倫理指針

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の一部を改正する件(概要)

カテゴリー 厚生
案件番号 595122089
定めようとする命令などの題名 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針
根拠法令条項 個人情報の保護に関する関係法令等に示された倫理規範等を踏まえ、制定
行政手続法に基づく手続か 行政手続法に基づく手続

 

案の公示日 2022年11月28日
受付開始日時 2022年11月28日0時0分
受付締切日時 2022年12月28日0時0分

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の一部を改正する件(概要)

令和4年11 月28 日
文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室
厚生労働省大臣官房厚生科学課、医政局研究開発政策課
経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課

Ⅰ.改正の趣旨

  • デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37 号)により個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第57 号。以下「個情法」という。)の一部が改正され、令和5年4月1日に施行される。
  • これに伴い、「生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」(以下「合同会議」という。)において、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「指針」という。)について、改正後の個情法の規定を踏まえた見直しの要否の検討がなされた。また、令和3年10 月の合同会議のとりまとめにおいて引き続き検討を行うべきとされた事項や新たに検討を行うべき事項について議論がなされてきた。
  • 今般、令和4年9月26 日に公表された合同会議の取りまとめ等を踏まえ、指針について所要の改正を行う。

Ⅱ.改正の内容(案)

1.用語の定義の見直し【現行指針第2(23)関係】

「適切な同意」のうち、個人情報等に関する研究対象者等の同意は、個情法の本人の同意に係る要求を満たす旨がより明確となるよう、定義の記載の適正化を図る。

2.日本国外にある研究者等に既存試料・情報の提供のみを行う場合の指針上の取扱い【現行指針第3の3関係】

日本の研究機関との共同研究でない研究や日本の研究者等が参加していない日本国外における研究についても、日本国内から日本国外にある研究者等に既存試料・情報を提供する場合は、この指針の対象であることを明確化する。

3.インフォームド・コンセント(以下「IC」という。)を受ける手続等の見直し

⑴ 自らの研究機関において保有している既存試料・情報を研究に用いる場合【現行指針第8の1⑵関係】

① 自らの研究機関において保有している情報から研究者等が新たに仮名加工情報を作成して研究に用いる場合の手続について、必ずしも研究対象者等のICを受けることを要さないものとし、ICを受けない場合には、オプトアウトによることとする。

② 研究対象者等のICを受けないで匿名加工情報を研究に用いることができる要件として、研究対象者等のIC取得が困難な場合であることが求められていたところ、これを削除する。

③ 現行指針第8の1⑵ア(ウ)に規定する適切な同意又はオプトアウトにより、既存試料・情報を利用する場合の手続における、「社会的に重要性の高い研究に当該既存試料・情報が利用される場合」という要件について、公衆衛生例外との関係を考慮し、また、平成14 年制定時の旧疫学指針(疫学研究に関する倫理指針(平成14 年6月17 日文部科学省・厚生労働省告示第1 号))のICの簡略化又は免除の要件を踏まえ※、より明確化した、「当該既存試料を用いなければ研究の実施が困難な場合」に改め、現行指針第8の1⑵ア(ウ)①(i)に規定する学術研究に係るオプトアウトの場合にのみ課すものとする。

※旧疫学指針抜粋

第3 7 研究対象者からインフォームド・コンセントを受ける手続等<細則>

倫理審査委員会は、インフォームド・コンセント等の方法について、簡略化若しくは免除を行い、又は原則と異なる方法によることを認めるときは、当該疫学研究が次のすべての要件を満たすよう留意すること。

(1)・(2) (略)

(3) 当該方法によらなければ、実際上、当該疫学研究を実施できず、又は当該疫学研究の価値を著しく損ねること。

(4)・(5) (略)

④ ③に伴い、現行指針第8の1⑵ア(ウ)に規定する適切な同意により既存試料・情報を利用する場合の要件として、ICを受ける手続を行うことが困難な場合であることを加える。

⑵ 他の研究機関に既存試料・情報を提供しようとする場合【現行指針第8の1⑶関係】

① ICを受ける手続の簡略化に関する規定(現行指針第8の1⑶ア(イ)及びイ(イ)②)を削除する。

② 現行指針第8の1⑶ア(ウ)に規定する既存試料をオプトアウトにより提供しようとする場合の手続について、自らの研究機関において保有している既存試料・情報を研究に用いる場合の手続における試料の取扱いとの整合を図るため、同規定の①に掲げる要件のうち、学術研究に係るものについて、当該既存試料を用いなければ研究の実施が困難な場合であることを要件に加える。

⑶ 既存試料・情報の提供を受けて研究を実施しようとする場合【現行指針第8の1⑸関係】

ICを受ける手続の簡略化に関する規定(現行指針第8の1⑸イ(ウ))を削除する。

⑷ 外国にある者へ試料・情報を提供する場合【現行指針第8の1⑹関係】

ICを受ける手続の簡略化に関する規定(現行指針第8の1⑹ア(イ))について、要配慮個人情報を研究対象者から新たに取得して外国に提供する場合のみを対象とした規定に改める。

4.オプトアウト手続のあり方

⑴ 研究機関の長等の責務【現行指針第5の2、第8の1⑷関係】

研究対象者等が容易に知り得る状態に置くべき事項の掲載場所に関するルールの策定、HP 上での周知等を推進するため、研究機関の長及び既存試料・情報の提供のみを行う機関の長の責務として、オプトアウトの適切な実施を確保すべきである旨を明記する。

⑵ ICを受ける際の説明事項等【現行指針第7、第8の5】

第8の7に規定する手続(研究対象者等から同意を受ける時点では特定されなかった研究を行う場合のオプトアウト)を行うことが想定される場合、新たな研究又は試料・情報の提供先の情報の確認方法(例えば、電子メールや文書による通知、ホームページのURL、電話番号等)を、研究計画書の記載事項(現行指針第7)及びICを受ける際の説明事項(現行指針第8の5)に加える。

⑶ 研究対象者等に通知し、又は研究対象者等が容易に知り得る状態に置くべき事項【現行指針第8の6】

研究又は第三者提供の開始予定日を加える。

5.外国の研究機関に提供する場合の通知事項等【現行指針第8の1⑹、5、6関係】

⑴ 外国にある者に対して試料・情報を提供する場合については、現行指針第8の1⑹ア(イ)に規定するICを受ける手続の簡略化や現行指針第8の1⑹ア(ウ)に規定するオプトアウトにより提供する場合であっても、研究対象者等に対して、第8の1⑹イに規定する試料・情報の提供先の国の名称等に関する情報提供を行うこととする。

⑵ ⑴の内容について、ICを受ける際の説明事項(現行指針第8の5)及び研究対象者等に通知し、又は研究対象者等が容易に知り得る状態に置くべき事項(現行指針第8の6)に加える。

6.経過措置【現行指針第20関係】

現行指針及びそれ以前の指針の規定により実施中の研究については、個人情報保護関連法令及びガイドラインの規定が遵守される場合に限り、なお従前の例によることができることとする。

7.その他

その他所要の改正を行う。

Ⅲ.根拠規定

  • 行政手続法(平成5年法律第88号)第36条

Ⅳ.施行期日等

  • 公布日 :令和5年3月(予定)
  • 施行期日:令和5年○月(予定)

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針見直しの方向性について(取りまとめ)

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