順次進めるとともに、生活オリエンテーション動画の作成・活用以外の必要な施 策についても企画・立案・実施する。【法務省】《 8 7 》 (再掲 1-3)《 6 》 、 4-(3)《 7 1 》
  • 介護福祉士資格の取得を目指す意欲ある外国人留学生の介護福祉士養成施設等の修学期間中の支援を図り、将来当該留学生を介護の専門職として雇用しようとする介護施設等の負担を軽減することを目的として、学費や生活費などについて、奨学金の給付等の支援を行う。【厚生労働省】 《 8 8 》
(特定技能外国人等に対する情報発信等)
  • 在留資格「特定技能」 に係る介護分野において、分野別協議会等を通じ、特定技能外国人の相談窓口や活用可能な施策等、外国人材の受入れに有益な情報提供を引き続き行う。また、ビルクリーニング分野においても、分野別協議会や各種セミナー等の場を活用し、人材育成等の優良事例の周知等の情報提供を引き続き行う。
    さらに、介護分野で就労する外国人材が働きやすい環境整備等のために、介護技能の向上のための研修等の実施に対する支援、介護の日本語学習を自律的に行うための環境整備の推進に対する支援、相談窓口等の支援を行う。
    【厚生労働省】《 89 》
  • 在留資格「特定技能」に係る農業、漁業、飲食料品製造業及び外食業の各分野において、分野別協議会等を通じ、出入国在留管理庁のホームページやマッチングイベント等、外国人材の受入れに有益な情報提供を引き続き行う。
    また、これら各分野で就労する外国人材が働きやすい環境整備等のために、外国人材の受入れや就労改善等の取組方法及び優良事例の作成・周知、相談窓口 の設置 等の取組を支援するとともに、外国人材の労働環境の調査・分析、雇用主等への助言活動等の取組を支援する。【農林水産省】《 90 》
  • 製造業の3分野(素形材産業 、産業機械製造業及び電気・電子情報関連産業)の受入れ企業等を構成員とする製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会や、経済産業省が設置するポータルサイトをとおして、特定技能外国人をはじめ外国人材の受入れに有益な情報提供を引き続き行う。
    また、受入れ企業や外国人材を対象とした相談窓口の設置やセミナーの開催、特定技能外国人の受入れに係る優良事例の作成・周知等の特定技能外国人の受入れに係る支援を行う。【経済産業省】《 91 》
  • 特定技能外国人に必要な情報が適切に伝わるよう、業界団体等からの意見を踏まえ、提供する情報や提供方法について検討し、検討を踏まえ効果的に情報提供を行う。
    また、受入れ企業や関係団体等から意見を聴きつつ、優良事例の周知やセミナー、表彰(建設分野における「優秀外国人建設就労者表彰」)の実施等により、受入れ企業等が特定技能外国人を適切に育成し、特定技能外国人も自ら成長できるような環境の整備を促進する。【国土交通省】 《 92 》
(社会参加に意欲のある外国人等への支援等)
  • 社会参加に意欲のある外国人及び多文化共生に理解のある日本人の育成 、また外国人と地域コミュニティ 、 地方公共団体等との橋渡しなどにより 、 外国人・日本人の双方が共生社会の担い手となるような体制構築を支援する。多文化共生社会構築に向けた取組の一環として 、
    1. 外国人地域リーダーの育成(外国人受入 れ 企業 、 日本語学校 、 自治組織 、学校 、 行政等の日本側パートナー団体を巻き込み 、 日本在住外国人の市民団体の活動を支援する(防災活動 、 自治会活動 、 日系人リーダー育成 等
    2. 国内外の多文化共生に精通した国際協力推進員等の活動推進(加えて 、異文化コミュニケーション・多文化共生に理解のあるJICA海外協力 隊事業を通じた人材育成及び帰国隊員の活動推進)を実施 する。【外務省】 《 9 3 》
(外国人との共生と地域活性化等との相乗効果の創出)
  • 「地方公共団体の地方創生に資する 外国人材受入支援・共生支援に係る施策の推進等に関する調査」により外国人材の受入 れ 支援や共生支援などの優良事例等の収集・横展開を行い、地方公共団体の自主的・主体的で先導的な取組について 地方創生推進交付金 により 支援する。【内閣官房デジタル田 園都市国家構想実現会議事務局】《 9 4 》
  • 国家戦略特別区域制度により、令和3年7月に措置された「外国人美容師の就労に係る在留資格に関する特例」について、国家戦略特別区域内における活用の促進を図る。 【内閣府(地方創生推進事務局)】《 9 5 》
カ 共生社会の基盤としての在留管理体制の構築
(「永住者」の在り方等に係る検討)
  • 永住許可の予見可能性を高めるため、独立生計要件及び国益要件における目安額を設定することに加え、永住許可直後に不自然な事情の変更が生じる事案が見受けられることを踏まえ、審査方法の見直しの必要性を検討するほか、許可後に公的義務を履行しなくなるなど、永住者としての要件を満たさなくなったと思われる事案について、永住許可の取消しを含めて対処できる仕組みを構 築する。【法務省】《 9 6 》
(偽装滞在者等の発見・摘発等)
  • 外国人雇用状況届出情報をはじ めとした偽装滞在者等に係る情報の収集・分析を強化する などして、迅速かつ効果的な事実の調査や摘発に活用するための必要な体制を検討し、構築する。【法務省】《 9 7 》
(不法滞在者の縮減)
  • 関係機関との協力関係を強化し、不法滞在者等の縮減に向けた摘発や、不法就労防止及び不法滞在者の自主的な出頭促進に向けた広報・啓発活動を積極的に実施 する 。【法務省】《 9 8 》
(難民の適正な保護の推進)
  • 国連難民高等弁務官事務所等の関係機関と緊密に連携しつつ、難民該当性に関する規範的要素の明確化、難民調査官の能力向上及び出身国情報の充実を通じて、難民認定制度の 運用の 一層の適正化を図る。【法務省】 《 9 9 》

第5推進体制

1 計画期間

本ロードマップに盛り込まれた施策については、その進捗状況、社会情勢や外国人を取り巻く環境の変化等を踏まえ、計画期間を令和8年度までとする。

2 実施状況の点検 等

本ロードマップの推進に当たり、施策の 着実な実施を図るため、その 実施状況について毎年点検を行い、進捗の確認を行うとともに、必要に応じて施策の見直しを行う。

なお、 総合的対応策においては、本ロードマップで示した施策及び工程に従って当該年度に実施すべき施策を示すとともに、本ロードマップには記されてはいないものの、共生社会実現のための各府省庁において取り組む施策も盛り込み、本ロードマップに沿った施策を着実に実施していくこととする。

参照

-ビジネス全般

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