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第5回健康・医療・介護情報利活用検討会及び第4回医療等情報利活用WG議事録

2020年12月19日

議事録を読んだ感想

2時間でここまで濃い話をしていることに驚嘆。

議題

(1)全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大及び電子カルテ情報等の標準化について
(2)電子処方箋の仕組みの構築について
(3)自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大について

議事

開始挨拶

○佐藤企画官

事務局でございます。定刻になりましたので、ただいまより、「第5回健康・医療・介護情報利活用検討会及び第4回医療等情報利活用WG」を合同で開催いたします。構成員等の皆様方におかれましては、御多用のところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
本日の出席者でございますけれども、お手元の出席予定者リストのとおりでございます。
次に、資料の確認をさせていただきます。議事次第、出席予定者リスト、座席表のほか、資料1-1から3、それから参考資料1から3、合計10点でございます。事前にメールでお送りしておりますので、Web会議の画面上見づらいということでございましたら、お手元の資料で御確認いただければ幸いでございます。
それでは、これから議事に入りますけれども、実開催と並行してWeb会議方式を採用しておりますので、次の3点について御協力いただければと存じます。
まず1点目でございますけれども、御発言の意思がある場合には、実開催に御来場の方は挙手いただき、また、Web会議で御参加の方は、例えばチャットに「発言あり」などと記載していただいて、森田座長のほうから指名の上、御発言いただきたいと存じます。
それから、2点目でございます。御発言の際には、御所属と氏名を最初におっしゃってから御発言をいただければと存じます。
それから、3点目でございます。医療等WGの御所属の先生方、あるいはオブザーバーの皆様におかれましては、基本的にこの医療情報の関係についての御発言をいただければ幸いに存じます。
なお、本日の会議でございますが、これは公開でございますので、一般の方及びプレスの方につきましては、YouTubeのライブ配信等を通じて傍聴されているということでございますので、あらかじめ申し添えます。
事務局からは以上でございます。
それでは、以後の進行につきましては森田座長にお願いいたします。

○森田座長

皆様こんにちは。森田です。
本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
本日の議論ですけれども、前回までの議論を踏まえまして、各議事の論点ごとの主な意見と検討の方向性を案といたしまして、事務局において資料を用意させていただいておりますので、皆様にはそれをベースに御議論いただければと思います。
なお、議事進行に当たりましては、まず事務局から御説明いただきまして、皆様にはその後御議論いただく予定でございます。その後で次の議事に移っていくということにしたいと思います。時間の都合上、次の議事に進ませていただく場合がございますので、可能な限り円滑な進行に御協力いただければ幸いでございます。
それではまず、議事(1)について、事務局から御説明をお願いいたします。

(1)全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大及び電子カルテ情報等の標準化について

○前田医療情報技術推進室長

医政局研究開発振興課医療情報技術推進室長でございます。

資料1-1

まず、資料1-1をお開きいただきたいと思います。こちら、2と3と同じような様式で、先ほど座長からもお話をいただきましたとおり、これまでの整理結果と検討の方向性という形でまとめてございます。

まず、ページをおめくりいただきまして、2ページ目を御覧いただきたいと思います。これは、レセプト情報の医療情報についてどのように閲覧するかという項でございます。これは前回の御議論の中で、患者さん、あるいは医療機関に確認できる情報として、傷病名ということを候補に挙げさせていただきましたけれども、それぞれ御不安や誤解という懸念という形で慎重な運用を求められたところかと存じております。医療機関に対しても同様かと思っております。

それを踏まえまして3ページ目でございますが、整理の結果といたしまして記載しておりますとおりでございますが、明細書を原則といたしますので、明細書の中の情報としてない傷病名の取扱いにつきまして、これは詳細について後ほど資料1-2で御検討を賜りたいと思ってございます。

また、4ページ目でございますが、確認できる医療情報の範囲でございます。これは御意見の中で、やはり情報を共有してほしくない方に対する配慮というお声があったと思っております。
<検討の方向性>としては、今、薬剤情報や特定健診情報を閲覧できる際には、御本人の同意を受診のたびにいただくことになっておりますけれども、それに加えて、医療情報というカテゴリーで同意をいただくという形で、御本人の御意向をその都度確認させていただくということで進めさせていただいてはどうかという形で考えてございます。

続いて5ページ目でございます。救急時に確認できる仕組みといたしましては、これは様々な御意見を頂戴いたしましたけれども、大きくはやはり救急時の利便性というところと、セキュリティの担保をどのように保つかというところかと思っております。これにつきましても、1-2で簡単にシェーマでイメージを御説明して、改めて不備等を御議論いただきまして、最終的に取りまとめさせていただきたいと考えてございます。

6ページ目からは、この医政局、私の説明する資料の中の大きな2つ目のカテゴリーの電子カルテの標準化部分でございます。

おめくりいただいて7ページ目でございます。まず、使う電子的な規格でございますが、HL7 FHIRを使用させていただきたいという形で御披露申し上げました。特に慎重な御意見をいただいていないと思ってございますので、HL7 FHIRを基盤といたしました上で、標準的な情報について議論させていただきたいと考えてございます。

8ページ目、その具体的に載せる情報でございますけれども、これは御期待をいただいている声に加えまして、5ポツ目以降ですね。ACPでございますとか口腔診査情報、あるいは栄養情報といったものについて、標準化を進めるべきといった御意見を賜ったと思ってございます。
<検討の方向性>といたしましては、東京大学の大江先生、前回にも進捗状況を御報告させていただきましたが、今、御研究をいただいております画像を含みます診療情報提供書や退院時サマリー、電子処方箋や健診結果報告書の文書について、まず標準化を進めさせていただきたいということ。疾病名から薬剤禁忌情報までの患者基本情報でありますとか、救急や生活習慣病関連で必要な検査項目といったところについて標準化を進めさせていただきたいと考えております。
なお、ほかの項目につきましては、まず第一段階として、厚生労働省として1つという形で定めていくということは必要だと思っておりますので、これは学会と厚労省の中でも関係する課とよく調整させていただいた上で、その上で、標準化、これ一本というところが見えてまいりましたら、HL7 FHIRに載せていくという技術的なところについて整理させていただいて、次第に標準的なものという形で導入していくという流れを考えているものでございます。

最終ページ、9ページ目でございますが、これは電子カルテ標準化した後にどのようにその情報を共有するかという形で様々御意見をいただきましたので、これは前回の御意見を踏まえまして、次回にこれはデータヘルス改革に関する工程表という形でお示しさせていただきたいと思ってございますので、それでおまとめさせていただいた上で、また改めて御意見を賜りたいと考えてございます。

資料1-2

それでは、続きまして資料1-2のほうに移らせていただきたいと思っております。これはレセプト上で前回いただきました御意見、幾つかピックアップして論点として挙げさせていただいておるものでございます。

2ページ目を御覧いただきたいと思います。これは前回の会議資料でお示ししたものと同じでございます。患者さんの需要の中に、現病名について関心が、約69%という形で知りたいというお声があるという現状でございます。

3ページ目でございますが、これはがん患者さん、1つ説明丁寧にあるべきという形で例示としていただいた分でございますけれども、90年代、15%程度でございましたが、2012年が直近の手元にございますデータでございましたが、73.5%まで進んでいるという状況でございますが、その後8年程度たっておりますので、より進んでいるものが期待できるとは思いますけれども、大体2~3割程度まだ告知を受けていない方がおられるというのが現状かと思ってございます。

4ページ目は精神疾患の患者さんでございますが、これは、申し訳ないですが、外来時にどれぐらい告知が進んでいるかというのが手元にございませんでしたので、入院時の例を挙げさせていただきますと、入院時に関しましては、基本的に任意入院、あるいは措置入院という形で、医療保護入院という形がございますが、これは御本人、あるいは御家族の方に、傷病の経過でありますとか入院の見通しといったものをしっかり御説明いただいた後に入院という形を原則としておりますので、こういった方々については、患者、あるいは御家族にある程度傷病についての御説明あるものと承知してございますが、その外来に当たってはどの程度かという資料について持ち合わせていないものでございます。

 

5ページ目をお開きいただきたいと思います。そういった中で、傷病名を取り扱う形で様々考え方があろうかと思っております。前回お示しいたしましたものが一番上段になるかと思っております。全ての傷病名を確認可能とするというところでございますが、これは当然、レセプト上の疑い病名等を患者に提供するということになりますので、不安や誤解を生じる可能性があるのではないかという形で御意見をいただいたかと思っております。
例えば考え方として、次の2段目でございますが、疑い病名を閲覧させない。疑い病名以外を閲覧可能にする。あるいは、4段目にございますとおり、指摘をいただいたがんでありますとか精神疾患を除いて閲覧可能とするということも考え得るのですけれども、これは前回しっかり御案内をしていない傷病について、いきなり見られるというところについて不安や誤解という形で御意見を賜ったと思っておりますので、今申し上げた2つだと、一定程度の緩和効果あると思っておりますが、限界があるのではないかと考えております。
やはりそういった御不安を取り除くという形でございますと、上から3段目、これは患者さんに告知を前提として、そういった傷病名についてシェアするというところから始めさせていただいてはどうかと思っておりまして、これは前回のお話の中の御不安というところについては一定緩和できると思っておりますけれども、現状のレセプトの中で速やかに告知済みかどうかということは確認するのは難しゅうございますので、一定のシステム上の対応というところをまず検討させていただいた後に実装させていただくというような流れかと考えてございます。

 

なお、6ページ目にその他の選択肢という形で書かせていただきましたけれども、傷病名、全く不可とするという考え方もありますけれども、これはもともと医療情報をどのように利活用するかというところが出発点でございますので、なるべく傷病名を見せるとしたらという形で御議論をいただければと思っておりますし、また、医療機関だけに傷病名をお示しして、患者さんには見せないというチョイスも考え得るわけではありますけれども、やはりもともと患者さんにお渡しをしている情報をいかに活用するかというところを出発点に据えることもございますし、患者さんが知らない情報を直接診断されたわけではない医療機関だけが知っているというところも、情報の非対称性というところも大きいのではないかと思っておりますので、先ほどのそういった告知を前提としてシェアさせていただくというところを出発点としてさせていただいてはどうかと考えてございます。

7ページ目を御覧いただきたいと思います。上段部分、今、私、御説明差し上げたところでございまして、下段部分でございますが、レセプト上の傷病名の提供に当たりましては告知を前提とするという考え方に基づきまして、これはシステム上の課題等をまた改めて整理させていただいた上で、実装という流れにさせていただければと考えてございます。

また、8ページ目、今まで患者様にどういう情報を渡すかという形で御説明を申し上げましたけれども、これはほかの医療機関に渡すときにはどうするかと。基本的には傷病名については同じ考え方かと思っております。
上段部分の2ポツ目でございますが、その傷病名そのものを閲覧できなかった場合に、今行っている医学管理、どのような定期的な医療管理を行っているかというところの視点でレセプト情報を見てみますと、例えば医学管理であるとか在宅療養指導管理料といったものは、慢性的な疾患で一定的に濃度の高い医学管理を行っている場合に点数として算定するものでございますので、そういったもの、もちろん限界はございますけれども、一定の定期的な医学管理が必要な疾病について類推できるのではないかと考えておりまして、その疾病名を最終的に御提供するという流れの中で、その手前の段階かと思っておりますが、医学管理や在宅療養指導管理料について提供する仕組みの中に入れさせていただいてはどうかという御提案でございます。

9ページ目からでございますけれども、今、医科レセプトを前提にどういった情報をというお話を差し上げましたけれども、これはレセプト、歯科と薬剤もございますので、その差と、それを踏まえてどのように対応をとるかという形の御説明をさせていただきたいと思っております。

まず10ページ目でございますが、これは前回の資料でお示しさせていただきましたとおり、医科のレセプトの場合だとどうだということで、差分としては傷病名が一番大きくございましたので、そちらについて御議論いただいたものでございます。

11ページ目を御覧いただきますと、これは歯科レセプトと患者さんにお渡しする明細書の差分でございます。大きくは、真ん中、傷病名のところに部位が加わりますけれども、これは基本的に傷病名で、医科レセプトを前提に御議論いただいたときと同じ取扱いだと思っておりますので、部位だけ特別に御提供するというところは考えにくいのではないかと考えてございます。

また12ページ目でございますが、調剤レセプトでございます。これはほかと違うところでいきますと、真ん中辺り、保険医療機関名の所在地、名称、都道府県番号、医療コード、保険医師名や受付回数というところが特徴としてございます。一方で、今回患者さんに情報をお渡しするというときには、調剤レセプトだけではなくて、歯科や医科レセプトに基づく診療情報についてもお渡しいたしますので、今、調剤レセプトの中の保険医療機関の情報等は当然それぞれのレセプトの情報提供いたしますので、これは閲覧可能となっておりますから、この差分を特徴として新たに加える、差し引くという考え方は必要ないのではないかと考えてございます。

なので、13ページ、まとめておりますけれども、これは医科を前提に丁寧に御説明させていただきましたが、歯科、調剤に当てはめましても、特に差を設けない取扱いとさせていただいてはどうかという形の御提案でございます。

14ページ目からは、今申し上げたことのまとめでございます。

15ページ目をお開きいただきまして、これは前回御説明させていただいたものとほぼ同じでございますけれども、基本的には、マル2に書かせていただいておりますとおり、「診療報酬の算定方法に掲げる部」というのがございますので、その部で大きくカテゴライズさせていただいた上でイメージを持たせていただいてはどうかという形で考えてございます。

16ページ目でございますけれども、これは前回お示しさせていただきましたが、医療機関名のほか、傷病名、手術、放射線治療、画像診断、病理診断を提供する情報として挙げさせていただいてはどうかという形で、前回御提示させていただいたものでございます。

17ページ目を御覧いただきまして、まず、その傷病名、御議論を踏まえてどういう形で対応してはどうかという御提案でございますが、傷病名そのものにつきましては、一定、告知が確認できる仕組みみたいなものをしっかり確認を差し上げた上で提供させていただいたらどうかと思っておりますので、まず、医学管理と、あと医学管理と同じ考え方でございますが、在宅医療のうち在宅療養指導管理料、具体的には在宅妊娠糖尿病患者指導料とか、血液透析の管理料等がございます。そういった情報があれば、そのような管理を受けておられる方だということは判断可能でありますので、そういった情報、傷病名必ずしも示さなくても、代替として御提案させていただいてはどうかと考えてございます。

18ページ目でございます。次は手術でございますが、これは特に手術情報を閲覧させるべきではないという御意見をいただいてはいないと思っておりまして、改めて例示として挙げさせていただいておるところもありますし、昨年度の実証事業の中でも、手術情報というのは有用ではないかという形で幾つか御意見をいただいていますので、こういった期待をいただいているような声もございますので、手術の全てと、あと、これは診療報酬上テクニカルな話で恐縮ですが、入院料の中に短期滞在手術等基本料というのがございまして、こちら、短期間の入院を伴う手術は手術料も含めて包括的に評価するという点数ございますので、手術の情報を明らかにするという考え方の中であれば、こういった基本料の算定の有無というところについても閲覧可能としてはどうかという御提案でございます。

19ページ目でございますが、放射線治療、画像診断、病理診断については、特に診療報酬上のテクニカルな問題はないと思っておりますし、有用な御意見もいただいておるところでございますから、同様の項目を閲覧可能としてはどうかと思っております。

また、最後、20ページ目でございますけれども、その他ということで、これは例示の中でも、透析の有無については閲覧可能としてはどうかというお話を差し上げておりまして、実際、こういった有用と考えられる例も考え得ると考えてございます。実際、レセプトの情報の中で透析の有無ということを確認するためには、処置のうちの人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流といったところが候補になると思っておりまして、そういったものを閲覧可能としたいと考えております。
処置は当然ほかにも透析に関わらない項目、多数ございますけれども、ほかにこういった透析情報を見たい、類似するようなものがありましたら、そういったところをシェアする医療情報として候補としてなり得ると思っておりますので、そういった視点についてもぜひ御検討を賜りたいと思ってございます。

21ページ目でございますけれども、これは医科点数表と歯科、調剤との関係でございます。歯科の中には、歯冠修復及び欠損補綴の項目、歯科矯正の項目がございます。また、調剤点数表の中には、調剤というところの中で調剤技術料や薬学管理料といったものがございますけれども、歯科につきましては、歯冠修復、欠損補綴、これは実際、さきのレセプトの情報というよりも、今、患者さんがおられる状況の中での話でございますから、今、患者さんがお見えになれば修復、あるいは補綴というところを見ることは可能だと思っておりますので、そういった意味では、歯科レセプトの特徴を考えて新しく項目追加は現時点で必要ないのではないかと考えてございます。
また、調剤についても、個別の疾病の対応を明らかにするというのは、当然薬剤情報は重要な情報でございますが、医学管理という観点ですと、包括的な点数ということになりますので、なかなか患者さんの様子を見づらいというところもございますので、現時点で候補として入れなくてよいのではないかという形で考えてございます。

22ページ目はそのまとめでございまして、医科で今詳細について案を御説明させていただきましたが、歯科、調剤について、レセプトの特徴上で新たに項目を追加することは必要ではないのではないかという形の御提案でございます。

最後、23ページ目からでございますが、これは前回に論点として提示させていただきました救急時の閲覧の方法でございます。詳細につきましてはまた改めて具体的なシステムの流れみたいなところは整理をして御説明させていただきたいと思っておりますので、まず、大まかな流れという形で御意見を賜りたいと思っております。

24ページ目でございます。これは救急時の原則というところを書かせていただいておりますけれども、基本、マイナンバーカードをお持ちで、かつ、マイナンバーカードに基づく本人同意を得られた場合というのを原則のイメージとして、考え方のスタートラインとさせていただいてはどうかと思っておりまして、25ページ目をお開きいただきたいと思います。
まず、マイナンバーカードをお持ちで、御本人の同意が確認できないという場合、当然救急時ですから意識がないケースということが考えられますけれども、そういったときに患者さんの生命及び身体の保護のために情報を得る必要がある場合は、右から2番目、これは先ほどの例からいきますと、本人同意の部分が難しくなってくるというところがございますので、救急専用端末というものを用意させていただいた上で、事前に閲覧可能な有資格者については、事前にIDをお配りすることによって、閲覧可能な方を一定程度顔の見える形にさせていただいた上で、これで情報を閲覧可能とすると。
そのときには、右側にございますとおり、閲覧ログをしっかり取っているということを閲覧されている方にも分かるような形で御提供することで、事後的に、その閲覧ログが残っているということで確認できるという前提で今御覧いただいているのだというところをしっかり周知することで、適正な使用ということを促していきたいと考えてございます。

また、26ページ目でございますけれども、マイナンバーカードをお持ちでなく、かつ、御意思も確認できないところでございますけれども、これはもともとの御本人かどうかというところは、マイナンバーカードがないので、左から2番目でございますが、御本人確認をマイナンバーカードで行うわけにはいきませんので、右から2つ目のとおり、氏名、生年月日、性別、保険・住所等の4情報をいただいて、その上で、これは救急専用端末を用いさせていただいて、この4情報を入れますと情報が出てくると。その情報を閲覧しますかという形で、端末を今御利用いただいている方を再確認させていただいた上で閲覧という流れにさせていただいて、閲覧中は閲覧ログを取っているというのが分かる形で閲覧をいただく。その閲覧をされた記録というのは残りますので、これは情報管理をいただいている管理者、病院の中の方にも、後々、そういった閲覧したものと実際の救急の流れというのは確認いただいた上で、何か気になるものがありましたら、これはなぜ見たのかという形で確認するような仕組みでセキュリティを保たせていただいてはどうかと思っております。
考え方としては、実は閲覧のシチュエーションのときには、余り手続多くしてしまいますと救急の現場では使いにくくなってしまうというところがございますので、その事後のところでしっかり確認するという仕組みを入れさせていただいてはどうかと考えてございます。

27ページ目はまとめでございまして、それぞれマイナンバーカード、そして、同意を前提として進めさせていただきますけれども、それらの一部が欠ける場合にどのような取扱いとするかという形で、今ほど申し上げた形でまとめさせていただいたものでございます。
私からは以上でございます。

○森田座長

ありがとうございました。
それでは、この議事(1)全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大及び電子カルテ情報等の標準化について、これにつきまして、御意見のある方は御発言をお願いします。
それでは、Webのほうから山本構成員、続きまして長島構成員、お願いいたします。

○山本構成員

ありがとうございます。
病名に関してですけれども、今日の御説明では、何らかの手段で告知済み病名に限定して見せるという形、あるいは共有するということの方向性だと思いますけれども、大きな流れとして特にそれに異存があるわけではありませんけれども、実際は、告知といっても、レセプトに書く病名のレベルの告知と患者さんに説明する告知とは多分レベルが違うことが多いと思うのですね。
例えば膠原病の一つで結節性多発性動脈炎という病名があって、これは多分レセプトにも結節性多発性動脈炎と書かれるのですけれども、実は病型が幾つもあって、全身型と皮膚型では全然予後が違うわけですね。それを患者さんには詳しく説明しているわけですけれども、レセプトに出てくる病名は、結節性多発性動脈炎と出てくると、患者さんはそれをインターネットで調べたりして、先生の言うことと違うみたいなことになりかねないと思いますので、そういう告知のレベルみたいなものもある程度考慮して考えたほうがいいと思います。
以上です。

○森田座長

ありがとうございました。これは事務局、そういう御意見ということでよろしゅうございますね。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。いずれにしても、これは令和4年まで十分時間をいただくものでございますので、その後ということになりますから、そういった今の御意見を踏まえさせていただいて、具体の運用というところについてまた検討して、改めて御披露させていただきたいと思います。

○森田座長

それでは続きまして、長島構成員、お願いいたします。
○長島構成員 長島です。
私もまず傷病名のことですが、今、山本先生からもお話がありましたけれども、レセプトのための病名というのは一定の決まりがあって、その病名を使わないとレセプト請求ができないということです。それが実際に臨床の現場で使っている病名とは一致しないということもしばしばあります。なので、非常に現場で苦労しているわけですけれども、現場でよく使われている用語を使って患者さんに説明するということが非常に多いので、そうすると、レセプトの病名と見ると違ってしまう。病気としては同じですが、表現が違うということがよくある。
それから、今お話がありましたように、レセプトの病名だけでは説明できないこともいっぱいあるということで、ここのところはやはりかなり慎重に、丁寧に環境整備が必要かと思います。単純に告知してあるかどうかというような分け方というのはちょっと乱暴ではないかと思います。
それから、ただし、傷病名というのは、患者さんが治療の主体になるため、絶対に御本人には把握していただく必要があるものですが、それは別にこのシステムを使わなければいけないということは全くなくて、診察のときに医師がきちんと伝えて、それを例えば紙の健康手帳に記録していただいてもいいし、これから広がるパーソナルヘルスレコードのような形で電子的に御自分のスマホ等に記録していただくという形で、御本人が把握する、あるいは御本人が常に持っているという方法は、この現在のシステムだけではないということも十分、むしろ診察の場面でしっかりお伝えして、御自分で把握していただくというほうが重要かと思っています。
次に、救急情報の活用に関しましては、既に動いている地域医療連携ネットワークのシステムの中に同じような機能がありまして、実際に使われている場合もあるかと思いますので、そこで実際にはどのように使われていて、どのようなメリットがあるのかとか、どのような確認の仕方をしているのか、あるいはどのような課題があるのかというようなこと、ここが大変参考になると思いますので、ぜひそこのところの資料も集めていただきたいと思います。
それから、利便性を高めるためには、現場では使いやすくしたほうがいいのですが、そうすると不正利用も起こりやすくなるということで、事後的なチェックだけではなくて、ペナルティをしっかりつける必要があるかと思います。不正利用した場合には、不正利用した本人及びその管理責任ということで、施設に対してもペナルティがつく。それをすることによってこの不正利用を抑止すると。この方面も必要かと思います。
以上です。

○森田座長

ありがとうございました。これはよろしゅうございますね。
それでは、続きまして遠藤構成員、お願いいたします。

○遠藤構成員

遠藤でございます。
3点ほど御意見を出させていただきます。まず1点は、マイナンバーカードが普及しないと、もともとこれは進まないということで、マイナンバーカードは普及に努めていただくのは当然ですけれども、これは現状ではかなり見切り発車的にスケジュールが進んでいると思っております。
それで、国民に対する広報をしっかりしていただきたいということですけれども、特にこれができるという広報だけではなくて、現在の進行状況ですね。必ずしもスタート時点で全てのところで実施できるとは思えないので、そういったことで混乱のないような方法をまずお願いしたいと思います。
それからもう一点、情報の非開示というか、患者さんの方がこれを開示しないと言った場合に、それが医療機関で情報を得たときに非開示の部分があるということが分かるような状態にしていただかないと、一部の情報が欠落して、それがないものと判断して、判断の誤りということが起きないような何らかの、非開示の部分があることが分かるような状態にしていただきたいなと思っております。
それから、歯科のレセプトについてでございますが、説明にあったように、開示する部分は医科と同様の範囲でやられて結構だと思います。固有の部分につきましては、歯科は単科でございますので、歯科同士であれば見れば分かるということと、医科、その他の他科へのお知らせということであれば余り必要性もないかなということで、医科同様でお願いできればと思っております。
なお、レセプト病名につきましては、お二方からの御意見、そのとおりだと思っております。
以上でございます。

○森田座長

ありがとうございました。これもよろしゅうございますね。御意見として受け止めておきます。
それでは続きまして、健保連の田河理事の代理の増田部長、お願いいたします。

○増田代理(田河オブザーバー)

健保連の田河の代理の増田と申します。よろしくお願いいたします。
患者の確認できる保険医療情報につきまして、1点、御意見を申し上げたいと思います。特定の疾患につきましては配慮が必要ということでございますけれども、患者アンケートにおきましては、傷病名を閲覧したいという希望が多くなっておりますので、傷病名を知らせない状態といいますのは患者ニーズに即さない。我々は保険者でございますので、言い換えますと、患者ニーズ、イコール被保険者ニーズということができると思いますけれども、被保険者ニーズに即さないということになりますので、できる限り早目に提供できるよう、今後の計画を示していただければと思っております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。

○森田座長

これもよろしいですね。
続きまして、日本看護協会の秋山構成員、どうぞ。

○秋山(智)構成員

ありがとうございます。私から、資料1-1のところで2点、意見でございます。
資料1-1の8ページ目の下の<検討の方向性>の3点目のポツのところですけれども、学会や関連団体が標準的な項目を取りまとめると書かれておりますけれども、こうした検討会などで共有が必要と認めた情報については、ぜひ厚労省でも標準的な項目やHL7 FHIRの規格仕様書を取りまとめることも検討していただきたいと思っております。厚生労働省が取り組むことで標準化が加速されると思いますし、それによって患者さんへの最適な医療の提供につながると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それともう一点目は、同じく資料1-1の次の9ページ目の下の<検討の方向性>の1点目のところでございますが、今回は医療情報の共有ということで電子カルテ情報の標準化について資料をまとめていただいておりますけれども、健康・医療・介護情報の利活用ということを考えた場合には、電子カルテ以外にも、訪問看護ですとか介護施設等の情報の共有も重要かと思いますので、まずは標準化を図りやすい電子カルテに関する情報から着手するのは理解できますけれども、工程表の中には訪問看護や介護施設等の情報共有に関する記述も含めていただければと思います。
以上です。

○森田座長

ありがとうございました。これもよろしゅうございますね。

○前田医療情報技術推進室長

すみません、1点だけ。介護情報等の取扱いについては、また電子カルテを中心にちょっと検討させていただいておりますので、どの辺まで書けるかというところを改めて検討の上で御披露させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○森田座長

ありがとうございました。
続きまして、高倉構成員、どうぞ。

○高倉構成員

高倉です。
私のほうから、資料1-2の25、26ページ、救急時の話について確認させていただきたいのですが、マイナンバーカード等がない場合に、緊急で閲覧するわけですけれども、事後的にというのはどういうことをイメージされているのかをもう少し説明いただきたいと思います。
例えばマイナポータルで御本人様が自分の情報を閲覧されたということが分かるようになっているのか、そうではなくて、何らかのチェックするシステムが動くのかというのをちょっと説明いただければと思っています。
以上です。

○森田座長

では御説明をお願いいたします。

○前田医療情報技術推進室長

事務局でございます。
今考えておりますところというのは、少なくとも閲覧ログが残っているという状況で見ていただきますので、後ほど、この医療機関の中の医療情報についての管理をいただいている方に定期的に、どういった情報を見たのかという形で、これは閲覧が残るような形にしたいと思っております。運用でありますので、これの中で具体的に、実際受診をされていない患者さん等の閲覧があった場合に、まずどういった経緯で、そういった受診の履歴のない方についても閲覧に至ったのかみたいなことの確認ということは必要かと思っておりますので、そういったところで事後に確認できるような仕組みを入れてはどうかという形で考えております。
なので、さらに、これはあくまで考え方でございますので、今のお話等も踏まえて、具体的にどういう運用をするかということについては、今日、シェーマでございますので、少し工夫をして、また改めて御意見を賜りたいと思っております。
以上でございます。

○森田座長

よろしいでしょうか。

○高倉構成員

はい、分かりました。

○森田座長

それでは続きまして、樋口構成員、お願いいたします。

○樋口構成員

ありがとうございます。
1点だけ申し上げたい点があります。それは、提供する情報の範囲の問題と救急の問題、両方に関連する問題なのですが、先回どなたかが、きちんとアドバンス・ケア・プランニングに関するような情報もやはり提供情報の中にあったほうがいいということを発言していただいたのですが、具体的にその中でDNARとか、蘇生をしないというような指示が既にお医者さんから出ているというような情報も入ってくると思うのですね。その中には。だから、そういう点についても、既に韓国とかアメリカとかは、アメリカだとPOLSTとかいう話になるのですが、そういう情報も電子化されて共有できるようになっているという話を聞いていますので、そういう点も具体的に検討していただけたらありがたいと思っております。
以上です。

○森田座長

ありがとうございました。事務局、お願いします。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。今、特にACPを例という形で御指摘をいただきました。今、これはレセプト上の話でございますので、レセプトだとなかなかACPの状況というのは確認が難しいということがありますので、これはいずれ電子カルテの標準化と普及、そしてその利活用というところに関わってくるかと思っております。特に今のACPのところについては、患者さん、あるいは医療関係者の中でまだまだ意見集約ができていないところ、同じ医政局の話かもしれませんけれども、そういった状況かと思っておりますので、そういった、まず現状の理解と、その理解にフィットした電子カルテなりこういった情報の運用という形の順番で検討させていただければと思ってございます。
以上でございます。

○森田座長

よろしいですか。

○樋口構成員

はい、ありがとうございます。

○森田座長

続きまして、三原構成員、お願いいたします。

○三原構成員

ありがとうございます。私から2点ほど意見と御質問させていただきたいと思います。

まず1点、情報の開示の範囲のことを御議論されているのですが、基本、公開の方向でいくというのは私も特段異論はないのですが、ただ、その公開するタイミングであるとか、公開するには少し配慮が必要な情報というのもあると思っていまして、システム的な話になってしまうのですけれども、公開する、あるいは利活用するときに、その情報に対してアクセスコントロールができるような仕組みづくりというのも御議論いただけたらと思っています。

レセプト情報の公開が先行して議論されていますので、ゼロか1かという議論になってしまっていますが、電子カルテの情報を公開するという段階には、機微な情報はやはり配慮が必要ですし、配慮なくても、ある一定の公開がいいだろうという情報もあるかと思いますので、できるだけ、ある一定の粒度でアクセスコントロールができるような仕組みづくりというのを御検討いただきたいと思っています。
2点目ですが、FHIRが前面に出ていて、ちょっと後ろに隠れているように思ったので質問なのですが、医療には画像情報というのも大事な情報がありまして、そこには世界標準のDICOM規格というのもあります。そういうところをどう使うのか、あるいは、今回、議論の中には画像情報というのはあくまでキー情報だけに絞って扱わないのか、その辺の線引きというのはどうなっていますでしょうか。

○森田座長

お願いいたします。

○前田医療情報技術推進室長

事務局でございます。
これは前回の10月21日の会議のときにお示しさせていただいて、詳しく御説明いたしませんでしたけれども、現在は医療におけるデジタル画像と通信というところは、厚生労働省標準の中に平成22年に入れさせていただいているところでございます。なので、標準化を進めている一つの分野でございますから、またそれをどういう形で共有するのがいいか、これはスタートの医療部会でこういった仕組みを議論始めますといったときに、1つ御意見をいただいたところでいきますと、全ての情報を閲覧できるということになると、逆にその情報量が大き過ぎるので、どういう形で進めていくかというところで、その慎重な御意見もいただいたところでございますので、例えば画像について、今、標準化を比較的進めていただいているところですから、次にどういう情報をシェアできるように準備しておくかというところの議論の際に、これをどうやって生かすかという形でまた御議論いただければと思っております。

○森田座長

三原構成員、いかがでしょうか。

○三原構成員

議論していただけるのでしたら、ありがとうございます。

○森田座長

続きまして、利光構成員、お願いいたします。

○利光構成員

愛媛大学の利光です。よろしくお願いします。
全体的なお話のところでのご質問とお願いになるのですけれども、1つが、7ページのところで、電子カルテの標準化のところです。急ぎとしましては、病名や薬剤情報とか検査処方ということが当然入ってくるかと思うのですけれども、入院患者、患者さんにおいては、全身管理ということをやはり重視いたします。
栄養の点で先に申し上げると、当然、入院基本料に栄養管理というものが入っており、食事療養に関わる食事提供があり、嚥下状態も加味したものでもあります。またその方の生活に合わせた栄養指導があり、栄養情報提供書に至ります。その一連のものがございます。栄養外におきましても、リハビリや、看護におきましても、全身管理であるとともに、リスク管理の面も含めて必要かと思います。この点について、一番最初にそこまで入れるということが難しいのはよく分かっておりますけれども、御検討いただきますと幸いです。
また、この検討に際しましては、所属団体並びに庁内の部署等で御検討いただけるということでお話があったと思いますが、この点は御検討いただけるということで宜しかったでしょうか、御回答いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○森田座長

お願いいたします。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。利光委員から前回も栄養情報については御指摘を賜ったと思っております。関係課に伺ってみますと、4月1日の栄養学会を初めとして、そういった気運はあると伺っておりますので、まず、厚生労働省というか、全国で一つのイメージということが固まりそうであれば、それを逆に技術的にHL7 FHIRという規格の中に載せるために、あるいは厚労省標準とするためにどうしたらいいかみたいなところは当方の得意とするところでありますから、そういうところをうまく掛け合わせ、標準化に向けた議論を進めさせていただきたいと思っております。
以上でございます。

○森田座長

利光構成員、よろしいでしょうか。

○利光構成員

はい、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

○森田座長

続きまして、小泉構成員、お願いいたします。

○小泉構成員

ありがとうございます。小泉でございます。
緊急時のとか救急のときでございますけれども、理想論になるかも分からないのですけれども、システム上可能かどうかも分からないのですけれども、救命上重要な情報であるとか注意すべき情報がキーワードとしてピックアップできれば非常にスムーズに事が運ぶのではないかと思いますので、意見として述べさせていただきます。
以上でございます。

○森田座長

ありがとうございました。これはよろしゅうございますね。
続きまして、宇佐美構成員、お願いいたします。

○宇佐美構成員

日本歯科医師会の宇佐美でございます。
資料1-1の8ページ目、「電子カルテ情報に関する標準的なデータ項目」ということで、6ポツ目に「関係団体が策定した口腔診査情報標準コードも対象とすべき」という項目があります。実はこれは、私は歯科ですが、災害時の身元確認の口腔診査のコード、これもここにコードも対象とすべきということで、前回、昨年からこの口腔診査情報標準コードをぜひ取り入れていただくということが電子カルテ上も必要であるということを申し上げております。「関係団体が策定した口腔診査情報標準コード仕様をぜひとも対象とすべき」も対象とするという表現で記載いただければと思います。
また、先ほどから傷病名の開示、閲覧ということを論議されておりますが、歯科のほうも部位が問題になることが多々ございます。先ほど健保連の方がおっしゃっていましたが、この傷病名の閲覧を、患者さん(被保険者)の希望があって閲覧できるようにということも要望であるとのことですが、我々医療サイドから申し上げれば、このレセプトの傷病名、何度も申し上げますが、レセプトを請求する上での傷病名になっているという問題点があるということをお話しているのであって、閲覧することを反対するわけではございません。このレセプトを開示するときに、また、レセプトの閲覧をするときに何らかの条件なり設定を考える必要があるということを申し上げております。 以上です。

○森田座長

ありがとうございました。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。これはまさにいただいた御意見を<主なご意見>という形で入れさせていただいたものでございまして、これは令和元年9月に厚労省標準という形でおまとめいただいたものでございますから、この利活用方法について少し勉強させていただいて、標準化に向けて標準カルテという形の中の入れ込む情報の候補としてまた検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○森田座長

ありがとうございました。
それでは、大山構成員、お願いいたします。

○大山構成員

東工大の大山です。時間がないので、2つだけ簡単に申し上げます。
HL7 FHIRについては、電子カルテとの関係がございますが、これに関して方向性としてどうこう言うつもりはなくて、結構なことだと思っているのですけれども、戦略と戦術の違いがやはりあって、そこのところについてはより詳しい検討が要るかなと。これについてはまた別途意見を出させていただきたいと思います。
それから2つ目は、救急時の本人、患者さんに意識がないときのマイナンバーカードの使い方に関してのことですけれども、事後的に分かるようにするという話の手段として、安全性を見たときに、端末を専用化する、これ自体が、費用対効果、いろんなことを考えたときに本当に得なのだろうかということは、やはり専用端末というのはちょっと気をつけたほうがいい可能性がありますので、そこのところが1点目。
ただ、2点目としては、その代替になるわけですけれども、三師会さんのほうでも、HPKIを使ったカードのお話も出ておりますので、フランスなんか考えると、医療従事者の方の権限をお持ちの方がアクセスするときに、患者さんのカードとかで救急についても重要な情報がアクセスできるようにするという方法も考えられています。
こちらの方法ですと、これが確実なエビデンスになっていまして、ログの解析という閲覧ログについての話がありますけれども、こちらについてはどれくらいの安全性を確保するのかということも含めた議論が必要になりますので、全体、トータルで見たときにどっちがいいかというのはもう少ししっかり検討する必要があるのではないかなというのが私の意見でございます。
以上です。

○森田座長

では、事務局、お願いします。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。まず、本人確認というところで、今、HPKIカードございますけれども、これは普及状況等もございますし、ほかの職種ですとなかなか普及が進んでいないと、医師以外の職種については普及が進んでいないところもございますので、また別途、こういう国家資格の電子確認する仕組みについても、同じ医政局ですけれども、医事課のほうで検討中というところもございますので、これは実装が令和4年に迫っているところもありますので、ある程度現状の中での対応という形でお示しさせていただきましたけれども、そういった状況も踏まえて、可能な限り、そのセキュリティを高めた上で、利便性の高いものについて進めさせていただきたいと思います。
以上でございます。

○森田座長

大山先生、よろしいでしょうか。

○大山構成員

はい、結構です。よろしくお願いします。

○森田座長

次は近藤構成員ですが、退出されるということで、チャットに御意見が書かれているので、読ませていただきます。
マイナンバーカードとマイナポータルの使い方の講座を準備しています。ぜひ協力してくださる専門家の方で行政の方に御指導、御助言を賜れれば幸いです」ということですので、お伝えしておきます。
続きまして、高橋肇構成員、お願いいたします。

○高橋構成員

全国老人保健施設協会、高橋です。質問が2点あります。
1点目ですけれども、資料2の電子処方箋もそうですけれども、リアルタイム性がこの仕組みで担保されてくると、地域医療連携ネットワークとの差別化といいますか、それが一体どうなっていくのか、その点に関して今後のお考えをお聞かせいただきたいということ。
それから、2点目ですけれども、資料1-2の右下27ページですね。「救急時の情報閲覧の仕組みに関する論点」の➣印の2つ目ですね。救急医療に携わる有資格者等の「等」というのはほかにどういった職種を想定しているのかということと、事前に専用IDを発行するの「事前」とはどのタイミングなのかというのをちょっとお聞かせいただければと思います。
以上です。

○森田座長

事務局、お願いいたします。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。まず1つ目の御質問でございますけれども、レセプト情報のほうの閲覧可能な仕組みというのは、これはあくまでレセプトでございますので、レセプトの流れが大きく変わらない限りは、1カ月後以降の情報をベースに議論いただくものと思っております。なので、リアルタイム性というのは相当限りがあると思っております。
他方、電子カルテ標準化進めている、この標準化を進めていく中というのは、同じ当方で実施しております地域医療連携システムの進捗というところと非常に密接に関わってまいると思っておりますので、そういったところのうまく組み合わせができるように、これは電子カルテの標準化と、あと普及で重要な要素かと思っておりますので、そういったところをうまく活用させていただきたいと思っております。

また、27ページ目で有資格者のIDというところでございますが、今考えておりますのが、先ほど少し申し上げさせていただいたとおり、救急現場用の端末というところをお配りした上で、その端末を使っていただくということを考えてございます。その端末の使用者については、あらかじめ事前にお申し出をいただいた方について、あらかじめIDを付与しておいた上で、実際、救急現場で活用いただくことで、閲覧ログがしっかり残るような形で進めさせていただきたいと思っております。
以上でございます。

○森田座長

よろしいでしょうか。

○高橋構成員

はい。

○森田座長

それでは、永井構成員、お願いいたします。

○永井構成員

永井です。
先ほどHL7 FHIRの話が少し出ましたけれども、現在いろいろなデータベース事業がいろいろな形で進行しています。SS-MIX2、あるいはDICOMを使ったデータベースなどに、このHL7 FHIRのシステムは影響を与えないのでしょうか。それぞれの事業はこれまでどおり続けていけるという理解でよろしいのでしょうか。

○前田医療情報技術推進室長

事務局でございます。
例えばSS-MIX、これは厚生労働省で標準規格で進めさせていただいて、これはストレージの部分がメインでございますが、通信方法も含んでございました。通信方法について改めていただくことが必要かと思っておりますけれども、ここはステージを変えるという話ではございませんので、今まで活用いただいているのと同様の仕組みで、DICOMについても、これは画像所管手法として、これまで世界標準で進めさせていただいたものでございますので、そのストレージの中の出力方式として今回御提案させていただいているというところがございますから、そういった意味で、手戻りというか、全く使えないようになるということはない形かと考えております。
以上でございます。

○森田座長

永井先生、よろしゅうございますか。

○永井構成員

はい、ありがとうございます。

○森田座長

それでは、印南先生、お願いいたします。

○印南構成員

慶應大学の印南です。
前後してすみません。傷病名についてなのですけれども、今まで出た議論に反対するのではないのですが、患者さんの不安とか、あるいは誤解に関する議論は正しい議論だと思うのですけれども、もう一方で、賢い患者さんを育てるという視点も必要ではないかと思います。
例えば、レセプト傷病名と、それから、現場のお医者さんが患者さんに説明する傷病名との間に差があるのは、一般の患者さんは知らないかもしれません。事情を知らないから傷病名を知らせないというのではなくて、レセプト病名というのはこういうものですとか、実際の病状はもっと複雑で、医師本人から丁寧に説明を受ける必要がありますとか、そういうただし書きをつけた上で、賢い患者さんを育てるという視点から基本的に認める方向が良いのではないかと思います。 以上です。

○前田医療情報技術推進室長

ありがとうございます。これは何しろ初めての取組でございますし、薬剤情報、特定健診情報から逐次レセプト情報を閲覧可能にする仕組みという形でございますので、また、そういった要素を踏まえて患者さんに理解を深めるというところについての普及啓発についてもしっかり実施をさせていただきたいと思います。
以上でございます。

○森田座長

ありがとうございました。
あと、長島構成員、大山構成員からチャットのほうに御意見が寄せられておりますけれども、簡単に読ませていただきます。
「緊急時情報閲覧者の本人確認、資格確認には、大山先生の御指摘どおり、HPKIカードの活用が最適と考えます」。それから大山先生から、「単目的のシステム経費を考えるのではなく、汎用性の高い基盤と各アプリを分けることが重要です。国家資格に基づいて実施される医療等サービスは大規模システムなので、なおさら資格所持者を中心に位置づけるべきと考えます」という御意見でございます。
一応チャットのほうで御発言の希望は以上ですが、会場でどなたか。
では、松川委員、秋山委員、そして松本顧問、お願いいたします。

○松川構成員

松川です。よろしくお願いいたします。
救急に関してですけれども、本人の同意が取られない場合というのは、同意を後にして情報を閲覧するというのは、多くの患者さんのメリットになるかと思うのですね。ただ、やはり中には閲覧しないでほしいという方もいらっしゃるわけで、そういった方たちの拒否をできるような仕組みづくり、何かカードを持っているとか、アクセスしようと思ったらアクセスができないとか、そういった仕組みをつくっておいてほしいなあと思います。よろしくお願いします。意見です。

○森田座長

御意見として。
では、こちらの秋山構成員、どうぞ。

○秋山(祐)構成員

川崎医療福祉大学の秋山でございます。
確認なのですが、資料1-2の16ページの中では、マル2のところで、※をつけて「画像結果・病理結果は含まず」と書いていただいております。これはレセプトから出るので当然なのですが、19ページのほうの(有用と考えられる例)、例示のところは、画像を見ることによって得られる有用性が述べられているので、少し誤解を招くかと思うのです。画像については先ほども質問がありましたが、PACS等から取る情報を電子カルテから取るということで、資料1-1のほうで説明された工程表で考えられていると思うので、そこをちょっと誤解のないようにしておかないと、医科レセプトから画像が取れるかのごとく読めるのかなあと思いましたので、意見としてどうぞよろしくお願いいたします。

○森田座長

これは、事務局。

○前田医療情報技術推進室長

失礼いたしました。有用と考えられる例は、まさに画像そのものを見たときのメリットかと思っております。今回、このレセプト情報で閲覧できるという場合に、過去の履歴も分かるというところがメリットかと思っておりますので、例えばこうCTを撮っている、単位で撮っていると分かれば、適宜取り寄せ、あるいは撮影された医療機関に照会可能ということで閲覧できる候補とさせていただいてはどうかという形の御提案でございますので、すみません、ちょっと分かりにくい説明で恐縮でございます。
以上でございます。

○森田座長

よろしゅうございますか。
それでは、松本顧問、お願いいたします。

○松本データヘルス改革推進本部顧問

顧問の松本です。
私は前回も、救急、あるいはその他の場合で意識のない患者に対してどうやってその情報をもらうかという話をしました。1つは、DNRというのはすごく大きな問題。意識がない、家族も救急車に乗っていない、患者さんだけが来たと。そのときに必ず救急の現場では困るというときがあります。これはマイナンバーカードにとても組み込むことはできないと思うのですけれども、次世代改良という意味で、例えば指紋のような生体認証を使えば、分からないということがさらに少なくなるということがあって、その場合は、虹彩とか眼を見ても、もしかしたら、酸素供給なければ全然状況は変わっていますので、指紋は、10本も指があって、どれを取っているのかも分からないわけで、そういう問題もありますけれども、それは事務局のほうで次世代の情報採取という意味では考えていただきたいということを希望したいと思います。
以上です。

○森田座長

よろしゅうございますね。
ありがとうございました。それでは、議事(1)につきましてはもう御発言よろしいでしょうか。
時間もちょっと予定よりオーバーしておりますので、それでは、次に議事(2)に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

(2)電子処方箋の仕組みの構築について

○込山総務課長

恐れ入ります。医薬・生活衛生局総務課長の込山でございます。

資料2

資料2を御覧いただきたいと思います。「電子処方箋の仕組みの構築」に関しまして、いただいた論点、御意見と、それに基づく検討の方向性について御紹介申し上げたいと思います。

1ページ目をお開きください。電子処方箋システムの構築、そのそもそも論につきまして、前回もいろいろな御意見を頂戴しました。例えば<主なご意見>の最初のポツでございますが、この電子処方箋が具体的にどのような仕組みになるのか、そもそもそこからきちんと検討していかなければいけないということ。また、3つ目のポツもございますが、オンライン資格確認システムを基盤として使うと申し上げておりますけれども、具体的にそのシステムのどの部分を使うのか、そういった具体的な検討も当然必要だということ。さらに申し上げれば、4点目でございますが、この処方箋の電子化に一体どういうメリットがあるのかと。そういった御指摘も頂戴したところでございます。


現段階での<検討の方向性>というものを下に書かせていただいております。ただいま申し上げましたオンライン資格確認等システムを基盤とすることによる現段階で考えられるメリットでございますけれども、1つは、オンライン請求ネットワーク、これを使うことができるといったようなこと。また、このシステムにおきまして管理されている医療機関、医薬品等のマスターデータがございますので、これを活用することができる。さらに申し上げれば、被保険者ごとに名寄せする機能というのを持ってございますので、そういった機能を活用させていただく、そういったメリットがあるのではないかと考えております。そういった論点や具体的なスキームをきちんと整理した上で運営主体の問題についても考えていきたいと思います。
<検討の方向性>の2点目でございますけれども、電子処方箋のメリットについてでございます。大きく4点ほどに分けさせていただいております。1つは、そもそも紙がなくなるといったメリットでございます。2点目は、その処方の内容を電子化することによるメリット、電子化による情報の流通の迅速性、そういったことがあろうかと思います。また、3点目でございますが、電子化した処方情報を関係者間で共有することによるメリット、こういったことが挙げられます。さらに4点目ですが、これは先ほど申し上げたとおり、オンライン資格確認等システムを活用するメリットということでございます。
こういったいろいろなメリットがあろうかと思いますけれども、さらに申し上げれば、「また」以降でございますが、そもそもこの処方箋の電子化、電子処方箋でなければ実現できないといった部分と、ほかのやり方もあるかもしれないけれども、この電子処方箋によりその実現が効果的に進むもの、そういった視点で検討を進めていきたいと考えてございます。

次の2ページでございますけれども、若干各論に入りますけれども、リアルタイムで情報を共有して、例えば重複投薬の回避にも資する仕組みとすることについての点でございます。
いただいた御意見といたしまして、前回の私の説明が若干混同しているところがあって大変恐縮だったのでございますが、処方箋を電子化したことがそのまま重複投薬の防止になるということではなくて、例えば突き合わせるシステムが別途必要だということ。そういったことをきちんと、ある意味、二段構えで留意すべきだということだと思います。こういった重複投薬にも資する、突き合わせのシステムをどこまでどの程度つくり込んでいくのか、そういったことがポイントになるのだと思います。


そういった点で、この<検討の方向性>を掲げさせていただいておりますが、1つは、患者さんの同意を得た上で、他の医療機関や他の薬局での処方調剤情報を一覧的に閲覧することができるといった方向で検討したいということ。同じようなことでございますが、そういった形で複数の処方情報をリアルタイムで共有できるということで、まさに実効性のある、例えば重複投薬の防止、多剤等による有害事象、ポリファーマシーの防止等に活用できる仕組みになるのではないかということです。
少し細かい話ですが、3点目ですが、現在も処方箋の備考欄に例えば検査値や病名などを書いていただいているケースもございますが、そういったケースにも対応できるような仕組みにする必要があろうということでございます。
さらに申し上げると、4点目でございますが、そういった重複投薬防止などに効果的に機能を発揮するという点で、例えば重複投薬等が起こり得るときに、このシステムの中で自動的にアラートを発するというような機能を付加することとしたらどうかという御提案でございます。
その他、マイナポータルを活用して、患者さん御本人もリアルタイムの情報を確認できるようにする。さらには、それを電子版お薬手帳にダウンロードして、さらに多彩な、また効果的な情報提供ができるようにするといったような方向性が考えられる次第でございます。

3ページ目でございますけれども、改めて恐縮でございますが、この電子処方箋に関しまして、今申し上げたような検討を進めていくに当たりまして、検討の場を、改めてで恐縮ですが、整理させていただいております。本利活用検討会におきましては、まさに電子処方箋の目指すべき方向性につきまして、その運用スキームの全体的な骨格、ここには運営主体の話も入ろうかと思いますが、そうした全体的な骨格と、さらには、その他のデータヘルス改革全体像との整合性を図るということで、こういった視点を中心に御議論いただければと思います。現に、下の枠に書いてございますが、6月15日の段階で御意見の整理、また今後の方向ということもお示しいただいているところでございます。
それを踏まえまして、右の当局での検討でございますが、これは調査研究の事業を活用いたしまして、システムのまさに具体的な内容について検討させていただいているところでございます。こちらをまた利活用検討会に御報告させていただいて御意見を賜ればと思います。

4ページでございますが、今申し上げた当局での検討状況を、4ページ以下、御紹介したいと思います。「運用全体イメージ」という図でございます。上下に分かれていますが、上の部分がまさに処方箋の電子化に相当する部分でございます。まさに現在紙で運用していただいているものを電子的にやり取りするということで、その中核となるのは真ん中の電子処方箋管理サービスでございまして、お医者さんが処方箋を電子的にこの管理サービスの中に発行していただいて、薬局では薬剤師さんがこちらから取り出していただいて調剤をすると、こういったスキームになるかと思います。
それに加えて、下の(2)の「処方・調剤情報の活用」ということでございますが、先ほど来申し上げているような重複投薬の防止等に資する機能をこういった形で付加すると、ある意味、突き合わせるシステムということになろうかと思いますが、こうしたものを処方の段階、調剤の段階で活用できるようにしたいということでございます。
ちょっと同じ話の繰り返しで恐縮ですが、ざっとお目通しをお願いしたいと思いますが、5ページ以降でございます。今申し上げた、まず処方箋を発行する段階でのイメージ図でございますが、お医者さんが電子カルテ等から処方内容を入力して、また、先ほど来お話に出ていますが、電子証明等によって認証して、この電子処方箋管理サービスに処方箋を登録していただくということ。今の電子証明のお話ですが、既存のHPKIの仕組みを活用するということを前提に置きながら、当然いろんな課題もございますので、ほかの方法によるやり方も併せて、並行して検討を進めるということかと思います。
ちょっと細かいお話で恐縮ですけれども、3ポツ目ですが、患者さんが紙の処方箋を希望するような場合もあろうかと思いますので、そういったケースにつきましては、紙での発行ができるという仕組みとしつつ、ただ、やはり情報の共有という大きなメリットがございますので、その処方の情報の内容につきましては、この管理サービスの中に登録できるような仕組みにしたいと考えています。
その他、マイナンバーカードをまだこの段階でお持ちになっていない患者さんにどういった対応をすべきなのかといったことも一つの論点、検討点だと思います。
こういったことで、メリットに掲げさせていただいているようなことが実現できるのではないかと思います。

6ページでございますが、こちらは薬局での処方箋の受付ということでございますが、これも先ほど申し上げたとおりでございます。薬剤師さんがこの管理サービスにアクセスしていただいて、処方箋の内容を取っていただくということ。さらに、その情報を薬局のシステムにも取り込んでいただくということが考えられるかと思います。
3つ目のポツにございますけれども、本人以外の方が来局する場合の扱い、これは電子処方箋のお話だけではなくて、オンライン資格確認システム全体に通じるお話だと思いますが、そういった検討を踏まえてさらに検討を進めたいと思っております。

7ページでございます。これは調剤済みの処方箋の保管等についてでございますけれども、下の枠の中でございますが、薬剤師さんが薬局のシステムで調剤結果を登録していただいて、このサービスに調剤情報を登録するということになりますが、一方で、電子処方箋の原本自体につきましては、こちらは薬局の中でシステムに保管していただくということになろうかと思います。

続きまして8ページ、9ページでございますが、こちらは、ある意味、このシステムの機能として付加する部分でございますが、先ほど来申し上げている重複投薬の防止等に関する機能でございます。患者さんの同意を得た上で、他の医療機関や薬局の処方調剤情報を閲覧できるようにして、それによって、まさに患者さんのために、被保険者のための健康管理、疾病管理、さらに申し上げれば、何度も申し上げますが、重複投薬の防止等に資する仕組みにしたいということでございます。
図の中で右上のほうにございますけれども、便宜上分けて書かせていただいていますが、先ほど来お話が出ているレセプトの薬剤情報につきましては、支払基金さんが運営していただいているオンライン資格確認等システムから取ってくるということになりますけれども、今回構築しようとしている電子処方箋の情報、これは今、便宜上、電子処方箋管理サービス運営主体と書かせていただいていますが、こちらに保管されている情報を取りにいくということでございます。前回の御提案に関連しますが、支払基金さんは既にこのオンライン資格確認等システムにおいて薬剤情報を管理しておりますので、この辺が一体的に運営できれば効果的なのではないかという御提案でございます。

9ページの内容は、同じ内容を薬局の場面で見ていただいた図でございます。

10ページでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、薬局での調剤結果について、その情報もきちんとサービスにフィードバックする形で登録していただきたいというものでございます。この情報が、お手間をかけないような形できちんとお医者さんの手元に届くような形、これも検討していかなければいけないと思っております。

11ページにつきましては、レセプト上の薬剤情報と今回構築しますリアルタイムでの電子処方箋情報との関係を整理した図でございます。

12ページ、これも先ほど申し上げましたけれども、患者さんの目線に立って、患者さん自身もマイナポータルを活用してこの情報を眺めることができ、かつ、電子版お薬手帳などに取り込むことによってさらに有用な活用につなげていただきたいという内容でございます。

そういったことで、現在、当局で検討を進めているところで、最後でございますが、13ページ、改めてこの電子処方箋システムを導入することによるメリットを3つのカテゴリーに分けて掲げてございます。


1つは、紙の処方箋がなくなることによるメリットでございます。こちらに書いてあるとおりでございます。2点目が、処方内容を電子化することによるメリット。これはまさに薬局さんと医療機関さんの間での伝達につきまして、ネットワークを介することによって、ある意味、スピーディに確実にそういった伝達が行われることになるということだと思います。そして最後の3点目でございますが、繰り返しですが、電子化した処方情報を共有することによるメリット。こちらはほかのいろいろなやり方もあろうかと思いますけれども、システム、ネットワーク等々を使うことによりまして、迅速な共有、リアルタイムでの共有というのが可能になろうかと思います。その結果、患者さんにとってより適切な薬学的管理であったり、重複投薬の防止等、大きく申し上げれば、より質の高い医療の提供に資することになるのではないかということでございます。
まだ検討すべき点はいろいろあろうかと思いますけれども、現段階での検討状況の御報告でございます。御意見をいただければありがたいと思います。

○森田座長

ありがとうございました。
それでは、この議事の2番目、電子処方箋の仕組みの構築について、御発言をお願いしたいと思います。
Webサイトのほうからですと、最初に牧野構成員、そして樋口構成員、山本構成員、渡邊構成員の順番でお願いいたします。では、牧野構成員、どうぞ。

○牧野構成員

日本介護支援専門員協会副会長、牧野でございます。ありがとうございます。
ページ数が、処方箋発行の次の6ページ。こちらの上から3つ目のポツになります。「本人以外が来局する場合について」がございます。私ども介護支援専門員が対象としております認知症を含む高齢者、それから難病の方を含む障害者の視点で考えますと、受診後に、介護者が来局して処方箋を提出する点お伝えしておきたいと思いました。御検討の中に入れていただければと思います。

○森田座長

ありがとうございます。これは御意見として受け止めておきます。

○牧野構成員

すみません。介護者としては、ヘルパーなども含むことをお伝えさせていただきます。よろしくお願いします。

○森田座長

はい、ありがとうございました。
それでは続きまして、樋口構成員、お願いします。

○樋口構成員

すみません。一言だけです。
薬剤等で重複のアラート機能というのをぜひ入れたいというお話で、もっともだと思うのですけれども、重複処方だけではなくて、飲み合わせというのか、意図としては入っていると思うのですけれども、医療安全の向上という話がもう一つ重要なのでというのも明記していただけるといいかなと考えました。ありがとうございます。

○森田座長

ありがとうございます。事務局、よろしいですね。

○込山総務課長

ありがとうございます。

○森田座長

それでは続きまして、山本構成員、どうぞ。

○山本構成員

4ページの全体の運用の図で、マイナンバーカードを出してというのがあるのですけれども、例えば一日に、ふだん通っていらっしゃるお医者さんと、それから、たまにちょっと調子が悪くなったので、今日は皮膚科にも寄ったということで2つ処方箋が出ることがあると思うのですね。その場合に、現在、紙の処方箋ですと、例えば2件目に行った皮膚科の先生がどうも信用できないから、この人の出す薬は塗らないで、明日別の医者に行こうというようなことも多分あり得る話だと思うのですね。
そのときに、このカードを出してしまうと、処方箋2つとも出てしまうという可能性があると思うのですね。これは処方箋を患者さんが選択する自由というのは、今の紙の処方箋の場合あると思うので、それに対してどうするかということを1点お聞きしたいということ。
それから、もう一つは意見ですけれども、13ページ目のメリットのところですね。下の2つの箱は、これは別に処方箋を電子化しなくても、処方情報を電子化することでできる話ですから、このスライドだと、電子処方箋のメリットって一番上だけになってしまうと思うのですね。
ただ、これだけかというと私はそうではないように思っていて、紙がなくなるということを書いていらっしゃるのですけれども、紙がなくなるというよりも、紙の制約を逃れることができるというのが多分大きなメリットですね。例えば今、幾つかの病院、大学病院が中心ですけれども、A4の処方箋の横に枠の部分をつくる。つまり、A4で印刷して、そのA4の部分に、どの患者さんにも一定の検査値を全部記録をして薬局に渡しているというところがありますし、1カ所しか私は知らないのですけれども、病院によっては、その人の疾病によって異なる検査セットの値を印刷して、薬剤師、薬局に送って見せているというところもあるのですね。
これは医薬連携の中で、単に処方情報を渡すだけではなくて、診断で得られた検査結果であるとか、あるいは臨床所見を薬局と共有して、より細やかな患者さんへの服薬指導ができるとか、そういったことって、この医薬の連携の中では非常に重要だと思うのですけれども、現状、紙のスペースの制約があって、一定のことしかできないわけですね。これが処方箋を電子化することによって、その紙のスペースの制約というのがなくなるので、これまでの医薬連携とはかなりレベルの違う情報共有ができる。これは多分、処方箋を電子化するときの大きなメリットだと思います。これだと、何か紙がなくなるだけという感じになってしまうので、そうではなくて、今、紙でやっているものの制約を外れることができるのだということが多分大きなメリットとしてあるだろうと思います。
繰り返しになりますが、2つ目、3つ目の箱は、これは別に今でも、例えば処方箋の横に二次元バーコードを打って、それを読み込めば電子的に処方情報が薬局に伝わるということがあって、これをもとにやれば全てできる話で、処方箋を電子化する必要はわざわざないということになるかと思いますが、1つ目のメリットをもう少し膨らませていただけると分かりやすいと思います。
以上です。最初の質問のほうにお答えいただければ幸いです。

○森田座長

ありがとうございます。事務局、お願いします。

○込山総務課長

恐れ入ります。御質問ありがとうございました。
御質問は、処方箋が2つ出ていたような場合に、患者さんが選択するということがむしろできなくなってしまうのではないかというお話だったと思いますが、やはりシステムの前提としては、発行された処方箋はきちっと調剤していただくということが前提で考えております。そういった意味で、このシステムを使って、調剤の一元的な管理ですか、そういったことをきちんとしていただくことが必要なのだろうと思います。
ただ、つけ加えて申し上げれば、きちんと調剤の結果も登録していただくことになりますので、この処方箋が果たして調剤されたのかどうかとか、そういったことの情報もきちんと確認することはできるようになると考えております。
御意見としていただいた点ですが、整理がまだまだ不十分で本当に恐縮ですが、先生からいただいた御意見で、1つは紙がなくなるということで、かなり狭い意味で掲げさせていただいていますが、まず記載しています。さらに、御示唆いただきました、紙の制約から逃れることができるという点、この点は確かに、私どもの資料でいう2つ目の箱とか3つ目の箱につながってくることだと思います。この2つ目、3つ目で申し上げていることが、ある意味、紙の制約から逃れることができるというところのメリットを兼ねているのではないかと思います。
それと、大変恐縮です。紙の処方箋に二次元バーコードなどつけてということでも対応可能ではないかというお話ですが、確かに情報共有をするということでそういったやり方もあろうかと思います。
ただ、このシステムをつくることによって、先ほど申し上げたとおり、ネットワークを介することによって情報の伝達を瞬時に迅速に行うことができる、スピーディにそういったことが容易にできるようになるということと、同じように、重複投薬の防止等もそうですが、紙の処方箋が薬局さんに行く前に、もう既にこのシステムの中で迅速な共有というのができることになりますので、そういったところのメリットはあるのではないかとちょっと考えさせていただいているところでございます。御意見本当にありがとうございます。

○森田座長

今の点に関してですか。松本顧問。

○松本データヘルス改革推進本部顧問

顧問の松本です。
今の山本先生の意見に補強するときに、一番臨床医で気をつけなくてはいけないのは、例えば腎機能に影響を与える薬を処方するようなときに、薬剤師の人は、例えばその患者さんのクレアチニンの値とかそういうのがあればすごく役に立つ。要するに、何を言いたいかというと、腎臓とか肝臓とか、そういうのに影響を与える薬を処方するときに、その処方箋の余白にキーになる検査値のデータが書かれているとか、そのような様式も含んでいるのかどうかというのは、多分、薬剤師の人にとってはすごく重要なことなので、そこまで考慮しているかどうかをもう一回、やはり事務局としては確認したほうがいいのではないかと思います。簡単に言えば、抗生物質で腎臓に負荷かけて、有意のクレアチニンの人に出すと腎不全を誘発して透析になってしまうとか、そういうことが時々ありますので、御配慮をお願いします。

○森田座長

事務局、よろしいですか。

○込山総務課長

ありがとうございます。先ほど2ページで御説明したとおり、検討の方向性の3つ目でございますが、まさに今御指摘いただいた点ですが、備考欄に、その検査値や病名などを書いていただいた場合には、この情報も皆さんで共有ができるような、そういった機能を付加したいと考えているところでございます。

○森田座長

ありがとうございました。
それでは続きまして、渡邊構成員、お願いいたします。

○渡邊構成員

渡邊です。よろしくお願いします。
山本先生が言われた1点目の部分にちょっと追加で質問ですけれども、山本先生が言われた部分に関しては、我々薬剤師のほうから調剤データを戻すという以前に、患者さんが提出される時点での選択という部分が必要になってきますので、その部分に関してのことが必要なのかなと思います。
ファイルのほうですけれども、4ページにあります全体像においてきっちりと分けて書いていただけるようになってきたかなと思っているのですけれども、まさに上のほうは保険番号欄から始まって、先ほどから話が出ている備考欄も含んだ所定の処方箋という様式を電子化されているという話のラインが上に走っているのかと思っています。下が、その中で言えば、例えば処方欄だけの中にある処方情報であったりというところに走っているかと思いますけれども、その中で、4ページ目、5ページ目に書かれている処方箋を発行するときの3つ目のポツで、今回初めて、紙で出しても、情報は共有させるということを走らせる話が出ているかと思うのですけれども、これの場合、先ほどもありましたように、全く処方箋の電子化とは違って、下の処方情報、調剤情報の共有のところになると思いますので、発行の時点で紙を発行されるのと情報だけ出すという状況でシステムを構築されるようなことが考えられていると考えていいのか。また、その場合、薬局で受けるときに、紙の処方箋を持ってこられて、かつ、電子の情報があるかないか等々の判断等をつけた上で調剤に入らないとだめということになってきますので、この辺に関する峻別であったり、提示の仕方というのがどうなってくるのかということがあるかと思います。
それとまた、これらのデータの保管についてですけれども、先ほどの大きな図で示されている上のラインで発行される電子の保管に関する処方箋の電子化された部分での保管ですね。それと、下のデータを保管するというのは意味が違うと思いますので、その辺の保管に絡む部分での差異が生じてくるのかなと思います。
ですので、先ほどの備考欄を使った今の検査値等々の部分に関しては、我々にとって現在も有効に働いているのですけれども、先ほど松本先生も言っていただきましたけれども、そこに関しては、処方箋のほうの所定の様式を電子化するという上のラインの中の備考欄ということになってきますので、下の処方情報、調剤情報を扱うときに関してはその辺のこともどうして扱うのかというのも同時に考えないといけないことになってくるかと思いますので、それぞれの部分での検討をお願いしたいと思います。
また、先ほど樋口先生が言われたアラートの話ですけれども、アラートも、これはその範囲であったり内容であったりという部分はかなり精査をしないと、多くのアラートがかかってくるのか、もしくは重要なアラートを逃すのかというのはかなり煩雑なプログラムだと思いますので、これも併せて検討が必要だということで意見させていただきたいと思います。
以上です。

○森田座長

ありがとうございました。では、事務局から。

○込山総務課長

御意見ありがとうございました。備考欄のお話も含めまして、処方箋を電子化するという基本的なところと、備考も含めた処方情報を皆さんでこの管理サービスを通じてどう共有するかと、この2段構えだと思います。なので、例えば御指摘いただいた備考欄につきましては、まさに処方箋の電子化として当然このシステムに乗っかっていく、そこの中に位置づけられるというのはもちろんですし、備考に書かれている情報という意味で、この情報が管理サービスを通じて共有されると、こういう、まさに処方箋そのものと処方の情報の中身の共有ということになろうかと思います。
あと1点、紙で処方箋を発行した場合のケースというお話もございましたが、紙で発行した場合には、こちらが原本ということになりますので、薬局さんにおかれては、その紙の原本に基づいて調剤していくということで、まさに処方箋としての機能を果たしていただくということになります。
ただ、加えて、その紙に書かれている内容ですね。その情報につきましては、この管理サービスの中で、これまた中に登録していただいて、皆さんで共有できるようにすると、そういったことが可能になればなと思っています。そういったことで、この4ページに書いてあるとおり、処方箋の電子化という部分、処方箋が機能する部分と、そこに書かれている内容についての情報の共有、活用、そういった形で御理解いただければありがたいと思います。

○森田座長

渡邊委員、よろしゅうございますか。

○渡邊構成員

ありがとうございます。ただ、その辺に関しても、その辺のデータの整理等、保存方法、保管方法等も変わってくるかと思いますので、しっかりしたシステムの構築と精査が必要だと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

○森田座長

ありがとうございました。
続いて、大山構成員、どうぞ。

○大山構成員

まず、処方箋、電子化の今日のお話については、全国の医療機関、関連機関を結ぶネットワークの本当の価値を出す第一号になる可能性を持っていると。まだどうなるかは言い切れないことがありますけれども、という意味では、将来の医療における電子化を含めた、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを起こそうとすると、
(Web音声中断)

○森田座長

山先生、音声が途切れましたが。
大山先生、音声がこちらへ届かないのですが。
ちょっと途絶えたようですので、またお入りになったときに御発言いただくということにいたしまして、それでは、先に利光委員、お願いいたします。

○利光構成員

愛媛大学の利光です。よろしくお願いします。
今、先生方のお話の中では、電子処方箋について、医療側のお立場でのお話が多く、医療側として臨床データも、当然必要かと思うのですが、患者の立場、もしくは家族の立場から少し考えた場合に、電子処方箋になった場合、各薬局で必ず記入する問診表は電子処方箋に含まれるのでしょうか。睡眠の状態であったり、当然アレルギーの情報ということを毎回、各薬局で書かなければならない状況がございます。
処方箋を電子化することで、それを一元管理することができるのでしょうか。少なくとも電子カルテの閲覧が全てできるわけでもありませんし、薬局の問診の内容が今現在、検討されていない状況かと思います。医療者側として、服薬指導に際して必要項目の問診内容であり、リスクの観点から取られている内容かと思いますが、その点について、教えていただければ幸いです。

○森田座長

では、事務局、お願いいたします。

○込山総務課長

御質問ありがとうございました。今お尋ねの薬局での問診に対するお答えの点でございますが、恐縮です。そのデータにつきましては、こちら、電子化というか、このシステムの中の対象とする予定はございません。それぞれの調剤時における問診につきましては、まさにその時点での患者さんの状況でございますので、それを全体的に共有することの必要性の有無というようなこともあろうかと思います。
結論から申し上げますと、繰り返しですけれども、まさにその処方箋の内容、情報について共有させていただく、対象とさせていただくというものでございます。大変恐縮でございます。

○森田座長

利光委員、いかがでしょうか。

○利光構成員

現情報であることは確かなのですけれども、例えば一つの薬局で幾つかの患者さん、お薬を頂戴しているのであれば構いませんけれども、患者さんの多くは一つの病院にかかって、その近くの薬局でもらうということが多いのですけれども、何カ所かで同じ問診で同じ状況を書いている、この電子処方箋になることによってのメリットと考えたときには、スムーズな対応をしていただければ、患者や家族の立場から言うとメリットが高いのではないかと思いますが、これも薬剤師の先生のほうが御理解なり必要性というのはあるかと思うのですけれども、いつか、可能であれば御検討いただいたほうがという、個人の意見ですけれども、申し上げさせていただきます。

○森田座長

では、御意見ということでよろしくお願いいたします。それでは続きまして、高倉構成員、お願いいたします。

○高倉構成員

国立情報学研究所の高倉です。
これは、システムをつくられるのはよろしいことだと思うのですが、ちょっと気になっているのが、システム障害時、セキュリティ要素の可用性を想定されたシナリオがあるのかというのを確認させてください。
以上です。

○込山総務課長

御質問ありがとうございました。システムの障害時の、その点は確かに大きな検討点だと思います。現段階で具体的な内容の検討までちょっと至っていなくて大変恐縮なのですが、システム障害等が仮に起きた場合にそれをどうバックアップするのか、また代替手段をどうするのか、そういったことを併せて検討する必要があると思っています。ありがとうございます。

○森田座長

段階ではそういうことでございますが、高倉構成員、よろしいでしょうか。

○高倉構成員

はい。大変だと思いますけれども、頑張って考えなければいけないことだと思いますので、よろしくお願いいたします。

○森田座長

それでは続きまして、田尻構成員、お願いいたします。

○田尻構成員

発言させていただきます。先ほど樋口先生からもお話あったのですが、せっかくデータ化した処方の状況を元に、きちんとしたアラートシステムを構築する必要があろうかと思います。以前は、電子処方箋の普及を多少の時間がかかってでも日本全体で推し進めるという想定でのガイドラインだった記憶があるのですけれども、今回は、電子処方箋を発行できる医療機関から発行する、もしくは電子処方箋の発行を希望する患者が申し出て、電子処方箋に対応できる薬局に処方箋を持ち込むということを想定し、併せて重複投薬を防止するということは当然のことですが、これについては、発行率がある程度高まり普及度が読めない限り、ベンダーさんがレセコンなり電子薬歴にそのシステムを搭載するにあたり、その開発のための費用設定が難しいと思いますが、それについては厚生労働省含めてどういう感覚でおられるのかなと思って質問させていただきました。

○込山総務課長

質問ありがとうございました。お答えがちょっとそれるかもしれませんけれども、この全体的なシステムの構築自体につきましては、現在、来年度の予算要求を行っておりまして、国でこのシステム構築を進めたいと考えております。
ただ一方で、今、御指摘のあった、それぞれの医療機関さん、薬局さんできちんと採用していただいて、この電子処方箋の発行率を高めるということ、これは非常に大事な点になりますので、現段階できちんとした具体的な案はまだございませんけれども、どういった支援が可能なのかということはきちんと考えていく必要があろうかと思っているところでございます。

○田尻構成員

大体想像された御回答ではあったのですが、アプリケーションについて開発費自体が回収できないと当然ベンダーさんはつくらないと思うのです。自分がつくったシステムがどの程度売れるかという予想がつかないと当然、金額の提示も難しいと思いますので、そこら辺はどっちが先かという話になるのでしょうけれども、それも頭に入れておいていただきたいのと、それからもう一つは、処方箋の電子化、もしくは電子処方箋という表現、せっかく処方箋を電子化するのであれば、電子化するからこそできることをきちっと明示していただければと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
以上です。

○森田座長

ただいまのは御意見と思いますので、ありがとうございました。
それでは、長島構成員、お願いいたします。

○長島構成員

長島です。
処方の内容以外にもいろいろな情報を共有したほうがいい、理想的にはもちろんそうなのですが、地域医療連携ネットワークの中では、地域の医療機関と調剤薬局も含めて共用というのは既にやっているわけですね。なので、この電子処方箋のシステムの中でどこまでの情報をどのような関係者の中で共有するシステムにするのか、増やせば増やすほどどんどん複雑になって、コストもどんどん増えるということなので、そこのところの整理をきちんとするということが重要だと思います。そして、地域連携ネットワークとのすみ分けなり連携なりをしっかり考える、最初から考えておくべきだと思います。そこの整理をお願いします。
それから、このように情報の共有が増えれば、当然薬剤師の方からは、処方した医師に対していろいろ相談したいとか質問したいというケースがどんどん増えますが、そこのやり取りはどうするのか。そこは電話でやるのですか、それとも、この電子的なネットワークを使って、時間とか空間の制限を外した形でやり取りができるようにするのかということ、ここも検討が必要かと思います。
それから、最後に、各レベルでシステム障害が当然起こると想定した設計をお願いします。
以上です。

○森田座長

これはそういう御意見ということでよろしいでしょうか。お答えあればどうぞ。

○込山総務課長

どうもありがとうございました。幾つか御意見いただきました。まさに地連との関係というのは本当に大事な点だと思います。議題(1)のほうでもちょっとお話ございましたけれども、地連とどのように連携することができるのか、組み合わせることができるのか、これはきちんと考えていく必要があろうかと思います。
それと、確かにこういったシステムが整備されますと、薬剤師さんからの疑義照会ということもかなり増えてくるかと思います。そのときに、どういうルールとか手順とか、そういったちょっと混乱が起きないような仕組み、ルール化というのは当然必要だと思いますので、そこも見据えて考えたいと思います。
ちなみに、すみません、9ページの黒ポツの6つ目ぐらいに、まさに今の点でございますが、「疑義が生じた場合に、疑義照会等を効果的に行うための仕組みやルールを検討する」と書かせていただいています。こういったことも検討したいと思います。ありがとうございます。

○森田座長

ありがとうございました。
大山先生がまだつながらないようですので、こちらの会場のほうで御発言ございますでしょうか。
では、松川構成員、どうぞ。

○松川構成員

松川です。よろしくお願いします。
質問なのですけれども、資料の2ページ目にもございましたけれども、備考欄に、検査値や病名があるとありましたが、この病名についてですけれども、議題(1)のほうで話題になりました傷病名との違いというか、同じものであるのか、その関係を教えていただければと思いました。

○森田座長

事務局、お願いします。

○込山総務課長

ありがとうございます。こちらで書かせていただいているのは、現在、それぞれのお医者さんの御判断で書いていただいているものですので、それは基本的にはお医者さんの御判断になろうかと思いますが、基本的には、レセプト病名というよりは、むしろカルテ等にお書きになっているそういった病名ということになろうかと思います。
○松川構成員 そうすると、患者や患者の家族のほうがこういった書面の形で自分の病名を知る機会があるということだと思いますので、今後の参考にさせていただきます。ありがとうございます。

○森田座長

ほかにいかがでしょう。
では、喜多オブザーバー、どうぞ。

○喜多オブザーバー

オブザーバーの喜多でございます。ちょっと聞き漏らしたかもしれないのですけれども、処方箋は患者に交付するということで、紙の場合ですと自分で見られるのですけれども、今回はどういう形で患者さんが処方内容を知るのでしょうか。

○込山総務課長

御質問ありがとうございます。結論から申しますと、こういった電子化した場合には、患者さんは例えばマイナポータルを活用して、御自身の処方の内容を見ていただくということは可能にしたいと思っています。

○喜多オブザーバー

処方された瞬間にマイナポータルで見られるのですか。普通、紙ですと、先生が処方されると、その瞬間で見られるわけですね。マイナポータルというのは、今のままですと表示されるまでに時間がかかって、薬局に行く間には見られないという形になるかと思いますが。

○込山総務課長

そこはまたシステムの設計の中で検討したいと思いますが、できるだけ早くリアルタイムで見ることができるようにしたいと思います。

○喜多オブザーバー

よろしくお願いいたします。

○森田座長

それでは、ほかにいかがでしょうか。この件、よろしいでしょうか。
それでは、ちょっと時間押しておりますけれども、議事の3番目に入りたいと思いますので、事務局から簡潔に御説明をお願いいたします。

(3)自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大について

○藤岡健康課長補佐

ありがとうございます。健康課の藤岡と申します。健康課長の鷲見の代理として、資料3について御説明させていただければと思います。

資料3

資料のほうを御用意いただきまして、私どもから御提示させていただく新たな資料としては、1ページ目のみでございます。前回までの検討の中で、PHRの方針については、大きな何か疑義というのがあるわけではございませんで、おおむね方向性としては御承諾いただいたと考えております。

改めて今までいただいた意見を整理させていただいておりますが、1つ目が、マイナポータルで健診等情報を閲覧やダウンロードできる仕組みとしまして、いただいた御意見としましては、健診情報ごとにばらばらのシステムではなく、ワンストップで対応できる環境というのを整備すべきであると。2つ目が、マイナポータルでダウンロードして、自分で健康情報を管理する必要があるかと。PHRサービスを使わない人については、最初のアプローチで利用を断念してしまうケースも発生することがないように、しっかりと対応してほしいということをいただいております。
当然、マイナポータル等々、番号室との連携の中でしっかり対応していきたいと思いますが、全体としては、健康増進法に基づく健診であったり、事業主健診情報についても必要な法制上の対応、あるいは自治体のシステムの改修というところで着実に進めてまいりたいと考えてございます。
もう一つ、下のほう、「民間PHRサービスを安全・安心に利用できる仕組み」というところでございますけれども、<主なご意見>としていただいているのが、民間PHR事業者が不適切な商用利用をしないようにということ。あるいはマイナポータルとのAPIということで、一度同意をしてしまうと、その後ずっと情報が流れ続けるというようなことがないのか、という御質問もいただきました。
あるいは賛成意見としては、目的外利用をできないようにしつつ、もっとしっかりそこは留意しつつも、民間との連携は必要である、あるいは、PHR事業者のルールづくりの際には互換性というのをしっかりと整理する必要があるという御意見をいただいております。
<検討の方向性>としましては、国民が効果的に自身の保健医療情報を活用できる環境を整備するために、公的に最低限の利用環境は整備します。それに加えて、マイナポータルと民間PHI事業者とのAPI連携というのを考えています。
※印の欄に書かせていただいておりますけれども、マイナポータルとのAPI連携につきましては、利用の都度、利用者の本人確認及び提供する情報も含めて本人同意を厳格に実施するというようになってございまして、APIをつなぐとずっと情報が勝手に流れ続けるということがないような設計にはなってございます。
また、そういうAPI連携の前提としまして、国民が安心して民間PHRサービスを活用するための事業者が遵守すべき情報管理、利活用に係る基準につきましては、この検討会の下に健診等情報利活用WG、さらにその下に民間利活用作業班というものを総務・経産とともに設置しておりまして、そこでの議論を経て年度内にガイドラインをまとめていきたいと思ってございます。
また、骨子であったり、そのガイドラインの素案ができましたら、本検討会にもお諮りさせていただいて御検討いただければと考えてございます。加えて、それらのガイドラインを遵守する仕組みというのも同時に検討していきたいと考えております。

その他、2ページ目以降の資料につきましては、前回の資料を参考として添付させていただいておりますので、事務局からの説明は以上でございます。

○森田座長

ありがとうございました。
この件につきましては、前回から特に御意見が出ていないと聞いております。今の議事(3)自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大について、PHRの仕組みですけれども、この部分について御発言があればお願いいたします。
遠藤構成員、どうぞ。

○遠藤構成員

ありがとうございます。歯科医師会の遠藤でございます。
このマイナポータルのところに挙がってくるデータというのは、もともとのデータは、例えば市町村または支払基金等のデータを集めて、そこから引き出してマイナポータルとして統合されたデータを患者さんが見られる、個人が見られるということだと思うのですけれども、この基のデータは元のところにありますけれども、統合化された、一体化されたデータというのは、見るだけで、保存されないのか、また民間事業者等が活用するという別のルートもございます。そうすると、この統合化されたデータがどこかに保存されているということだと思うのですけれども、どこのサーバがそれを管理しているのか、また、それを民間事業者に任せて大丈夫なのか、その辺、この統合化されたデータの運用というのはどのように考えているか教えていただければと思います。

○森田座長

事務局、お願いします。

○藤岡健康課長補佐

マイナポータル自体はただの通路と考えていただければよろしいかと思います。なので、それぞれの情報については、先生御指摘のとおりで、それぞれの支払基金であったりとか自治体のサーバにございます。もちろん個人がマイナポータルを閲覧する際にはそれぞれの情報を閲覧できるのですが、マイナポータル自体にそれぞれの情報を統合して何か総合的に表示するという機能は今のところございませんので、例えば何年度の特定健診情報であったり、何年度の歯周疾患健診情報という形でそれぞれ見ていただく形になります。もちろん、それぞれ個人がそれをダウンロードすることもできます。
民間との関係で申しますと、マイナポータルから出てくる情報というのはそういう形で、個人の同意の下で民間事業者さんに御提供していただくというような形になります。それをさらに個人のニーズに合わせて統合したりとか分析して表示してあげるというのは、民間事業者さんの工夫の中でございますので、もちろん、そのデータについては適切に扱っていただくというのは前提でございますので、その辺りのルールについては今年度中にお示しできるガイドラインの中でしっかりと検討していきたいと考えてございます。
以上です。

○森田座長

遠藤構成員、よろしいでしょうか。

○遠藤構成員

そうすると、あくまでも個人がマイナポータルで見たデータを必要があって活用してもらおうと思ったら、自分がそのデータを民間事業者に送るというスキームでよろしいわけですね。

○藤岡健康課長補佐

はい、おっしゃるとおりです。その送り方が便利にできるというのがAPI連携と理解いただければよろしいかなと思います。

○遠藤構成員

ありがとうございます。

○森田座長

それでは続きまして、健保連、増田部長、お願いいたします。

○増田代理(田河オブザーバー)

ありがとうございます。健保連の田河の代理の増田でございます。
このテーマということではなくて、今日の全体的な話としまして費用負担について意見を申し上げさせていただきます。費用負担のあり方につきましては、今後この場でも御議論されると思っておりますけれども、新しい仕組みの費用負担の議論ということになりますので、費用対効果も含めまして、この場だけではなく、医療保険部会等でも十分な議論が必要と考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。

○森田座長

ありがとうございます。これはよろしいですね、事務局。
それでは、ほかに御意見いかがでしょうか。
松本顧問、どうぞ。

○松本データヘルス改革推進本部顧問

顧問の松本です。
確認ですけれども、文科省の学校健診とかそういうのは、PDF、紙ベースで整理してきたので、多分これ、運用始めるときにデジタルデータではないということが確認したいことの1点。
2点目は、たしかワクチン接種歴というのが、麻疹とか風疹とか、ワクチンを余り打っていない世代もありますので、それをどうするように扱うことにしたのでしたっけ。それを忘れてしまったので、ちょっと教えていただきたい。

○森田座長

どうぞ、事務局、お願いいたします。

○藤岡健康課長補佐

御説明させていただきます。
学校健診につきましては、文科省様の御協力もいただいて、2022年度中には電子化された情報としてマイナポータルから提供したいと思っています。文科省さんのほうで、今、GIGAスクールというか、学校の電子化という政策が進んでおりますので、その中で電子化された上でしっかりと情報としてはマイナポータルからはき出されるようにということを今協力しながら検討してございます。
予防接種歴につきましては、2017年からマイナポータルでの提供というのが開始されてございまして、接種歴についてはそこで御確認いただくという形になります。
以上です。

○森田座長

よろしいですか。
ほかに御発言はいかがでしょうか。
ないようでございますけれども、よろしいですか。
それでは、最後になりますけれども、今日の3つの報告を通して何か、これまでの御発言でないところでぜひ発言したいという方がいらっしゃればお願いいたします。
では、松本顧問。

○松本データヘルス改革推進本部顧問

松本です。
またこの問題を出すと、しつこいと言われるかもしれませんが、パーソナルヘルスレコードに関しては、オーストラリアとか、そういうものと共有しようという話があったと。共有できませんかと、あるいは情報交換するようなことができませんかという話が厚労省に来ていると聞いているのですが、私は海外の会社とも関係がありますので、先ほど言ったワクチン接種歴をもう一回確認したのは、打ったのですか打たないのですかというのが実際に聞かれて、ああ、これがマイナンバーをもし持っていて番号分かっていたら日本に確認できるのにという話を具体的に幾つか聞いているものですから、そのような連携を将来はどう考えるか。今は回答は無理だとしても、発言を議事録に残したいのでしゃべっております。よろしくお願いします。

○森田座長

貴重な御発言、ありがとうございます。これについては。
では、お願いいたします。

○藤岡健康課長補佐

健康課の中に予防接種室というのがございまして、そこで検討する話かなとも思っておりますけれども、ちょっと今、この瞬間答えというのを持ち合わせておりませんで、また御意見として賜って検討していきたいと思います。ありがとうございます。

○森田座長

それでは、議事録にはきちっと記録するということで御了承いただきたいと思います。
それでは、時間も残り少なくなってまいりましたけれども、よろしいでしょうか。
大山先生、ちょっと今日は御都合でこれ以上参加できないという連絡があったということです。
それでは、本日も様々な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。議論はこの辺りで終了させていただきたいと思います。
最後に、次回の開催日程等につきまして、事務局からお願いいたします。

○佐藤企画官

事務局でございます。
本日もありがとうございました。次回の検討会でございますが、座長とも御相談をしながら、可能であれば、これまでの議論を踏まえた一定の方向性について整理して御議論を頂戴したいと考えております。
具体的な日程でございますが、追って、場所等含めて御連絡させていただきます。また引き続きよろしくお願いいたします。
なお、本日の議事録でございますが、速記が上がり次第、また先生方に御確認いただいた上で、最終的に公開という形にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。

○森田座長

ありがとうございました。
それでは、本日は、ほぼ時間どおりでございますが、これで閉会とさせていただきます。どうも活発な御議論ありがとうございました。

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