規制

「小児慢性特定疾病に関する改正」についての意見募集(2021年8月16日~2021年9月14日)

改正する件の概要

1.改正の趣旨

児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号。以下「法」という。)第 19 条の2第1項に基づく医療費助成の対象となる小児慢性特定疾病(※)は、社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(以下「専門委員会」という。)における検討結果を踏まえ、児童福祉法第六条の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める小児慢性特定疾病及び同条第二項の規定に基づき当該小児慢性特定疾病ごとに厚生労働大臣が定める疾病の状態の程度(平成 26 年厚生労働省告示第 475 号。以下「告示」という。)に規定することとしており、これまでに 762 疾病と包括病名 57 疾病が告示に規定されている。

令和3年度に実施する小児慢性特定疾病の指定は、第 48 回専門委員会において、

  • 新たに 29 疾病を小児慢性特定疾患として追加すること
  • 既存の3疾病について疾患群、疾病区分又は疾病名の修正を行うこと

が適当とされたことを踏まえ、所要の改正を行う。

(※)小児慢性特定疾病(法第6条の2第1項)

小児慢性特定疾病とは、児童又は児童以外の満 20 歳に満たない者が当該疾病にかかっていることにより、長期にわたり療養を必要とし、及びその生命に危険が及ぶおそれがあるものであって、療養のために多額の費用を要するものとして厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いて定める疾病をいう。

2.改正の内容

  • 別紙1のとおり、専門委員会において、新たに 29 疾病が小児慢性特定疾病の要件を満たすと判断され、うち4疾病は「染色体又は遺伝子異常を伴い特徴的な形態的異常の組み合わせを呈する症候群」として1疾病にまとめることが適当と判断されたため、現行の告示に 26 疾病を新規の小児慢性特定疾病として追加する。
  • 別紙2のとおり、3疾病の疾患群、疾病区分又は疾病名を変更する。
  • その他、所要の改正を行う。

3.根拠法令

法第6条の2第1項及び第2項

4.告示日

令和3年 10 月上旬(予定)

5.適用期日

令和3年 11 月1日

別紙1 新規の小児慢性特定疾病として追加する疾病の名称及びそれらの疾病の状態の程度(案)

慢性腎疾患

区分 疾病名 疾病の状態の程度
ネフローゼ症候群 ギャロウェイ・モワト症候群 次のいずれかに該当する場合

ア 蛋白尿がみられる場合、腎機能低下がみられる場合又は腎移植を行った場合

イ 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

腎奇形 鰓耳腎症候群 腎機能低下が見られる場合又は腎移植を行った場合
常染色体優性尿細管間質性腎疾患 常染色体優性尿細管間質性腎疾患 腎機能低下が見られる場合又は腎移植を行った場合

慢性心疾患

区分 疾病名 疾病の状態の程度
ホルト・オーラム症候群 ホルト・オーラム症候群 次のいずれかに該当する場合

ア 上肢の運動障害があり継続的に治療を要する場合

イ 慢性心疾患の治療中である場合又は第2基準を満たす場合(※1)

※1 慢性心疾患群の第2基準

次の①から⑨までのいずれかが認められていること。

  • ①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
  • ②肺動脈狭窄症(右室―肺動脈圧較差20mmHg以上)
  • ③2度以上の房室弁逆流
  • ④2度以上の半月弁逆流
  • ⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
  • ⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
  • ⑦左室駆出率0.6以下
  • ⑧心胸郭比60%以上
  • ⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄

神経・筋疾患

区分 疾病名 疾病の状態の程度
難治てんかん脳症 徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 PCDH19関連症候群 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多
動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 環状20番染色体症候群 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 アイカルディ症候群 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚症状(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 ミオクロニー欠神てんかん 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 大田原症候群 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 早期ミオクロニー脳症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 視床下部過誤腫症候群 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
脳の鉄沈着を伴う神経変性疾患 WDR45関連神経変性症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
ビタミンB6依存性てんかん ビタミンB6依存性てんかん 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
脳形成障害 片側巨脳症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
早産児ビリルビン脳症 早産児ビリルビン脳症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
DDX3X関連神経発達異常症 DDX3X関連神経発達異常症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 GRIN2B関連神経発達異常症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
難治てんかん脳症 PURA関連神経発達異常症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
脳形成障害 CASK異常症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
糖蛋白代謝障害 先天性グリコシル化異常症 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群

区分 疾病名 疾病の状態の程度
染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群 染色体又は遺伝子異常を伴い特徴的な形態的異常の組み合わせを呈する症候群(厚生労働省健康局長の定めるものに限る。)※2 基準(ア)、基準(イ)、基準(ウ)又は基準(エ)を満たす場合(※3)

※2 バインブリッジ・ロパース症候群、ヴィーデマン・スタイナー症候群、コーエン症候群及びピット・ホプキンス症候群の4疾病を、染色体又は遺伝子異常を伴い特徴的な形態的異常の組み合わせを呈する症候群として、局長通知に明示する。

※3 本表中「基準(ア)」、「基準(イ)」「基準(ウ)」及び「基準(エ)」とは、それぞれ次に掲げる基準をいう。

  • 基準(ア)症状として、けいれん発作、意識障害、体温調節異常、骨折又は脱臼のうち一つ以上続く場合であること。
  • 基準(イ)治療で強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、抗血小板薬、抗凝固薬、末梢血管拡張薬又はβ遮断薬のうち一つ以上が投与されている場合であること。
  • 基準(ウ)治療で呼吸管理(人工呼吸器、気管切開術後、経鼻エアウェイ等の処置を必要とするものをいう。)、酸素療法又は胃管、胃瘻、中心静脈栄養等による栄養のうち一つ以上を行う場合であること。
  • 基準(エ)腫瘍を合併し、組織と部位が明確に診断されている場合であること。ただし、治療から5年を経過した場合は対象としないが、再発などが認められた場合は、再度対象とする。

皮膚疾患

区分 疾病名 疾病の状態の程度
限局性強皮症 限局性強皮症 次のいずれかに該当する場合

ア 四肢又は頭部に変形があり継続的に治療を要する場合

イ 運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下のうち一つ以上の症状が続く場合

骨系統疾患

区分 疾病名 疾病の状態の程度
骨系統疾患 タナトフォリック骨異形成症 疾患名に該当する場合。

別紙2 既存の小児慢性特定疾病について疾患群又は疾病名を変更するもの

(厚生労働省社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会における検討結果)

※告示に規定するに当たり、病名の表記及び番号が変更となる可能性あり。

「児童福祉法第六条の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める小児慢性特定疾病及び同条第二項の規定に基づき当該小児慢性特定疾病ごとに厚生労働大臣が定める疾病の状態の程度(平成 26 年厚生労働省告示第 475 号)」の修正案

疾患群(案) 区分(案) 疾病名(案) 疾病の状態の程度 備考
膠原病 皮膚・結合組織疾患 強皮症
全身性強皮症
治療で非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド薬、免疫調整薬、免疫抑制薬、抗凝固療法、γグロブリン製剤、強心利尿薬、理学作業療法、生物学的製剤又は血漿交換療法のうち一つ以上を用いている場合 より適切な名称へ変更する。
先天性代謝異常
皮膚疾患
先天性ポルフィリン症 先天性ポルフィリン症 左欄の疾病名に該当する場合 より適切な疾患群へ移動する。

※上記に加え、先天性グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症について、第 49 回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会において、疾病区分の変更(先天性グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症→糖蛋白代謝障害)を報告する予定。

参照

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