エビデンス全般 公衆衛生学

障害者総合支援法の施行後3年を目途とした見直し

目次

障害福祉サービスの在り方等について 主な検討事項

Ⅰ 地域における障害者支援について

  • 障害の重度化・障害者の高齢化を踏まえた地域での生活の支援についてどう考えるか。特に、地域での自立生活の実現・継続を支えるサービスの在り方をどう考えるか。
  • 地域での自立生活への移行や継続を支えていくための相談支援の在り方についてどう考えるか。また、地域共生社会の実現に向けた改正社会福祉法による参加支援や地域づくりといった観点も踏まえ、地域生活に必要な暮らしの支援(地域生活支援事業等の在り方)について、どう考えるか。

Ⅱ 障害児支援について

  • 障害児通所支援の在り方についてどう考えるか。特に、昨今の状況変化(女性の就労率の上昇等)や、インクルージョンの観点も踏まえ、放課後等デイサービス・児童発達支援等がそれぞれ担うべき役割・機能をどう考えるか。
  • いわゆる「過齢児」をめぐる課題についてどう考えるか。(円滑な移行に向けた仕組み、支援体制等)

Ⅲ 障害者の就労支援について

  • 短時間雇用など多様な就労ニーズへの対応や加齢等の影響による一般就労から福祉的就労への移行についてどう考えるか。
  • 雇用と福祉の連携強化についてどう考えるか。(雇用・福祉施策の役割分担、それぞれの課題など)
    ※雇用と福祉の連携強化については、「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」においても検討中。

Ⅳ その他

  • 介護保険施設等を居住地特例の対象とすることについてどう考えるか。
  • 障害福祉サービス等の制度の持続可能性についてどう考えるか。

<参考> 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(平成28年法律第65号)

(検討)
附則第2条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。)及び児童福祉法の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

障害保健福祉施策の動向等

障害者の数

  • 障害者の総数は964.7万人であり、人口の約7.6%に相当。
  • そのうち身体障害者は436.0万人、知的障害者は109.4万人、精神障害者は419.3万人。
  • 障害者数全体は増加傾向にあり、また、在宅・通所の障害者は増加傾向となっている。

Ⅰ 地域における障害者支援について

第6期障害福祉計画における目標値設定の考え方

1.福祉施設の入所者の地域生活への移行
  • 令和元年度末時点において福祉施設に入所している障害者(施設入所者)のうち、令和5年度末における地域生活に移行する者の目標値を設定する。
  • 当該目標値の設定に当たっては、
    ① 令和元年度末時点の施設入所者数の6%以上が地域生活へ移行すること
    ② 令和5年度末の施設入所者数を、令和元年度末時点の施設入所者数から1.6%以上削減すること
    を基本に設定する。

Ⅱ 障害児支援について

障害児数の推移等

○在宅で生活している障害児数(18歳未満):約28.2万人(推計値) ※18歳未満人口(約1935万)の1.4%

・身体障害のある児童 6.8万人
・知的障害のある児童 21.4万人

(内訳)障害者手帳所持者 26.1万人
障害者手帳非所持の障害福祉サービス等の利用者 3.7万人

(参考)
施設に入所している障害児数(概数)
・福祉型障害児入所施設:約0.7万人
・医療型障害児入所施設:約0.8万人

障害児支援の体系①~平成24年児童福祉法改正による障害児施設・事業の一元化~

障害児支援の強化を図るため、従来の障害種別で分かれていた体系(給付)について、通所・入所の利用形態の別により一元化。

居宅訪問により児童発達支援を提供するサービスの創設(H30~)

  • 障害児支援については、一般的には複数の児童が集まる通所による支援が成長にとって望ましいと考えられるため、これまで通所支援の充実を図ってきたが、現状では、重度の障害等のために外出が著しく困難な障害児に発達支援を受ける機会が提供されていない。
  • このため、重度の障害等の状態にある障害児であって、障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な障害児に発達支援が提供できるよう、障害児の居宅を訪問して発達支援を行うサービスを新たに創設する(「居宅訪問型児童発達支援」)。
    • 在宅の障害児の発達支援の機会の確保
    • 訪問支援から通所支援への社会生活の移行を推進
対象者
  • 重症心身障害児などの重度の障害児等であって、児童発達支援等の障害児通所支援を受けるために外出することが著しく困難な障害児
支援内容
  • 障害児の居宅を訪問し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与等の支援を実施
【具体的な支援内容の例】
  • 手先の感覚と脳の認識のずれを埋めるための活動
  • 絵カードや写真を利用した言葉の理解のための活動

保育所等訪問支援の支援対象の拡大(H30~)

  • 乳児院や児童養護施設の入所者に占める障害児の割合は3割程度となっており、職員による支援に加えて、発達支援に関する専門的な支援が求められている。(乳児院:28.2%、児童養護施設:28.5%/平成24年度)
  • このため、保育所等訪問支援の対象を乳児院や児童養護施設に入所している障害児に拡大し、障害児本人に対して他の児童との集団生活への適応のための専門的な支援を行うとともに、当該施設の職員に対して障害児の特性に応じた支援内容や関わり方についての助言等を行うことができることとする。
対象者の拡大
  • 乳児院、児童養護施設に入所している障害児を対象者として追加

※現在の対象者は、以下の施設に通う障害児

  • 保育所、幼稚園、小学校 等
  • その他児童が集団生活を営む施設として、地方自治体が認めるもの(例:放課後児童クラブ)
支援内容
  • 児童が集団生活を営む施設を訪問し、他の児童との集団生活への適応のための専門的な支援等を行う。
    1. 障害児本人に対する支援(集団生活適応のための訓練等)
    2. 訪問先施設のスタッフに対する支援(支援方法等の指導等)

医療的ケア児について

  • 医療的ケア児とは、医学の進歩を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。
  • 全国の医療的ケア児(在宅)は約2.0万人〈推計〉
    • 歩ける医療的ケア児から寝たきりの重症心身障害児までいる。
    • 生きていくために日常的な医療的ケアと医療機器が必要例)気管切開部の管理、人工呼吸器の管理、吸引、在宅酸素療法、胃瘻・腸瘻・胃管からの経管栄養、中心静脈栄養等

医療的ケアを要する障害児に対する支援

  • 医療技術の進歩等を背景として、NICU等に長期間入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障害児(医療的ケア児)が増加している。
  • このため、医療的ケア児が、地域において必要な支援を円滑に受けることができるよう、地方公共団体は保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備について必要な措置を講ずるよう努めることとする。
    ※ 施策例: 都道府県や市町村による関係機関の連携の場の設置、技術・知識の共有等を通じた医療・福祉等の連携体制の構築

医療的ケア児等総合支援事業(地域生活支援促進事業)

【事業内容】

医療的ケア児とその家族へ適切な支援を届ける医療的ケア児コーディネーターの配置や地方自治体における協議の場の設置など地方自治体の支援体制の充実を図るとともに、医療的ケア児とその家族の日中の居場所作りや活動の支援を総合的に実施する。医療的ケア児等コーディネーターの配置については、都道府県で28%、市町村で21%であり、第2期障害児福祉計画(令和3~5年度)においては、すべての市町村もしくは圏域での設置をめざし、相談体制の充実を図る。

【実施主体】

都道府県・市町村

医療的ケア児の基本報酬の創設(障害児通所支援)

基本的な考え方
  • 従来は、障害児通所サービス(児童発達支援・放課後等デイサービス)の基本報酬において、医療的ケア児を直接評価しておらず、一般児と同じ報酬単価であったため、受入れの裾野が十分に広がってこなかった。
  • 今回改定においては、いわゆる「動ける医ケア児」にも対応した新たな判定スコア(右下欄★)を用い、医療的ケア児を直接評価する基本報酬を新設。
    基本報酬においては、医療濃度に応じ、「3:1(新スコア15点以下の児)」「2:1(新スコア16~31点の児)」又は「1:1(新スコア32点以上の児)」の看護職員配置を想定し、当該配置を行った場合は必要な額を手当て。
  • また、1事業所当たりごく少人数の医ケア児の場合(基本報酬では採算が取りづらい)であっても幅広い事業所で受入れが進むよう「医療連携体制加算」の単価を大幅に拡充。(※従来の看護職員加配加算を改組)
    ※ さらに、従来、NICU等から退院直後の乳児期は、自治体において障害児としての判定が難しいために障害福祉サービスの支給決定が得られにくいという課題があることから、新たな判定スコアを用いた医師の判断を活用することにより、新生児から円滑に障害福祉サービスの支給決定が得られるよう運用改善を行う。

障害児のサービス提供体制の計画的な構築

  • 児童福祉法に基づく障害児通所・入所支援などについて、サービスの提供体制を計画的に確保するため、都道府県及び市町村において障害児福祉計画を策定する等の見直しを行う。
    ※ 現在、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスについては、サービスの提供体制を計画的に確保するため、都道府県及び市町村が障害福祉計画を策定し、サービスの種類ごとの必要な量の見込みや提供体制の確保に係る目標等を策定。

障害児入所施設における18歳以上入所者(いわゆる「過齢児」)の移行について

【「障害児の新たな移行調整の枠組みに向けた実務者会議」について】

  • 平成22年の児童福祉法の改正(平成24年施行)において、18歳以上の障害者については、就労支援施策や自立訓練を通じ、地域移行を促進するなど、大人としてふさわしい、より適切な支援を行っていくため、障害者施策で対応することとされた。これについては、障害福祉サービスでの支援の提供の場が不足している状況等を考慮し、現在、令和3年3月31日までの間、障害児入所施設の指定を受けていることをもって、障害者支援施設の指定基準を満たすものとみなす取扱いをしている。
  • 引き続き令和3年3月31日までの間、都道府県及び市町村において、地域又は成人施設への移行の最大限の努力を継続することとなるが、同日までにそれでもなお、移行が困難な者が想定される。(令和2年7月時点の未移行者446人)
  • 一方、こうした移行が困難な者の受け入れ先調整や今後とも毎年18歳以上に達する障害者の移行を図っていく必要があることから、現入所施設だけでなく、都道府県や市町村、移行先となりうる成人施設等の関係者団体等との連携による、移行調整の枠組みが必要。
  • 移行が困難な者は、強度行動障害など受け皿が十分でない専門的ケアを必要とする者も多いこと、当該者の希望・状況によっては現入所施設に隣接した地域での受け入れが望ましいこと等から新たにグループホーム等の移行先を整備する必要があるケースもあると考えられる。こうした点も含め、移行先の調整・受け皿整備の有効な方策を丁寧に整理し、円滑な移行を進めていくことが必要。
  • こうした状況を踏まえ、新たな移行調整の枠組み等を議論する「障害児の新たな移行調整の枠組みに向けた実務者会議」を厚生労働省で開催し、令和3年夏までを目途に結論を得ることとしている。

【経過的施設入所支援サービス費等について】

  • また、現入所者が移行先が決まらないまま退所を迫られることのないようにするため、現在、障害児入所施設に入所中の者に対しては、一定期間(※)、特例的に「経過的施設入所支援サービス費」及び「経過的生活介護サービス費」を支給する方向で、所要の法令改正(報酬告示等)を検討。
    (※)新たな移行調整の枠組み等の議論に要する期間を考慮し、令和2年度末段階で、いったん令和3年度末までを支給期間として法令改正を行う。その後、新たな移行調整の枠組みの結論を得る中で、最終的な支給期限を検討するが、施設整備等の準備に要する期間を考慮し、すべての対象者が円滑に移行可能となるよう必要な期間を設ける。

【令和3年度障害福祉サービス等報酬改定について】

  • 令和3年度障害福祉サービス等報酬改定においては、以下の見直しを行うこととしている。
    • 強度行動障害を有する者が地域移行のためにグループホームにおいて体験利用を行う場合に、強度行動障害支援者養成研修・行動援護従業者養成研修の修了者を配置しているグループホームについては報酬上の評価を行う。
    • 施設入所の際や退所して地域へ移行する際に家庭や地域と連携した支援を専門に行うソーシャルワーカーを専任で配置した場合、報酬上の評価を行う。
    • 退所後を見据えた早い段階からの支援を促進するため、自活訓練加算の算定要件の見直しを行う。

障害者の就労支援について

障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス

就労移行支援事業(規則第6条の9)

通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、

  1. 生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、
  2. 求職活動に関する支援、
  3. その適性に応じた職場の開拓、
  4. 就職後における職場への定着のために必要な相談

等の支援を行う。(標準利用期間:2年)
※ 必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新可能

就労継続支援A型事業(規則第6条の10第1項)

通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行う。
(利用期間:制限なし)

就労継続支援B型事業(規則第6条の10第2項)

通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う。
(利用期間:制限なし)

就労定着支援事業(規則第6条の10)

就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練の利用を経て、通常の事業所に新たに雇用され、就労移行支援等の職場定着の義務・努力義務である6月を経過した者に対して、就労の継続を図るために、障害者を雇用した事業所、障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整、障害者が雇用されることに伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言その他の必要な支援を行う。
(利用期間:3年)

一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)

  • 就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者数は、毎年増加しており、令和元年では初めて2万人を超える数の障害者が一般企業へ就職を実現した。
  • また、サービス利用終了者に占める一般就労への移行者の割合(移行率)を見ると、就労移行支援の移行率は5割を超え、徐々に上昇しているものの、就労継続支援A型やB型では横ばいや低下傾向にある。

就労継続支援事業所における平均賃金・工賃月額の推移

  • 就労継続支援A型事業所の平均賃金月額は、平成26年度までは減少傾向であったが、近年は増加傾向。
  • 就労継続支援B型事業所の平均工賃月額は、平成20年度以降、毎年増加(H18→R1 33.9%増)。

就労継続支援A型における生産活動の経営改善状況(令和2年3月末時点)

  • 生産活動の経営状況を把握した3,223事業所のうち、指定基準第192条第2項(※1)の要件を満たせていない事業所は1,907事業所(59.2%:1,907/3,223)
  • このうち、昨年度も同様に指定基準を満たせていなかった事業所は1、534事業所(80.4%:1,534/1,907)

障害者優先調達推進法に基づく国等の取組

  • 国等は、障害者優先調達推進法に基づき、毎年度、次の取組により、障害者就労支援施設等からの物品等の調達を推進。
    1. 調達目標を含む毎年度の調達方針を策定し、公表
    2. 調達方針に基づき、物品等の調達を行い、年度終了後、調達実績を公表

「障害者就労支援の更なる充実・強化に向けた主な課題と今後の検討の方向性」(中間取りまとめ)

第1 基本的な現状認識と今後の検討の方向性

1 障害者就労支援施策の沿革

  • 平成18年に、「就労支援」を柱のひとつとした障害者自立支援法(現・障害者総合支援法) が施行されて以降、以下の体系で就労支援を展開。
    • 雇用施策:雇用率制度と納付金制度を基軸に、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターが支援を提供
    • 福祉施策:就労系障害福祉サービスとして、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、就労定着支援(平成30年4月から新設)を提供
  • 両者ともに時勢に応じた制度改正を経て、近年、障害者雇用は着実に進展し、同様に「福祉から雇用」への流れも進展。

2 基本的な現状認識

  • 双方に進展している障害者の就労支援であるが、その一方で、昨今、雇用・福祉施策の双方で整理・解決していくべき課題等も顕在化。
【雇用施策と福祉施策の制度が縦割りになっていること等による課題】
  • 就労能力や適性を客観的に評価し、可視化していく手法等が確立されていないため、支援の利用に当たっての判断が現場に任せられている実態。
  • 医療面や生活面の支援が必要な重度障害者等についても就労支援ニーズが増大する中で、障害者就労を支える人材その他資源が質・量ともに限定的。
  • 「制度の谷間」が生じ、十分な対応が出来ていない部分がある一方で、支援施策間の役割関係の不明確さや支援内容の重複感の指摘もある。
【就労支援ニーズの増大に対応する必要が生じてきた課題】
  • 障害者について、これまで就職や職場定着に重点が置かれてきたところ、中長期的なキャリア形成のニーズが増大。
  • 在宅就労・テレワーク・短時間勤務や雇用以外の働き方等の多様な働き方のニーズが増大。
  • 技術革新の進展や新型コロナの影響によりオンラインの就労支援やテレワーク等のニーズが増大。ウィズ・ポストコロナ時代には就労の可能性も拡大。
【現行制度が抱えている課題】
<雇用施策に内在している課題>
  • 障害者雇用の進展による納付金財政の逼迫、大企業や就労継続支援A型事業所等への障害者雇用調整金の上限のない支給等の課題の指摘。
  • 雇用率制度における対象障害者の範囲や在宅就業障害者支援制度等について、福祉施策との連携を進めながら検討する必要。
<福祉施策に内在している課題>
  • 就労移行支援について、一般就労への移行実績が未だ低調な事業所が一定数存在。
  • 就労継続支援A型について、最低賃金を支払えるだけの収益をあげられる生産活動が行われておらず、経営改善が必要な事業所が全体の約7割。
  • 就労継続支援B型について、利用者の障害特性や利用ニーズが多様化している実態があり、工賃向上の取組に馴染まない利用者も増えているとの指摘。

3 今後の検討の方向性

  • 雇用・福祉施策の両者の一体的展開を推進し、効果的で、切れ目ない専門的支援体制を構築。
  • 両者が一丸となった就労支援に係る専門人材の育成・確保を推進するとともに、障害者本人や企業等からの新たな支援ニーズに対応。
  • 雇用・福祉施策双方において現行制度が抱えている課題についても、その在り方を再確認・再整理し、解消を目指して検討。

第2 障害者の就労支援に関する当面の方向性

1 効果的で、切れ目のない専門的支援体制の構築

(1)共通のプラットフォームとして利活用できる評価の仕組みの創設等
  •  就労能力や適性の評価の仕組みの創設や一人一人の就労に向けた支援計画(就労支援プラン)の共有化を検討。
(2)就労支援人材の育成・確保
  • 専門的な支援人材について、雇用・福祉施策を跨がる統一的なカリキュラムの作成や共通の人材育成の仕組みを構築する等を検討。
  • 各就労支援機関の役割の明確化等を図りながら、障害者就労に携わる専門的な支援人材の役割等を整理。
(3)通勤や職場等における支援の充実等
  • 令和2年10月から実施する雇用施策と福祉施策の連携による新たな取組の実施状況等を踏まえながら検討。
  • 就労定着支援事業や障害者就業・生活支援センター、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援について、それぞれの役割分担を明確化。

2.技術革新や環境変化を踏まえた多様な就労支援ニーズへの対応

(1)就労支援人材の育成・確保
(2)多様な就労支援ニーズへの対応
  • 障害者雇用において業務創出・改善やテレワークの促進を図るとともに、就労支援の現場においてもテレワーク等による在宅就労も想定した支援策を検討。
  • 多様なニーズに即した在職者の訓練やオンラインによる訓練を含め、人材開発施策とも連携しながら、今後の対応策を検討。
  • 短時間雇用や雇用関係以外の働き方など、多様な働き方への対応も検討。

3.雇用・福祉施策双方において現行制度が抱えている課題への対応

(1)障害者雇用促進制度の在り方等の見直し
  • 障害者雇用率・納付金制度における就労継続支援A型事業所の取扱いを検討。
  • 障害者雇用率制度の対象障害者の範囲について、精神通院医療の自立支援医療受給者証や指定難病の医療受給者証の交付者等、障害者手帳を所持していない者に関する取扱いの検討を進めるとともに、1(1)の検討内容を踏まえ、その利活用も視野に、引き続き検討。
  • 職業リハビリテーション機関(ハローワークや地域障害者職業センター等)について、福祉施策との連携を更に進めていく中で、その役割や在り方を再確認。
(2)就労系障害福祉サービスの見直し
  • 現行の制度下で展開されている支援の枠組みの再編も視野に、就労系障害福祉サービスの在り方を再確認し、目の前の課題解決に向けた対策を検討。
  • 雇用施策との連携にとどまらず、教育・医療などの関連施策との連携や、人材開発施策との関係なども踏まえ検討。

第3 今後について

  • 今後、障害当事者や労使を含む雇用・福祉施策双方の関係者を交え、さらに詳細な検討を行う必要。
  • 人材開発施策や教育などの関連分野との連携や財源の問題なども含め、様々な観点から検討を深めていくことが重要。新しい在り方を考えていくことも必要。

「雇用施策担当である職業安定局(障害者雇用分科会)」と「福祉施策担当である障害保健福祉部(障害者部会)」による合同検討会の立ち上げ

-エビデンス全般, 公衆衛生学

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