こんにちは。E-Taroです。今回のテーマは「所得や文化が健康に影響する?!Social Determinant of Health(健康の社会的決定要因)とは。」です。
Social Determinant of Health(健康の社会的決定要因)なんて聞いたことないけど?
おそらく、日本において、2020年現在、ソーシャル・デターミナント・オブ・ヘルスという言葉を耳にした方は非常に限られているでしょう。ですが、その根本にある考えというのは、むしろ誰もが日頃から感じているものです。
例えばですが、財産をたくさん持っている方と、財産がほぼゼロの方では、健康状態はどちらの方が良さそうでしょうか?当然ながら、お金をたくさん持っていた方が、野菜などの生鮮食品を入手したり、スポーツジムへ通ったり、労働時間も規則的だったり比較的短時間で済んだりするなど、心身への負荷が小さい方の割合が高そうではないでしょうか。
ただ、当然ながら、何らかの疾患を有している方に10万円を渡したとしても、そのお金が直接、疾患や症状が和らげることはないでしょう。また、健康な人が突然10万円を失ったとしても、その10万円のマイナスが直接的にその人の健康状態を悪化させることもありません。もちろん、お金を得たり失ったりすることで、精神的な影響を受けて、その結果、健康状態に影響が出てくることはあり得ますが、それはあくまで「そのお金が社会において価値を有するから」です。あくまでお金というのは社会的な中で価値が定まるため、10万円というものの価値は時々刻々と変化しているわけです。
Social Determinant of Health(健康の社会的決定要因)って、例えば?
Social Determinant of Health の具体例としては、「所得」「社会的地位」「ストレス」「勤務状況」「家族関係、友人関係」「文化」などが考えられます。
先に述べたように、所得の多い人は生活の余裕があり、健康的な生活を送ろうと思ったときにその生活を実現させやすいことが考えられます。
社会的地位も似た考え方になりますが、社会において生活保護の対象になるような方の場合、生活になんらかの制限が生じます(例えば、自動車やバイクを所有できない、等)。もちろん、物質的な制限だけでなく、精神的な負荷もかかるでしょうから、それらが間接的に心身に影響を及ぼすことになったとしても、ある程度理解はできるでしょう。
また、幼少期をどのように過ごしたかも、Social Determinant of Health の一つとして考えられています。三つ子の魂百までとは言い得て妙で、幼少期の経験はその後の人生の礎となる部分も大きく、そう簡単には覆らないでしょう。幼いころの発達度合いや教育は、その後の人生に影響を与え続けることになるわけです。
働く年齢になってからは、勤務状況も、健康に与える大きな要因になり得ます。失業状態が続くと将来への不安などから心身に良くない影響を及ぼす可能性が高いでしょう。また、働いていたとしても、職場の労働環境が芳しくなく、強いストレスに晒される日々が続くのであれば、それはやはり心身にとって良い影響はなさそうです。
家族関係、友人関係も重要な要素です。職場の悩みを聞いてくれる相手がいることは、ストレスの緩和にも繋がります。逆に、家族関係や友人関係で悩みを抱えてしまっていると、職場での働きにも悪影響が出てきてしまいかねません。すると、職場でもさらに辛い思いをして負のスパイラルに陥ってしまう、という場合もあるでしょう。
その人が生活しているところの文化も大きな要因です。極端な例では、西洋医学に基づいた医療を受ける人たちと、信仰に基づいた処置を受ける人たちでは、そのあとどうなるかは大きく異なってくるでしょう。
まとめ
健康というのは、単に「疾患」や「治療」等で決まる単純なものではないのはご存じの通りです。
「健康か不健康か」という単純化した考え方ではなく、私たちを取り巻く様々な要素を網羅的に考えることで、重要な要因が見えてくるのかもしれません。
それでは、また。