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背景
- 「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(H30.11 中央教育審議会)を踏まえ、学部段階等については、学位の取得に向けた各大学等での単位の積み上げ等に履修証明プログラムを活用できるよう、履修証明プログラム全体に対する単位授与等が可能に。(R1.8)
- 一方、大学院については、学部段階のように幅広い単位認定を行うことについては議論が必要とされ、その後中央教育審議会大学分科会大学院部会において議論。
審議会等における提言等
「第10期大学院部会での審議の整理」(令和3年2月 中央教育審議会大学分科会大学院部会)
<大学院におけるリカレント教育の充実>
リカレント教育への取組姿勢は、各大学院における戦略の下、検討するものであるものの、国は各大学院における社会の多様なニーズに対応する教育プログラムの構築を促すべく、制度面も含めた方策検討を引き続き行うべきである。
「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について(第十二次提言)」(令和3年6月 教育再生実行会議)
- 国は、社会・経済活動のニーズに対応したリカレント教育を推進する観点から、大学院における高度な専門教育に関し、遠隔・オンライン教育の積極的な活用や個別の単位に分けて学修するマイクロクレデンシャル(micro credential)の提供など、より多くの人がアクセスしやすい取組を促進する。その際、履修単位を積み重ねることにより学位が取得できるような柔軟な仕組みの在り方や国際通用性の確保などについて検討を進める。
➡ 大学院におけるリカレント教育(学位取得)の促進に向けて、履修証明プログラムをより柔軟に活用できるようにする必要がある
改正概要
- 大学院が実施する履修証明プログラムについて、当該大学院が大学院教育に相当する水準を有すると認める場合、当該履修証明プログラム全体に対する単位授与を可能とする。
※大学院は、履修証明プログラムの内容・水準、学修成果の評価方法、履修時間等を勘案して、単位授与の際の目安をあらかじめ設定する。 - 大学院が、学修が大学院教育に相当する水準を有し、かつ、教育上有益と認めるときに限り、
① 学生が履修証明プログラムの履修により修得した単位について、当該大学院における授業科目の履修により修得
② 学生が履修証明プログラムの履修により入学前に修得した単位について、当該大学院に入学した後の当該大学院における授業科目の履修により修得
したものとみなすことができる。 - 上記①②それぞれ15単位まで、合せて20単位まで、正規課程の単位として認定可能とする。(大学院の場合)
➡ 履修証明プログラムを各大学院での学位取得に活用できる
※大学院、専門職大学院(法科大学院及び教職大学院を含む。)が対象
施行期日
令和3年度中に公布・施行予定
大学院における履修証明プログラムへの単位授与・認定(イメージ)
【参考】履修証明プログラムとは
- 大学の社会貢献の一環として教育研究の成果を広く社会に提供するため、学位課程より短期間のプログラムを学生以外の者を対象に提供するものとして、平成19年に創設された。以降、社会人の学び直し手段として浸透(H30時点で履修証明プログラムを開設している大学は168校、全体の約22%)。
- 大学(専門職大学を含む。)、大学院(専門職大学院を含む。)、短期大学(専門職短期大学を含む。)、高等専門学校、専修学校(専門課程を置くものに限る。)において位置付けられている。
- 総時間数60時間以上で、各大学が正規課程の授業科目や各種講習、公開講座等によるまとまりのある教育プログラムを編成。本来の趣旨は単位の修得や学位の取得を目指すものではないため、その教育水準が各課程(学士・修士・博士等)における教育に相当する水準とは限らない。