ビジネス全般

景気ウォッチャー調査 令和3年10月(令和3年11月9日公表)

今月の動き(2021年10月)

  • 10月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差13.4ポイント上昇の55.5となった。
    家計動向関連DIは、飲食関連等が上昇したことから上昇した。企業動向関連DIは、非製造業等が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。
  • 10月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差0.9ポイント上昇の57.5となった。
  • 企業動向関連DIが低下したものの、家計動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。
  • なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差12.9ポイント上昇の56.2となり、先行き判断DIは前月差1.6ポイント上昇の58.3となった。
  • 今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響は残るものの、緩やかに持ち直している。先行きについては、コスト上昇等や内外の感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等によって持ち直しが続くとみている。」とまとめられる。

調査結果

I.全国の動向

1.景気の現状判断DI(季節調整値)

3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、55.5となった。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇したことから、前月を13.4ポイント上回り、2か月連続の上昇となった。

2.景気の先行き判断DI(季節調整値)

2~3か月先の景気の先行きに対する判断DIは、57.5となった。企業動向関連のDIは低下したものの、家計動向関連、雇用関連のDIが上昇したことから、前月を0.9ポイント上回った。

II.各地域の動向

1.景気の現状判断DI(季節調整値)

前月と比較しての現状判断DI(各分野計)は、全国12地域で上昇した。最も上昇幅が大きかったのは北陸(16.6ポイント上昇)で、最も上昇幅が小さかったのは中国(9.4ポイント上昇)であった。

2.景気の先行き判断DI(季節調整値)

前月と比較しての先行き判断DI(各分野計)は、全国12地域中、6地域で上昇、6地域で低下であった。最も上昇幅が大きかったのは甲信越(4.1ポイント上昇)で、最も低下幅が大きかったのは沖縄(6.0ポイント低下)であった。

III.景気判断理由の概要

全国

現状

家計動向関連
◎良
  • 10月1日より金沢市のまん延防止等重点措置が解除され、徐々に県民が外出するようになっている。併せて観光客や出張者も増えている(北陸=一般レストラン)。
○やや良
  • 緊急事態宣言が解除されたことで、航空機利用の団体旅行が回復し始めた。また、観光需要喚起策として、北海道の新しい旅のスタイルや各市町村の支援策も再開され始めており、アフターコロナに向けた動きが拡大してきている(北海道=旅行代理店)。
  • コロナ禍は収束してきているなかで、少しずつ来客数が増えつつあるが、まだ思ったほどの回復がみられない。消費者の行動様式自体が変わっており、すぐに急激な変化は起きにくいと思われる(東海=百貨店)。
▲やや悪
  • メーカーの新車生産がコロナ禍と半導体不足により大幅な減産となっている。自動車販売店にとっては売る商品がない状況であり、極端な売上不足に陥っている。大変厳しい経営状況が続いている(九州=乗用車販売店)。
企業動向関連
○やや良
  • 緊急事態宣言解除によりイベント等の制限が緩和され、集客イベント等が少しずつ動いてきている。案件の引き合いが非常に増えている(南関東=出版・印刷・同関連産業)。
▲やや悪
  • コロナ禍による半導体不足、海外からの部品の入荷遅れなどで、自動車関連業界の工場稼働率が大幅に落ちている(近畿=金属製品製造業)。
雇用関連
○やや良
  • 求人数は製造業だけでなく、小売業、飲食業、宿泊業を含め全体的に増加傾向となっている。ただし、労働力の不足を訴える事業所が多くなっており、成長の阻害要因になっているとみられる(東北=職業安定所)。

先行き

家計動向関連
○やや良
  • 県民割引等の需要喚起策も開始され、また、感染状況が落ち着いてきている影響からか、予約も徐々に増加し始めている。2~3か月先に向けてやや良くなる傾向になるとみている(北陸=テーマパーク)。
  • 新型コロナウイルスの新規感染者数がこのまま減少すれば、外食や旅行に活気が戻ってくる。ただし、不安材料はまだまだ多く、原材料価格の高騰や海外客の回復時期など、まだまだ予断が許されない状況である(近畿=都市型ホテル)。
  • 新型コロナウイルスのワクチン接種率も上がり、今後規制解除に向かう飲食店や、観光客も増えるので期待している(沖縄=一般小売店[酒])。
▲やや悪
  • 新型コロナウイルスが終息してきているものの、ガソリンや電気料金、ガス料金、各種食品の値上がりなど、家計を圧迫するような要因が顕在化していることから、今冬にかけて消費者の節約ムードが強まることが懸念される(北海道=スーパー)。
企業動向関連
○やや良
  • 今後も新規感染者数が減少していくと思われ、外出や遠出する人が徐々に増加すると予想している。売上は徐々に回復していき、前年を上回ると思われる(東海=不動産業)。
×悪
  • 鉄だけでなく、原材料価格が軒並み高騰し、収益を大幅に圧迫している。前月に取引先に価格転嫁をお願いし、一部は認めてもらえたが、それ以降も原材料価格が上昇を続けているため、今後も非常に厳しい状況が続く(中国=金属製品製造業)。
雇用関連
○やや良
  • 観光業、サービス業が回復してくれば、必ず求人が発生する傾向になるので、良い方向にいく(南関東=人材派遣会社)。

参照

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